・・・…… Reason ……・・・




みなさん、こんにちは! Junchoonです。 【SS】REASONをお届けします。



以前投稿したSS、 「そして、未来へ...」のエピローグの、 「その後の1コマ」になります。
「Ring」の方とは繋がりませんが、 「Mother」とは同じ時間軸になりますね(^^;;;;;。





某所(爆)での初出時期としてはこちらの方が随分先なんですが、 諸事情により後回しとなってしまいました(汗)。




それでは、 短いですけど、 読んでみて下さい(^^)。






夕方。 夕食の準備に余念のないユイとレイ。 遺伝子は99.89%同一人物。
当然、コンビネーションも完璧。 最初は戸惑いぎみだったレイも、最近はすっかり手慣れてきた。
シンジに美味しいものを食べさせてあげたい。 喜ぶ顔が見たい。
その想いが、家事を「無駄」と切り捨てていた少女を、一転して家事の達人に変えた。
育ちの違いで好みは少々違っても、天性は99.89%同じだから。 ユイにできる事は、訓練しだいでレイにもできる。
恐るべし、天才の血



今日ゲンドウは帰れない当番だから、アスカも来ない。 3人だけの食卓。
いつものように、レイは自分で作ったハンバーグに箸をつけようとしない。
仕上げの時、フライ返しで感触を見て、ソースの味を確かめただけ。
それでも絶妙の味と焼き具合なのは、ユイのレシピ。 何より、愛情



「...ねぇ、綾...レイは、どうして肉、食べないの?」



ユイに軽く睨まれて言い直すシンジ。 なかなか抜けない癖。



「そうねぇ。 料理するのは平気なのに。 そのハンバーグだって、レイちゃんが
 作ったのよ」



「え? そうなの?」



「そうよ(^^)。 ...ね、レイちゃん、どうして?」



「.....肉、嫌いだから...。 でも.....シンジくんは、好きでしょ?」



「それは以前聞いたよね。 でも...どうして嫌いなの? こんなに美味しいのに」



「それは.....。 この血と肉の塊に縛られる私を...どうしても、思い出して
 しまうから.....」



「な...!」



自分を抱きしめるように、視線を落とすレイに叫びかけるシンジ。 それを優しく制して。 あくまでも、穏やかに。



「ねぇ、レイちゃん。 ...今でも、そう思ってる?」



一瞬きょとん、として、シンジに視線を投げ、首を振るレイ。



「そう...。 味や匂いで気持ち悪くなったり、体に合わなかったり、という事でも
 ないわよね?」



こくん、と頷くアルビノ美少女。



「やっぱり。 私が大丈夫なんだから、純粋にメンタルな問題よね。 なら、
 もう食べられない理由はないわね」



対応に困って何も言えないレイに。



「ね、レイちゃん。 一人の『女』としての立場でよ。 ...シンジという
 『男性』は、好き?」



ぽっ、と頬を染め、小さくなってしまうレイ。 こくりと頷く。



「...愛してるのね?」



今度ははっきりと顔を上げて。



「うん.....」



きっぱりと頷いて、シンジに極上の微笑みを向ける。 シンジ、真っ赤に茹であがって轟沈。



「じゃ、これからは少しずつでも、好き嫌いは無くしていかないとね。 でないと...」



ちょいちょい、と手招きをする。 レイの耳元に唇を寄せて、そっと囁く。
途端に。 レイは首筋までに染まって。 不安げに問う。



「..........そうなの..........?」



「そうよ(^^)。 ま、先は長いんだし、すぐにとは言わないけど...少しずつ、
 治していかないとね。 私なんてほら、普段はともかく、いざ必要となったら
 何でも食べられるわよ(^^)。 ...使徒だって食べたんだもの。
 もっとも...あのときはEvaだったけどね(^^;」



どさくさ紛れに息子を抱きしめる。 碇ユイ、27歳、スキンシップに飢えていた。 Evaだった11年は計算に入らないのがヲ・や・く・そ・く♪。



「ちょ、ちょっと、母さん! ...恥ずかしいよぉ...(^^;;;;;」



「あらぁ、いいじゃない(^^)。 他人がいる訳じゃなし、3回も産んだんだもの(^^)。
 抱きしめるくらい、いいじゃない♪ それとも、私にだっこされてるよりレイちゃん
 と抱きあってた方がいい?(^_-)」



「もう...母さん...何言ってるんだよぉ...(*-_-*)



ちょっとふくれるシンジ。 3人の、平和な時が、流れる...。






さて。 いかがでしたか? レイが肉嫌いな理由の、 私なりの邪推です。
ちょっと、分かりにくいかも(^^;。 でも、 それもさる事ながら、 「この世界」での「その後の日常」を書きたかった、 というのが執筆時点の本音です。
...と書くと不自然な感じですが、 現実として、 インターネット上での公開は「Mother」の方が先になったという事情でご理解願います。




作中、 ユイちゃんがレイちゃんの耳元で何を囁いたのか。 実は、 とっても古典的な一言だったりします(^-^;。 でも男には何の効果もありませんね(爆)。



それでは、また!(^^)/~




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