約束

(第1話)

 

 


 

 

 

アメリカにあるレースサーキット場、ここに碇シンジはいた。

 

「ヘイ!シンジ!」

 

「なに、ベイ?」

 

何かと思いバイクの整備をしているベイに話しに答えるシンジ。

 

「日本から手紙が来てるぜ。」

 

「え、誰から?」

 

シンジは顔をしかめた日本には知り合いはいないはずだった。

 

「え〜っと、ゲンドウ・イカリって人からだ。ってイカリ??ってまさか。」

 

シンジのバイクの整備を担当しているベイは同じイカリの名前を持つ少年を見てどういった顔

をしていいかどうかっといった顔をしていた。

 

「それ、多分僕のオヤジからです。」

 

そういって顔をしかめながらベイから手紙を受け取り。

そしてしばらく手紙の内容を見ているとゴミ箱の前に歩いていった。

 

”グシャグシャ”

 

そしてクシャクシャにした手紙をそのままゴミ箱へ捨ててしまった。

 

「おいおい、いいのか父親からの手紙だろ?」

 

「10年以上もほったからした奴なんて父だと思っていませんよ。

 それに手紙には”コイ ”の一言だけでしたしね。」

 

 シンジは僅かだが寂しそうに言い放った。

 

「マ、マジか?」

 

と呆れ顔をするベイ。

 

「さて!こんな不愉快な手紙のことなんて忘れて練習練習!!世界グランプリも近いしね!!」

 

「そうだな、それにしても12歳で大学をでた奴がバイクレースの今や注目の的とはな・・・・・」

 

「そんな顔をすることないじゃないですか、大学なんて面白くなかったですしね。周りの人は嫌な顔ばかりしていましたし。」

 

「まぁ、嫉妬もするだろう、博士号までっとったら」

 

苦笑しながら答えるベイ。

 

「あれは勉強をしてたら勝手に取れちゃったんですよ。それに僕にとっては博士号より

 バイクレースのライセンスのほうが価値がありますよ。」

 

「ハッハッハ、嬉しいこと言ってくれるじゃないか!博士号よりライセンスのほうが大切なんて。」

 

「さ、無駄話はここまでにして練習しますよ!」

 

「イエッサー!!エースどの!!」

 

碇シンジ、12歳で大学を卒業し博士号までも取り学会から注目を集めていたにもかかわらずバイクのレースにのめりこみ

わずか2年の間でレース業界に旋風を巻き起こし注目を集めている少年であった。

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わってここは新第3新東京都市にあるネルフ本部

ここの司令室にあいかわらずファーカーフェイスをとりながら部下の報告を聞いていた。

 

「サードチルドレン・碇シンジはアメリカから日本へ来るつもりはないようです。」

 

部下からの一通り報告を終えると退出した。

 

「シンジめ・・・・・・・」

 

いつも感情を表へ出さない司令が珍しくも僅かだが声を震わせた。

 

「碇、まずいぞ。」

 

「わかっている。このままではシナリオに支障が出る。」

 

「だがシンジ君の気持ちもわかるぞ碇。」

 

冬月はゲンドウがシンジに送った手紙の内容を知り呆れ顔をしていた。

 

「しかたあるまい、アメリカ支部へ連絡して強制召還するしかあるまい。」

 

「いいのか、碇。」

 

「シンジがこなければシナリオは始まらん。」

 

「そうだな・・・・・」

 

 

冬月は改めてこの男はシンジを自分の息子としては見ていないということを認識した。

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカバイクレース場

 

 

「シンジ!!絶好調だな!またタイム更新だぜ!!!」

 

ベイがあふれんばかりの笑顔でコースから戻ってきたシンジを迎えた。

 

「いやマシンの調子がよかっただけだよ。なんせベイがチューンナップしたマシンだからね。」

 

「謙遜はよせよ、お前さんの腕は一流なんだからよ。」

 

二人がお互いの譲り合いのような会話を終えると。

 

「「プッハハハハ!!」」

 

「まぁ、この調子でいけば世界グランプリはいただきだな!」

 

「まぁ、僕は自分の力をぶつけるだけさ。」

 

「相変わらずだなぁ〜、おまえさんは、まぁ、そこがお前さんのいいところなんだがな。」

 

二人の会話が終わると黒のスーツに包んだ男4人が入ってきた。

 

「シンジ・イカリだな。」

 

黒服の一人がしゃべり出した。

 

「なんですかあなた達は。」

 

シンジは黒服の男達に危険な匂いを感じていた。

 

「日本のゲンドウ・イカリから召還の手紙がきたはずだが。」

 

「十年以上子供をほったらかしにした父親なのに、よかこした手紙

 にただ”こい”だけ書く父親の言うことを聞くと思いますか?」

 

男達は一瞬手紙のないように呆れた顔をしたが、

 

「気の毒だと思うが君を日本へ強制送還をする。」

 

それまで何事かと傍観していたベイがその言葉を聞き

 

「おい!なにふざけたこと言ってんだよ!こっちは世界グランプリ

 が近づいているのにふざけたことをいってるんじゃねぇ!!」

 

ベイが初めて見せる激情にシンジが驚いた顔を見せる。

 

「君には関係のないことだ、それにこれはアメリカ政府から出ている命令だ。」

 

黒男がそういうと、さすがのベイも口を閉ざした。

 

「はぁ、どうやらオヤジの差し金みたいですね、わかりました。」

 

