「 IT AIN’T OVER ‘TILL IT ‘S OVER 」

(この作品は「死者の道」の続編です、)

 

 

 

 

 

言葉より信じた未来が大きかった

そんな気がするけれど、どうだろう?

哀しみを信じて、苦しみを信じて、

それを全て受け入れて、そこから始めたんだ、

可愛い視線にドキドキしたのは、もう昔のこと、

今は君を腕に閉じ込めても、そんなに安心しない、

問題は心だなんてよく言われるけど、

その意味を知ってる人間が、他人を殺すのかい?

永遠に愛を感じる必要はないよ、

欲望の一つなんだから、

悪い事なのさ、

悪い感情なのさ、

悪魔の存在は、愛で表せるのさ、

 

 

「ちょっと、その暗い歌、止めてよ、」

「どうして、僕は好きだけど、、」

「レイが作ったんでしょ、」

「うん、、でも、綺麗な歌詞だと思うよ、」

「どこが、、あんたちょっと変よ、」

「そんな事、生まれた時から知ってるよ、、」

シンジはギブソンSJ−200を弾きながら答える、

「今度のシングルはこの歌なんだよ、」

「えぇ〜、もう少し一般性のある曲にしなさいよ、

これじゃぁ、私達暗いバンドですって言ってる様なもんじゃない、」

「でも、曲調はいい感じだと思うよ。それほど歌謡曲っぽくもなく、

単なるノイズサウンドでもないし、」

「私が言ってるのは、もうすぐ式なのに、その式の後にリリースする曲がこんな曲じゃぁ嫌だっていってるの。わかる?あんた結婚前の女性の微妙な心理って全然わかってないでしょ、」

「でも、、結婚は僕とアスカの問題だし、、、」

「この歌詞、レイのあてつけに決まってるじゃない。

まったく縁起悪いったらありゃしない。」

「そんなつもりはないよ、レイも祝福してくれてたよ、」

「甘い!見せ掛けに決まってるでしょ!本当は狙ってるのよ、」

「何を?」

「愛人第一号をね、」

アスカにはわかっていた、

レイが祝福した理由が、

 

 

 

 

シンジとアスカの結婚が決まり、式まであと数ヶ月に迫った頃、

レコーディングスタジオでの出来事だった、、

あまりに騒ぎ、暴れ、破壊を繰り返すレイに、さすがのミサトも手を焼き、困った日々が続いていた、、

「あのね、、、レイ、結婚は二人の気持ちの問題なのよ、あなたが騒いでも、、」

「別に結婚に反対してるんじゃないわよ、私は、」

「じゃぁ、何でそんなに暴れるのよ!

スタジオの中も事務所もみんな滅茶苦茶じゃないの!」

「だって、、、、シンちゃん、家を出るって、、、」

「当然じゃない!アスカと結婚するんだから、シンジ君はアスカと暮らす様になるのよ、」

「それが、嫌なのよ、」

「レイ、、、、」

レイは静かに怒る、言葉少なくただ一人でベースを弾きながら、静かに延々と怒る、

(最も嫌なパターンだな、、)

