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あまえんぼうアスカちゃん
Episode 02 -お化け屋敷-
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<学校>

今は掃除の時間。
レイは、ごみ箱を両手に持つと焼却炉に運び出す。

「あ、綾波。手伝うよ。」

きゃしゃなレイが、大きなごみ箱を持っている姿は、少しかわいそうに見える。
シンジは、手伝おうとしたのだが。

「アンタはごみ当番じゃないでしょーが! 早く雑巾がけしなさいよ!」

アスカである。

「でも、綾波がかわいそうだよ。」

ちらっと、レイの方を見ると、ごみ箱をかかえて廊下に出て行くところだった。

「ごみ箱を運んでるだけじゃないの! ほら、さっさとこっち来なさいよ!」

「なんでだよ! 手伝ったっていいじゃないか!」

別に悪いことをしようとしているわけでもないのに、ここまで言われると、さすがのシ
ンジも頭にくる。

「なんですって! 雑巾がけの当番なんだから、違うことされたら、アタシ達が迷惑な
  のよ!」

そんな、シンジ達を冷やかすように見つめる目が4つ。

「また夫婦喧嘩かいな。」

「仲のおよろしいことで。」

トウジとケンスケが、シンジとアスカを冷やかす。

「なんですって! もう一度言ってみなさいよ!」

モップを手に取り、襲い掛かるアスカ。トウジも、モップで応戦する。

「そやないか! いつも、シンジが綾波に声かける度に、過剰な反応しよってからに!」

「だれが、そんな反応してるってのよ!」

「よーゆうわ! 授業中、シンジのことばかり見とるっちゅーのは、わかっとんやで!」

「な、な、何言ってるのよ! このバカッ!」

顔を真っ赤にしてモップで殴り付ける。シンジは、身の危険を感じ、雑巾がけに専念し
ていた。

「なにするんじゃ! ほんまのことやろが! どうせ、家ではシンジにべたべたしとるん
  ちゃうんか!!」

モップで応戦しつつ、冷やかすトウジ。

「誰がシンジなんかに、べたべたするってのよ!(してるけど・・・)」

モップ合戦が激化する横で、ケンスケがちゃちゃを入れる。

「今度の日曜は、シンジと遊園地でデートらしいじゃないか。いやーんな感じ。」

「なっ! ちょっと! シンジ! なんで喋るのよ!」

ギクッ。

今まで、蚊帳の外に身を置いていたシンジだが、突然矛先が自分に向いたので、後ずさ
りする。

「遊園地って、あんまり行ったことないから、どこが面白いかなって・・・その・・・。」

「まっ、いいわ!」

日曜の予定をちゃんと考えてくれていたのがうれしいアスカは、シンジへ向けた矛を納
め、再びモップ合戦に復帰しようとするが、次のシンジの言葉が全てを終わらせた。

「そしたら、お化け屋敷が名物だって・・・。あははは、この歳でお化け屋敷もないけ
  どね。」

ビクッ。

端から見ててもわかるくらい、ビクッっとするアスカ。手からモップが落ちる。

カターーーーーーーン。カラカラカラ。

沈黙。

「おや? 惣流。顔が青いぞ?」

アスカの突然の変化に、トウジがつっこむ。

「おい、まさか、お化け屋敷が恐いのか?」

ケンスケも、アスカの様子を敏感に察知し、トウジに加勢する。

「そ、そんなわけないでしょ! このアタシに恐いものなんて無いのよ!」

よく言うよ・・・この間、歯医者で大騒ぎした癖に・・・。

口に出す勇気は無いものの、こないだひどい目に合ったシンジは、心の中で呟いた。

「ほぅ、じゃ次の日曜、ワイらも惣流がお化け屋敷に入るとこ、見に行こうやんけ。」

「な、なんですって! 余計なことするんじゃないわよ!」

せっかくのシンジとのデート(少なくともアスカはそう思っている)を、邪魔されては
かなわない。

「大丈夫さ、お化け屋敷に入るとこだけ見たら、すぐに帰るから。」

ケンスケの眼鏡が怪しく光った。

「恐くないんなら、なーんも問題無いんちゃうんか!?」

「い、いいわよ。そのかわり、すぐに帰るのよ!」

「へいへい。」

ニヤリと笑みを浮かべるケンスケとトウジ。反面、アスカの顔は青ざめていた。

<ミサトのマンション>

スッ。

シンジが、部屋で宿題をしていると、襖が開く音がした。

「ねぇ、シンジ・・・。」

振り返ると、深刻な顔をしたアスカが立っている。

「どうしたの?」

「シンジぃ〜〜〜。」

シンジの座っている椅子の足元に、ぺたりと腰を降ろすアスカ。

「アタシね。アタシ・・・お化けって苦手なの・・・。どうしよう・・・。」

ブッ!

思わず、吹き出しそうになるシンジ。アスカの真剣な表情を前に、必死で笑いをこらえ
る。

笑っちゃダメだ。笑っちゃダメだ。笑っちゃダメだ。笑っちゃダメだ。ブブッ!

