約束
(第5話)
第三新東京からすこしはなれた倉庫街。すでに日は暮れ回りは暗くなっている。
「ここだったかな?」
シンジは手にもった手書きの地図を片手に目的地らしき倉庫の前に立っていた。
「ヘロー!!シンジ!!」
「あ!ベン久しぶり。」
「ハッハッハ!元気そうでなによりだな。」
「まぁねぇ〜、で、例のものは準備できてる?」
シンジの言葉にベンはしかめっ面をする。
「ああ、準備は出来てるぜ。まったく・・・・・あれをお前から持ってきてくれって言われたときはどうしようかと思ったぜ。まぁ、アメリカ政府が協力してくれたからいいものを・・・・・・・・・」
「ははは(^^;;;)まぁ、手をまわすところはちゃんと手を回しておいたからね。ネルフにも感ずかれていないはずだよ。」
シンジはベンの疲れた顔をみながら苦笑する。
「まぁ、とにかく入れよって、この倉庫はお前名義で借りてるからお前のもんか。」
そういうと二人は倉庫の中に入っていく。
「調子のほうはどうだい?アーク。」
『モンダイアリマセン、マスター』
シンジの言葉に何もない空間から画面がでてくる。
シンジ達の前には巨大なコンピューターがたたずんでいる。
スーパーコンピューター「アーク」
シンジがもてる知識のすべてをもちいて作った人工知能を有したスーパーコンピューター。性能(処理速度)はネルフの誇る3機で構成されているコンピューターMAGIには劣るものの、そのうちの1機の性能では上回るコンピューターである。しかも自分で考え判断する能力はMAGIを遥かに上回るため、時間さえかければMAGIをものっとることも可能なコンピューターである。
(ちなみにアメリカがシンジを欲しがる理由がこれである。)
「さっそくだけど、この髪の毛を調べてくれるかい?」
シンジはハンカチに包んだ髪の毛をとりだす。
「お、なんだよその青い髪の毛は?」
「うん、EVAのパイロット、ファーストチルドレンの綾波レイっていう女の子の髪の毛なんだ。」
「どうしてそんなもん調べるんだ?」
ベンは怪訝な顔をする。
「ん?まぁ・・・・ちょっと気になることがあってね。まぁ、僕の取り越し苦労だと思うんだけどね。」
「で、どれくらいかかるかな?アーク」
『4ジカンホド。』
「そんなに時間がかかるのか、まだ本調子じゃないね。」
「あたりまえだろ〜、アメリカから持ってきてまだ取り付けてないパーツもあるんだからな。」
「まぁいいや、とりあえず調べといて。」
シンジはそういうとコンピューターに備え付けられている機械に髪の毛を入れる。
「あ、それとバレないようにネルフのコンピューターに潜り込んどいて。」
「おいおい、結構ヤバイことするな。」
「使徒を倒すための組織っていってるけど、でも何かそれだけじゃないような気がしてならないんだよ。」
「お前がそういった時って十中八苦当たってるからな。」
ベンは腕を組みながら考え込む。
「まぁ、そういうことだからアーク頼んだよ。」
『リョウカイシマシタ。』
「それじゃ、ベンここの守りは頼んだよ。」
「はぁ、まったくお前から頼まれることって、ろくなことがないよな本当に。」
「そんなこと言わないでよ。ここの場所がネルフにバレたらただじゃすまないんだから。」
「わかったよ。シンジ」
「それじゃ、また明日の朝くるよ。」
「わかった。」
ベンの疲れた顔を見ながらシンジは倉庫から出て行く。
キーンコーンカーンコーン
「シーンジ!!一緒にお昼食べよ!!」
アスカはそういうとシンジの腕を組む。
「ア、 アスカちょっと引っ付きすぎだよ。」
シンジはアスカが腕を組んできたのに顔を真っ赤に染める。
「別にいいじゃない。」
「そんなこと言ったって・・・・・・・」
シンジは言葉を切り周りを見る。
「フッフーン、見せ付けてやればいいのよ!」
「はぁ〜。」
アスカが学校にきてから二人の中は学校中に知れ渡り公認になっているものの、クラスからは二人にむかって男子女子の嫉妬の視線がチクチクとつく。
「まったく、あいかわらずやな〜あいつらは。」
「しかたないわよ。何年も離れ離れになって、やっとこの前再会したんだから。」
「うぅ、なんであいつに彼女がいて俺にはいないんだ。」
「まっ!それはそうやな。長年待ちに待った恋人同士やしの〜って!!。」
トウジのその無用な発言にクラス全員の怒りの視線を浴びる。
「バカなやつ・・・・・・・・」(ケンスケ)
「ほんとう・・・・・・・」(ヒカリ)
「ほんと、あんたって料理が上手よねぇ〜。」
「そんなことないよ。これくらいアスカだって練習すればこれくらい作れるよ。」
「じゃぁ、今度教えてよ。」
「いいよ。今度一緒に作ろう。」
シンジはそういうと後ろのほうに視線を向ける。そこには青い髪をし真っ赤な瞳を持つ女の子がいた。
「(綾波レイ・・・・・・・・)」
シンジは朝のことを思い出す。
「おう!シンジきたか。」
「で、どうだったのベン?」
