仮面ライダー龍騎EVAAVE騎龍ーダイラ面仮   
        
         〜第一話〜 









ーキィィンー 

「なんだ?鏡の中になんかいないか???」 

不運にもこの男はその鏡に触れてしまった 

「う、うわぁぁ!!」 

そして糸状のものに包まれ引きずり込まれてしまった・・・・ 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪ 

朝焼けに包まれて 走り出した 

行くべき道を 

情熱のベクトルが 僕の胸を貫いていく 

どんな危険に傷つくことがあっても 



夢よ踊れ この地球(ほし)のもとで 

憎しみを映し出す鏡なんて壊すほど 

夢に向かえ まだ不器用でも 

生きている激しさを 体中で確かめたい 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪ 

「ほぉ〜最近は物騒な怪事件が多いのぉ委員長」 

「ん〜そうよねしかもいきなり人が居なくなるんですものねぇ・・・ っていうかいつになったら鈴原は委員長
って呼ぶ癖直るのよ」 

委員長と呼ばれているその娘は やれやれといった感じでため息混じりに嘆く 

「おぉ〜すまんのぉ委員・・あ、いやヒカリはん」 

「はぁ〜」 

やはりこの男の癖は直らないようである 

ダダダダダ、バン!!!

「はぁっはぁっ・・・い、・・いまっ・・・もっ・・」 

どうやら今来た男は急いで、走ってきたようで、息が上がってうまくしゃべれていない 

「シンジ〜とりあえず落ち着けや」 

シンジは軽く深呼吸する 

「んでなんで遅れたんや????」 

トウジはかすかにこめかみがヒクヒクしていた 

「ごめんトウジそのバイクが家でパンクしちゃっててはしってきたんだけど・・・その・・・」 

シンジは相変わらずおどおどしている 

「〜んでこうなったわけなんだ・・・その・・ごめんなさい」 

「だからって遅刻してもいいものなのかしら??」 

ヒカリもやはり昔と変わっていないようだ 

「まぁまぁ委員・・じゃなくてヒカリちょっとまてや。なぁシンジそりゃ誰だってそういう日があるわなぁ」

「じゃ、じゃぁ」 

「でもや!!遅刻は遅刻や減給だな」 

「そんなぁ〜」 

シンジは目尻に涙を浮かべながら朝の事を悔やむ 

(あの時母さんが変に僕をからかって遊ばなければ遅刻しなかったのに・・・母さんのバカ!!) 