「そう言ってくれればこちらとしてもありがたい、こちらも手荒な真似はしたくはないのでな。」

 

「ベイ、少しの間待っていてくれないかな?僕は必ず戻ってくるから。」

 

シンジがそういうとベイは沈んでいた顔から”まかせとけ!”っという明るい顔にかわった。

 

「それじゃぁ案内お願いできますか?」

 

「それではついてきてくれたまえ。」

 

「わかりました。それじゃぁさっさと日本へいってオヤジを殴りに行きますか。」

 

シンジがそういうと黒服の男は驚きの顔に変わりベイは苦笑した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第3新東京都市

 

 

ネルフ本部にあるヘリポートに葛城ミサトは不機嫌な顔をして、ある人物を来るのをまっていた。

 

「あぁ〜!一体いつになったらくるのよぉ〜!!!!」

 

ネルフ作戦本部長である葛城ミサトは1時間待ちぼうけを食らっていた。

 

 

「それにしても、これから来るサードチルドレンって本当に司令の子供なんですかね〜」

 

葛城の部下である日向が資料を片手にそういうと。

 

「まぁねぇ〜、確かに似てないわよねぇ、かわいい顔してるし。」

 

日向が苦笑していると、突然遠くから爆発音が聞こえた。

 

”総員第一種警戒体制!、繰り返す総員第一種警戒体制!”

 

第3新東京都市に警報が鳴り響く。

 

「ゲッ使徒?」

 

「葛城さん、どうします!!」

 

日向が慌てふためいていると

 

「落ち着きなさい日向くん、私達はまずサードチルドレン確保が最優先よ!」

 

「すいません・・・・」

 

「とりあえず貴方は発令所へ行って準備を進めておきなさい!」

 

「わかりました」

 

葛城が日向を落ち着かせ的確な指示を与えると丁度ヘリが到着した。

 

「うわぁ〜!、なんだあの遠くに見える化け物は!!」

 

シンジはヘリから降りると遠くに見る使徒に驚きの顔をしていた。まぁ無理はないだろう。

 

「碇シンジ君ね、はじめまして私は葛城ミサトよ。」

 

「あ、遅れてすいません。碇シンジです。(悪い人じゃなさそうだな。)」

 

「そ、そう(礼儀正しい子ね、本当に司令の息子なのかしら?)」

 

「あのぅ、父さんはいないんですね。」

 

シンジは回りにゲンドウの姿がないのに気づきミサトに訪ねた。

とりあえずシンジはゲンドウと話し合いさっさとアメリカに戻してもらう

つもりで来たので、こんなところに何時までもいるつもりはなかったのだ。

 

「まぁ、とりあえず付いてきてくれないかしら。」

 

「わかりました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネルフ発令所

 

 

 

「使徒か・・・・・・・」

 

 

「ああ、間違いあるまい・・・・・」

 

 

発令所にあるスクリーンにUN軍がたいした効果を上げずに撤退を開始しているのが映っていた。

 

 

「司令、サードチルドレンが到着したようです。」

 

発令所にいる一人がそういうと。

 

 

「冬月、あとはたのむ」

 

 

 

「わかった(10年ぶりの再会か・・・・)」

 

 

 その言葉を聞いた男は発令所から消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくしてヘリポートからネルフ本部についたミサト達はお約束がごとく迷っていた。

 

「ミサトさん、ここさっき通りましたよ。」

 

「あははは、こっちだと思ったんだけどねぇ〜」

 

「迷ったんですね。」

 

「う、そっそりわ(やっぱり日向くんにいてもらうべきだったわ)」

 

ミサトが冷汗だらだらにかきながら必死に誤魔化そうとする。

 

そのときエレベーターから金髪の白衣をきた女性が現れた。

 

「呆れた、また迷ってたのね。」

 

「ゴミン、リツコ!まだ慣れてなくてさ。」

 

ミサトが顔の前に手を合わせて謝る。

 

「その子がサードチルドレンね。はじめまして碇シンジ博士。

 私はネルフ本部技術部担当の赤木リツコよ。」

 

「!!!!!!!えぇ〜!!ちょっとシンジ君が博士って??」少しうろたえるミサト

 

「本当ですよって何で知ってるんですか?」

 

「貴方は自分で思っている以上に有名ってことよ、わずか12歳で大学卒業、その半年後に工科学の博士号をとったんだから、

 それに14歳でアメリカのバイクレース界に旋風を巻き起こしたのだから本当に天才って陳腐に聞こえるわね。」

(なぜかうっとりな表情をしながら話すリツコ)

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」驚きの表情で声もでないミサト

 

「まぁ、でも大学や博士号なんて僕にとっては価値なんてありませんよ。僕にとって価値のあるのは後者のほうですから。」

(さらっと爆弾を投下するシンジ)

 

科学者として、それを聞いてムッとするリツコ。

長年友人をしてきたミサトがそれに危機感を感じた。

 

「あ!それよりゲージに行きましょう時間がないんだから。」

 

冷や汗をかきながら話をそらす。

 

「そ、そうね。それじゃ行きましょう。」

 

「いくわよシンジ君。」

 

「(僕は父さんに会いにきただけなのに大変なことになってきたなァ〜)」

 

心で愚痴をこぼしながら後についていくシンジ君。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初号機ゲージ

 

 

「真っ暗ですね。」

 

シンジは周りが見えないためあたりを見回す。

そして突然突然すべての証明が点灯する。

 