「真っ黒さ、まったくお前さんの勘はホントよく当たるよな〜。」
「そう、アーク調査結果を教えて。」
『イエス、マスター』
シンジの言葉にアークは反応すると次々と髪の毛の調査結果が出てくる。
「・・・・・・・・・・・!!!」
無言で画面を見詰めていたシンジは急に驚きの表情に固まる。
「驚いたろう〜、まっ!俺もこの結果を見たときはわが目を疑ったけどな。」
「たしかにね・・・・・・・」
シンジは画面を見るのをやめていすに腰をかける。
「片方の遺伝子はお前の母親である碇ユイだからな〜、お前の妹にあたるわけだ。」
「で、もう片方のほうはどうなの?」
シンジの言葉にベン両手を上げてため息を漏らす。
「それがさ〜っぱり、今まで見たこともない遺伝子さ、まぁ人間の遺伝子じゃないな。」
『モウシワケアリマセン、ワタシモコノヨウナイデンシハハジメテデス。』
シンジは椅子に腰をかけたまま俯き何か考える。
「生まれながらにこんな人間は絶対にいない・・・・・・・・・それじゃぁ、綾波レイは作られた人ってことだね。」
「そういうことになるな。それにしてもネルフって組織は何を考えてるんだ?」
「それは、まだわからないよ。」
「で、アメリカには報告するのか?」
「そんなことはしないよ。いくら作られた人だからっていっても僕の妹になるわけだしね。」
ベンはシンジの言葉にうれしそうな顔をする。
「やっぱりシンジならそういうと思ったぜ!!確かにアメリカに知らせたらこの子がどんな目にあうかわからないからな。」
「あ、そういえば、ネルフへのハッキングのほうはどうなってるの?」
「おう、まだ深くには潜り込めないが興味ぶかいのが見つかったぜ。」
「それじゃ、アーク見せてくれる?」
『イエス、マスター』
シンジの周りには何もない空間から画面が次々と開いていく。
「・・・・・・・・・・へぇ〜、ネルフのバック何かの組織がついているみたいだね。」
「ああ、組織名は“ゼーレ”っていうらしい。それも世界規模の組織だ。」
ベンは真剣な顔をして画面を見つめる。
「アメリカはこの存在には気がついているの?」
「いや、存在には気づいているだろうが、ネルフのバックについていることは知らないはずだ。」
「そう・・・・・なんかヤバそうな組織だね。一応アメリカにこの事を知らせておいてくれるかな?」
「わかった・・・・・・そのほうがいざっていう時に動きやすいからな。」
「そういうこと。」
「(綾波の片方の遺伝子は母さんのだったけど、もう片方はまったく解析不能、それにネルフのバックにはゼーレって組織までついてるし、あのヒゲ親父何をかんがえてるんだ。)」
「コラ!!!シンジどこみてんのよ!」
「ア、 アスカ」
「ファーストを見てたでしょう・・・・・・・・」
アスカは目を三角に吊り上げてシンジを睨む。
「はははは(^^;;;;;;;)そんなことないよ。」
「どうだか!ひょっとして前のこと思い出してたんじゃないの?」
「アスカ〜前にも言ったじゃないかぁ〜、綾波は異性とは見てないって。」
「フン!!どうだか!」
シンジは思う。
「(綾波レイ、ネルフ、ゼーレ・・・・・・危ない橋を渡ることになりそうだな。こんなことにアスカを巻き込むわけにはいかない。絶対に!!!!)」
シンジはアスカをなだめながら胸に硬い決意をしながらこれからのことを考える。
あとがき
すんません、実は親父と大喧嘩をして家を飛び出していたのでパソコンに触る機会がなかったのでSSを書く時間がなかったんです!!!!!
しかも!!家を飛び出していた間、学校を休んでいたのでその間課題の山々・・・・・・・おかげで未済のてんこもりになってしまたったんです。未済は期限以内にださないとペナルティで1つにつきレポートを書かなくてはならなかったので徹夜徹夜(;;)
未済の消化がや〜っとこの前おわって夏休みに入ったのでようやく第5話が完成したわけです。
一応この夏休みにはあと2〜4本くらいは書くつもりなのでそれで許してください。(^^;;;;;
じゃ!!!!!
当サイト初のLAS’Sを書かれるNOBUさん待望の連載、「約束」第5話でしたっ!
今回から登場となる、スーパーコンピューター「アーク」。
レイの髪の毛を解析したりと、これからの展開において重要な一端を担いそうですね。
まだ本調子じゃないようだけど、時間さえあればMAGIをも乗っ取れるなんて、シンジ君その気になれば世界征服なんかお茶の子サイサイ!?
でもでも、そんな無敵のシンジも、やっぱりアスカには頭が上がらない。
女の尻に敷かれるのは、碇毛の血統であり、伝統でもあるワケです(笑)。
そしてそして、ついに明かされたレイの秘密と、世界を裏で操る秘密組織ゼーレの存在。
強力な助っ人ベンを仲間に、シンジはどう動くのか!?
新しい物語は始まったばかり。まだまだ山はありそうですね。
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