ミサトは心の中でそうつぶやいた、

「一人になるのが嫌なのかい?」

加持がいつのまにかスタジオに来ていた、

「そういうわけじゃ、、、、、」

「いつまでも一緒にいたいんだろ、」

「、、、、、うん、、、」

「でもアスカとの結婚は反対していないんだ、」

「、、、、うん、、、でも、シンちゃんが普段の生活から離れるのは、、嫌なんだ、、

もう、一緒に寝れなくなる、、、もう一緒にテレビを見て、笑ったりできなくなる、、

一緒に食事をとる事もできなくなる、、、そう思うと、、、」

「寂しいんだ、」

「、、、、、、、そうかもしれない、、、」

加持は黙ってベースを抱きしめたまま、地面に座って俯く少女を見守る、

細い体だ、、

始めて出会った頃よりは少女らしい体になったと思う、

それでも、細い、、体系がというより、生命線が細いのかもしれない、、

そんな少女に生きる未来を教えた少年がいなくなる、

確かに、、シンジの結婚は辛い現実かも、、辛過ぎるのかもしれない、、、

「レイ、、シンジ君もきっと悩んだんだと思うの、、

でも、アスカを選んだって事は、きっとレイは強い人間だってシンジ君はわかっていたんだと思うの、」

「私、、強くない、、アスカの方が私より数倍強いよ、、、」

「ううん、、アスカもレイと同じよ、弱い自分を必死に隠してるだけ、

本当は無き虫なのにね、」

「でも、、、シンちゃんは、アスカを選んだ、、、」

「それはね、結婚ていう方法を選んだだけよ、あなたのことを捨てるわけじゃない。

きっとレイが苦しい時、寂しい時、辛くて逃げたい時にはシンジ君、レイを救ってくれるはずよ、、」

優しく、レイの心に触れるミサトは、

しゃがみ込むレイと同じ視線まで自分もしゃがみ込む、

「それに、シンジ君もアスカも未来に向けて変わっていくのに、レイだけが一人、今のままじゃいられないでしょ。

レイも素敵な女の子にならないと、シンジ君が後悔するぐらいね、」

ミサトの言葉にレイは目を伏せ、沈黙する、

「そうだよ、奥さんになるより、愛人になればいいんだ、」

「達也、、、」

いつのまにか達也もスタジオに来ていた、

「ちょっと、達也、勝手なこと言わないで、、」

「そうよ!愛人になればいいんだ!」

「ちょっと、、レイ、、」

「愛人になれば、永遠と一緒にいれる!

夫婦なんて限られた関係じない、自由な恋愛が出来る!」

「レイ、、それは違うと、、、」

「ううん!ミサト、決めたわ!絶対愛人になる!

私の超絶○○○○でシンちゃんを虜にするのよ!」

「レ、、レイ、、、」

「な〜んだ、悩んで損した!未来は私の手の中よ!ホホホホ、、、、、、」

起ちあがり、拳を固め、声高らかに笑うレイにミサとも達也も加持も、ただその姿を眺めるだけだった、、

「達也、、、、どうするの?」

「、、、、ちょっとした冗談のつもりだったんだけど、、」

「完全に目がいってるわよ、、、」

「、、、、やばいですね、、あの目は、、」

「取り合えず、、、アスカに報告した方が、、」

「でも、、、俺、アスカに殺されますね、きっと、、、」

「、、、、、多分ね、」

「、、、、、、、、、、、、、、、、、、逃げよ、、」

達也はそう一言残し、スタジオから消えて行った、(未だに行方不明です、)

一人残った、レイの高らかな笑いはスタジオに響き続けていた、、、

 

 

 

「、、、といった事があったのよ、」

「、、、、、そう、、」

「まったく達也のやつ、見つけたらただじゃおかないわよ、」

アスカの表情にも明らかに怒りがあふれ出ている、

「レイが愛人か、、変な感じだな、」

「まさか、、、シンジ、、、」

「いや、、、僕とレイは一緒に暮らしてたから、今更愛人だと言われても、ピンと来ないよ、」

「ピンと来たら困るのよ!あんた結婚もしてないのに、

いきなり愛人つくる馬鹿がどこにいるのよ!」

「大丈夫だよ、僕とレイは兄弟みたいなもんだから、」

「どうだか、あんたレイに迫られたら断れるの!」

「そんなに軽薄な男じゃないよ、僕は、」

「まぁ、いいわ。でもよく憶えといてね、、、、、もし浮気したら、」

「したら?」

「殺すなんて甘いもんじゃ済まないわよ、、、、、、、そのつもりでいなさいよ、」

「はいはい、、、、」

そう発言した瞬間、シンジのギターの弦が切れる、

思わずニヤリと笑うアスカの顔は、今まで見た中で一番不気味だった、、、

 

 

 

 

 

 

 

