【新世界エヴァンゲリオン】

 

『………くん、………かりくん、………碇くん』

それは懐かしい声。

そうこの声は…

「…シンジくん」

「あ、はい加持さん」

一声で起きるシンジ。

「えらく寝起きがいいんだな?」

僅かに驚きを浮かべる加持。

「…優しく起こしてくれたんです」

…誰が、が抜けているぞシンジくん。優しく、なら葛城やアスカじゃないだろうが。ま、それはさておき…

「ま、いい。それより…」

「始まったんですね?」

察しのいいシンジが先に言う。

「ああ。葛城が盛大に花火を上げてるようだ」

にやりと笑う加持。

「ミサトさんらしいですね」

こちらは微笑むシンジ。

「まったくだ。さて、こっちも急ぐとしよう」

加持が操縦桿を倒すと二人を乗せたF−16は護衛機にエスコートされて雲間に消えていった。

 

 

【第弐拾壱話 雷鳴】

 

<発令所>

「使徒確認の事実はなし!全ての分析結果及び以後確認されるあらゆる使徒に関する情報を記録より抹消!!」

ミサトの命令に一瞬静止する発令所。

…使徒確認の事実無し!?

時間を取り戻させたのはリツコの叱咤だった。

「何をしているの!?急いで!!」

「は、はい!」

慌てて作業に移るオペレータ達。

『………よろしいんですか、葛城一佐?』

カヲルはいつもと同じ笑顔ではなく、無表情で言った。

その間も敵エヴァの攻撃は続いているが伍号機とアスカには手を出せずにいる。

「ATフィールド出力依然増加中!」

ミサトもまた冷静な表情を崩さずスクリーンのカヲルを真正面から見据える。

「最後の使徒は死んだわ…シンジくんの手によってね。

 私たちが今やるべきことは敵エヴァンゲリオンの殲滅。それ以外のなにものでもないわ。

 …たまたまフィフスチルドレンが強力なATフィールドを展開してるみたいだけど気にするほどのことじゃないわね」

『…僕を信用なさるんですか?僕はリリンを滅ぼそうとしているのかも知れませんよ』

「私もそこまでお人好しじゃないわよ。もちろんあなたを疑っているわ。

 …でもね、シンジくんはあなたを信用しているの。だから私もあなたを信用する」

『………』

沈黙するカヲル。

リツコも発令所の面々もミサトの言葉を静かに聞いている。

「シンジくんはあなたが本当に人類の敵ならあなたを殺すわ。…どんなにつらくて哀しくてもそうするって私にはわかってるの。

 サードインパクトの後、私たちが生きているのも、こうして戦争ごっごなんかやっていられるのも全部シンジくんのおかげ。だから…だから私はシンジくんに全てを託せるの。なんか文句ある?」

オペレータたちは感極まってミサトを見ている。

リツコは微笑んだ。

最後の一言“なんか文句ある?”はカヲルに対する言葉ではなく、この場にいる全員、ネルフ全体、さらには全人類に向けられた言葉だとわかっていたから。

 

…そして渚カヲルはいつもの様に微笑みを浮かべた。

『ご命令をどうぞ』

「八号機はそのままディフェンス。なんとか敵を押さえ込んで。六号機はアスカを本部へ急いで運んで」

『了解』

承諾を告げるとカヲルの映像が消えた。

 

