大切な人への想い
Short Story

平穏な日常 〜霧島マナ編〜




第壱高校 野球グラウンド
ここでは今日も野球部のメンバーが練習に励んでいます。
ま、3日後に文化祭の親善試合を控えてるから無理ないわね。

私の名前は霧島マナ
最近出番が無くて困ってるんですよ...って愚痴ってもしょうがないんですけどね。

現在は野球部のマネージャーをやっています。
マネージャーをやっているからって別に運動が苦手なわけではなく、むしろ好きな方です。
じゃあ なんでマネージャーなんかをやっているかというと...

ま、そこら辺は本編を読んでもらえれば分かるんですよネ。
アイツとの約束、それを叶えてもらう為に私はマネージャーをやっているんです。


甲子園に連れてってもらう事−−−−−



...でも甲子園に出場することは並大抵の努力じゃできないんですよ。
だからアイツはものすごく頑張ってきた。

あ、アイツって言うのは私の幼馴染である 『榛名ムサシ』 なんです。
私とムサシの家は隣同士で窓を開けたらすぐそこにアイツの部屋があって、昔はそれが嬉しくて、よくアイツと窓越しに話していたっけ...
アイツとはホントに同じ時期に産れたモンだから私達の親は 「一緒に遊ばせておいた方が苦労しなくて済む」 って思ってたらしく、幸か不幸かアイツとはいっつも一緒だった。
...よく考えてみたら小さい頃の記憶って、アイツと遊んでいる事しか思い出せないわ。

というわけでアイツとは物心つく前からの付き合いなんです。
もう一人 『東ケイタ』 っていう男の子がいるんですけど、そっちは幼稚園の頃から一緒で以来、ムサシ、ケイタ、私、の3人でいつも遊んでいました。
ケイタはあんまり目立たないわね。
ま、ムサシがいるから影が薄くなるという可哀想な奴なんだけど、見えないところで活躍するから頼りになるんですよ。
そのお陰で何度助けられたか...

って、一から話すと時間かがかっちゃうんで本題に戻りましょ。



今現在、ムサシ達は甲子園に向けて頑張っています。
で、今回の予選では2回戦負け。 はっきり言って完全に力不足なんです。
打線、守備力、投手陣、全国レベルと比べると全然で、甲子園への道のりは遠く険しいってコトだけは分かりました。

しかし我が第壱高野球部に救世主が現れたんです。
その人こそが 『碇シンジ』 でシンジ君の投げるボールはとても速くて重いらしいんです。
私はそのボールを一度も受けた事が無く見ているだけなんですけど、MAX150km/hは出るんですって。
全国を探してもこれだけの力を持った人は中々いないんじゃないですか?
しかもコントロール抜群で針の穴に通すようなピッチングなんです。
けど残念な事に変化球を持っていないんですよ。
あれで変化球を持っていれば もう怖いもの無しなんですけど...

それからシンジ君と一緒に入ってきたのが 『渚カヲル』 って言うんですけど、今はシンジ君とバッテリーを組んでいます。
カヲルって意外な才能があるんだなってその時は驚きました。
華奢な体をしているのに結構足腰を鍛えているし、いつも冷静で状況判断が上手い。
これならキャッチャーにピッタリね...あの言動と行動を除けばの話しだけど...










☆★☆★☆★☆










私達が高校に入学して一回目の挑戦は終わったけど、ウチの野球部は確実に力を付けている事が見ているだけでも分かります。
練習内容もかなり本格的になって来て、それに伴って練習時間も増えてきました。

こうなってくるとマネージャーの仕事が増えて大変なんですよ。
だって練習時間が増えると怪我をする確立も高くなって、実際に生傷の絶えない人が続出するし...みんな体には気をつけてほしいと切に願います。

それから備品の消耗も練習時間に比例しますから。
備品の管理はもちろんマネージャーの仕事、みんなには練習に専念してほしいから当然ですね。

怪我人の手当て、備品の管理、部員達のコンディションの把握、etc...
とにかくマネージャーってやることが沢山あるんです。
好きじゃないとやってられませんよ。
それからたまに 『結城モモコ』 先輩がお手伝いに来るんです。
マネージャーをやっていらした私の先輩に当たる人なんですけど、3年生でもう引退したんです。
けど私達野球部員を気遣って下さる優しい人なんです...おまけに綺麗な人だし...癖の無い髪の毛で長くて綺麗だし...スタイルだって良いし...性格も良いし...ちょっとうらやましい...
そんなモモコ先輩に 『ガンバッテ』 なーんて言われたら今でも1日25時間だって練習するんじゃないのかな?
...私も先輩のようになりたいわ...










☆★☆★☆★☆










みんな頑張って練習するからユニフォームは毎日汚れています。
その洗濯もマネージャーの大事な仕事、私も頑張らなくっちゃ。

...う〜んムサシのが一番汚れてるわ、相変わらずね。
シンジ君のやケイタのはそれ程でもないのに、なんでアイツのはこんなに...って、まあいいか。
それにしてもカヲルのは全然汚れていない...これって一体?

よいしょっ。
後はこれを乾燥機に入れてと...
さすがに全員分となると疲れるわね、けどモモコ先輩は今まで頑張ってきたんだから私だってしっかりしなきゃ。
...よし、これでOK!
ようやく一息着けそうね。



あ、よく見たら 『加持先生』 が来ているみたい。
加持先生は体育教師で私達の野球部の顧問をやっているの。
基本的には部員達の自主性に任せているんだけど、締めるところはちゃんと締めてくれるのでホントに頼りになります。
メンタリティーの部分、精神的な支え、やっぱりそれも重要なんですよ。
けど試合前と試合中にしかその威力を発揮しないのが珠に傷かな?

あれれ、更に向こうには 『ミサト先生』 がいる。
私達の担任で結構...じゃなくて大分ずぼらな先生、けど生徒からの信頼は絶大なんだから世の中って分からないわ。
っていう私もミサト先生のことは信頼してるけど。
...それにしても神様って不公平よね。
オッパイ バーンだし、ウエスト キューだし、オシリ ボーンだし、私だって少しは自信あるんだけど...

やっぱりミサト先生も美人なのよね。
私もそりゃあ自信はあるんだけど、どうやら 『かわいい』 部類に入るみたいネ。
私は 『綺麗』 って言われたいのに...けど私だってもう少し経てば絶対に...



あ、加持先生が誰かと話している、何かあったのかな?
あの人は...なんだキャプテンじゃない。
『若槻タツヤ』 私達野球部のキャプテンで、何かと問題のある部員達をまとめるという大変な役割を背負っています。
え? 問題って何かですって?
そりゃあ ムサシのコトに決まってるでしょ。 アイツを野放しにしておくと何するか分からないからね。
それからカヲルかな。 時々怪しい行動を取るから...
で、試合中は選手達を支えなきゃいけないからキャプテンって大変ね。
胃に穴が空くんじゃないかな。
あれ?何やらみんなに向かって叫んでるみたい。
どうしたんだろ?

って、いっけない練習が終わったみたい。みんなにタオルを渡さなきゃ。


















ハイ、今日もお疲れ様。






sugiさんの部屋に戻る/投稿小説の部屋に戻る

inserted by FC2 system