そしてそこには紫の色をした巨人がいた。

 

「かっ顔??ロボット??」

 

しかし、その言葉をリツコが否定する。

 

「違うわ、人の作り出した究極の汎用決戦兵器。人造人間エヴァンゲリオン。その初号機よ」

 

「一体いくらかかってるんですかこんなのに。」

 

シンジはなぜか父親から呼ばれた理由がわかってきた。

 

「・・・まぁ、国の1つや2つは傾くほどの予算はかかってるかしら。」

 

シンジの言葉にまたしてもムッっとしながら答えるリツコ。

 

「はぁ、そんな金があるなら少しはアメリカの経済救済に回してほしいですね。」

 

アメリカはセカンドインパクトの影響から脱っしえず不経済で失業者が溢れいたのだ。

 

「しかたないのよシンジくん・・・なんせ人類の存亡をかけているんだから。」

 

「父さんの仕事ですか・・・・・・」

 

「そうだ」ゲージに低い声が響き渡る。

 

初号機の上にある部屋から見下ろすようにある人影。

 

「久しぶりだね父さん・・・・」

 

「久しぶりだなシンジ」

 

シンジは自分をアメリカから無理やり強制召還した父親を見上げていた。

 

「出撃・・・・・・・・・」

 

「出撃!?零号機は凍結中でしょ?・・・・・・・・・・・・まさか、初号機を使うつもりなの?」

 

「他に道は無いわ」

 

「ちょっと!レイはまだ動かせないでしょ。パイロットがいないわよ」

 

(やっぱりシンジ君を乗せるつもりなのね・・・・)ミサトは心の奥で考えていた自分の想像を否定したかった。

 

黙って二人の会話を聞いていたシンジが口を開いた。

 

「僕でしょう・・・・」

 

「え!?・・・・・・・・」ハッとするミサト。

 

「僕にこれに乗ってさっきの奴と戦え、そう言いたいんでしょう?父さん」

 

「そうだ」

 

「だろうね、僕が到着した日に突然の化け物襲来なんて都合がよすぎるもんね。」

 

「ねぇ僕が乗らなかったらどうなるの?」

 

「人類が滅びるだけだ。」

 

ゲンドウの感情のない声がゲージに響く。

 

「突拍子だね、まぁいいさ、でも条件があるよ。」

 

「条件だと・・・」

 

「これを飲まないと人類が滅びようと僕はこれに乗らないよ。」

 

ゲンドウはすこし考えるように沈黙すると

 

「いいだろう言ってみろ。」

 

「その言葉わすれないでよ。」

 

シンジは少し微笑みながらゲンドウを見た。

 

「なに条件は簡単さ。

 

 第1 親権を放棄して碇の性から六分儀にすること

 第2 僕がこれに乗るのは今回1回だけにすること

 第3 今回のが終われば僕をアメリカに返すこと

 第4 ネルフ、国連からの干渉は一切やめること

 第5 今回のパイロットとしての仕事として100万ドル支払うこと

 第6 後で思いっきり父さんを殴らせること。

 

 

 異常だよ。」

 

 「まぁ、最後の条件は10年以上僕をほっといたにも関わらず無理やり僕をこんな場所に連れてきた罰だとおもってよ。」

シンジは微笑みながらそういった。

 

ミサトは呆れかえっていた。

(なんなのこの条件はだいたい!第5、6の条件はなんなのよ!!それに10年以上もって本当に連絡もしなかったの司令は・・・・・・)

まぁミサトが思うのもあたりまえであろう。

 

 

リツコは驚愕の表情でシンジをみていた。

(これが14歳の子供がだす条件?)

それもそうである、シンジが出した条件を飲めば悪くすればシナリオが破綻する。

ゲンドウのシナリオにとってシンジは絶対に必要な存在なのだから。

 

ゲンドウは悩んだ、リツコが考えているようなこともあるが、なにより自分に碇の性を捨てろと言っているのだ。

妻であるユイが初号機にとりこまれてからゲンドウはこの碇の性をユイとの絆としてきたのだから。

 

 

「沈黙は拒否ととるよ。」

 

シンジがそういって初号機の前から離れゲージから出ようとする。

 

 

 

そのときゲージに激しい振動が襲った。

 

 

「司令!!迷っている暇はありません!ひとまず条件を飲んでシンジくんにネルフにとどまってもらうかは

 後ほどに説得するべきかと思われます!」

 

ミサトはこの事態に迷っている暇はないと判断した。

 

そういったミサトの進言に

 

「うむ・・・・・・シンジひとまず条件は飲むが後で司令室にこい。」

 

ゲンドウはそういうと姿をけした。

 

「それじゃぁシンジくん、こちらへ来てくれないかしら。」

 

リツコがそういって初号機の起動が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

発令所

 

 

 

今、シンジはエヴァの中にいる。

 

正確にはエントリープラグのシートに座っている。

 

「いい?シンジ君。リツコからだいたいの説明は聞いたわね。これから起動させるわ」

 

「わかりました。こちらでする事は?」

 

「とりあえず、今は何も無いわ。起動するまでそのまま待っていて」

 

そうリツコが答える。

 

「わかりました」

 

 

 

「思考形態は、日本語を基礎原則としてフィックス。・・・・・・・初期コンタクト、全て問題なし!」

 

「双方向回線、開きます・・・・・・シンクロ率 10、20、30、・・・・・・・そ、そんな!?」

 

「どうしたのマヤ」

 

