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ΔLoveForce
Episode 30 -涙。自らの感情で流す自らの結晶-
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<名古屋>

マナの家を出たアスカは、階段を駆け下りベランダから見えたシンジの元へ走っていた。
その瞳は、雲1つなく晴れ渡った今日の空のように青く澄み、輝いている。

アタシ、何してたんだろう。
好かれることが大事なんじゃない。
好きだから好かれたいんだ。

好きだから。
そうよ。好きなのよっ。

好きっ!
好きっ!
好きっ!

なにがあってもアタシはシンジが好きっ!
いつまでもいつまでもシンジを追い掛け続けるのっ!

例えそれが苦しくたって、好きならそれでいいじゃないっ!

マンションから外へ出ると眩しい光が照りつける。目の前が白く光り、その向こうでこ
ちらを見ているシンジの姿が、その瞳に映し出される。

「アスカっ!!!」

駆け寄って来るシンジの姿。もう手にしていた荷物など道路にほおり投げ、アスカはシ
ンジの胸に飛び込んで行く。

「シンジーーっ!」

思いっきり手を振り走る。シンジの顔が目の前に迫る。体を宙に放ちシンジの胸に飛び
込んで行くと、両手を広げ受け止めてくれる。溢れる涙。寝る間も惜しんで自分を追い
掛けて来てくれたシンジの姿がここにある。

「シンジっ! 好きっ!」

「心配したじゃないかっ! 何処行ってたんだよっ!!」

やはり怒っているようだ。それでも湧き上がる好きという感情はとどまるところを知ら
ず、押し倒さんばかりの勢いで抱き付き唇を重ねる。

好きっ!
好きっ!
好きっ!

シンジに好きと言われた時から、あれからかなりの時間が流れた。そして今、やっと本
当に好かれていることを実感できた。

失うことを恐れていた日々に別れを告げ。
この愛を護れるように強くなろう。
この先いかなる障害があったとしても、この愛を追い掛け続けよう。

だって、この愛は追い掛け続けて手に入れたものだったんだから。
それが、アタシのやり方なんだから。

それが、惣流・アスカ・ラングレーなんだから。

「シンジっ! アタシ、アタシっ!」

シンジに顔を押し付け、青い瞳を輝かせる。

「アタシっ! ただいまっ!」

「おかえり。」

最初アスカを見つけた時は余程心配していたのか、怒った口調になっていたシンジだっ
たが、元気いっぱいの笑顔を見てそんな気も失せてしまったようだ。

「帰ろうか。アスカ。」

「うん!」

「「第3新東京市へ。」」

<第3新東京市>

レイはただ独り第3新東京市の街中を歩いていた。その姿からはまるで生きる気力を感
じさせない。そう、まるで人形のように。

アスカを護ったのは、碇君。
私は何もできなかった。

碇君・・・アスカに必要な人。
私・・・不必要な物。

いらない物。
役に立たない物。

消えてしまいたい。
無へ還りたい。

視線を落とすと、道ばたに一輪の花が咲いている。レイは腰を降ろしその花を眺める。

あなたはなぜ生きてるの?
あなたは何の為に生きてるの?

1匹の小さな蜂が飛んで来る。蜂は花の上に止まり蜜を吸うと、また飛び立って行く。

そう・・・。
あなたも必要とされているのね。
必要だからみんな生きているのに。
どうして私は生きてるの。

第3新東京市に流れる水路に掛けられた橋から下を見下ろすと、遥か下に水が流れてい
るのがわかる。

死にたい。

どうして私は死ぬことができないの。
どうして私は死んでも代わりがいるの??