いまさらどうにもならないのでため息ひとつしてとりあえず鞄を下ろす 

「何してるんや??シンジ??」 

「え?何をって?鞄下ろしてるんだけど??」 

ピキッ 

「おまえなぁ・・・」

「ん?何?トウジ??」

「遅刻した分仕事して取り戻すっちゅう事ができんのかい!!!!」 

「は、はい!!じゃ、じゃぁいってきまっす!!」 

シンジはその場を逃げるようにして出て行く 

「碇君、行方不明事件の取材だからねー!!!」 

「わかりましたー!!」 

そういうと今度はヒカリが身支度をしだした 

「どこいくんや?委員長??」 

「・・・・(もう委員長に戻ってるし)取材よ取材、私も違う方面から当てって見ようと思って」 

「さよか、んでマユミはん」 

「はい??」 

「何でわしのHPの写真だけ宴会のときのもの何や??」 

「え?だって一番性格だが出てると思って」 

「・・・・・」 

「・・(クスクス)・・・」 

「委員長笑うんやない!!マユミはんもかえてくれえな」 

「ごめんなさいおかしくって・・・(くすくす)」 

「かんがえておきますわ」 

元々ヒカリとマユミは2人とも大手の新聞社で勤務していたが、腐敗したジャーナリズムに背を向けて小さいト
ウジのネルフジャーナルをに入ったのだのだ。 

マユミは主に内勤で、HP管理も彼女の業務。 

というか、他の人間はワープロソフトしか使えない。ヒカリに至っては頑固に手書きでマユミの仕事を増やして
いる。 

小さいながらもベンチャー企業としてこれでやっていけるのか、先行きが不安なところではある。 

一方シンジは 

「やっと取材許可もらえたんだから、邪魔しないでよね」 

ライバル会社に所属しているアスカといっしょにいた 。

なぜ出てくるタイミングがいっしょなのか??・・・は、とりあえず置いといて 

「わかったよぉ・・・(なんだかんだいってアスカだって現場を荒らしたりしたこと僕よりあるじゃないか)」 

シンジはそう思った・・・が言わないで置いた・・・いや言えなかった 

「返事だけは一人前なんだから・・・・・・」 

「はぁ〜」 

いつまでたってもシンジは苦労が絶えない人だった・・・ 

そう言うこと言ってるうちについたのがこのとあるアパートの一室。 

続発する失踪事件・・・・・・行方不明者の1人が生活していた部屋である。 

失踪から2ヶ月が経っているとのことだが、冷蔵庫に飲料水が残っていたりと、生活の匂いがまだ残っている。 

「これ・・・・・・一体何やってたんだろう?」 

シンジは窓に触れながら呟く。 

窓ガラス、鏡、テレビ画面、パソコンのモニタ・・・・・・ 

新聞紙で覆われているそれらは異様な光景だった。 

「ガラス・・・・・・鏡・・・・・・何かが映りこむものを覆っているようね」 

アスカは注意深く鏡に貼られた新聞紙を剥がす。 

別段、変わったところはない。アスカの真剣な表情が映り込んでいるだけだ。 

「・・・・・・」 

「うーん、わかんないなぁ」 

バリバリという音に、アスカは振り返る。 

「ちょっと、何やってるのよ!」 

「え?何って、取材を」 

と言いながら、窓ガラスの新聞紙を何の遠慮もなく剥がすシンジ。 

「現場荒らしてどうするのよ!この馬鹿シンジ!」 

「だって、アスカだって剥がしたじゃないか」 

「あのねぇ・・・・・・」 

シンジは窓ガラスから外の景色を見た。 

ビルが立ち並び、その下を車が行き交ういつもの光景。 

ふと、視線を空に上げる。 

=キィィィン= 

「シンジ!!??」 

「・・・・・・っ!?」 

信じられない・・・・・・というより、ありえないものがそこにあった・・・・・・否、いた。 

真紅の龍。 

数メートルに及ぶ巨体をうねらせ、蒼い眼でこちらを見据えている、赤い龍。 

「なんだ、あれ・・・・・・!」 

後退るシンジ。 

その手に何かが触れた。 

「・・・・・・?」 

最近流行っているカードゲームのデッキケース・・・・・・に似ていた。 

黒一色で何の装飾もない無骨なケース。 

「うわっ!!」 

「危ない!!シンジ!!」 

それに気をとられた一瞬の間に、シンジの眼前のガラスが砕け散る。 

「シンジっ!」 

駆け寄るアスカ。 

「なんなんだよ・・・・・・一体・・・・・・」 

しかし、シンジの身体には傷一つない。 

あの至近距離でガラスを浴びれば、確実に傷だらけになっていたはずなのに、である。 








「申し訳ありませんでした」 

「ほらアスカも誤ってよぉ」 

「何で私が??なんもしてないじゃない!!あんただってそうでしょうが!!」 

「もうあんたらのところからは取材うけつけないからね!!」 

「本当に申し訳ありません出した・・・・」 

キレている管理人はそのまま戻っていってしまった 

シンジは何がなんだかわかっていなかったが 

「ごめんねアスカ」 

「何であんたがあやまんのよ」 

「だって僕が新聞紙を破いたから・・・その・・」 

「何で新聞紙破ったくらいでこうなんのよありえないわ!!」 

周りを気にせず叫ぶアスカ 

「でもあのガラス・・・・・・こっちに向かって割れてたわ。何かが突っ込んできたみたいに」 

「そうだったっけ?」 

「まったく・・・あんた何年記者やってんのよ」 

「(むかっ)うるさいな目の前に龍がでてきて気が動転してたんだよ!!」 

「え!?龍?」 

「真っ赤な龍だよ見えなかったの!!」 

「そのとき窓ガラス見てなかったから」 

「え?でも窓ガラスの吹き飛んだとこ見たんじゃ・・・」 

「横から見てたから破片しかわかんなかったのよ」 

「ふーんそっか」 

(まさか・・・・・ありえないわ・・・そう・・・ありえない・・はず) 

「アスカ??」 

「あっ!!ん?な、何??」 

「変なアスカ・・・」 

「何よ!!考え事してただけでしょ!!」 

「ふ〜んならいいや」 

「でもこの失踪事件・・・・・・裏に何かある、ってのは分かってたけど、思ったより危ないみたいね」 









そしてシンジはネルフに戻るとトウジに怒鳴られていた 

ガミガミガミガミ!!!! 