小さな島、

周囲は今でも原始的な海の色を残してる、

こんな島がまだ地球に存在してるなんて、今でも地球に真実があるのでは、

そう思わず錯覚してしまうほど綺麗な海が素敵な砂と風を島に運ぶ、

そんな地図にも載っていない小さな島で、二人の結婚式は行なわれる、

教会はないが、小さな小屋のある広場に式壇と椅子を並べ、式は行なわれる、

祭壇の後ろは小さな森が広がり、周囲は見渡す限り草原、

その草原が切れるとすぐに海が広がる、

本当に小さな、小さな島だが、地球の一欠けらであることには間違いはなかった、

「しかし良い天気だな、」

加持はフォーマルスーツで出席する、

「こんな良い天気じゃ、日焼けしちゃうじゃない、」

ミサトも黒のジャケットスーツできめている、

「野外でやるなんて、いいですね、」

マヤはこの時代ではめったに見れない晴着姿で参加してる、

勝手な事を話す3人以外にも数十名の参加者が広場に設置された椅子に座っている、

レコード会社、事務所、コンサートスタッフ、数少ない新たな知り合い、皆一応正装で参加してる。マスコミ以外の人物も勝手な事を話しながら、シンジ達の登場を待つ、

「ところで、レイは?」

「あれ、さっきまで隣にいたのに、」

「ここにいるわよ、」

レイが後ろに立っていた、

「、、、、、あんた、、その格好で出席するの?」

「当然よ、なんでミサトみたいないかれた格好で出席しなくちゃいけないのよ、」

「あんたの方がいかれてるわよ!」

叫ぶミサトの前に、赤い革ジャンを素肌に着て、レッドジーンズに黒のブーツ姿、サングラスを額にしたレイの姿があった。

「絶対に、、、レイの方がおかしいわよ、、」

「そう、でもアタシはこれでいいと思ってるから、それに祝い事では赤がいいんでしょ?」

「、、、、、、、、、、、、、そうね、、、」

「じゃぁ問題ないじゃん、」

レイは笑いながらミサトとマヤの間に座る。

(やっぱり昨日の内に服装もチェックしとくべきだった、、、)

横に座る人物にミサトは激しく後悔の念をぶつけるのだった、、

 

 

 

 

 

「ようこそ、碇 シンジと総流・アスカ・ラングレーの結婚式へ!

二人に代わって俺が熱く礼を言うぜ!」

黒い牧師の衣装を身にまとった達也が祭壇上で叫ぶ、

「今日は二人ともとっても緊張してるみたいだけど、みんなはリラックスして楽しんでいってくれ!」

「、、、、、、ちょっと、、、」

長髪で独特の笑みを浮かべ、牧師の上着の前ボタンを全て外し、素肌と刺青を見せる達也、

そんな達也の進行にミサト達は呆然としてる、、

「ちょっと、、、、加持、、」

「なんだい、」

「どうして達也が牧師やってるのよ、、」

「さぁ、なんでも牧師さんの都合が急に悪くなったとかで、」

「シンジ君達は知ってるの?」

「知らないんじゃないかなぁ、」

「、、、、、、、、、、、、あんた、笑ってる場合じゃないわよ、」

ミサトは一人、現実とこれから起こるであろう未来を思い、頭を抱える、

「それじゃぁ、二人の登場だ!」

祭壇脇のスピーカーから“Welcome To My Monasteryo/TTD”が大音量で流れる、

暗い、でもどこか世界の終わりに向かうクラシカルな曲が流れ出す、

「ちょっと、、この音楽なんなのよ、」

「知らない?もうすぐ“She Kissed Me”って曲に変わるよ、」

一気にクラシカルなサウンドから激しいロックン・ロールへと変わる、

その瞬間、二人が登場する小屋の扉が開く、

二人がゆっくりと登場、、、、、

 

するはずだった、

「あんたいい加減にしなさいよ!」

ウエディングドレスのままアスカが一気に祭壇上の達也まで高速で走り、詰め寄る、

「あんた最高の結婚式にしてみせるって、私に誓ったでしょ!」

「ぐ、、、ぐるしい、、、じょ、、じょっと待っでよ、、、」

「アスカ、達也が死んじゃうよ、」

後から黒のタキシード姿で追ってきたシンジが、達也の首からアスカの手を解放させる、

「黙って聞いてりゃ、好き放題やって!」

「なんだよ、ちゃんと進行してるだろ!」

「誰があんたに神父をやれなんて言ったのよ!」

「何言ってるんだよ!あの腐れ神父に聖書なんて読まれたって意味ないだろが!」

「あんたのくだらない話しをされるよりは数億倍マシよ!」

「クリスチャンでもないくせに、こんな時だけ神様を信じるじゃねえよ!」

「あんたね、女の子にとって結婚式は特別なのよ、それをあんたなんかに、、」

「まぁ、まぁ、アスカ、落ち着いて、」

シンジが二人の間に割って入る、

「進行役を頼んだのは僕達なんだから、」

「シンジが頼んだだけで、私は反対だったのよ!」

「アスカ、そんなに興奮するなよ、せっかくの美人が台無しだぜ、」

達也が落ち着かせようとするが、

「誰のせいだと思ってんのよ!!!」

アスカの怒りは増幅されただけだった、、、、

 

