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記憶喪失からのプレゼント
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15日前。

「アスカぁーーーーーーーーー!!!」

「シンジくん、レイ、撤退よ!」

司令室からミサトの指令が、初号機と零号機に無線で入ってくる。

「で、でも、アスカが!!」

ミサトの指令に反発するシンジ。

「シンジくん! これは命令よ! 撤退しなさい!」

「・・・・・・。」

その後、現存するN2爆雷を全て投下し、レリエルに取り込まれた弐号機救出の命令が
下る。

「そ、それじゃ、アスカが!」

「この際、弐号機の救出を最優先とします。」

これは、既に決定されていることであった。ミサトも反発したのだが、なすすべが無く、
指令通りにシンジに伝えるしかなかった。シンジなら、なんとかしてくれるかもしれな
い・・・という、かすかな望みの元に。

作戦開始数分前。

「何をする気! シンジくん!」

「ぼくが戻らなかったら、予定通り作戦を実行してください!」

ディラックの海に飛び込むシンジ。アスカを救出する為に。

作戦開始直前。

グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ。

暴走する初号機。

そして、アスカは救出された。

3日前。

ディラックの海から救出されたアスカは、命に別状も無く、怪我,精神汚染の心配も無
かった。ただ、記憶が全て失われていた。

「シンジくん。学校に行きましょ。」

「そうだね。アスカ。」

記憶が無くなったアスカは、同時に暗い過去も高いプライドも失っていた。

「今日は、昼で授業が終わるから、繁華街を案内するよ。」

「え? 2人だけで街に?」

「うん、そうなるけど?」

「ありがとう・・・うれしい・・・。」

アスカの生活のほとんどは、シンジに依存していた。今のアスカにとってのシンジは、
最も頼れる、信頼できる存在・・・いや、それ以上にアスカのまなざしは、熱い物とな
っていた。

                        :
                        :
                        :

「今日は楽しかったぁ。」

「よかったね。」

「また、連れていってほしいなぁ。」

「うん、いいよ。」

アスカは、記憶が無いという状況ではあったが、幸せな毎日を過ごしていた。シンジと
共に。

そして、今朝。

<ミサトのマンション>

小鳥のさえずりと、まぶしい光に刺激され、心地よい目覚めを迎えるアスカ。

「んーーーーーーー。」

ベッドの上に座り、両手を力いっぱいに上げて伸びをするアスカ。なんだか、すっきり
とした朝だ。

ん? ア、アタシ・・・。

自分の両手を見つめるアスカ。

・・・そう・・・戻っちゃたのね。

レースのカーテンごしに射し込む朝日に照らされながら、しばらく物思いに更けってい
ると、リビングからシンジの声が聞こえてくる。

「アスカぁ、朝ご飯の準備ができたよーーー。そろそろ起きてねーーー。」

どうしよう・・・。

「アスカぁーーー、そろそろ起きなきゃダメだよーーー。」

再び、催促の声が聞こえる。アスカは、どう対応していいのか悩んでしまう。

アタシ・・・・。

「もぅ、寝起きが悪いのだけは、変わらないんだからっ。」

シンジがアスカの部屋に近づいてくるスリッパの音が聞こえる。

「!!!」

アスカは、あわてて布団をかぶると、咄嗟に寝たふりをする。

ガチャ。

「アスカ、起きてよ。」

「んーーーーーーーー!!」

あたかも今起きたかの様に伸びをしながら、起こしに来たシンジを布団の中から見つめ
た。

「起きた?」

「うん。」

「じゃ、ご飯できてるから早く着替えて来てね。もう一回、寝たらダメだよ。」

「わかった。」

シンジが部屋を出ていった後、制服に着替えながらこれからの事を考える。

やっと、幸せな生活を送れる様になったんじゃない・・・。
きっと、記憶が戻ったら、今まで通りにはシンジと接することなんて・・・とても・・・。
いらない。こんな嫌な記憶なんて、いらないのよ。
そうよ、わたしの過去はもう無くなっちゃったのよ!