ここに散っても、また3人目の自分が生まれて来ることをレイは知っている。無へ還り
たくても還れない自分の体。

壊してしまおう。
全てを。
何もかも。

レイは水路を橋の上から眺めるのを止め、ネルフ本部へと向かった。

<ネルフ本部>

いつもなら正面からIDカードをゲートに通し入って行くが、今日はそういうわけには
いかない。ダクトを伝い下へ下へと進んで行く。

セキュリティーシステムの場所。
全て知ってるもの。

巧妙に張り巡らされた数々のセキュリティーシステムをクリアし、慎重に慎重にセント
ラルドグマへ向かい降りて行く。

後はこのダクトを降りれば・・・。
そこで私は無に還れる。

レイは最後の長い長い急斜面になっているダクトをゆっくりゆっくり下りて行く。今こ
こで誤って死に、記憶を失い3人目になることだけは許されなかった。

<新幹線>

最後にマナに挨拶して名古屋を離れた2人は、新幹線に乗っていた。マナには以前もシ
ンジが世話になっており、今回はアスカだ。2人してマナには頭が上がりそうにない。

「ふぁぁ。あのさ、ちょっと寝ていいかな。」

「あっ、そっか。いいわよ。」

「着いたら起こしてくれるかな。」

「任せて。」

新幹線の椅子に付いている2人の間の肘置きを上げ、ポンポンとアスカが膝を叩いたが、
シンジは気にする様子もなく逆側の肘置きに凭れて目を閉じる。

膝枕をしてあげようと、勝手に頬を染めて膝をポンポンと叩いていたアスカは、1人宙
に浮いてしまい非常に恥ずかしい。

「なんで、そっちに凭れるわけぇっ!?」

「えっ! わっ!」

「こっちでしょっ!」

耳を引っ張り無理矢理シンジの頭を自分の膝の上に押し付ける。ムードもへったくれも
あったもんじゃない。

「電車の中で恥ずかしいよ。」

「せっかく寝ないで迎えに来てくれたんだから、これくらいいいのっ!」

「それとこれと、関係ないだろ。」

「もーっ! これくらいさせてよね。」

またさっきと同じように少し頬を赤らめてしまうアスカ。

「うん・・・じゃぁ、そうするよ。ありがとう。」

どうやらこれには感謝の気持ちが含まれているらしい。シンジはその気持ちに甘えるこ
とにし、アスカの膝の上に顔を埋め重くなった瞼を閉じる。

「ぐぅぅぅ。」

余程疲れていたのか、アスカにやっと会えて安心した為か、時を置かずしてシンジは完
全に熟睡し始める。

こんなに疲れちゃって・・・。
きっと、アタシのこと向こうでずっと探してくれてたんだろうな。
ごめんね。
ありがと。

髪を優しく撫でながら、気持ち良さそうに眠っているシンジの寝顔を飽きることなくい
つまでも見詰め続ける。

いつ迄もこうしてたいな。
どんな夢、見てるんだろう?
アタシの夢?

きっとそうに違いないと、ニコリと微笑んだアスカは、ゆっくりとゆっくりと唇を近付
けて行く。こともあろうか電車の中で、寝込みを襲うつもりらしい。

「むにゃ・・・綾波・・。」

「!!!!」

だが、それまで微笑んでいたアスカの顔が今のシンジの寝言を聞き、一瞬にして険しい
ものに変わった。

レイの夢、見てるってーのっ!?
いい度胸じゃないっ!
アタシに膝枕させて、夢の中ではレーイーっ!?

望むところよっ!
もうアタシはそれくらいで負けないんだからっ!
アタシの夢を見るまでキスしてやるっ!