リツコがモニターを見ると驚愕の表情に変わった。

 

「シ、シンクロ率89%!」

 

マヤが悲鳴に近い声で報告する。

 

「ハーモニクス全て問題ありません!!」

 

 

「そんな!ありえないわ!はじめてて80%強なんて!!!」

 

リツコが信じられないという顔でモニターに写っているシンジくんを見る。

 

それもそうである、小さいころからEVAの訓練を受けたセカンドチルドレンでさへ最高シンクロ率は60%弱なのだ、

それを初めての搭乗でシンジあっさりとシンクロ率の記録を塗り替えたのだ。

 

「EVA初号機起動します!!」

 

 

それまで1度も開いたことがない初号機の目が輝いた。

 

『グルワァァァァーーーーーー!!』

 

 

「しょ、初号機、顎部ジョイント破損しました・・・・・・・・・」

 

「ぼ、暴走・・・・」

 

ミサトがこの初号機の咆哮にそういう。

 

 

「い、いえ初号機、シンクロ率ハーモニクス全て正常です。完全にパイロットの制御下にあります!」

 

 

 

 

「まさか、これほどとはな・・・・・」

 

「ああ・・・・・」

 

ゲンドウは珍しく驚きの表情をする。

 

 

 

 

「シンジくん、何か異常はない?」

 

ミサトは初号機の異様な咆哮にシンジに確認する。

 

「いえ、別にありませんけど・・・・・」

 

「けど?」

 

「なにか、暖かい感じがしてすごく落ち着きます。」

 

「そ、そう」

 

ミサトはシンジの落ち着き様に一応安心したのか次の射出について確認する。

 

「いい、シンジくん今からEVAを地上の使徒の前に向けて射出するわ!気をつけてね。」

 

「わかりました、ミサトさん。」

 

「それからシンジ君」

 

「何ですか?」

 

「死なないでね。」

 

「僕にはまだ大切なことがあるので死ねませんよ。」

 

「そうね。(大切なことって何かしら・・・)」

 

シンジの返事に苦笑しながら微笑み返し射出準備に取り掛かる。

 

 

 

 

 

 

「いいわよ。発進準備お願い。」

 

 「了解。」

 

 リツコがミサトに振り向き、告げる。ここからはミサトの指揮だ。

 

 「エヴァンゲリオン初号機!発進準備!」

 

 ミサトの号令が発令所に響く。それまでシンジの異様なシンクロ率や初号気の咆哮に呆然としていた職員達が、我に返ったように動き出す。

 

 「第一ロックボルト外せ。」

 

 「アンビリカルブリッジ、移動開始。」

 

 「第2ロックボルト外せ。」

 

 「第1拘束具を除去。確認。」

 

 「同じく第二拘束具を除去。」

 

 「1番から15番までの安全装置を解除。」

 

 「内部用電源充電完了。確認。」

 

 「電源用コンセント異常なし。」

 

 「進路クリア。オールグリーン。」

 

 「発進準備完了しました。」

 

 「了解。」

 

 ミサトが報告を受け取る。異常な事態が起こったが、準備は整った。

 

 「かまいませんね?」

 

 「無論だ。使徒を倒さぬ限り、我々の未来はない。」

 

 ゲンドウの言葉を受け、発令所のモニターに視線を移す。

 

 

 

「EVA初号機発信!!」

 

ミサトの指示で初号機が地上へと射出される。

 

地上まで一気に出たEVAの前に使徒が対峙する。

 

 

 

 

「シンジくん、まずは歩くことを考えて」

 

ミサトがシンジに指示する。

 

「そんな暇はありません。さっさと倒します!」

 

そういって地面を蹴り飛び上がり使徒の距離を詰める。

 

「くらえ!!」

 

初号機の拳が使徒の顔らしき部分をとらえる。

 

”ガゴォ!”

 

EVAの攻撃を受け吹っ飛ばされる使徒。

 

 

 

 

発令所の皆は絶句していた。

 

 

「な、なんで訓練もしていないシンジくんがあんな動きができるの?」

 

「合気道2段、空手3段、柔道2段、ついでにアメリカの全米ジュニア空手大会、柔道大会3連覇よ彼・・・・・・・」

 

「う、うそ・・・・・・・・」

 

「あなたちゃんと報告書読んだの・・・・・・・・・?」

 

ミサトとリツコは今日何度目かわからない呆然としていた。

 

 

 

 

 

 

 

「このぉ!」

 

シンジの攻撃は続いていた。

そしてシンジが使徒に体当たりしようとしたとき。

 

 

”ガギィ”

 

初号機の体当たりは使徒からの発せられた壁によって遮られた。

 

 

 

 

 

「A,ATフィールド・・・・」

 

 リツコがつぶやくように言う

 

「ATフィールドがあるがぎり使徒には接触できないわ」

 

さっきまで防戦一方だった使徒が反撃を開始する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「く、くそ!なんだよ!あの壁は!」

 

そうシンジが言った時、使徒から放たれた槍が初号機の頭部に命中した。

 

 

「ぎゃぁーーーー!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「シ、シンジくん!!」

 

 

「シンクロ率低下していきます!」

 

「パイロット意識不明!!」

 

「だ、駄目ですEVA初号機停止します!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”こ、ここはどこ・・・・・・・”

 

シンジはまるで水の中を漂っているような感じのする世界にいた。

 

”一体どうしたんだろう・・・・・・”

 

 

 

 

