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平面シンジ
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作者注:この小説は、”平面アスカ”の続編です。そちらからお読み下さい。関連性は
        少ないので、これだけ読んで貰ってもかまいませんが・・・。
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<ミサトのマンション>

慌しい主夫の日常。シンジは今日もセカセカと動き、家事に奮闘中。衣類を纏めて洗濯
機に入れ、スイッチON。洗濯機が回り出す。

「ん?」

神秘的な白い布切れが、ブクブク泡をたてグルグル回る洗濯機の中を浮いたり沈んだり。
アスカの下着。

もうお構いなしのミサトと違い、やはりアスカはお年頃。下着だけは自分で洗濯すると
言い張っているのだが、どうやら間違って入れてしまったようだ。

脱水も終わり洗濯機から衣類を出すと、1枚1枚丁寧に伸ばしてベランダに干す。もち
ろん、その中にはアスカのパンツも・・・。

パンパン。

アスカのパンツを伸ばして干す。健康な血色の良い頬と、口元が嬉しそうなのは気のせ
いだろか・・・。

「あーーーーーーーーーーーーーーーー!!! アンタ何してんのよ!」

そんな良いことは長続きしないもの。やっぱり、雷が落ちた。ゴロゴロゴロ。

「ち、ちがうよっ。」

何がどう違うというのだろうか。

「なにマジマジ見てんのーーーっ!!! チカンっ! ヘンタイっ!!!」

「そ、そんなんじゃないよ・・・。」

アスカの平手が振り上がる。思わず、両手で頭を貝のように隠すものの、そんな程度で
防御できようはずもない。

パーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!

「変態じゃないのっ!!」

「ごめん・・・。」




洗濯も干し終わり主夫の休息時間は、自分の部屋と決まっている。だが今日は、休息ど
ころか、ぶちぶち愚痴が聞こえてくる。

「別にいいじゃないか、洗濯してただけなんだから・・・。
  間違ってアスカが、籠に入れたのにっ。なんで、ぼくが・・・ぶちぶちぶち。」

本人の目の前ではとても怖くて言えない愚痴でも、1人布団の中なら強いもの。なんで
も言える。

だが、愚痴を言いつつも、その脳裏には先程の白い三角形が焼き付いていた。

<二子山ハイキングコース>

数日後。

今日は天気も良く、学校での遠足にみんなでお出かけ。シンジとアスカも、遠足なら使
徒が来ても問題無いだろうということで、勿論参加していた。

「気持ちいいわねぇー。うーーーんっ。」

二子山の中腹で、ヒカリと一緒に歩いていたアスカが伸びをする。その後ろからやって
くるのは、荷物を持たされたシンジとトウジ。ケンスケは荷物を持たされず、なんと羨
ましい身の上だろうか。

「お昼になっちゃうわっ! 一気に登るわよ!」

岩の上で汗を拭いて待っていたアスカに、ようやく追い付いたと思ったら、身軽なアス
カはさっさかさっさかとまた登り始める。勘弁して欲しい。

「待ってよ・・・。ちょっと、休ませて。」

「男の癖にだらしないわねぇ。もうすぐ広場なんだから! さっさと来る!!」

手ぶらの2人組みは、そりゃぁ疲れることもなく登って行けるだろうとも。かといって、
ここでじっとしているわけにもいかない。

やっとのことで広場に到着。お弁当タイム。

「はぁ〜、疲れたー。」

「ほんま、疲れたわ。」

シンジとトウジが、やれやれと言った感じで芝生の上に腰を降ろした。もう、顔中汗だ
らけで疲労困憊。

「鈴原、疲れたでしょ。」

アスカに『荷物くらい鈴原に持たせたらいいのよ!』と言われて、悪いと思いながら
も荷物を持って貰ったヒカリは、スカートからハンカチを取り出すと、感謝を込めて
トウジの汗を拭っている。

「かまへんかまへん。こういうのは男の仕事やさかいな。」

「ありがとう・・・。」

ムッ!

そんな2人のなんだかいい雰囲気を見たアスカは、自分も負けてはいられないと、スカ
ートのポケットにズボっと手を突っ込んだ。

ん?

スカートにはいくつかのポケットがついている。

ズボッ!

ズボッ!

ズボッ!

片っ端から手を突っ込むが、持って来たはずのハンカチを探すが見当たらない。

ん? ん?

胸のポケットも探す。

無い。

あ!