「ちょっと何やってんのよ!?」

アスカの怒鳴り声は六号機の中のトウジまで届いた。

「え、あー」

「ぐずぐずしてないでさっさとアタシを運びなさいよ!!」

「せ、せやかて…」

トウジの脳は衝撃的な情報を消化しきれず何をどうしていいのかわからないでいた。

「じれったいわね!!」

アスカはいらいらと足踏みするが、残っていたフィードバックの痛みに顔をしかめる。

そんな二人にカヲルの言葉が届く。

「鈴原君、早く彼女を運んでくれないかい?そんなに長い時間くいとめる自信はないよ」

モニターに映る変貌したカヲルの容貌に戸惑うトウジ。

「渚…お前」

「あーもう!!さっきのミサトの言ったこと聞いてなかったの!?シンジはあいつを信じてのんよ!それで十分でしょバカ鈴原!!」

いつもの剣幕で怒鳴るアスカを見て何かつかえていたものがすっととれたような気がするトウジ。

「せやな。…渚、ちょっとの間頼んだで!!」

「了解だよ」

カヲルはこともなげに返した。

エヴァ3体を背にその微笑みは揺るぎもしない。

アスカを手に走り去る六号機を見送る。

「………本当に好意に値するね、君たちは」

そう呟いてから敵エヴァに向き直る。

赤い瞳が更に輝きを増した。

「フィールド全開!!」

 

 

<発令所>

「…リツコ」

戦況は再び停滞した。しばらくは持ちこたえるだろう。ミサトは小声でリツコに相談する。内容は無論カヲルのことだ。

「なぜ彼の容貌は変化したのかしら?しかも波長パターンも変化するなんて…」

「確かにわざわざ自分は使徒ですよってアピールして警戒させる必要はないわね」

リツコもうなずく。

「確証がなかったから言わないでおいたんだけど、前にアスカがさらわれて助けに行ったときがあったでしょ?あのときシンジくんとアスカを狙った銃弾をATフィールドが弾いたの」

リツコがぴくりと眉を動かす。

「そのとき彼は?」

「かなり離れた所にいたわ。こっちは郊外で彼は街の中。でも確か貧血で倒れたのよね…」

「…なるほどね」

得心がいったようにうなずくリツコ。

「どういうこと?」

「つまり彼は通常というか…先程までの姿でもATフィールドを張れるのよ。つまり人間の状態でね」

「人間がATフィールドを?」

「忘れたの?ATフィールドは誰もが持つ心の壁、他人と自分を分かつ境界線。言ってみれば私たちは誰しも常にATフィールドを張っているのよ」

「………」

「もちろんエヴァや使徒が張るATフィールドの強度は桁が違うわ。それはATフィールドを張るためのエネルギーの絶対値が違うから。使徒もエヴァもエネルギーをコアやS2機関から取り出しているけど、人間にはそんなものはないから体中からエネルギーを搾り取らなければならない。彼がほんの一瞬ATフィールドを張っただけで倒れたようにね」

「…ということは彼はより高出力のATフィールドを張る必要性に迫られ、そのために肉体を使徒と同じ構造に変化させた、というわけ?」

「八号機のS2機関だけでなく自らの体のS2機関からもエネルギーを絞り出すためにね」

…それはきっとシンジとの約束を守るため。

 

『大丈夫、最悪の場合でもアスカ君だけは君の元に返してみせるよ』

 

そのためなら自分の肉体を変容させることすら厭わない。

何が彼をそこまでさせるのだろう?

ミサトは視線を落として床を見つめた。

「…彼、また人間に戻れるかしら?」

「…正直、わからないとしか言えないわ」

「…そう」

 

『…なあ惣流』

「…何よ」

何を聞かれるかはわかっていたがアスカは尋ねた。

『…渚が使徒やと知っとったんか?』

「…だったら何?」

『…シンジが渚を…殺したっちゅうこともか?』

「…しぶとくのうのうと生きてんじゃない」

『………』

「しかも年中シンジにちょっかいかけて。シンジがちゃんと殺さないのがいけないのよね。次があったらアタシがしっかりとどめをさしてあげるわ」

物騒なことを言うアスカ。だがトウジは言葉の裏側に隠された真意を汲んでいた。

『…着いたで!』

 