制服に着替え終わったアスカは、決意を固めながら鏡に映る自分の姿を見つめる。

いずれは、ばれるかもしれない・・・ううん、きっとばれる日が来る。
けど、それまでは・・・。

シンジは、朝食の準備をテーブルの上に並べて、時計と睨めっこしていた。

「おまたせぇ。」

「急がないと、遅刻だよ。早く食べようよ。」

ふと、時計を見たアスカは、遅刻寸前であることに気付き驚く。

「ゲッ! なんで、もっと早く・・・あばばばば・・・。」

つい、いつもの調子が出そうになり、あわてて両手で口を押さえつけるアスカ。

「ん?」

「そうね。急ぎましょ。」

シンジったら、アタシが起きてくるまで、食べないで待っててくれたんだ。

あわててパンを牛乳で流し込み、シンジとアスカは走って通学路を急いだ。

<学校>

遅刻寸前で教室に飛び込んだ2人を、ヒカリが迎える。

「珍しいわね。碇くんがこんな時間に来るなんて。」

「うん、なんか今朝は時間がかかっちゃってね。」

「ふーん。また、アスカがのろのろしてたの?」

ちらっと、羨ましそうな目でアスカを見るヒカリ。

「え・・・ちょっとね。」

「ま、碇くんがついてるから大丈夫よね、アスカは。」

「そ、そうね・・・。」

ヒカリ〜、なんでそこでシンジの名前を出すのよ! なんだか恥ずかしいじゃない!

「さっ、そろそろ授業が始まるから座りましょ。」

「そうね。」

ヒカリに促され席に座ったアスカは、斜め前に座るシンジの背中をぼぉ〜っと眺めてい
た。

いいわよね、今のままで・・・。

「ちょっと、アスカぁ。」

ヒカリがアスカに声を掛けてくる。

「え? あ、何?」

「何、碇くんの方をじぃぃっと見てるのよ! もうすぐ授業が始まるわよ。」

「え!? み、見てないわよ!」

「そうかしらねぇ? あ、先生が来たわ。起立!」

午前中の授業はとんとんと進み、今は昼休み。

「シンジくん、今日は天気もいいし屋上へ行こ。」

記憶を失ってからというもの、アスカはずっとシンジと2人で弁当を食べていた。容姿
は元々良かったが、おとなしくなったアスカはさらに男子生徒の人気を高めていた。当
然、アスカと一緒に弁当を食べるシンジへの視線は・・・。

「この辺りが、ちょうど影になってていいんじゃない?」

「そうだね。ここで食べようか。」

記憶の無くなったアスカの面倒を見ることに一生懸命になっている為か、ただ単に鈍感
なだけなのか、シンジは痛い視線が自分に向けられていることなど、全く気付いていな
かった。

「ねぇ、シンジくん。次の日曜日に、第3プレイタウンに連れていってくれるんだよね。」

「え、うん。そうだけど・・・。」

「どうしたの?」

「ぼくは、レジャーセンターって言っただけなんだけど・・・よく第3プレイタウンっ
  てわかったね。」

「え・・・。」

冷や汗をかき、言葉を詰まらせるアスカ。

「もしかしたら、ちょっとずつ記憶が戻って来てるんじゃない?」

「あ・・・だ、だから・・・ヒカリに聞いたのよ。どんなところかなって。そしたら、
  教えてくれたから・・・。それだけよ・・・。」

「なんだ・・・そうなのか・・・。」

アスカの記憶が戻ってきたのではないかと、一瞬嬉しそうな顔になったシンジだが、ア
スカの言葉を聞いて一気にガックリとしてしまう。

どうしてがっかりするの? 今のアタシの方が、変にプライドも無いし素直で女の子ら
しいじゃない。 どうして?