「シンジ!!さっさとついてきなさいよ!このばかシンジ!!」

 

どこからともなく声が聞こえてくる。

 

「ちょっと待ってよアスカァ〜」

 

”この光景は・・・・”

 

 

「うるさい!いいから、あんたは私の言うことを聞いていればいいのよ!」

 

「うぅ〜だってアスカが走るの速過ぎるんだよ」

 

「あんたが遅いのよ!」

 

そこには歳は7〜8歳くらいだろうか、小さな黒髪の男のこと青い目と少し赤い髪の毛をした女の子が写っていた。

 

 

 

 

 

「ふぇ〜〜ん、どうして行っちゃうのよぉ〜シンジ〜」

 

「アスカ、僕だって僕だってアスカのそばに居たいよ」

 

「ウソよ!私のことお嫁さんにしてくれるって言ったくせに!」

 

 

 

 

 

”そうだ・・・・・・・・・アスカだ僕はアスカを守るために色んな事を学んだんだ・・・・・・

 だから・・・・”

 

 

 

 

 

「かならずよ!かならず迎えにきてよ!シンジ!」

 

「うん、絶対に迎えにいくよアスカ、今度あうときはもっと強くなって逢いにいくよ!」

 

「約束よ!約束だからね!シンジィ〜!!!」

 

 

 

 

”そうだ・・・・・・僕はこんなところで死ぬわけにはいかない!・・・・・・アスカを迎えにいかなきゃ!!”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

発令所

 

 

「しょ、初号機再起動!!」

 

「そんな、暴走!!」

 

「い、いえ!シンクロ率回復していきます!60、70、80・・・・シンクロ率98%!!」(マヤ)

 

「そ、そんなあのシンクロ率からまだ上がるなんて・・・・・・・・」(ミサト)

 

「あ、ありえないわ・・・・98%なんて理論限界値よ!」(リツコ)

 

「パイロット通信回復!」(日向)

 

「つ、繋いでちょうだい!!」

 

ミサトがそういうとモニターにシンジの姿が映し出された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シ、シンジくん!!」

 

「ミサトさん・・・僕はどれくらい気絶してたんですか?」

 

「え、10秒くらいよ」

 

突然の質問に慌てるミサト。

 

「そうですか・・・・・久しぶりに見たな、あの夢・・・・。」

 

「えっ」

 

「いえ、なんでもありません。それじゃ攻撃します!!」

 

シンジが顔を引き締めそう言うと

 

「ちょ、ちょっとシンジくん!!」

 

 

再び動き始めた初号機に使徒は止めをさそうと槍を突き出した。

 

 

”ガギィン”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「初号機からATフィールド発生を確認!」

 

「使徒のATフィールド中和・・いえ!消滅していきます!!」

 

マヤと青葉が悲鳴の報告をする。

 

「そんな!中和じゃなく消滅なんて!!」(ミサト)

 

「MIGIによるATフィールドの計測は使徒の4倍弱です!」

 

そこに止めとばかりか日向の報告に一同は口を閉ざした。

 

 

「そんな・・・初の搭乗でシンクロ率だけでなくATフィールドまで操るなんて・・・・・・・・・」

 

リツコは信じられない事実を突きつけられモニターを見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、厄介だった槍はもう気をつける必要はない・・・・終わらせる!!」

 

 

初号機のATフィールドが使徒を包んでいく。

 

「はぁ!!!」

 

シンジが気合を入れるように力を込めると使徒を包んでいたATフィールドが眩い光を放ち

爆発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「し、使徒殲滅を確認・・・・・・・」(日向)

 

「第一種警戒体制を解除!!シンジ君聞いているでしょ!本部へ戻ってきて!」

 

発令所の皆は緊張が解けたのか、改めてモニターに写る初号機を見つめていた。

 

「信じられないわ、ATフィールドをあんなふうに応用するなんて・・・・・・・」

 

「リツコ、最後のあれはなんなの」

 

「詳しくはわからないけど、多分使徒を包んでいたATフィールドを圧縮して一気に開放したんだと思うわ。

 とにかく今はそれ以上の推測しかできないわ。」

 

二人はそういうとモニターに写っている射出口へ向かっていく初号機を見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネルフ本部室

 

 

「おい碇、まずいぞシンジ君の操る初号機は」

 

「・・・・・・・・」

 

「委員会が黙ってないな」

 

「・・・・問題ない、シンジはシナリオに必要不可欠だ。」

 

「だといいがな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初号機ゲージ

 

 

 

 

「はぁ、あの光景懐かしかったなぁ。」

 

懐かしむように天井を見上げる少年

 

「シンジくん、どうしたの?」

 

発令所から駆けつけたミサトはさっきとは打って変わった表情をする少年が気になったのか話し掛けた。

 

「いえ、ちょっとアスカって子のことを思い出していたんです。」

 

「アスカ!それってまさか」

 

「なんです、知ってるんですか?」

 

「いっいやぁ〜私の知っている女の子と一緒の名前だったからね、ちょっち重ね合わせちゃったのよ。で、どういう関係だったのその子とは?」

 

「え、好きでしたよ。わがままで、お転婆で、それなのに寂しがりやで、そんなとこが今でも・・・・・・・でも、僕が7年前アメリカに行くときに

”必ず迎えにいくから!”バカですよね相手が僕のこと覚えているわけじゃないのに・・・」

 

最初は顔を真っ赤にして答えるが最後の方になると寂しそうな顔になっていった。

 