しかしこらえきれず、口から空気がもれ腹筋が痛い。机の方を振り向き顔を隠して口を
押さえる。

「どうしたの?」

頭の上から、変な音が聞こえたので、沈痛な面持ちのまま顔を上げるが、シンジは、机
の方を向いている。

アスカが、お化けを恐かったなんて・・・。このアスカが・・・。プクククク。

表面上は笑いをこらえているが、心の中では、大笑いしていた。

「ねぇ、シンジ・・・。なんとかしてよ。」

シンジが机の方を向いてしまったので、後ろから抱き着くアスカ。

「え、あ、あぁ、そうだね。どうしようか。」

ようやく、シンジは笑いの悪魔から開放されたようだ。

「でも、苦手ならトウジにそう言ったらよかったのに。」

「だって、言えなかったんだもん・・・。」

ブゥっとアスカは膨れる。

「ねぇ、シンジ、一緒に入ってよ。」

「うん。ぼくはいいけど、トウジ達にどう言い訳するのさ。」

「せっかく、遊園地に行くんだから、シンジも入らないと勿体無いじゃない。」

「そうだね・・・。なんとかしてみるよ。」

アスカは少し安心したのか、シンジの背中に抱きついたまま、ニコニコしていた。

<遊園地>

いよいよ当日。シンジ,アスカそして、トウジ,ケンスケはお化け屋敷の前に立ってい
る。開園して間もなくなので、他の客も少ない。

「さぁ、約束やで。」

「わかってるわよ! さっ、シンジ行きましょ。」

シンジの手を引くアスカ。

「おい、惣流。なんで、シンジも一緒なんや?」

「せっかく遊園地に来たんだから、ぼくも入ってみたいなと思って。」

シンジがフォローする。

「まぁ、いいじゃないか。どうせ、ぼく達はお邪魔虫さ。」

ケンスケがシンジの意見を認め、トウジをなだめる。しかし、ケンスケの眼鏡は怪しく
光っていた。

「さっ、入るわよ。」

アスカがズカズカとお化け屋敷に入る。

「じゃ、行ってくるね。」

アスカの後を追いかけ、トウジとケンスケに手を振りながら、シンジも入って行く。

「それじゃ、 ぼくらも行こうか。」

そして、2人を見送ったケンスケとトウジも、何処かへ姿を消した。

最初はズカズカと進んでいたアスカも、辺りが暗くなってくると、歩みを止める。

「どうしたの?」

「シンジぃーーー。」

アスカは腰が引けてしまい、中腰の状態でシンジの腕に絡み付く。

「大丈夫だよ。ブッ!」

自分の手にまとわりつくアスカを安心させようと、振り向いたシンジが見た姿は、あま
りにも情けない格好だった。思わず吹き出してしまうシンジ。

プッシューーーーーーーーーーーーーーー。

その時、横からドライアイスの蒸気を含んだ様な、白い風がアスカを襲う。

「きゃーーーーーーーーー!」

咄嗟に反対側に逃げるが、そこからは、暴走した初号機のような骸骨が突き出てきてい
た。

「ぎゃぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

大暴れするアスカ。よじ登るように、シンジに這い上がる。

「ちょ、ちょっと、アスカ! アスカ!」

手にしがみついてたアスカに、前後見境無く暴れられたシンジの腕は、引っ掻き傷だら
けになった。

「アスカ! 大丈夫だから、落ち着いて!」