アスカは、そんなシンジの様子を、不思議そうに見つめていた。

<第3プレイタウン>

日曜日。

ここは、以前アスカがよく通っていたレジャーセンター。ボーリング,卓球など体を動
かす物から、ゲームセンターや食堂街などが集まっている。

「ねぇ、シンジくん。ボーリングしに行きましょ。」

「え・・・ボーリング?」

「うん。」

ニヤニヤと笑うアスカの前で、ボーリングが下手なシンジは、露骨に嫌な顔をする。

フフフ、困ってるわね。

「どうしたの? もしかして、苦手なの?」

最近ずっと猫を被っている為、ここらでうっぷんばらしにシンジを苛めようという腹だ。

「ちょ、ちょっとね。でも、いいよ。やろうか。」

あらあら、無理しちゃってぇ。100も出せないくせに。

まだ、昼前ということで、待たずにレーンに入ることができた2人は、早速ボーリング
を始める。シンジは11ポンド,アスカは9ポンドのボールだ。

「じゃ、まずシンジくんから、お手本見せて。」

「お、お手本?」

アハハハハハハハ、なんて、情けない顔してんのよ。あーーおっかし。

げんなりするシンジを見て、心の中で大笑いするアスカ。自然と顔も綻んでしまう。

「じゃ、行くよ。でも、あまり期待しないでね。」

アンタに、ボーリングで期待なんかしてないわよ!

シンジの第1投を、じーーっと見つめるアスカ。そのプレッシャーで、ただでさえ下手
なのに、変に力が入ってしまったシンジは、あっさりとガーターへ一直線となってしま
った。

「あっれーーー? ガーーターー? どうしたの? 今日は調子が悪いの?」

「ま・・・その・・・。やっぱり、ボーリングは・・・。」

がっくりするシンジに、とどめを刺したアスカは、内心大爆笑していた。

シンジが2投目で4本倒した後、アスカの番。

ここで、一発ストライクを取ったら、シンジどんな顔するかな?

ストライクコースを、狙いながら、ボールを後ろに振り上げるアスカ。

!!!!

しかし、そのままボールを投げずに、一旦止まる。

そうだわ!

「どうしたの?」

「え? ちょっと、タイミングがずれちゃって。」

「ふーーーん。」

再び、スタート位置に戻り、アスカ第1投。

ゴットーン。

そのボールは、シンジの1投目どころでは無く、いきなり斜めに滑って行きすぐにガー
ターとなってしまった。

「アスカ!? どうしたの!? 大丈夫?」

アスカに駆け寄るシンジ。
シンジは、アスカのボーリングの上手さを知っている。いつもなら、200オーバーく
らいの成績を平気で叩き出すのだ。
そのアスカが、ガーターということは、腕をひねったり、足をひねったんじゃないかと
心配になる。