そんな事が起こりながらも式は進行していく。

アスカはシンジの腕に手をかけ、二人で祭壇の前に立つ、

「それじゃぁ、ずいぶんと早足のヴァージロードだったけど、

気を取りなおしていこうか!」

シンジの腕を握るアスカの腕にやたらと力が入る、

「アスカ、震えてるけど寒いのか?」

達也の真剣な表情の心配がアスカを余計に怒らせる、

「あ、、、、あんた、、、、、ね、、、、、、、」

「アスカ、今日だけは押さえてよ、、今日だけは暴力はなしだって約束しただろ、」

シンジが横で小声で話す、

「そ、、、そうね、、、、、でも達也、」

「なんだよ、」

「日付けが変わった瞬間、その時があなたの死ぬ瞬間だから、よ〜く、憶えときなさいよ、ふふふふ、、」

アスカはウエディングドレスのまま鬼の様な表情をブーケで隠しながら笑う、

「ま、、、まぁ、、、それは後で対処するとして、、さっそく誓いの言葉を、」

「え、もう誓いの言葉なの?」

「そう、だってシンジ、神様になにを誓うんだよ?永遠の愛か?」

「まぁ、普通はそうだね、、」

「おいおい、神様が俺達に何をしてくれる。愛する事も結婚する事も、自分の力で切り開かなければ何も起こらない。魂の消滅も、再生も、同じだ。二人が出会った事も全て自分と宇宙の力だ。決して神様の力なんかじゃない。だから二人には、決して神様に誓って欲しくない。永遠の愛なんて嘘をな、」

聖書を後ろに投げ出し、珍しく真面目な表情で話す、

「でもさ、、、、」

「シンジ、聞けよ。神様に誓う愛がどうして絶対だって言えるんだよ。どうして皆神様に誓うかわかるか?それはな、神様に誓えば確証がとれたと思って安心できるからなんだよ。だが、現実はまったく違う。どんな苦難も哀しみも二人の力で乗り越えなければならない。時には憎しみ合い、時には怒りをぶつけあうだろう。もしかしたら、愛が駄目になるかもしれない、、、、、

それでも、二人で同じ道を歩んで欲しいんだ。二人の愛は神様にも、誰からも祝福されなくても、お前達二人が、真実だと思う道を進んで欲しい。決して神様なんて概念的な存在の言葉に左右されてほしくない。愛が終わる時にも、再生する時にも、、、、、二人の力で決めてくれ。

だから、、アスカに問うぜ、」

アスカは、達也の真剣な表情に多少戸惑いながら答える、

「な、何よ、」

「シンジの進む未来を信じるかい?愛が壊れても、シンジの未来を信じるかい?」

今まで見たことのない達也の澄んだ瞳が、、アスカに問い掛ける、

その問いと、瞳にアスカは暫しの間、言葉を忘れる、、、

「、、、、、、、、、、」

「どうだい?二人で生きるって事は互いに傷つけあう事も意味するんだぜ、それでもいいのかい?」

達也は普段から考えられないほど真剣な表情と、野生の瞳でアスカを見下ろす、

そして、暫くの沈黙の後、やっとアスカが小さくつぶやいた、

「、、、、、、、、そんなこと、、」

「そんなこと?」

「一度死んだ世界から蘇った時から承知の上よ!」

アスカは達也の視線をはじき返すほどの意志を込めて話す、

「私がね、死後の世界から戻って来たのはね、、、、、シンジと同じ未来を進む為よ!」

蒼い瞳が素敵な色を込めて叫ぶ、

そんな瞳を見ながら達也はにやりと笑う、

「そうかい、、じゃあ、OKだな、

じゃぁ、誓いのキスしてくれ!」

「あ、、あれ、、僕の方は、、」

「シンジの意見は関係ないから大丈夫、」

「そ、、そんなぁ、、」

焦るシンジの横でアスカが笑いながら話す、

「そうよ、シンジは私の命令通りに動けば大丈夫よ、絶対にね、」

「アスカまで、、、」

「それじゃ、二人が永遠の恋人であることを願って、、、」

 