ただシンジはしゅんとなっていただけであった 

「まぁまぁ鈴原そのへんでいいじゃない」 

「委員長でもわしはこいつを一発、一発殴らなあかんのや!!」 

トウジの拳がシンジに襲い掛かった瞬間誰かの両手で阻まれた 

「暴力はダメですわ」 

「そうよこのバカ鈴原!!」 

そう言いながらヒカリにごみ箱で殴られて気絶したトウジだった 

自分のデスクに付いて座るとポケットに何か入っているのに気づいた 

(なんだろ?) 

さっきのカードケースだった。どうやらドサクサに紛れて持ってきてしまったらしい 
何の気なしに、中のカードを一枚抜き出してみる。 

『ADVENT―――BRANK』と記されているが、絵柄は何も描かれていない。カードゲームにしては妙だ。 

『AP』という欄にも『0』という数字があるだけ。 

「何なんだ、これ・・・・・・?」 

何の変哲もない紙のカード。そう言ってしまえばそれだけである。 

だが、妙だった。ゲーム用にしては無骨すぎる。 

次のカードを取り出す。 

『SWORDVENT―――RIDESAVOUR』。 

描かれているのは、青龍刀に似た刀剣の類。しかし、青く錆びたような弱々しい色使いだった。 

『AP500』。 

『STRIKEVENT―――BRANK』。 

これもAPは0。カードゲームだとして、数値0のカードをどう使うのか。 

「シンジ!!お昼行くわよ!!」 

「あ、うん今いくよ」 

「アスカさんなぜいつもここまできて碇君と一緒にお昼を取ろうとするんですの??」 

「なっ!!・・・そんなのどうだっていいじゃないただ習慣になってるだけよ!!」 

「だったらネルフに入ればよかったのに」 

どうやらアスカだけはヒカリたちと一緒にネルフに移らなかったらしい 

「・・・・・もういくわよ!!シンジ」 

「う、うんってあれ?なにこれマユミさんの首元についてるの?」 

「え?なんかついてます??」 

「うん、とってあげるよ」 

「ありがとう」 

シンジは糸を掴み、マユミに差し出そうとするが、糸は粘着質で指から離れない。 

「くっ!このっ!離れろ!この!」 

「・・・・・・何やってるの?」 

ヒカリがたずねる 

「え?見えないの??」 

シンジはようやく外れた糸を忌々しげに眺める。 

「何もないように見えるけど?」 

「・・・・・・」 

「マユミさんは見えるよね??」 

「見えないけど??」 

「アスカは??」 

「何いってんのバカシンジ!!なんもないじゃない!!頭おかしくなった?」 

「・・・・酷いよアスカ、じゃトウジにも見えないの?」 

「みえるで」 

「ほんと!!?」 

「おまえがおかしくなったのがや、金やるから病院行って来い」 

「なんだよトウジまでもういいよ!!」 

シンジが拗ねてしまったところに 

「もぅお昼行くわよ」 

「うん・・・・・」 

(やっぱりシンジにも見えてたの??じゃぁシンジは・・・ でもおかしい・・・そうだとしたらあんな風に驚
かないもの・・・じゃぁ何でシンジは見えたの?? ・・・!!・・まさか・・・デッキを!?) 