「そんなことないと思うわよ好きなんだったら迎えに行けばいいじゃない!!きっとその子も待ってるわよ!・・・・で、そのこの名前はなんて言うの?」

 

本当はあれほどの戦闘能力を見せたシンジを手放したくはなかったのだが、やはりそこは葛城ミサト!好奇心&情には勝てずミサトが興味津々って感じで聞いてくる。

 

「惣流・アスカ・ラングレーっていうんです。」

 

「えっ!」(驚きのミサト)

 

「ねぇ、シンジくん、そのアスカって子どこに住んでるのかなぁ〜?」

 

ミサトはまさか!いえ同姓同名ってこともありえるわ!でも、さっき聞いた性格とかまったくと言っていいほど一致してるし・・・・

っという気持ちを押さえて聞いた。

 

「え、今はわかりませんが7年前はドイツに居ましたよ。」

 

「(こ、こりは間違いないわね、まさかシンジくんとアスカが知りあいだったなんて・・・・・・・・ん!まてよシンジ君がアスカのことを好きなんだったら迎えに行くよりネルフにとどまってもらって日本で迎えたほうが都合がいいじゃない!シンジくんをネルフに留める理由にはなるし!!よし!これでいこう!!)」

 

もともと優秀なミサトの頭がフル回転した。

 

「ミサトさん!ミサトさん!!」

 

「え、あ、何?シンジくん」

 

「さっきから呼びかけても反応がなかったんですよ。」

 

「あ、そうなの」(笑って誤魔化すミサト)

 

「どうしたんですか、さっきから」

 

「シンジくん、そのアスカって子、迎えに行かなくても待ってれば日本にくるわよ。」

 

「な、何でですか?」

 

「そのこ多分、ドイツ支部にあるEVA弐号機のパイロットよ。」

 

「えええええぇ〜!!!!!!!!」

 

(ふっふっふ、驚いてるわねぇ〜やっぱり子供よねぇ〜こんな顔するなんて。)

 

「で、どう?できればこのままネルフに留まってほしいんだけど。」

 

 

「・・・・・少し考えさせてください。」

 

「どっどうして!!」

 

「僕はアメリカでレーサーって聞いたでしょ。」

 

「ええ、聞いたわ。」

 

「向こうには一人仲間がいるんです。僕はその人に”すぐに帰ってくるよ”って言ったんです。

 スポンサーとかはともかくその人だけは裏切りたくないんです。」

 

「なるほど・・・・・」

 

「ねぇ、シンジくん。」

 

「なんですか?」

 

「たしかシンジくんが今度出るっていうレースって世界グランプリだったわよね?」

 

「そうですけど。」

 

話が見えないシンジ

 

「それって日本で行うってことになったらいいのよね?」

 

「そっそんなこと出来るんですか!」

 

「ふっふ〜ん、ネルフを甘く見ては駄目よん♪シンジくんが司令にここに残る条件に日本でレースを行うことを

 条件に出せばOKしてくれるとおもうわよん♪そうすればその仲間の人を日本に呼んでレースすればいいじゃない。」

 

「う〜ん」

 

「な、なんか問題あるの?」

 

「い、いえ問題というか日本にレース大会出来るほどのレース場なんてあったかなぁ〜って。」

 

「うっ!」

 

さすがにレースには疎いのそこまで考えていなかったミサト

 

「でも、まぁ一応その考え頂きますよ。それで駄目だったらアメリカにいってレースが終わった後に戻ってくればいいんですから。」

 

そういってゲージから出て行くシンジ

 

「それにしても、あのアスカがねぇ〜。」

 

っと考えこむミサト

 

「でも、確かにお似合いかもね♪」

 

そういってミサトも自分の仕事をするためにゲージを出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

司令室

 

 

「サードチルドレンをお連れしました。」

 

「入れ。」

 

シンジは病院で精密検査を受けた後、司令室に来ていた。

 

「何かよう?父さん。条件は飲むんでしょ。」

 

「そのことなんだが、シンジくん。出来ればこのままEVA乗ってくれないかね?」

 

冬月がゲンドウの変わりにシンジに頼む。

 

「そのことなんだけど、さっきミサトさんと話し合ったんだけどさ・・・・・・・」

 

「い、いいのかね!」

 

「話は最後まで聞いてよ、僕が今度バイクのレースに出る大会を日本で開催するんならしばらくの間だけならいいよ。」

 

「しばらくというと期間としては?」

 

「そうだねぇ〜1年くらいかな?」

 

「それでいい・・・・・・・レース場などはこちらで手配する。」

 

今まで黙っていたゲンドウが言う。

シンジはあまりにものあっけなさにいっさか拍子抜けしていた。

 

「それとシンジ・・・・・・・・・」

 

「なに父さん」

 

「親権の事だが・・・・・・・」

 

ゲンドウがそういうとシンジの顔が変わった。

 

「ふざけるな!!10年以上ほったらかしにしておいて!いきなりあんな化け物と戦わせておいて母さんにどのツラさげるつもりなんだよ!!」

 

いままでネルフにきて我慢していた怒りが一気に噴出した。

 

「・・・・・・・・・・・」

 

ゲンドウは何も言えない確かにシンジを危険な目に合わせてユイが良い顔するわけはないのだ。

 

「どうしてもかね・・・・・シンジくん・・・・・」

 

冬月が口をはさむ。

 

