今回は、「秋日和」(修正版)に興味を持っていただきありがとうございました。
この作品は、昨年6月にDARUさんにお願いして公開していただいた「秋日和」
の第一話から第三話までを修正させた上で、完結させたものです。当初は昨年の夏
までには「秋日和」を完結させる予定でしたが、最初に細かい設定をきっちり決め
ておかなかったために、どうしても途中から書けなくなってしまいました。「完結
しなければ」とは思いつつ、日々の瑣事にかまけて今日の今日まで延ばし延ばしに
してきました。拙作の公開を快く引き受けて下さったクリギルの主催者のDARU
さん、並びに読者の方、特にメールを下さった方には、申し訳なく思っておりまし
た。そこで完結することを目標に作品を大幅に修正いたしました。修正点は以下の
通りです。
1.公表済みの第一話と第二話を会わせて第一話としました。したがって、修正前
の第三話は今回第二話となっています。第三話と第四話はそれぞれ初出になります。
なお、修正後の第一話と第二話は基本的には、公表済みのテキストを用いました。
ただ、それぞれ必要に応じて修正しています。ですので、修正前の「秋日和」を読
まれた方でも第一話から読んで頂ければ幸いです。
2.この物語は設定上、エヴァ本編の第弐拾参話以後(EOE含む)をばっさり切って
います。これは話が行き詰まった理由の一つが、真正面からエヴァ本編の設定を考
慮してしまったせいだと考えているからです。そのうちの一つは「レイが人間では
ない」という設定です。そこで、修正版ではレイを「使徒の魂を持つクローン人間」
ではなく、ちゃんとした「人」として扱っています。そのため、シンジは水槽のレ
イ達を見ていませんし、カヲル君の登場もなかったことになっています。その結果
として、この話の中でレイと結婚したシンジは、ファザコンであると同時にマザコ
ンではあっても、インセスト・タブーを犯してはいません。この点は私にとって重
要でした。インセスト・タブーの克服とリツコとシンジ夫婦の関係を強めるために、
無理やり物語に取り入れた荒唐無稽なクローン技術が、「日常」を描きたいと考え
ていた私の気持ちと大幅にずれることになり、作品の完成に対する熱意がさめる結
果となりました。この作品の完成に対して、熱意を再びもてるようになったのはつ
い最近のことです。なお、シンジとレイの息子の名前は「薫」ですが、これはあく
まで「偶然」としてお見逃し下さい(^_^;)。
言い換えれば、この作品はエヴァ本編のパラレル・ワールドのアフター・ストーリ
ーという謎の設定となっています。それを象徴するために、登場人物の名前の仮名
表記をやめ、漢字表記を原則としています(どうしても漢字にならない場合には、
ひらがなにしています)。これはある意味「つまみ食い」のような設定ですが、ご
了承下さい。
3. これにしたがい人間関係にかなり修正されました。シンジとゲンドウ、シン
ジとレイ、シンジ夫婦とリツコ、レイとゲンドウなど主要人物の関係は以前よりも
微妙なものになっています。
ところで、この作品にLRS的傾向があるのは事実ですが、それは「シンジとゲン
ドウの親子関係」を扱うためのキャスティングのせいです。私自身は、LASでも
LRSでもありません。自分の言いたいことを適切に表すことのできる組み合わせ
を考慮した結果、この作品においてはアスカよりもレイの方がシンジと組み合わせ
たほうがよいと判断しただけです。映画撮影に模して言えば、いわば「エヴァ組」
という俳優チームから、脚本にあわせて組み合わせを選び、それぞれの俳優さんに
脚本のキャラを演じてもらったということになります。ですので、LASの人に本
作品のLRS傾向のために避けられるのは少し寂しいと感じています(アスカ嬢、
けっこうおいしい役で友情出演しています)。と言うよりも、この作品は夫婦愛も
描きますが、基本的には「親子関係」が主テーマですので、個人的にはLASはも
ちろんのこと、LRSですらもないと考えています(ああ、LRSの人、お願いだ
から、逃げないで。レイが一応ヒロインだし。)。あえて言えば、LUG(ラブラ
ブ・ユイ・ゲンドウ)が基底でしょうか?。
この拙い物語を快くクリギルに公開して頂いたDARUさん、どうもありがとうご
ざいました。
また、読者の方、特にメールをくださった方に感謝いたします。メールを送ってい
ただいた方には、この物語の展開に影響を与えて下さった方もいらっしゃいます。
それはまさしく作者と読者の実り多い貴重な交流でした。
この物語じしんは完結いたしましたが、読者の方から感想メールを頂ければ、嬉し
く存じます。たとえ時間はかかっても、必ず返事はお送りいたします。
最後に、この物語を終末に導いてくれた、ある一人の女性に感謝を申し上げます(^_^;)。
Yas