「アスカが到着しました。現在、エレベータで降下中」

「六号機は?」

「八号機の支援に向かいました」

「そう…アスカに回線つながる?」

「はい」

『SOUND ONLY』

エレベータ内のため音声のみである。

「アスカ」

『お望み通り帰ってきたわよ。タダで帰す気じゃないでしょうね?』

「もちろんよ」

『…シンジの言ってた奥の手って奴を期待してるわよ』

「あらあらシンちゃんってばアスカにはなんでもばらしちゃうんだから」

アスカの脳裏ににやにや顔のミサトが浮かぶ。

「まあいいわ。あなたはそのまま七番ケイジへ向かって」

『七番?』

「そ、七番」

『………………それってまさか』

「そのまさか、よ」

 

<七番ケイジ>

かつての風景そのままに整備員達が走り回っている。

アスカはその光景に言葉がなかった。

発令所から降りてきたリツコが陣頭指揮を執っているらしい。

「リツコ…」

リツコが振り返る。アスカが到着したのを確認するとうなずいて指示を出す。

「停止信号プラグ排出!!」

『了解!停止信号プラグ排出!!』

答える整備員の声も作業を行う姿もどこか活き活きとしている。

真紅の巨人からゆっくりと十字架を形取った停止信号プラグが除去される。

「アスカ…いけるわね?」

リツコは定期試験でもするかの様に聞いた。

アスカは深く息を吸い胸を張る。

「………………当然!私は惣流アスカラングレーよ!!」

リツコは微笑んだ後で顔を引き締める。

「エヴァンゲリオン弐号機エントリー準備!!」

 

『エントリープラグ挿入』

02とナンバーの刻印されたエントリープラグが数年ぶりにあるべき場所へと格納されていく。

ガコン

『エントリープラグ挿入確認』

『LCL注水開始』

LCLが満たされていく。

温かい感覚が満ちていく。

…あぁ、これだ。私が弐号機で感じてエヴァシリーズで感じないもの。包み込まれる感じ

『LCL注水完了』

LCLの感触すらどこか心地いい。

『S2機関の起動を確認』

…S2機関?そういえばアンビリカルケーブルが無かったけど…そっか、だからシンジの七号機を…

『全回路動力伝達確認』

「了解。思考形態は日本語をベーシックに。全回線オープン。シンクロスタート」

『第2次コンタクトに入ります』

『A10神経接続異常なし』

『初期コンタクトすべて問題なし』

『双方向回線開きます』

『絶対境界線まであと2.8、2.7…』

…あぁママ、まだそこにいるのね

『絶対境界線突破』

…まだ私を見守ってくれているのね

『シンクロ率、105%!』

『パルス、ハーモニクス共に正常値』

「エヴァンゲリオン弐号機起動!!」

頭部装甲のスリットが開き、4つの瞳が鋭い光を放つ。

………行こう、ママ!

『ウオォォォォォォォーーーーーーン!!!』

エヴァ弐号機の咆吼がジオフロントを震わせた。

 

ドォーーーーーーーーン!!

ジオフロントの天井を突き破り赤い十字架の光が地表を照らした。

 

「な、なんや!?」

思わず立ち止まるトウジ。

 

「目覚めたようだね彼女が」

カヲルは微笑みを一層深めた。

 

「出るわよミサト!!」

光の余波で吹き飛んだ拘束具の残骸を押しのけリフトに向かって歩き出す弐号機。

ケイジはさんさんたる有様だ。

「…全く派手にやってくれるわねアスカ」

リツコは白衣から埃を払いながら呟く。

とはいえ顔は上機嫌である。

リツコの指示で避難していたため格納庫要員にもけが人はいない。

『ちょっと待ってアスカ。そこに餞別がおいてあるから持っていって』

「武器かなにか?ATフィールドがあるわよ?」

…そうママの弐号機なら、弐号機とアタシならどんな相手とでも戦える

だがミサトには何か考えがあるようだ。

『ちょっち、いいものよ』

そう言ってミサトはにんまりと笑った。

…こういう時のミサトってろくなこと考えてないのよね〜

仕方なく周囲を見回すアスカ。

「!?」

その目が驚愕に見開かれる。

「…これって!?」

『そ、オリジナルよ』

弐号機の足下に二股に分かれた槍が置かれていた。

…ロンギヌスの槍!?