「・・・・・・・・どうしてもっていうんならこれから言う条件を飲めばいいよ。」

 

「なんだ・・・・シンジ・・・」

 

今まで少し期待にこもった顔をする。

 

「ドイツにいるアスカっていうセカンドチルドレンを日本にこさせてほしい。」

 

「わかった、早急に手配して1月以内にこさせよう・・・・・・・・・」

 

「それだけだよ・・・・・・・・あ、それとパイロットを続けるんなら給料+化け物1匹あたり100万ドル貰うからね。それと僕の行動の干渉とか監視やガードは駄目だよ。もし、監視とかが発覚した場合は即パイロットをやめるからね。」

 

「シンジくん、それはちょっと額が多すぎないかね。それにチルドレンになるからには危険が・・・・・」

 

「いや、それでいい。ごくろうだったシンジもう下がっていい・・・・・・・」

 

ゲンドウがそういうとシンジは部屋から退出していく。

 

「いいのか碇、報酬のことはともかく監視は必要だろ。それにセカンドチルドレンの召還も少し速すぎるぞ。」

 

「シナリオを少し変更するだけだ、それに近いうちに日本に来てもらわねばいかんからな・・・・・・・」

 

ゲンドウはそういうと冬月はため息を吐いた。

 

”はぁ、しかし碇、シンジ君の操る初号機の力は予想以上だ。シナリオにはあるまい、もしシンジ君が敵になったら誰にもとめることは出来まい。”

 

冬月は心のなかで毒ついた。

 

 

 

 

「一人暮らしってどういうことなのシンジくん」

 

シンジは父親との話が終わると今後のすむ場所のことでミサトともめていた。

 

「だって、アメリカでも一人暮らししていましたし、それに・・・・・・」

 

「それに??」

 

「多分、僕の荷物はミサトさんの家には入りきれませんよ。」

 

「荷物ってそんなになかったじゃない。」

 

「そりゃあ2〜3日で帰るつもりでしたので、その分の着替えとかしか持ってきてませんからね。」

 

「私の家だって広いわよ、なんたって士官の官舎だから結構部屋とかは開いてるわよ。」

 

「ミサトさん、僕が博士ってこと忘れていません?資料の本とかの数は膨大な数に上りますし、バイクとかも取り寄せますからその整備するためのガレージも必要ですから。」

 

「うぅ・・・」

 

そこまで言われては何も言えないミサト。

 

「まぁ、そんな訳で僕は一人で暮らします。」

 

「わ、わかったわよ・・・・・」

 

もうここまで言われてはさすがのミサトも引き下がるしかなくシンジの一人暮らしが決まった。

 

「あ、言い忘れていたけどシンジくん。」

 

「なんですか?」

 

「明日からは学校へ行ってもらうわよん♪」

 

「え、なんでですか?」

 

それもそうである。シンジはもうすでに大学を卒業している上、博士号まで取っているのだ。

 

「シンジくん、学校は勉強するだけのところじゃないわよ。あなた今まで大学やらレースやらで同じ年の友達いないでしょ!」

 

「はぁ、まぁ・・・・」

 

たしかにシンジは大学等で同年代の友人はいない。

 

「だ・か・ら、こっちの学校にでもいって、たまには友達でもつくって骨休みでもしなさい。バイクの練習するにはまだ準備が整っていないことだし♪」

 

調子を取り戻したミサトが正論で攻め立てた。

 

「うっ・・・・・・わかりました。」

 

さすがのシンジもミサトの言うことには逃れるいいわけがみいだせず白旗を上げるしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「君の要求した条件を照らし合わせたところ、この家があてはまった。」

 

家はシンジが要求したのは1階はガレージになっている3階建ての一軒家だった。

 

「ええ、ここでいいです。結構気に入りましたよ。」

 

「必要な荷物などはすでに運び込んである。」

 

「へぇ、手際がいいんですね。」

 

っとシンジがそういうと手に妙な機械を手にして家に入っていった。

そしてしばらくたって。

 

「父さんに伝えてください。今度こんな真似をしたら即アメリカに帰ると。」

 

シンジの抱えている腕には盗聴器と監視カメラであった。

 

「わ、わかりました・・・・・・・・」

 

黒服の男は見つかるとは思っていなかったのか汗を大量にかきながらその場を去っていった。

 

「ふぅ、さて今日はいろいろあって疲れたしもう寝るかな。」

 

そう言い終わり家に入っていった。

 

「へぇ、さっきは気がつかなかったけど結構広いなぁ、これだけ広ければアメリカから全部荷物を持ってきても大丈夫だな。」

 

シンジは家の広さに関心するとベットの方へ歩いていく。

 

「あ、そうだベンに連絡しなきゃ。」

 

”ピポパポパ”

 

「あ、ベン!」

 

『おう!シンジか』

 

「うん、・・・・・・・・・・・・・」

 

それからシンジ達はたわいのない世間話をし時間を過ぎるのを忘れ楽しんだ。

 

そして・・・・・・・

 

「実はさベン、当分の間アメリカに帰れそうにないんだ・・・・・」

 

『なに!!それじゃぁ大会はどうするんだ!こっちはもうその準備はおわってるんだぞ!!』

 

ベンはシンジの話を聞き、怒りをあらわにした。

 

「落ち着いてよベン、実はさ僕のオヤジが裏に手を回して日本でレースを開くことにしてくれたんだ。」

 