「ほら行くんだろ?アスカ??なんか今日へんだよやっぱし・・・」 

「うっさい!!もういくわよ!!」 

そういってアスカは走り出した 

「今日もここぉ?」 

そういってシンジが指差したその先は喫茶店だった 

「いいじゃないここ好きなんだもん。ケーキと紅茶がおいしいし」 

「ま、いいか 」

 






「ふぅ〜おいしかった・・・あ、すいません追加でケーキひとつと紅茶ひとつ」 

「かしこまりました」 

「・・(クスクス)・・」 

「何笑ってんのよ〜」 

「だってアスカってここの定員さんだけには素直なんだもん」 

「ど〜言う意味よ!!私がいつも素直じゃないって事みたいじゃない!!」 

ギロッ

「・・・・ごめん、今日ここおごるからさ」 

「わかればよろしい、んでさシンジ」 

「何?アスカ」 

シンジがお財布を見て泣いていると本題に入った 

「今日現場で黒いカードデッキ拾わなかった??」 

「あーこれ??」 

コトッ 

「やっぱり・・・これは早く捨てなさい!!いい!?わかった??」 

「え〜なんでさ??」 

「何でもいいから捨てなさい!!」 

「わかったよぉ・・・ん??」 

「あの人!!定員の人!!マユミさんみたいに糸が!!」 

「ちょ・・シンジ!!」 

シンジはその糸がでている先を見つけようと走った 

「待ちなさい!!シンジ!!」 

「あ、これ・・・・・・」 

糸の出所は分かった。 が、意味は分からない。 

店の裏のミラービルのガラスから、何の違和感もなく糸が生えて来ている。 

もちろん糸が生えて来ていること自体は異常である。 

しかし、ガラスを破壊してその隙間から、というわけでもなく、ガラスに貼り付けている、というわけでもない。 

ただ純粋に生えて来ているのである。 

「どうなってんだ?」 

糸に触れないように注意しながら、少しずつ出所に近付く。 

どう見てもただのガラス。 

ひび割れてもいなければ穴が開いてもいない。 

「・・・・・・」 

シンジは嫌なものを感じながら、ガラスの面に直接触れてみる。 

触れた部分が水面のように波打った。 

「うわぁ!」 

反射的に飛び退き、背中に糸が触れた。 

「と、ととと!離れてよ、この!」 

外そうと歩くと、ゴムのように引っ張られ逆に全身に糸が絡まる。 

「わあああ!」 

「・・・・・・シンジ・・・ついに見てしまったのね」 

「アスカ、これどうなってんだよ!!」 

アスカはシンジの言葉を無視し、コートのポケットから何かを取り出す。 

黒いケース。 

「あ、それ!」 

シンジが持っているものと同じカードケースだった。 

違うのは、コウモリを模したような金色の紋章が刻まれている点。 

ケースがガラスに映りこんだ瞬間、アスカの腹部にベルトのようなものが現れる。 

「変身!」 

シンジには訳が分からないが、アスカは慣れた様子でカードケースをベルトに差し込んだ。 

鏡の中のアスカの姿が、赤い液体に包まれ、中世ヨーロッパの騎士のような姿に変化していく。 

黒いマントをはためかせた何かに。 

「ちょ、ちょっとアスカ!!!」 

シンジが振り向いた時、アスカの姿はない。 

ただ、巻き付いていた糸はいつの間にか切れている。 

「・・・・・・何なんだよ・・・・・・確かこうやってたよな?」 

ポケットからケースを取り出し、ガラスに映してみる。 

キィイイン、という共鳴音とともに、シンジの腹部にベルトが現れた。 

「うわ!」 

驚きつつ、シンジは続ける。 

「えーと、それで次は・・・・・・」 

ケースをベルトにはめ込み、叫ぶ。 

「へ、変身!」 

シンジの言葉とともにガラス全体が波打った。 

否、流動生物のようにシンジの体を飲み込みに来る。 

「うわっわっわっ、な、何だってんだよ!」 

逃げようとするシンジの顔がガラスに映った。 

鉄仮面のようなものを被り、青いスーツに包まれた姿が。 

「え??え??えぇぇえぇぇぇぇ!?」 

慌てて手を見てみると、そこにはいつの間にか手甲が付けられている。 

その手で顔に触れると、やはり鉄仮面の感触だけ。 

「って・・・・・・うわああああ!!」 

流動するガラスに飲み込まれ、シンジの姿もまたその場から消えた。 








「・・・・・・?」 

