。o ○ Tears ○ o 。




ユニゾン訓練。 碇くんと弐号機パイロットの。 そのための同居。 任務だから。 でも、なぜ? 胸が、痛い...。 とても、苦しい。 ...壊れたの? 私...。



今日は、私も参加。 葛城1尉の命令。 ただの任務。 そのはずなのに。 胸の奥が、暖かい。 脈拍が、いつもより10%速い。 やっぱり、おかしい。 私、どうしたの? でも、悪い気分じゃない。 不思議...。



弐号機パイロット、先走りすぎ。 碇くんが、合わせられない。 怒りだす、弐号機パイロット。 次は私。 葛城1尉の命令。 ヘッドフォンを着ける。



音楽、スタート。 感じる。 碇くんの鼓動。 碇くんの動き。 大丈夫。 合わせられる。 完璧に、揃う。 これは何? 大した運動じゃない。 なのに、体が、熱い...。 このまま、ひとつになりたい。 碇くんと...。
この感覚、いったい、何...?





泣き出した、弐号機パイロット。 なぜ泣いてるの? 駆けだす。 部屋から、出て行く。





 「追いかけて!」



怒りだす女子。 記憶にある。 そう、クラス委員長。



 「女の子泣かせたのよ! 責任とりなさいよ!!」



ヘッドフォンを、へし折る。 なぜ、碇くんを怒るの? 私の碇くんは、悪くないのに。





...私の? なぜ? なぜ、そんなこと思うの? 分からない...。 私、どうかしてる...。



言われるままに、弐号機パイロットを追う碇くん。 見送る私。 胸が、苦しい...。 胸元を押さえる。



不意に、目の前が霞む。 熱いものが、頬をつたう。 初めての感覚。 イヤな、感覚...。 胸元で組んだ手に、熱い雫が落ちた...。



 「な...あ、綾波が、泣いとる?!」



 「初めて見た...」



 「クァ...」



 「ホント...レイが泣くなんて...」



 「あ、綾波さん?! どうしたの? ま、まさか綾波さん、碇くんのこと...?!」



 「イインチョ、女が女泣かせたらどないなるんや?」



 「しっ、知らないわよっ!」




そんな言葉も、耳に入らない...。 私、泣いてるの? ...なぜ、泣いてるの...?







.....こんなシーンがあの時点であったら...随分、話の展開が変わっていたような...(逝)。 う〜ん(^^;。






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