今度は先程のような笑顔ではなく、ニヤリとした不敵な笑みを浮かべて、結局また唇を
近づけようとしたアスカだったが、再びシンジの寝言を聞いて動きを止めてしまった。

「アスカ・・・綾波を助けてあげて・・・。」

はっ!
レイ・・・。

今の今まで自分のことで限界ギリギリになっていた為、そこまで気が回らなかったが、
レイはいったいどうなっているのだろうか。あの戦いでレイも負けたはずだ。

帰ったら、最初にレイに会いに行こう。
あのコ、大丈夫だといいけど・・・。

<ネルフ本部>

同時刻、レイはセントラルドグマに辿り着いていた。ここまで来れば、自分の分身が浮
かぶ水槽まで後少し。見慣れた通路を歩き、自分の分身に別れを告げに足を急がせる。

ここで私は無に還る。

1つ扉を開け、また次の扉を開ける。その向こうに見えるのは、LCLのに浸かった命
の宿らない魂の入れ物。

「さぁ。帰りましょ。」

崩壊のボタンに手を掛ける。自分が無へ還る為には、先にこの分身を無に還さなければ
ならない。

「怖くなんてないわ。だって、元の姿に戻れるんだもの。」

レイの指に力が入る。その時、背後の扉が大きな音を立てて勢い良く開いた。

「レイっ! 何をしているのっ!」

「赤木博士・・・。」

そこに現れたのは、ある意味自分の育ての親とも言うべきリツコの姿。上手くセキュリ
ティーシステムを回避してここまで来たつもりだったが、おそらく何処かで引っ掛かっ
ていたのだろう。

「やめなさい。何をしようとしているのかわかってるのっ!?」

「ええ。」

「ならっ。」

「だって、もう必要ないもの。」

「それはあなたが決めることじゃないわ。」

「わかるもの。私はもう必要ないって。」

「この私に逆らうつもりっ!?」

「もうあなたの命令には従わないわ。」

「碇司令に報告しますよっ。」

「構わないわ。碇司令の命令にも従わないもの。」

「レイ。いったいどうしたっていうの。」

「わかるの。私はもう必要無いって。」

「レイっ! やめなさいっ!」

だが、レイは躊躇することなく、崩壊のスイッチのボタンを押す。

「レイっ!」

レイの背後に浮いていた魂の入れ物が次々と崩壊して行く。だがリツコは、それ以上に
何も言おうとはせず崩壊していく魂の入れ物を眺め、苦笑を浮かべていた。

「そう・・・。もう碇司令には従わないのね。」

「はい。」

「なら、好きにすればいいわ。」

「はい・・・。そうするつもりです。私は無へ還ります。」

「な、なんですってっ!」

さすがにそれにはリツコですら目を剥き焦った。レイに嫉妬していた彼女は、機会があ
ればこの水槽は破壊したいと思っていた。またレイがいなくなればいいとも思っていた
が、現時点でレイがいなくなるのは得策ではない。

「待ちなさい。何をするつもり。」

「無へと還ります。」

「なぜ。」

「必要無いものが生きていてはおかしいもの。」

「あなたはまだ必要なのよっ。」

「それは赤木博士が必要としているだけ。」

「他に何が必要だというのっ?」

「アスカ。」

「あなた・・・・・・。」

なんとしても自殺まがいの行動を止めようとするリツコに対し、レイはその姿勢を崩そ
うとしない。

その言い合いが平行線のまましばらく続いた時、ネルフ全体に非常事態宣言を示す警報
が鳴り響く。緊急事態ということもあり、リツコはレイとの会話を中断し、即座に発令
所へ連絡をとった。