 

その瞬間、、

 

 

シンジが叫んだ、、、

 

「愛してる、、、、水色の世界を、、、

愛してる、、、何よりも、、、

愛してる、、、紅い瞳、、、、

素敵に思うさ、、、、コバルトブルーの瞳を、、、

全てが終わりになるまで、、、終わりじゃない、、

だから、、、全てを終わらせる瞬間まで、、

僕達はこの世界の一欠けらである事を、誓います、、、」

 

周囲の人間全てを見まわしながら、、

シンジが叫んだ、、、、

 

その叫びに、、ミサトも、、加持も、、

マヤもその他の参列者も、、

達也も、、呆然としている、、、

だが、、、

 

アスカと、

レイは、

嬉しそうに微笑んだ、、、

 

綺麗なブルーの空より、

グレーに染まった雪雲が好きな少年は、、、

涅槃の地に住む両親と、親友に向けて叫んだって事を、、

アスカとレイには解っていた、、

 

そしてシンジは嬉しそうにアスカを抱きしめる、

アスカも嬉しそうに微笑みながら、、シンジに抱きつく、

そして、シンジはそのまま唇を重ねる、、、、、、

そして、一気にアスカを抱えながら、走り出した、、、

未来という未知の恐怖感と無限の希望に向かって、、、

走り出した、、、、

そして、アスカと2人でヨットに乗って旅立っていった、、、、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのはずだったのだが、、

「なんであんたがここにいるのよ!!!」

夕日が地平線を燃やしている中、

ヨットの上でアスカが地球の軌道を変えるほどの大声を上げる、

「だって、、、、シンちゃんと2人っきりで旅行だなんて、許せないもん、、」

「あんた、これは新婚旅行なのよ!冗談にもほどがあるわよ!」

シンジとアスカが航海に出てから数時間後、下の客室から物音が聞こえ、

大きな籠の様な荷物を開けると、、そこにはレイが入っていた、、

「あはは、、、だって、つまんないんだもん、一人っきりなんて、、

それに、愛人第一号としては、さっそくシンちゃんを誘惑しないとね、」

「な、、な、、、なんですって!!!」

レイは笑いながら気軽に答える、

まったく事の重大さに気がついていない、

それが、余計にアスカの怒りを増幅させていた、

「まぁ、、、ア、、アスカ、、、付いて来ちゃったものは、、、

しょうが、、、ない、、の、、、、、、では、、、、、」

シンジはアスカの逆鱗に触れぬ様に話しをするが、、

「“しょうがない”ですって、、、、、」

シンジの言葉にアスカのこめかみの青筋マークは一気に爆発する、

「あんたがそうだから、この女がつけ上がるのよ!!!」

余りの剣幕にシンジは壁際まで一気に後退する、

その瞳だけで切り刻めるのではと思える程の眼光で睨みつける、

「で、、でも、、どうしろと、、、、」

「同然、レイには泳いで帰ってもらうわ!今すぐ!NOW!!!!」

「無理だよ、いくらなんでも、、、」

「無理もブリも関係ないの!今すぐ、海の藻屑にしてやる!」

アスカが怒りに身を任せ、レイに掴みかかる、

「なにするのよ!この暴力女!!」

レイも負けじと応戦する、

「なによ、新婚旅行に付いてくるなんて常識知らずもいいところよ!

とっとと鮫の餌にでもなりなさい、この非常識女が!!!」

このままでは本当に殺しあいになる、そう判断したシンジが割ってはいる、

「や、、止めなよ、、レイもアスカも!」

「うるさいわね!元々あんたがこの馬鹿女を、、、」

「馬鹿女とはなによ!この砂かけばばぁ!」

「なによ、この口裂け女が!」

「なによ、、、」

 

ヨットの中で3人の争いは、、終わる事無く、、

延々と続いていった、、、、、、

 

その光景を涅槃の地で見ていた3人は、、

彼らの素敵な未来をシンジながら、笑っていた、、、、、、、

 

 

 

 

 

 

 

終わり、



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