既に、コアラのようになっているアスカを引きずりながら、先へ進むシンジ。
辺りは真っ暗だが、特に何も無い通路のような所で、一旦止まる。

「ほら、もう、大丈夫だから、このままじゃ歩けないよ。」

コアラになったアスカは、固く目を閉じていたが、そろりそろりと目を開けた。

「大丈夫?」

「ほら、何も無いよ。」

辺りの様子を伺いながら、のろのろと立ち上がるアスカ。先程しがみついていた手とは
逆の手にしがみ付く。

「恐かったよぉ・・・。」

「もう、大丈夫だから。ね。」

「うん。でも、ちゃんと、手を握っててね。」

「わかってるよ。離さないから早く行こうよ。」

離すも何も、シンジの手は、しっかりとアスカに抱きしめられていた。

はぁ、引っかかれた手がひりひりするよ。もぅ・・・。

再び進行を始める2人。シンジが歩き、その後ろをおっかなびっくりついて行くアスカ。
何か音がする度に、シンジに抱き着くので、なかなか進めない。

「ほら、全然進まないじゃないか。ちゃんと、手を握っててあげるから、歩いてよ。」

「だって・・・。恐いよぉ〜〜〜〜。」

「大丈夫だから。ね。早く出ようよ。」

今はただの通路。特にお化けの人形があるわけでもないのに、シンジに抱き着いて離れ
ない。
でも、このままじゃ進まないので、アスカの手を握り進み出す。

ダーーーーーーン!

シンジが通りすぎた瞬間、天上から血まみれの髪の長い女性が落ちてきた。運の悪いこ
とにアスカの顔の前で、釣り下がっている。

「ぎゃぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

女性の人形を殴り飛ばすアスカ。クリーンヒットだ。
弾き飛ばされた人形は、シンジの顔を直撃する。クリーンヒットだ。

「グエェ。」

倒れ込むシンジ。同時にアスカもシンジに覆い被さるように崩れ落ちる。

「な、何するんだよ!」

起き上がろうとするが、シンジに覆い被さったアスカは、目を閉じたまましがみついて
いる。

「ちょ、ちょっと。 アスカ、どいくれないかな?」

「いやーーーーーーーーーーー!!!!」

半狂乱である。何を言っても目もあけず、しがみつく力を弱めない。

「はぁ・・・・。」

もう、散々だよ・・・。

「アスカぁ、このままじゃずっと、お化け屋敷の中だよ? だからどいてよ。」

「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

目を閉じて、体を震わせながら、シンジを抱きしめるアスカ。

「アスカ、あのさ・・・。」

「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

「ちょっと、聞いてよ。この先は、だっこしてあげるから、ね。どいてよ。」

「え?」

なぜか、急におとなしくなる。

「だから、ね。」

「だっこ?」

「うん。」

「本当?」

「うん。」

ようやく、アスカの力が弱まったので、しがみつくアスカを抱きかかえると、だっこし
た格好で立ち上がった。片手で足、もう片方の手で背中を支える形になり、アスカは両
手でシンジの首にぶら下っている。