サードインパクトに用いられ虚空に消えたそれが今なぜここにあるのか?

それはわからないがそれよりも至極もっともな意見がある。

「こんなものがあるなら最初から出しなさいよ!!」

思わず叫ぶアスカ。

『甘いわねアスカ』

ちっちっちと指を振るミサト。

「?」

『真打ちは一番最後に登場するものよ』

どっと脱力するアスカ。

「…あのね」

『そして真打ちは格好良く敵をやっつけなきゃいけないの』

「ま、それには賛成ね」

『二年前の分と今日の分、わかってるわね?傷つけられたプライドは…』

「『十倍にして返すのよ!!」』

はもって叫ぶミサトとアスカ。綺麗な顔にお互い笑みが浮かぶ。

「よっしゃあ!エヴァンゲリオン弐号機発進!!」

 

 

NEON WORLD EVANGELION

Episode21: WE ARE WINNER!! 

 

「大丈夫か渚!?」

「ああ少々疲れたけどね」

トウジはカヲルの側に辿り着くと同調してATフィールドを展開した。

先刻アスカの伍号機をしとめた技はどこへやら相手はひたすらATフィールドの押し合いをしている。

「しかしこりゃ埒があかんで」

「そろそろ相手も戦法を変えると思うよ」

「?どんな風にや?」

二人の前で3体のエヴァは両刃剣を抱え直した。

その形が変わっていく。

「…やはりロンギヌスの槍か」

「なんやそりゃ?」

…無知とは幸いなことだね

カヲルは自分の生命に深刻な危機が迫っていることを認識していた。

 

「敵エヴァ各機、ロンギヌスの槍投擲体勢!!」

「…まずいわね」

発令所に戻ってきた所で報告を聞くリツコ。

ミサトは槍を構えた敵エヴァを睨んでいる。

「アスカは?」

「弐号機は現在移動中です。到着まであと170秒」

ミサトは弐号機に通信を入れた。

「アスカ」

『何よ!こっちだって急いでるわよ!』

実際アスカはビルを飛び越え丘を越え懸命に弐号機を走らせていた。

だが、それでも間に合いそうにない。

…ちっ、あいつらだけじゃ!

槍に貫かれた記憶を思い出し苛立つアスカ。

そこへミサトの冷静な声が響く。

「後のことはいいわ。ATフィールド全開で突っ走って」

しばしミサトの指示をかみ砕くアスカ。

『………知らないわよ』

プツンと切れる通信。

「エヴァ弐号機加速!」

「………後処理が大変ね」

「それは上の人に任せましょう」

ミサトは微笑んだ。

弐号機はATフィールド全開で突っ走っていった。

その背後に瓦礫の山を残し、まさに走った後に道を作りながら疾走する。

 

「な、なんやこりゃ!?」

三本の槍はゆっくりとATフィールドを浸食していく。

二体でATフィールドを構成しそれにカヲル自身のATフィールドを上乗せしているからかろうじて受け止めているのだ。さもなくば槍が放たれた瞬間に二人は消滅していただろう。

「くっ、コピーとはいえさすがはロンギヌスの槍と言ったところか…」

…このままではいずれATフィールドを突破される。その前にATフィールドを攻撃に転じ一体だけでも仕留めて彼女の負担を減らすべきか?

「鈴原君…」

カヲルが口を開いたとき真紅の閃光が二人の間を通り抜けた。

 

「どおりゃぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!!」

拾参号機に体当たりする弐号機。そのまま左腕をふるい同時に放ったATフィールドが正面から拾参号機を直撃する。その威力は全力疾走の真っ最中進行方向に突然鋼鉄製の壁を立てられたようなものだ。

ゆっくりと倒れる拾参号機にすかさずロンギヌスの槍を突き立てるエヴァ弐号機。

チュドーーーーーーーーン!!

