夢と、現実と

 

・・・カタン・・・カタン、カタン・・・カタン、カタン・・・カタン、カタン・・・カタン、カタン・・・カタン、カタン・・・カタン、カタン・・・
 
 
 

−夢はどこにあるの?

それは現実の続き
 
 

夢に現われるのは全て現実の一部

人の神は人のかたち、

あるいは動物、

あるいは水、火、岩、太陽、目に見えない空、

あるいは”理解できないもの”として理解されるもの、

あるいはそれらの組み合わせ

みんな、現実に存在するもの
 
 

どんな超人も人は人

どんな怪物も生物は生物

どんな奇怪なものでも”目に相当するもの”や”耳にあたる器官”、”触手状の部分”、

そういった、人の言葉でしか説明はされないから

だからみんな、現実に存在するもの
 
 


体が無い状態なんて,体験するとは思わなかったよ。

立派に体が死んでたようなものだからね。

見えないはずの自分の背中や、人の影や、そんなものが全部いっぺんに見えた、感じられたんだ。

今はもう、普通の人だから、

それがどんな感じか説明することは出来ないけど。



 

心に存在しないものは、認識できない

だから夢は、現実の続き
 
 
 
 

−現実はどこにあるの?

それは夢の終わり
 
 

どんな未来もいつかは今に、

今はすぐにも過去へと移る

過去のものは存在したもの

それはすなわち、現実のもの
 
 


ねえ,昨日どんな夢見た?

−うーんとね,使徒って言う化け物が襲ってきてね,エヴァって言うロボットみたいなのに乗って戦うの。

子供みたいな夢だね。

−しょうがないじゃない。見たものは見たんだから。あたしにとっては現実のことよ。

僕には預かり知らない事だけどさ、君がどんな夢を見たかなんて。

−あら,説明は出来るわよ。

そうだね。じゃあ詳しく聞かせてもらおうか。

−いいよ。えーっとね・・・



 

夢は全て現実へと変わる

だから現実は、夢の終わり
 
 

晴れの日は気分良く

雨の日は憂鬱

赤と聞いて,白か青

丸に三角,その次四角

どれもみんな、もって生まれたものではない
 
 

それと知らないものにとっては、

コピーこそがオリジナル

気付かないものに、気付かせてくれたもの

世界の見方を、真実のあり方を変えるもの
 
 

−夢

知ってるけれど、わからないもの

知ってる事を知らないもの

誰かが、いつか、気付くもの
 

−現実

知らないもの

気付いているもの、気付かないもの

そこにあるもの、分からないもの
 
 
 
 

−今って何?

未来と過去がかわる境目
 
 

普段の日常

過ぎ去っていく、人の日常

ビルの谷間、見慣れた猫、いつもの人込み、電車の風景

普段の日常
 
 

非日常

普段と違う時

夢を見る時

それが現実に変わる時

そこから真実を得る時

「人」の言葉の中で、

「人」のシャシンの中で、

「人」の作品の中で、

「人」の夢が、

現実へと、

変わる時

それが、今
 
 

人は今にしか生きられない

たとえそれがどんな夢でも、

認識されればそれは現実

認識される時、今
 
 
 
 
 

−オリジナル

存在するもの

その人の見ている、その人の心がそうだと決めている世界、そのものの姿

それはすなわち、その人の真実
 

−コピー

オリジナルより人の造りしもの
 

・・・・”エヴァ”、オリジナルより人の造りしもの
 

「人」の真実より生まれし夢、”エヴァ”

現実へと変わったもの

人の中の真実となったもの
 
 
 

・・・ただのコピーではないわ。人の意志が込められているもの。
 
 
 

−人が神に似せて「エヴァ」を作る・・・これが真の目的かね。

はい。人はこの星でしか生きられません。でも「エヴァ」は無限に生きていられます。その中に宿る人の心と共に。

たとえ50億年たって、この地球も、月も、太陽さえ無くしても残りますわ。

たった一人でも生きていけたら・・・とても寂しいけど生きていけるなら。

−人の生きた証は永遠に残るか・・・。
 
 
 

・・・神、世界、オリジナル

・・・エヴァ、コピー、物語、「人」の心

・・・故郷、街、「人」を知る記憶、「人」のいた昔

・・・残るもの、「人」を語るもの、真実の、カタチ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

もし神がいたら、人間はその人形にすぎないのかもしれません
 
 
 
 

・・・全ては、シナリオ通りに


作者コメント:
これは,”エヴァ”と言う極めて限られた現実より得た,私の真実の形を描いた夢である。(ここを読んでいると言うことは,それはもう現実のものとなった訳だ。)
ひらたく言ってしまえば,これは”読書感想文”である。
だから、この考えが正しいかどうかを言っている訳ではない。
あくまで、「私の真実」である。
そして恐らく,真実は人の数だけ存在する事であろう。
シナリオは一つでも,アドリブは星の数ほど。
本物の台本、「運命」を読んだ人間なんて誰もいないんだから。
良い人形でありたいものだ。

 


田沢さんの部屋に戻る/投稿小説の部屋に戻る
inserted by FC2 system