さっき岩の上に座った時に、汗を拭いたのを思い出す。

「シンジ! ハンカチ忘れてきちゃったみたい。取りに戻るのよっ!」

「えーーーー!!! ぼ、ぼくもーーっ!?」

やっと一息ついて、これから弁当を食べらられると思っていたシンジは、不平不満を撒
き散らす。

「あったりまえでしょうがっ! か弱い女の子を1人で行かすつもり!?」

「ハンカチくらいいいじゃないか。」

「勿体無いでしょうがっ!」 シンジに買って貰った奴だったのよっ!

買わせた・・・の間違いなのだろう。きっと。

「お願いだよ。ちょっと休ませて。」

「直ぐ来るのよっ! く・る・わ・ねっ!!!!?」

疑問形のセリフであるが、事実上の強制を意味する。

「わかったよ。行くよ!」

半ば投げやりに重い腰を上げ、シンジは先程アスカが座っていた岩のある所まで、山を
下ることになった。

てくてくてく。

シンジを先頭に山を下る。

てくてくてく、ずってーん。

「きゃっ!」

シンジの後ろから、アスカの悲鳴が聞こえる。何事かと、シンジが振り返ると、そこ
には白い三角形の絶景・・・。

「うっ・・・。」

思わず見入ってしまう。富士山よりも素晴らしい。

「いたたたた・・・、あ!」

我に返ったアスカは、自分の体勢に気づき慌ててスカートの端を押さえた。

「見たでしょ!」

プルプルと首を振るシンジ。

「嘘をついたら、ただじゃ済まさないわよ! 見たでしょ!」

「え・・・あの・・・。少しだけ・・・。」

「この変態!!」

パーーーーーン!

ひどいよ!
どっちにしても、ただじゃ済まないじゃないか!
見ようと思ったわけじゃないのに・・・。

紅葉模様をつけた頬を手で押さえて、情けない顔で再び山を下り出す。

「あ、あそこ!」

ようやく、目的の岩場。アスカは、岩場に上りハンカチを手にする。ふと下を見ると、
シンジが見上げていた。

「キャ!」

下から覗かれ、思わずスカートを押さえるアスカ。足場の悪い岩場で咄嗟に行動した為、
バランスが崩れる。

落ちる。

シンジの前に、翻るアスカのスカート。

落ちる。

シンジの上に落ちる・・・。

アスカのスカートが、覆い被さる。

「きゃーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」

「わーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」




















                        ぴょこん




















                        ぴたん




















                        ぺったんこ




















「いたたたたたたたたたたたた・・・・・。」

シンジとぶつかった拍子で転んでしまったアスカは、痛い足を押さえながら立ち上がっ
た。

「ん?」

ぶつかったはずのシンジの姿が、どこにも見当たらない。

「シンジ!? シンジ!? あれ?」

シンジを探すアスカ。確かにぶつかり、シンジの上に倒れ込んだはず。

「いったーーーーーーー。」

シンジの声が聞こえる。

「何処? シンジ?」

「あれ? ぼくどーなってるんだ?」

声はすれども、姿は見えない。

「シンジっ! 何処にいるの!?」

「え? ・・・・・・・・うっわーーーーーーーーーーーー!!!」

叫び声が、なぜか自分のスカートの中から聞こえて来るではないか。なんだろうと、ス
カートの中に目をやると、そこにはスカートの裏に貼り付いたシンジの姿があった。

「きゃっーーー!! シ、シンジーーーっ! こ、こ、こんな所で何してるのよ!!」

スカートの中を覗き込み、シンジの様子を見ると視線は一直線にアスカの白い三角形に
向けられており、その目はらんらんと輝いていた。

「アンタっ!!! どこ見てんのよっ!!!!」

自分のスカートを、裏地にくっついたシンジ目掛けてパフパフと叩く。しかし、ゆらゆ
ら足の間で揺れるだけ。のれんに腕押しとはこのことである。

「え・・・その・・・。」

「目、閉じなさい! 目!!」

「え?」

「何が、『え?』よ! 目を、閉・じ・る・の・よ!」

「あ、うん。」

どうでもいいが、そろそろ戻らないといけない。シンジに目を閉じるように言いはした
が、やっぱりスカートの中が気になる。

アスカはよたよたと、内股気味で再びハイキングコースを登り、みんなの所へ戻って行
くことになった。

「あ! アスカ! こっちこっち!!」

可愛いピクニックシートの上に、他の友達とお弁当を広げていたヒカリが手招きしてい
る。ようやく帰り着いたアスカは、ごそごそと太もものあたりを気にしながら、ピクニ
ックシートに正座を崩した格好で座った。