拾参号機の爆発に包まれる弐号機。

 

「エヴァ拾参号機沈黙!!!」

「…勝ったわね」

リツコが呟いた。

 

おさまる爆煙の中から姿を現す弐号機。

「いけない!」

襲いかかるる残り二機を見て叫ぶカヲル。

「こんのぉ!!」

弐号機は両腕を突き出しATフィールドを展開する。

バキィィィィン!!

突如生じた壁に弾き飛ばされる拾壱号機と拾弐号機。そのまま土煙を上げて仰向けに地面に倒れる。

「おぉーやりおる!」

「やれやれ…」

弐号機は続けて槍を振り下ろした。オリジナルのロンギヌスの槍がATフィールドの壁を半ば貫通しかけていたコピーの槍を打ち据えて進行方向を変える。結果的に上向きになった槍はそのまま上空に昇っていった。

アスカは回線を開くと二人に指示を出す。

「いい?鈴原はとにかく撃ちまくって弾幕を張って!別に効かなくたって足が止まれば十分よ!」

「おっしゃあまかしとき!」

六号機が地面に転がるパレットライフルを拾い上げ両手に構える。

「渚はあたしのATフィールドを強化して防御して!相手のフィールドの中和は必要ないわ!」

「了解したよ」

八号機がすっと後退する。

「さぁ!いくわよあんたたち!これで負けたらシンジに会わせる顔がないわ!」

腰だめにロンギヌスの槍を構える弐号機。その背後に六号機、八号機がつく。

「同感だね」

「まったくや」

「行くわよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

<発令所>

「…反応消失、目標を完全に殲滅しました」

「弐号機ならびに六号機、八号機。損傷軽微、問題ありません」

振り返ってミサトの指示を待つ青葉と日向。オペレータ達も同じようにミサトを見つめる。

最後にリツコが視線を向けた。

「現時点をもって本作戦の終了を宣言します!

 …みんなお疲れさま」

次の瞬間、発令所は割れんばかりの歓声に包まれた。

飛び上がって喜ぶ者、抱き合って泣く者などいろいろあったが、皆、本当の意味での最後の戦いが終わったことを、その喜びを分かち合っていた。

「アスカ、鈴原君、渚君、帰投して。伍号機の回収も忘れずにね」

マイクを引き寄せリツコが言った。

「「「了解」」」

主モニターに映し出された3人のチルドレンが笑顔で答えた。

「マヤ、総司令と副司令に作戦終了を連絡して」

「はい」

 

リツコはマイクを置くとミサトに話しかける。

「もっとも、とっくに知ってるでしょうけどね」

「………」

「どうしたの?今度こそ本当にあなたが勝ったのよ?」

「………」

「ミサト?」

ミサトの顔をのぞき込むリツコ。

「…ふぅぅぅ〜〜〜。あー怖かったぁ。たははははは…」

「ぷっ」

ほっとしたように笑いをもらすミサト。それを見てリツコも吹き出す。

「ははははははは」

「ふふふふふふふ」

二人はそのまま発令所の笑いの渦に加わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドサッ

男達は静かに床に横たわった

かろうじて息はあるようだ

各々武装していたようだが使う間もなかったようだ

周囲を探って他に気配がないか確認する

辺りにはただ静寂だけが満ちている

懐の通信機を確認する

相方の警告も無いところを見ると問題ないようだ

彼はきびすを返すと歩き出した。

 

カツン、カツン、カツ…

響いていたブーツの足音がいつの間にか絨毯に変わった床に吸い込まれる

ゆっくりとした歩調で奥に向かう

やがて前方に荘厳な造りの前時代的な大扉が見えてきた

扉の前で一度立ち止まる

少し逡巡してから扉に手を掛ける

ギィ………

わずかに音を立てて内側に扉が開かれていった

 

 

つづく

予告

ネルフは勝利した

それは何を意味するのか

いずこともしれぬ闇の中

シンジは全ての終わりを告げる

旧き時が終わり

新しき時代が到来する

次回、新世界エヴァンゲリオン

第弐拾弐話 黎明

 




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