はぁ・・・。こうなる気はしてたんだ・・・。

アスカをだっこしたまま、シンジは足を速める。アスカは顔を胸に埋め、目を閉じてい
る。

「シンジ、離さないでね。」

恐がっているわりには、少しうれしそうだ。

もう、早く出たいよ・・・。

最終ゾーン。ここを過ぎれば出口である。ひどい目に合ったシンジは、自然と早足にな
るが、それがまずかった。

ムニュ。

足元にクッションのような感覚が伝わり、シンジが躓く。

「わぁ!」

「きゃーーーーーーーー!!」

シンジがこけると同時に放り出されるアスカ。

今まで、見ざる聞かざる状態でシンジの胸に顔を埋めていたアスカだが、何事かと目を
開ける。

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

そこは、お化けの巣窟だった、いや、アスカにはそう見えた。アスカが放り出されたの
は、通路から外れ、お化けの人形が大量に並べられている所だったのだ。

再び半狂乱になるアスカ。おお暴れし、手が届くものは全て放り投げる。

ブンブンブン。

人形を振り回し、投げつけまくるアスカ。

「アスカ!」

ブンブンブン。

まずい! と思ったシンジは、立ち上がるとアスカの方へ近寄ろうとするが、次々と人
形がシンジに向って飛んでくる。

「アスカ! (カコーーーン) グェ!」

「いやーーーーーーーーー! こないでーーーーーー!」

「落ち着いて! (ドカーーン) 痛!!」

「きゃーーーーーーー!!! シンジぃぃーーーーーー!!! どこーーーーーー!!!」

「アスカ!! (バコーーーーン) グェ!!」

飛んでくる人形に当たりながら、なんとか、アスカの元にたどり着く。

「アスカ!」

暗闇から現れたシンジが、アスカの目に入る。

「シンジぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」

むさぼるようにシンジに抱き着くアスカ。

「も、もう大丈夫だから、落ち着いて!」

「シンジぃぃぃぃーーーーーーーーーーーーーー!!!」

溺れている人が、助けに来た人にしがみ付く様に、シンジに這い上がる。

「シンジぃぃぃぃーーーーーーーーーーーーーー!!!」

シンジの体には、再び多量の引っ掻き傷が増える。

「シンジぃ! シンジぃ! シンジぃ! シンジぃ!」

「とにかく出よう!!!!」

「シンジぃ! シンジぃ! シンジぃ! シンジぃ!」

アスカを抱き上げ、お化け屋敷からシンジは走り出た。
明るい光が、2人を照らす。

「はぁ、やっと終わった。」

「もう、外だよ。降りてくれないかな?」

「シンジぃ! シンジぃ! シンジぃ! シンジぃ!」

目を固く閉じて、抱きついた手を離さない。

「アスカぁ、いいの? こんなところをトウジ達に見られても?」

「え?」

アスカは、我に返る。

「降りてくれるね?」

「うん。」

名残惜しそうにするアスカを降ろして、一息つくシンジ。そこへ、トウジとケンスケが、
ニヤニヤ笑いながら駆け寄ってきた。

「どないやった?」

「別に、どーってことないわよ!」

涙目の顔で、虚勢を張るアスカ。

「シンジ。その傷どないしたんや?」

トウジとケンスケは、ニヤニヤしながらシンジとアスカを見ている。

「いや・・・その・・・。」

アスカが振り返ると、お化けのようになったシンジが情けなく立っていた。

「シ、シンジ! どうしたのその怪我!」

「はぁ・・・・。」

体中に引っ掻き傷ができ、腫れ上がった顔で溜息をつくシンジ。

「今日は疲れたよ。もう、帰ろう・・・。」

まだ、開園して間もない遊園地を後に、4人は帰って行った。

<ミサトのマンション>

「シンジ・・・ごめんね。」

「もう、いいよ。」

「良くないわよ!」

シンジの手当てを一生懸命するアスカ。

「あ、ここにも引っ掻き傷があるわ。」

「これくらい、いいよ。」

「ダメよ!」