「何があったというの?」

『使徒が現れたわ! 突然。』

「状況はっ!?」

発令所で答えたミサトによると、目標は沈黙しており膠着状態を保っているが、それと
は別に大きな問題が発生していた。

「なんですって、アスカとシンジ君がっ!?」

『ええ。まだ新幹線の中。位置的に、かなりヤバイ状況ね。』

「レイを向かわせるわ。」

会話を聞いていたレイも顔を青くしていた。リツコが発した、”使徒”,”アスカ”,
”危険”の3つのキーワード。それだけで、レイを突き動かすには十分過ぎた。

「私が出ます。アスカを護ります。」

『頼んだわ。』

「はい。」

崩壊したLCLの水槽。先程まで自分の分身とも言える魂の入れ物が浮かんでいた水槽
を後にし、レイはケージへと向かった。

<地上>

第2新東京市を出た辺りで、新幹線は突然に急停車した。何事かと窓から外を見ると、
リング状に円を描き宙に浮かぶ巨大なモノが見える。間違いなく使徒であろう。

「なんでっ!? なんで、もうちょっとだけ、待ってくれなかったのよっ!
  シンジっ! シンジっ!!」

「ん・・・ふぁ〜。着いたの?」

「着いてないわよっ!」

「じゃ、もうちょっとだけ。」

「起きてよっ! 使徒よっ! 使徒っ!」

「しと〜? ・・・・ん? えっ!? 使徒っ!?」

状況が理解できたのか、慌てて飛び起き外を見ると、アスカの言うようにどう見ても使
徒としか思えないモノが宙に浮いていおり、新幹線の乗客達も次々に車両を降りシェル
ターへと非難し始めている。

「ここ、どのへん?」

「第2、出たとこ。」

「くそっ。なんで、もうちょっと待ってくれなかったんだよ。」

アスカと同じことを言っている。この状況では誰しも思うことは同じなのだろう。無論
このことはネルフでも感知しているはずであり、間髪入れずシンジの携帯が音を奏でる。

『シンジくんっ!? まだ新幹線よねっ!』

「第2東京を出たとこです。」

『今からレイを救出に向かわせるから、先頭車両で待機。いいわね。』

「はいっ。」

電話を切りアスカの手を引いて、避難する乗客達の流れに逆らい間を縫うように先頭車
両へ向かう。

「綾波が来るって。」

「レイが。」

「綾波、あれから反省室に入ってさ。様子も、おかしいんだ。」

「そう・・・。」

「ぼくにはどうすることもできないけど、アスカなら。」

「わかってる。」

乗客が全て避難した列車の先頭で、レイが来るのを待つ。ここまで苦しいことを乗り越
えて使徒と戦い続けてきた。シンジとアスカは手に手を取って、窓の外を仰ぎ見る。こ
んな所で負けてなるものかと。

地上に零号機が射出される。

レイはアンビリカルケーブルを切断し、全速力で使徒の横を迂回しアスカの元へ走る。
まだ敵に動きは見られない。

アスカだけは助けるわ。
必ず。

時間をおかずして、零号機が新幹線に到着。新幹線の開き放たれた出入り口に、アスカ
とシンジの姿が見える。

「アスカっ。」

「ここよ! ここ!」

「先頭車両ごと本部へ運ぶわ。何処かに捕まって。」

その指示に従い、2人は新幹線のシートにしがみ付く。それを確認したレイは、先頭車
両を2両目以降から切り離しエヴァの手に握ると、残った内部電源の時間を計算しなが
ら本部へと帰還しようとした。

だが、零号機が本部付近に接近した時、使徒が動きを見せた。リング状に宙に浮いてい
た使徒が、紐のような直線形状となり零号機へ急接近すると、腹部に減り込んできたの
だ。