「痛い!」

「あ・・・。」

シンジの悲鳴。慌てて三角座りに体勢を整え直す。そんなアスカの様子を、怪訝な顔で
ヒカリが見て来た。

「今、碇くんの声がしなかった?」

「え? そ、空耳じゃない?」

「そうかしら? 碇くんはどうしたの? 一緒に行ったんでしょ?」

「あ、あの・・・そ、その・・・そうっ! ネルフから緊急連絡があって帰ったの。」

「え? そうなの? 碇くんも大変ねぇ。アスカは行かなくていいの?」

「え、えぇ。アタシは優秀だからね。別に・・・。」

しどろもどろになりながら、よくわからない受け答えをする。よくわかる受け答えなど
こんな状況で咄嗟にできるはずもない。

「碇くん帰っちゃったのか。アスカも寂しいわね。」

「な!」

「碇くんも、いい加減気付いてくれたらいいのにね。いっつもアスカったら、『シンジ
  ぃ好・・・むぐむぐむぐ。」

咄嗟にヒカリの口を、両手で強引に押さえる。突然の事にヒカリは、目を白黒させてい
る。

「そんなことよりっ! お弁当よっ! 早くお弁当食べましょっ! お弁当! 山、上り下
  りしたから、お腹ぺっこぺこーーー!」

「そ、そうね。」

やっとのことで、昼食タイム。弁当を食べ始めるアスカとヒカリを始めとするクラスメ
ート達。

「アスカ、それ美味しそうね。交換しない?」

クラスメートの1人の女の子が、アスカの弁当に入っているから揚げを狙っている。

「え・・・。」

シンジが作った弁当。交換するのは気が進まない。どっから見ても、アスカの顔はそん
な顔。

「駄目よ。それは碇くんが作ったアスカの大事・・・むぐむぐむぐ。」

再び、ヒカリに突撃。

「は、ははは・・・。から揚げ好物だから、ごめんね・・・。」

「そうなの? いい、いい。それなら、別にいいわよ。はは・・・。」

アスカの様子がなんだかおかしいので、クラスメートの女の子も素直に引き下がった。

そうこうしているうちに、弁当も食べ終わり、再びハイキングコースを歩き出す。しか
しその格好は、スカートの中が気になって気になって、思いっきり内股。

「どうしたの? 歩き方がおかしいわよ?」

さっきからアスカの様子がおかしいので、心配して寄って来たヒカリの表情が、一瞬に
して青くなった。

「あ! アスカ・・・。それならそうと早く言ってくれたらいいのに。」

「え? 何?」

なんだろうと、ヒカリの視線が向かう自分の足元を見ると、血がぽたぽたと落ちている
ではないか。

「あ! ち、違うのよ! これは、さっきちょっと怪我しちゃってっ!
  ばんそうこう貼って来るわっ! ちょっと待ってて。」

大急ぎで、アスカは近くに設置されているトイレに駆け込みスカートをめくり上げた。
そこには、鼻血を出しているシンジの姿。

「アンタバカぁ!? 目を閉じてなさいって言ったでしょ!! 思いっきり勘違いされち
  ゃったじゃ無いのよ!!!」

「だって・・・。」

「いいこと! 今後絶対に目を開けるんじゃ無いわよ! いいわね!!」

「そんなこと言ったって・・・。」

「この変態!!」

「ずっと、目を閉じてるなんて無理だよっ!」

「いいから、目を閉じなさい!! アイロンで焼くわよ!」

「わ、わかりました・・・。」

「まったく。」

アスカは、シンジの鼻の穴にティッシュを詰め込むと、ヒカリ達の元へ戻った。その後、
特にハプニングも無く遠足は終わり、生徒達はそれぞれの家へと向かったが、アスカは
その足でネルフへ直行。

