この作品は1024×768の環境で書いてますので、それ以下のサイズだと読みにくいかもしれません(^^;



 
 

「暖かい日差しの元で」

by あっくん


暖かく優しい微風が、アタシの頬をくすぐる。
心地よい春の日差しが、アタシを優しく包んでくれる。

「ふふ、良い風。暖かい日差しに素敵な景色。心が洗われるわ」

「そうだね」

アタシが身を預けている相手が、アタシの言葉に相槌をうつ。
彼が居てくれたから、アタシは変われた。
彼の優しさがあったから、アタシの心は救われた。
彼の想いが、アタシに人の温かさを教え、信じさせてくれた。

「ふふふ」

「ん?どうしたんだい」

アタシの笑いに、彼が不思議そうな顔をして問い掛ける。
彼はいつもアタシの側に居てくれる。
彼はその優しい微笑みを絶えずアタシに向けてくれる。
アタシは幸せ者だ。

「ふふ、ちょっとね。昔の自分を思い出しただけ」

「昔の?」

アタシの言葉に、彼は少し不安な顔をする。
心配しないで。もうアタシは昔のアタシじゃないの。
貴方がアタシを変えてくれたの。

「ええ、昔のアタシならこんな素敵な景色を見ても、素直に感動出来なかっただろうなって」

「でも、今は違うだろう?」

「うん」

そう、今のアタシは違う。
綺麗な物を素直に綺麗だと思える。
人の温かさを素直に受け取る事が出来る。
全部、貴方のお陰よ。

「今にして思えば、アタシって随分損をして来たと思うわ」

「………………」

彼は黙ってアタシの言葉を聞く。
アタシの次の言葉を待っている。
貴方はあれ以来、ずっとそうだったわね。
アタシの荒んだ心を癒す為、我慢強く待った。
そして、決して逃げなかった。

「本当の自分を押し殺し、偽りの仮面を被って………そして真実を見ようとしなかった」

「………………」

彼は一人語るアタシの顔を見つめ、優しく微笑みを向けてくる。
そう、その暖かい微笑みが、アタシの氷の仮面を少しずつ溶かしてくれたの。
凍てついた心もね。

「上辺しか見なかったアタシは、総てが偽りに見えて嫌悪してたわ」

「………………」

昔は貴方もそう見ていた。
貴方を嫌悪し、憎んでいたわ。自分の事だけを考えていた昔はね。
馬鹿だったのよ、アタシは。

「だから………損をしたわ。アタシって馬鹿よね」

「でも、君は気付いた。過ぎ去った時計の針を戻す事は出来ないけど、未来は変える事が出来るよ」

そうだ。振り返っても何もならない。
前向きに進みたい………貴方と共に。
けど、偽りの仮面を捨てたアタシは………弱虫だ。
どうしても、最後の勇気が出ないの。

「そうね、振り返って愚痴るより、前を見て歩かないとね。アタシの人生はまだスタートしたばかりだもんね」

「そうさ、僕も君もまだスタートしたばかりだよ」

アタシの大好きな微笑みを向けてくれる彼。
この微笑みをずっとアタシに向けて欲しい。
でも………弱くなったアタシは、この心地よさを失いたくないから………言葉が出ない。
もし彼が………そう考えただけで、喉まで出かかる言葉が霧散する。

「うん………頑張って走らないとね」

「そうだね。そして僕は………君と一緒に走りたい」

「………え?」

アタシは彼の言葉に、寄せていた身を離す。
今、彼は何て言ったの?

「人は弱い。だから様々な障害にぶつかり、そして苦しむ。そんな事は君も分かってると思うけど」

「………………」

アタシは、彼の言葉を一つ一つ反芻しながら聞いた。
そしてアタシの胸に、ある期待感と不安が過ぎる。
怖い………けど、聞きたい。

「時には一人でどうにもならない事がある。でもね、そんな時に側に、支えてくれる人が居れば………どんなに心強いだろう」

「………………」

彼の言葉が進むにつれ、アタシの鼓動は激しくなる。
期待と不安。
逃げたい。でも、逃げ出せない。

「だから………僕は君に支えて欲しい、そして君を支えたいんだ。一生」

「!」

彼は立ち上がり、そしてアタシに手を差し伸べながら最後の言葉を…
アタシがどうしても言えなかった、そして彼に告げられる事を期待していた言葉を聞いた。

「僕と結婚して欲しい」

アタシは、震える手で彼の差し出した手を掴もうとする。
けど、上手く掴めない。
そして、そんなアタシの手を掴み、彼はアタシを抱き寄せる。

「返事……聞かせてくれるかい?」

アタシは………言葉を出せなかった。
ただ、瞳に熱いものを感じながら、ただ、ただ彼に抱き付いた。
強く、アタシの溢れる想いの総てを伝える為に…

「イエス……って受け止めていいかな?」

アタシは………彼の言葉に、ただ頷くだけだった。
そして彼は、そんなアタシを優しく抱き締めてくれた。
暖かい………彼の想いが伝わってくる。

「アスカ…」

「し、シンジ…」

暖かい、春の日差しの元。
二人のシルエットが重なり合った。
アタシとシンジは、今、永遠の愛を誓い合ったの………
 
 
 
 

「シンジ、アタシは貴方に負けない様に努力するわ。もっと、もっと強く、シンジを支えられる様になるわ」

「うん」

「だから……アタシが強くなれる様に、アタシを支えてね」

「ああ、ずっと側にいる。そして君を支え続けるよ」

「有り難う、シンジ………愛してるわ」

「僕も…愛してるよ、アスカ」
 
 
 
 

END


〜後書き〜

どうも、あっくんです(^^)/
不意にこんなのを書きたくなって・・・あっと言う間に書いてしまった(^^;
どうも最近、私の作品は激甘な暴走作品が多かったので、気分転換って感じですかね。

それと・・・保険だったりして(笑)
『貴方の本音が聞きたいの〜リベンジ〜』は時期的にバレンタインと引っかけたんですが・・・・・・
あの設定でホワイトデーネタは書けるかどうか・・・(^^;

書けなかった時は・・・勘弁して下さいね(^^;

では、情けない物言いのままに、へっぽこ作者は退場します(^^;


アスカ:なんていい話なのかしらぁ。これは、名作中の名作ねっ!(^O^)

マナ:素直になったくらいで、大袈裟に喜ばないでよ。(ーー

アスカ:シンジのお陰で素直になれたのよぉ。羨ましいでしょぉ。

マナ:わたし、最初っから素直だから、べっつにぃ。

アスカ:フンッ。素直になったアタシに恐いものはないわ。アンタなんか、相手にならないんだからっ。

マナ:そうかしら?

アスカ:当ったり前じゃない。知性,美貌,純真に素直が加わったのよ。恐い物無しよ。

マナ:知性・・・美貌・・・純真と行くに従って、怪しくなるわね。

アスカ:なんですってぇぇ。

マナ:美貌も純真さもわたしの方が上でしょ?

アスカ:よく言うわねぇ。ま、自分で言うのはタダだけどねぇ。

マナ:じゃ、どっちが綺麗か、綾波さんか伊吹さんに聞いてみましょうか?

アスカ:どうして、ショートカットばかり選ぶのよっ! ミサトにしなさいよっ!

マナ:年齢が近い方がいいと思っただけなんだけど。(^^

アスカ:長いことコメント係やってんだから、いい加減、学習しなさいよね。さよなら。(タタタタタ)

マナ:へ? はっ! しまったっ!(^^;;;;;;

ミサト:(^^)

マナ:(^^;;;;;;
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asuka@rr.iij4u.or.jp

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