「え・・・ボーリングって、難しいのね。ねぇ、投げかた教えてくれない?」

「え?」

いくら記憶喪失でも、こんなことまで忘れるのだろうかと、ふと疑問に思ったシンジだ
が、上目使いでねだられては断ることができない。

「うん・・・。ぼくなんかが教えても、大したこと無いけど。」

「いいから、教えて。」

「こうやって、ボールを振り上げて、あそこのピンの横を・・・。」

「そんな教え方じゃいやーーーーー。」

「え?」

「わかんなーーーーーい。」

「そんなこと言ったって・・・。」

アスカは、戸惑うシンジの前に立つと、シンジに自分のボールを持つ手首を握らせる。

「え?」

「早く、教えてよ。」

「で、でも・・・。」

きょろきょろと見渡し、周りの視線を気にするシンジだが、他の客は皆ゲームに夢中に
なっており、こっちを見ている様子は無い。

「早くぅ。」

「うん・・・。じゃ、こうやって振り上げてね。あのピンの少し横を狙ってね。」

シンジは、アスカを抱きかかえる様な格好で、真っ赤になりながら説明する。

「わかった?」

「わかんなーーーい。もう1回!」

「えーーーーーーーーーーーー!!」

クスクスクス。困ってる困ってる。アハハハハハハハハハハハ。

戸惑うシンジに、アスカは大爆笑だ。

「もう1回、教えて!」

「だ、だからね、こうやって振り上げて・・・・・。」

結局、5回もアスカを抱きしめてレクチャーさせられたシンジは、顔を真っ赤にして椅
子に座った。

「じゃ、シンジくん。見ててね。教えて貰った・と・お・り・に投げてみるからね。」

「うん。がんばってね。」

ようやく、アスカの第2投目。

カッコーーーーーーーン!!

見事に10本全て倒して、スペアを叩き出す。

「やったーーーー!! シンジくんの教え方が上手いから、全部倒せたわ!」

「ハ・・・ハハハ・・・。よ、よかったね・・・。」

そのゲームは、アスカ212点,シンジ94点という結果。その後、もう1ゲームした
が、結果は同じ様なものだった。

「なんだか、今日は調子悪かったの? シンジくんに教えてもらったアタシの方が、成
  績がいいなんて、おかしいわねぇ。」

「ハハハハハハ・・・こんなもんだよ・・・。アスカは、元々上手だったからね・・・
  ハハハハハ。」

ブッ・・・プププププププ。ちょーーっと苛めすぎちゃったかなぁ。ごめんねっ。

そろそろ昼時なのでシンジとアスカは、地下の食堂街にある喫茶店に入った。

「アタシ、チョコレートパフェ!」

「え? お昼ご飯食べるんじゃないの?」

「いいのいいの、パフェって結構お腹膨れるから。」

「まぁ、そうだけどね。ぼくは、ミックスサンドとコーラにするよ。」

「あ、アタシもサンドイッチ食べてみたい。1つ頂戴ね。」

「うん、いいけど。」

しばらくして、お互いの注文した物が運ばれてくる。

「どのサンドイッチがいい?」

「そうねぇ、やっぱりハムサンドが一番ね!」

「え・・・!?」

「ダメ?」

「い・・・いや、いいよ。そうだね。どうぞ。」

サンドイッチの乗っている皿を、アスカに差し出すと、嬉しそうにハムサンドを1つ手
にとって食べ出すアスカだった。

                        ●

そろそろ、夕方。

第3プレイタウンで遊び疲れたシンジとアスカは、家へと帰ろうとしていた。

「ねぇ、アスカ。寄り道していいかな?」

「ええ。いいけど、どこ?」

「ちょっとね・・・。」

「どこよ。教えてよ!」

「夕焼けが奇麗な公園だよ。」

「えーーー、本当!? 行きたい! 行きたい!」

<公園>

公園のベンチに座りながら、真っ赤な夕日を見つめるシンジとアスカ。

「奇麗ねぇ。」

「だろ。前にも、ここでアスカと一緒に夕日を見たんだ。」

「え? そ、そうなの?」

ここは、ユニゾンの練習をした時、アスカと一緒に来た公園。

シンジったら、突然何を言い出すのよ。記憶を戻そうとしてるのかしら?
どうして? 今のアタシの方が、かわいいじゃない。

「昔のアスカはね。プライドが高くて、ぼくをバカにばっかりしてて、意地っ張りで、
  素直じゃなくて、強がりで・・・。」

な、なんですってーーーーー!!! そこまで、言うこと無いじゃない!!!

「でも・・・、あの頃のアスカが、ぼくはいいんだ。」

「え!?」

シンジ・・・どうして、そんなに記憶が戻ってほしいの?