ペタペタとばんそうこうを張る。

「あ! こっちも!」

ペタペタ。

なんだか嬉しそうである。

「もう、いいよ。体中ばんそうこうだらけになるよ。」

「そ、そうね・・・。」

「でも、よかったね。トウジ達にばれなくて。」

「シンジのおかげよ。ありがとう。」

痛かったけど、アスカが喜んでくれたんだから、いいかな。

「今日のシンジ、かっこよかったわよ。」

お化け屋敷くらいで大騒ぎして・・・。格好悪いよ・・・。

一通り、手当てが終わり、救急箱をしまうと、シンジの膝の上に座るアスカ。

「また行こうね。」

お化け屋敷では、恐い思いをしたが、ご機嫌なアスカ。くったくの無い笑顔で、シンジ
を見つめている。

えーーーーーーーーーーー。もう、やだよ・・・。

口には出さないが、しばらくじっとしてたいシンジと、シンジの膝の上に座って、満足
気にスナック菓子をポリポリ食べるアスカだった。

<学校>

翌日、シンジとアスカが学校へ行くと、トウジとケンスケが近寄って来た。

「惣流、昨日はすごかったな。」

「何がよ!」 あんなのどーってこと無いわよ!!

「まぁ、これ見みろよ。」

ケンスケが差し出した、ビデオカメラの液晶画面に映し出されたのは、まさしく昨日の
お化け屋敷の映像だった。

「な! なによ、これぇ!!!!」

「あの遊園地に、父親の知り合いが働いててさ、防犯カメラで見てたんだよ。プププ。」

映像の中で半狂乱になるアスカを見て、大笑いするケンスケ。

「ガハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」

お腹をかかえて笑うケンスケ。

「見てみろよ、この惣流の格好!! ブハハハハハハハハ!!
  何が『いやーーーーーーー!!』だよ!! ククククク。ガハハハハハハハハハ!!」

いくらなんでも、言い過ぎである。

コソコソコソ。

高笑いするケンスケを残し、その場から避難するシンジとトウジ。

「やめときゃいいのに・・・。」
「ワイもあそこまでは、恐ーてようせんわ。」

女の怖さを知っている2人は、早々に退散してしまった。

「最低っね!!」

パーーーン。ぐしゃ!

ケンスケが平手をくらうと同時に、踏み潰されるビデオカメラ。

「あーーーー! 俺のカメラが!!」

ケンスケは、はたかれた頬を押さえつつ、潰れたビデオカメラを拾い上げようとするが、
それどころでは無かった。ケンスケの前には、使徒でも凍り付きそうなアスカの形相が
あった。

「ヒーーーーーーーーーーーーーーィ!!!」

腰を抜かすケンスケ。

「そんなことっばっかりしてるから! いつまでたってもモテナイクンなのよ!!!」

パーーーン! パーーーン!

往復ビンタ。

「た、た、助けて・・・。誰か・・・ヒィィィィィーーーーー!!!」

しかし、今のケンスケを助けようとする命知らずは、誰もいない。クラスメートは皆、
目を伏せ、遠巻きに哀れな死刑囚を見ているようだった。

「アンタなんか、シンジみたいに女の子に頼られたこと無いくせに! 偉そうに言うん
  じゃないわよ!! この覗き魔!!!」

パーーーン! パーーーン! パーーーン! パーーーン! パーーーン! パーーーン!
パーーーン! パーーーン! パーーーン! パーーーン! パーーーン! パーーーン!
パーーーン! パーーーン! パーーーン! パーーーン! パーーーン! パーーーン!
パーーーン! パーーーン! パーーーン! パーーーン! パーーーン! パーーーン!
パーーーン! パーーーン! パーーーン! パーーーン! パーーーン! パーーーン!

果てしなく続く平手の連発。既に悲鳴も聞こえない。

後にその様子を見ていたクラスメートが言うには、お化け屋敷よりも遥かに恐い地獄絵
図が展開され続けたと言う。

To Be Continued.
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