『なに!本当か!いや〜よかった。こっちはマスコミやらバイクレーサーやらがシンジが姿を消したことで殺気だってよ〜、もし、おまえさん大会にでなかったらブーイングじゃすまなかったぜ。』

 

「あはは・・・・・・・・・・」(苦笑するシンジ)

 

『それにしても、おまえの父親って結構な大物みたいだな。』

 

ベンが真剣な声にかわり切り出した。

 

「うん、なんかそうみたいだね。詳しいことはベンに話せないけど、結構大物みたいだよ。」

 

『ふ〜ん、まぁ俺はシンジのオヤジさんが何だろうとかまわないけどな。』

 

「まぁね、そういうことだから。しばらくの間こっちい住むことになったからさ、僕の家にある荷物を全部こっちに送ってくれない?」

 

『なに!全部をか!!』

 

さすがのベンも驚きの声を上げる。一度シンジの家に行ったときは声も上げられないほどの大量の機材やらでごった返していたのだ。

 

「頼むよベン〜」

 

『うぅ〜、大変な仕事を押しつけやがって・・・・・』

 

シンジの懇願を聞き入れないわけにもいかずベンは頼みを聞き入れた。

 

『はぁ、3日くらいは徹夜だな・・・・・・』

 

「ははは、まぁ、そう言わないでよ。こっちにベンが来たときには何か奢るからさ。」

 

『わかったよ、絶対にだぞ!』

 

「できればお手柔らかにね。それじゃ!」

 

『おう!じゃぁな!』

 

そういって電話を切る。

 

「はぁ、ベンには荷物のこと頼んだけど荷物が全部届くのは最低でも2週間はかかるだろなぁ〜、明日にでもバイクだけでも買いにいくかな。」

 

そういってベットのほうへ歩きだす。

 

「はぁ、それにしても本当に今日は疲れたなぁ〜・・・・・・・学校か、まぁたまにはいいかな。」

 

そういって布団に潜り込み眠りこみ。

 

「アスカ・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 


 

いや〜、初めましてNOBUといいます!!どうでしたでしょうか!

 

EVAのSSを読み出して結構たちましが気に入るストーリーがあまりなく気に入ったやつも更新がストップしていたり更新がなかなか行われていない!っという状況でしたので。

よし!一度自分でも書いてみよう!!っというのが動機です。

 

まぁ、なにぶん生まれて初めてかく小説なので誤字などがあるでしょうが、できれば感想をお願いします〜!!!!!

 

追伸:もう気づいていらっしゃるでしょうが、この小説はシンジ&アスカのラブラブなLASストーリーです。(途中かなしい所も出す予定ですがまだ未定です。)


NOBUさんの初投稿にして、初連載作品、「約束」の第1話でした!!!NOBUさん、ご投稿ありがとうございます!いやぁー、後書きにもありましたが、NOBUさんのSSに対する熱き思いと意気込みはホント素晴らしい!この方こそ、平成の世に現れたLAS界の切り込み隊長の名にふさわしいでしょう!(笑)

ではでは、早速ご拝見♪
ををを!原作基準のオリジナルストーリーなのですね!中でも特筆すべきは、シンジ君の設定!
わずか12歳で大学卒業、その半年後に工科学の博士号取得、更には4歳でアメリカのバイクレース界に旋風を巻き起こした天才少年。合気道2段、空手3段、柔道2段、ついでにアメリカの全米ジュニア空手大会、柔道大会3連覇(一体何者!?)。加えて性格もクールで冷静と、まさに完璧!非の打ち所がありません!!!更にはその天才ぶりをさらりと謙遜するのですから、リツコがムカッと来るのも無理ないかも(笑)。しかもエヴァの搭乗条件と引き替えに出したゲンドウへの申し立てがこれまたすんごい(^^;)。第1から第6まである中でも、特に1、5、6は大笑いしてしまいました(笑)。親権破棄から始まって、ギャラ100万ドルに、ワンパンでシメという、不倶戴天の下克上。ひええええ、末恐ろしやシンジ君(^^;)。

>ミサトは呆れかえっていた。
>(なんなのこの条件はだいたい!第5、6の条件はなんなのよ!!)
>リツコは驚愕の表情でシンジをみていた。
>(これが14歳の子供がだす条件?)
ここは大笑いでした!あまりのシンジの子供離れした条件に唖然とするミサトとリツコの顔が目に浮かびますよ(笑)。
>「沈黙は拒否ととるよ。」
まさに無常なる切れ味抜群の突っ込み!(笑)。にしても、シンジ君ホントに14か!?(爆笑)

そして中盤の使徒戦。読み始めた当初の頃は、もの凄いシンジの設定に驚かされましたが、回想場面でそれは全て、「アスカを守る」という理由から来ていたのですね。なるほどなるほど、シンジがここまで成長したのも、アスカへの愛の成し得たコトなのですね(^^)。

次回からはアスカが登場の模様ですし、今後アスカがどうストーリーに絡んでくるかがとっても楽しみです!シリアスな展開も盛り込まれると言われていますし、果たして二人の今後は!?ネルフの未来は!?乞うご期待!!!

ご覧になった皆様も、是非とも是非とも、NOBUさんにご感想を送りましょう!たった一言の感想が、このような素晴らしい名作を生み出す大きな力になるのです。皆様、なにとぞ、ご感想をよろしくお願いします!m(_ _)m

 私達に名作を提供して下さった、NOBUさんへのご感想はこちらか、掲示板へ!
是非ともお願いします!m(_ _)m

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