キーをいくら回してもエンジンが掛からない。 

定員は車を降り、周囲の点検を始めてみる。が、別段車の発進を妨げる要素は見つからない。 

「修理に出した方がいいのかしら」 

独り言を呟きながら辺りを見回す。 

気付いていない。 

エンジンが掛からないのは、手が動いていないからなのだ、と。 

その手に多重に絡まった蜘蛛の糸が彼女の感覚を奪い去っていた。 









「な、なんだこれ?」 

さっきからその言葉ばかりだが、シンジは何故かビルの屋上にいた。 

車の音が一切聞こえない、という異変に真っ先に気付き、次に自分がビルの屋上にいるのだと気付く、さらに全
ての文字が鏡に移したようになっている。 

「なんでこんなとこに・・・・・・」 

『Searchvent』 

無機質な機械音がそう言うのが微かに聞こえた。 

「・・・・・・誰かいるのか・・・・・・って、うわああ!?」 

見回してみると、確かに、いた。 

巨大な銀色の蜘蛛と、それに対峙する何者か・・・・・・否、先程、アスカが変じた、剣を携えた騎士が。 

アスカは何かカードを見ながら呟く。 

「ディスパイダー・・・・・・か。ザコね」 

そう言いつつ、ベルトから新しいカードを抜き取り、剣のホルダーに差し込む。 

『Swordvent』 

機械が発する声とともに、空から槍が降ってきた。 

ランス・・・・・・三角の形状をし、先が細くなった槍だ。 

アスカはそれを何のためらいもなく手に取り、蜘蛛の足に向けて振りかざす。 

蜘蛛も対抗して足を数本突き刺そうとするが、全て槍に弾き返される。 

「終わりよ!!」 

ベルトから次のカードを引き抜き、一瞥すると同じように腕のホルダーに差し込んだ。 

『Advent』 

「ダークウィング!」 

その言葉とともに、アスカの背中にはためいていたマントが体から離れ、蒼い閃光とともにコウモリの如き異形
と化した。 

すかさず次のカードをホルダーに入れる。 

『Finalvent』 

「やっ!」 

アスカが地を蹴ってはるか上空に飛び上がると、コウモリがその身体を包み込むように羽を広げた。 

「飛翔斬っ!!」 

アスカとコウモリは黒く巨大な弾丸となり、凄まじい速度で蜘蛛の胴体を貫く。 

「グオオオオオオ!!」 

蜘蛛は低い絶叫とともに爆発、粉々に砕け散った。 

爆風にあおられ、1枚のカードがぽかんと見ていたシンジの足元に飛んできた。 

拾い上げたそのカードには『SWORDVENT―――WINGLANCER』と記されている。 

APの欄に書かれた数値は2000。 

「な・・・・・・」 

「返して」 

アスカは有無を言わせずシンジの手からカードを抜き取り、ベルトに収めた。 

「な、なんなんだ一体?」 

「・・・・・・シンジ・・・あなたライダーなの??でもまだ契約してないみたい」 

コウモリがアスカの背中に戻り、マントの形となって取り憑く。 

「ライダー・・・・・・?」 

「・・・・・・話は後よ」 

ため息混じりに言うとアスカはシンジに背を向け、いきなりビルから飛び降りた。 

「お、おいアスカ!死ぬ気かよ!!」 

シンジの言葉を無視してマントを翻し、危なげなく着地する。 

「グラオオオオオ!!」 

「・・・・・・へ?」 

唸り声に振り返ると、背後に赤い龍が浮いていた。 

口を大きく開き、尖った牙を露にした姿で。 

「オオオ―――!!」 

大気の震えとともに炎がシンジに向けて吐き出される。 

「おおおおおお!!」 

シンジもアスカの後を追い、迷わずビルから飛び降りた。 

背後―――というか頭上で爆発音が響く中、シンジは落下する恐怖を嫌というほど味わっていた。 



続く


マナ:bakuoziさん。投稿ありがとー。\(^O^)/

アスカ:シンジがライダー? アタシもライダー?

マナ:仮面ライダーって、何人もいるの?

アスカ:V3とライダーマンみたいなものじゃない?

マナ:契約って何かしら?

アスカ:とりあえずライダーになるには、契約書にサインと判子が必要なのよ。

マナ:なんか、ウソくさーいっ。
作者"bakuozi"様へのメール/小説の感想はこちら。
bakuozi@yahoo.co.jp

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