<ネルフ本部>

ネルフ本部へ到着すると、一目散にリツコの研究室へと向かう。

「どうしたの? アスカ?」

「またなのよ。」

「何が?」

「今度は、シンジが服にへばりついちゃって・・・。」

「え? またなの? で、その服は?」

「それが・・・。」

おずおずと、スカートを持ち上げると鼻にティッシュを詰め込まれ、目にガムテープを
張られたシンジの姿があるではないか。なんと間抜けな格好であろうか。

「あらあら・・・。」

「なんとかならないかしら?」

「そうねぇ。前回と同じ手を使えば、上手くいくかもしれないわね。」

「でも、どうやって?」

「逆の手を使うのよ。案は2つあるわ。」

「2つ?」

「アスカのパンツが見たくてそこに張り付いているのだとしたら、レイにスカートを捲
  って貰って、シンジくんの注意をそっちに・・・。」

「却下!!!!!!!!」

皆まで聞かずに、却下宣言。レイの下着など、絶対にシンジに見られたくは無い。シン
ジは下着どころか、レイの裸まで見ているのだが、それはトップシークレット。

「じゃ、もう1つの案は、それ以上にシンジくんが興味を持つものを教えてあげればい
  いのよ。」

「何それ?」

「それは・・・・・・・・・・・・・・・・。」

リツコは、アスカにシンジサルベージ計画を耳打ちした。

<ミサトのマンション>

シンジがいないので夕食の料理をするアスカは、リツコの提案を実行すべきか悩んでい
た。

ファーストとスカートを交換するよりマシだけど・・・。

「アスカぁ、お腹減ったよ。」

「ちょっと、待ちなさいよ!」

既に、アスカはタンクトップとランニングシャツに着替えている。アスカの後ろで、ぴ
ょんぴょんと跳ねるシンジ裏地のスカート。

シンジ・・・。

アスカは、しばらく、料理をしながらリツコの計画を実行すべきかどうか思い悩んでい
たが、コンロの火を止めると、シンジが張り付いているスカートを持って風呂場へ駆け
込んだ。

「ア、アスカ・・・何をするんだよ!!」

「一緒にお風呂に入るの・・・。」

「えーーーーーっ! ま、まってよっ!」

「シンジが、このままじゃ嫌なの・・・。元に戻って欲しいのよっ。」

「だ、だからって・・・。」

シンジの前で、1枚1枚服を脱いでいくアスカ。

「ア、アスカっ!」

そして最後の1枚を脱ぎ取る。

「アタシを見て。アタシ自身を見て!」

一糸纏わぬアスカの姿。

スカートに張り付いていたシンジの頭の中で、何かが弾けた。

                        :
                        :
                        :

<ネルフ本部>

翌日。リツコの研究室。

「どうしてくれるのよ! これ!!!!!」

アスカがリツコに見せたのは、アスカのパンツだった。

「あら・・・。」

リツコが目を丸くする。

「アンタの言う通り、シンジとお風呂に入ったら、今度は下着に張り付いちゃったじゃ
  ないのよ!」

昨日、アスカはシンジと一緒に風呂に入った。シンジは興奮してスカートから出てきた
が、鼻血を出しながらふらふらと風呂場を出た所に倒れ込んでしまった・・・そこにあ
ったのは、パンツ。ここに張り付けば、確かにいつもアスカ自身を・・・。

「これは、困ったわねぇ。あれ以上シンジ君が望むことを思い付かないわ・・・。」

「どうしてくれるのよ! いくらなんでも、こんなの履いて歩けないわよ!!」

「どうしたものかしら・・・。」

リツコも途方に暮れている。

ガシャ。

そこへ、やってくるゲンドウ。

「どうした?」

リツコが、ことの次第をゲンドウに説明する。

「そうか・・・貸してみろ。」

ゲンドウは、アスカの下着を受け取るとリツコの研究室を出て行こうとする。

「アタシの下着をどうするの?」

「わたしが履く。」

「な!」

「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

アスカの抗議の前に、シンジの絶叫がネルフ本部全体に響き渡る。

「アスカ、この際それが1番いい方法かもしれないわね。」

賛成するリツコを前に、シンジに早く元に戻って欲しいアスカもそれしかないかと思い
始める。

「でも・・・。」

「問題無い。任せろ。」

退室するゲンドウ。

「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
「アスカーーーーーーリツコさーーーーーーーん!! 誰か助けてーーーーーーーー!」

シンジの断末魔に似た悲鳴が、廊下から響き渡る。
ゲンドウに連れ去られるシンジの声が、だんだんと小さくなっていった。

<男子更衣室>

「む、小さいな。」

ゲンドウは、ブリーフを脱ぎ捨てると、シンジが張り付いているアスカのパンツに足を
通す。

「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!
  父さんやめてよ!!! お願いだからやめてよ!!!」

せまりくる恐怖。

「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

近付く運命の時。
近づく恐怖の物。

「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!
  いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!
  いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!
  だずげでーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」

「ふっ。」

アスカのパンツがビリビリと音を立てる。
嫌悪対象。もう目前。

「うぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあああああああ!!!!!!!」

ボカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン。

飛び散るアスカのパンツ。

シンジの体が、ゲンドウの前に飛び出してくる。

「ふっ。全てシナリオ通りだ・・・。」

ゲンドウは再び、ブリーフを履き衣服を身に纏うと退室して行った。その部屋には、泡
を吹いたシンジが無残にも残されているだけだったと言う。

fin.
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