「キャーッ!」

悲鳴を上げるレイ。

「レイっ! レイっ!」

状況をエヴァに握られた新幹線の中で見ていたアスカが叫ぶ。

レイは苦痛にもがきながらも、腹部へ進入している使徒をズルズルと引き摺り、新幹線
を本部付近へ運ぶ。

ここでやられては駄目。
私がやられたら、アスカまで・・・。

「レイがっ!!」

ガラス窓をバンバンと叩くアスカ。だがレイは答えることなく、2人を乗せた先頭車両
に衝撃を与えないようにジオ・フロント直上に置く。

「レイっ! レイっ!」

「アスカっ! 早くっ!」

錯乱するアスカの手を、シンジが強引に引っ張る。

「だってっ!」

「綾波を助けに行くんだろっ!」

「こんちくしょーッ! よくもレイをっ!」

緊急通路を下り、ケージへ直行する。既にエヴァ2体の出撃準備は終わっており、チル
ドレンのエントリー待ち状態となっていた。

「シンジ。アタシが出るっ!」

「何言ってんだよ。ぼくも。」

「敵の動きがまだわかんないでしょ。いざって時の為に待機してて。」

「でもっ!」

「お願いっ! レイは、アタシが守らなくちゃいけないのっ!!」

こちらがアスカの本音のようだが、ミサトは純粋に作戦指揮の立場から予備勢力を残す
案に賛成し、シンジは戦闘待機で待つこととなった。

地上ではレイが使徒に汚染され苦しんでいた。もう耐えることも限界となっており、パ
レットガンで応戦するが効果が上がらない。

『レイっ! アスカが出るわっ! 後少し頑張ってっ!』

ミサトの声が通信から入ってくる。その声を聞いたレイは、安堵の表情を浮かべた。

そう・・・。
アスカ・・・無事だったのね。
本部まで行けたのね。

エヴァは無論のこと、パイロットであるレイの体にも使徒が汚染を始めようとしている。
もうこの状況に耐えることも、戦うことも限界に近い。

だんだんと力が抜けて行くレイ。

だが、その目に地下から飛び出してくる真っ赤なエヴァの姿が目に入った。

「うぉーーりゃーーーーーっ!!!!」

アスカがバズーカのトリガを引く。引く。引く。

レイの乗る零号機に被害が出ないよう、腹部に減り込んでいる使徒の逆端を狙い、バズ
ーカを両手に2つ構え怒涛のごとく撃ちまくる。

「レイから離れろっ!!!」

弐号機に迫り来る使徒の逆端にも怯むことなく、鬼神の如く猛攻を掛ける。
だが、効果は一向に上がらなかった。

おそらく、零号機の腹部に減り込んで場所にコアがあるのだろう。

「ちくしょーーっ!!!」

どんなに攻撃しても手応えがなく、まるで空気に向かって攻撃しているようだ。

だが使徒の攻撃は容赦が無い。

疲労していくアスカに対し、使徒の一端は間断無く攻撃を繰り返して来る。

「キャッ!」

バズーカの弾丸が切れ、新たなバズーカを手にしようとしたほんの僅かの隙を突かれた。

切断される弐号機のアンビリカルケーブル。

その使徒とケーブルが接触した衝撃が、アンビリカルケーブルを伝い、弐号機を襲う。
バランスを崩す弐号機。

このままじゃアスカまで・・・。
せめて、最後にアスカの役に立って無へ還れたら。

レイは汚染された重い体を引き摺りコックピットのシートから立ち上がると、エントリ
ープラグの中を移動し、自爆装置に手を掛ける。

アスカに被害が及ばないように、レイは爆発エネルギーを内部へ収束させる為、ATフ
ィールドを内向きに反転させる。

『レイっ! ちょっと!!』

外部からの攻撃に対して防御していたATフィールドを、自らの方向へ逆向きに張った
のだ。これは零号機から発せられるエネルギーを外に出さない為の対策・・・つまり。

『アンタ何してんのっ!!!!』

レイの意図を理解したのだろう。恐怖に叫ぶような声でアスカが叫んでいる。

アスカ・・・。

アスカが語り掛けてくれる声。自分に語り掛けてくれる声。
レイの瞳からポロポロと涙が溢れてくる。

涙・・・。
私、泣いてるのね。

モニタに映るアスカの顔。

画面の向こうでは使徒との戦いなど他所に、両手でモニタにしがみ付きアスカがこっち
を見て叫んでいる。

『なにしてんのよっ! バカなことすんじゃないわよっ!』

アスカ・・・。

『レイっ! レイっ!』

「私・・・、アスカのこと・・・。」

『待ちなさいっ! 待ッテッ!!!!!』

「好きだった。」

『オネガイッ!! ヤメテーーーーーーーーーーーーッ!!!!』

「さよなら。」

『イヤーーーーーーッ!!! レイーーーーーーーーッ!!!!』

世界は真っ白な閃光に包まれた。

空を焦がす爆炎の中には、黒い影が揺れていた。

To Be Continued.
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