「ねぇ、シンジくん・・・。アタシと一緒じゃ、嫌なの?」

「嫌じゃないよ。でも、早く昔のアスカに会いたいんだ。」

「どうして?」

「それは・・・。」

「何?」

「本人に会ったら、言うよ。」

・・・・・・・。アタシ、どうしたらいいの?
いまさら、記憶が戻ってたなんて言えないよぉ。

「ねぇ、アスカ? 記憶を取り戻したい?」

「そ、そりゃーね。でも、どうしたらいいのか・・・。」

シンジは、ベンチを立つと夕日を背にして、赤い光が射し込むアスカのブルーの瞳を見
つめる。

「ぼくが、アスカと初めて会った時にね、1つのエントリープラグに入って戦ったんだ。」

アスカの記憶に、2人で手を重ね合わせてシンクロしたガギエルとの戦いが蘇る。

「その時ね、2人で両手に力を込めて、開け開け!ってお願いしたんだ。」

「それで?」

「それから、なんだかぼくの両手には、不思議な力があるんだ。」

「どんな力?」

「開け! って念じすぎたのかな? 記憶の扉を開く力があるんだ。」

「え!?」

シンジは、両手をアスカの顔の前にもって行く。

「記憶を戻したい?」

「うん・・・。」

「じゃ、ぼくの手を見て。」

言われるがまま、アスカはシンジの両手を見つめる。

パン!

「キャッ!」

シンジは、両手をアスカの目の前でおもいっきり叩いた。

「な、なにするのよ!」

「記憶、戻っただろ? ね、アスカ。」

シンジは、アスカにニコっと微笑む。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

「さぁ、帰ろうか!」

「ちょっと! アンタ・・・いつから気付いてたのよ!」

上目使いで、シンジを睨み付けるアスカ。

「最近、なんだか様子がおかしいなぁと思ってたんだけどねぇ、決定的に気付いたのは、
  さっきの喫茶店だよ。」

「どうして?」

「アスカが記憶を失ってから、サンドイッチなんて一度も食べてないのに、ハムサンド
  が一番って言ったじゃないか。アスカの大好物だよね。」

「あ!」

シンジは、アスカの手を取り、微笑みながらベンチから立たしてあげる。

「おかえり、アスカ。」

「フン! ただいま!」

気付かれていたことがわかり、ちょっと拗ねてみる。

「じゃ、帰ろうか。」

「それより、『本人に会ったら言う』って言ってたこと、さっさと言いなさいよ!」

「記憶が戻ってるのに、ボーリングしながら『わかんなーーーい。』とか言うアスカに
  は、教えてあげなーーーい。」

ボッ!

夕日以上に、耳まで真っ赤になるアスカ。

「ア、アンタ! そ、それは、さっさと忘れなさい!! いいわね!!」

「ダメ、ずっと覚えておくからね。アスカがぼくをバカにしたら、一生これで対抗する
  んだから!」

「一生って、アンタ・・・一生?」

「そうだよ。」

いつのまにか心の大半を占有してしまった少年の笑顔が、アスカの瞳に映る。

「フフフフ、そのうち、対抗できないくらいの弱みを掴んでやるんだから! 一生かか
  ってもね!」

「そんなぁ・・・。」

「じゃ、帰りましょ。」

「そうだね。」

2人は、仲良く並んでミサトのマンションへと向かい歩き出す。

こんな風に素直に、シンジに接することができるなんて・・・。

記憶が戻ったことを隠さなくても、素直なままでいられることにアスカは驚いていた。

きっと、記憶喪失からのプレゼントなのね。

アスカは、そっと記憶を失う前の自分がいいと言ってくれたシンジの手を握ってみた。

「アスカ?」

握った手は離さず、シンジを見つめ返すアスカ。そんなアスカを見たシンジも、アスカ
の手を握り返す。

シンジが開いてくれたのは、アタシの記憶じゃなくって、アタシの心なのかもしれない・・・。

アスカは、シンジの暖かい手に自分の手を握り締められながら、後ろを振り返らず前だ
けを見て、ゆっくりと歩き出した。

fin.
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