※これもあるバンドから勝手に持ってきた物です。ご了承下さい




















「ダンデライオン」















タンポポをみつめてしゃがみ込んでいる少年がいる

タンポポはいいなぁ皆に知られてて・・みんなの身近にいて・・・

それに比べて僕は・・・嫌だ...嫌だ..

何もかもが嫌だ・・

誰も僕を見てくれない

誰も僕を気にしてくれない

皆僕の手をすりぬけて逃げていく

もうやだ・・

今度またエヴァのパイロットが来るらしい・・・

僕には関係無いけど・・・

どうせ僕は独りさ・・・・・








「バカシンジ!!」

「なんだよぉ・・・」

僕は独り・・・

けど・・けど、この子は何故か僕にかまう・・

僕にかまったら君は皆に嫌われてしまうかもしれないのに・・・恐くないのか?孤独が

僕は皆を傷つけてばかりなのに・・それでいて皆を求めてる

きっとこの子も・・・

「ねぇ、アスカなんで僕にそんなかまってくれるの?僕といたら嫌われちゃうかもしれないのに...」

「アンタホントバカねぇ・・・そんなん関係無いじゃん!!!アンタといたいからいるの。わかった!?ったくバカシンジは・・・」

「でも・・・・・」

「うっさいわねっ!!アンタといちゃいけないわけ!?」

「アスカがきらわれ・・・・」

パチン!!

「なんなのよ!!私あんたが好きだから一緒にいるの!!あんたが・・あんたがっ・・・!!」

シンジの目が大きく見開かれる

そしてその目から涙がつっ・・と流れる

「何泣いてんのよ.....泣きたいのはこっちなのに・・・」

するとガバっとシンジがアスカを抱く

「っ!?」

「ホントに・・・ホントにいいの?」

「え?」

「僕と一緒にいてくれるの?僕から逃げないでいてくれるの?」

シンジの胸の中でコクンと頷く

僕はこのとき初めて知ったよ。暖かい涙があることを・・・











空に白いエヴァがいる

エヴァに乗る

これが最後の戦いらしい

アスカの弐号機は動かないらしい・・・けどそのほうがいい、アスカが危ない目にあわないから

上のエヴァが降りてきた

僕はあいつ等が着陸する瞬間を狙って首をはねる

そして次々と敵に致命傷を負わせていく

「うわあああああああああ!!!!!!!」

さらに次へ、次へと獰猛なライオンの様に

けどなんか変だ。やな感じがする

そしたら量産機が再生し、手にしていた剣がロンギヌスの槍へと変形したんだ

「っ!??」

「シンジッ!!!!」

一気に投げられて次々と刺さって辺りに血がとんだよ

「ぐああああああああああああ」!!!!!」

このとき初号機が膝をついたんだ

そしたらエントリープラグのすぐそばへと槍が刺さったんだ

ああ・・・これはまずいかな・・・血が止まらないや・・・

僕もここで終わりかなぁ・・・

「いやああああああああああああ!!!!!!!」

ん?・・・誰だっけ...この声・・・あっ、アスカだ・・・・アスカが叫んでる・・・泣いてる・・・

ダメだ・・・・・・ダメだ・・・・ダメだ...ダメだ!!!!アスカが泣くなんてダメだ!!!アスカは冷たい涙なんて知らなくていいんだ!!!

「アスカっ!!アスカっ!!僕は大丈夫だ!!ほらこの声聞けば分かるでしょ?大丈夫だから泣かないで」

「大・・丈夫なの?」

「ああ・・ほら」

初号機がぐぐぐ・・と立ち上げたよ渾身の力で

「もう帰ってきて・・」

「それはできない・・・今やらないとダメだから」

「そんなっ!!しん・・・」

もう切ってしまおう・・・これ以上アスカの声を聞いたら本当に帰ってしまう

さぁ行くか・・・

初号機がエントリープラグ辺りに刺さった槍を手に取る

「グオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!」

初号機が咆哮を上げる。母さんも協力してくれるみたいだ

そのとき感情のないはず量産機が本能でか、あとずさったんだ。

それを僕は見逃さない

槍で次々にダミープラグを潰していく

「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!これで最後だぁ!!!!!!!!!!!」

最後の量産機に槍を投げつけて倒したよ

けど同時に力が抜けて初号機と地に倒れたんだ

その弾みでか壊れたエントリープラグがズルリと出てLCLが流れ出す

そこに車から降りてきたアスカが駆けてきたらしい叫び過ぎですぐ分かるよ

エントリープラグに開いた穴から中へと入ってきた

「シンジッ!!!!」

「やぁ・・・」

ああ・・・アスカ、僕に触っちゃったよ・・・わかっちゃったかな・・・

「なによ...これ」

ああ・・分かったみたいだ

「いやっ!!いやぁ!!!!なんなのよこれぇ!!!!!何よこの赤いの!!!!」

そりゃたくさん出るよなわき腹がかなりえぐれてるみたいだから

「ア、アスカ...泣かないで・・・」

「やだぁ!!!やだぁ!!!シンジ!!!いつもみたいな元気な声を聞かせてよぉ・・・」

「ごめん・・ね・・もう元気な声は出ないみたいだ・・・でもね・・・不思議と、不思議と寂しくないんだ。寂しがり屋のこの僕が・・・」

ゴフッ

あ、なんか血が口からも出てきた・・ヤバイのかな

「もう喋らないでシンジ!!!治療班来るから!!ね?だから喋っちゃダメよ」

「もう長くないのに・・・なんかこう満たされてるって言うか・・・」

「シンジッ!!喋らないで!」

「ねぇアスカ...今まで・・アスカと一緒にいて・・楽し・・かったよ・・ありがとう」

「何言ってんのよ!!これからも一緒にいるの!!!それで楽しいこともいっぱいするの!!だから死なないでよっ!!!ねぇシンジィ!!」

「ふふ・・ねぇアスカ・・僕の事..好き?」

「そんなの当たり前じゃない!!好きよ!!大好きよ!!愛してる!!!」

その時僕は自然ににっこり笑ったと思う

「ありがとう・・嬉しいよ。愛しのアスカ・・・・・・・・」

そして全身の力が抜けたよ。もう終わりみたいだ・・・

カヲル君・・・そう言えば前言ってたよね、涙の理由がなんなのかって・・

結局のところ僕にも分からないけどさ・・でも今のこの僕の心がそのまま答えでよさそうだよ・・・













月日は流れ四季の戻ったこの世界に春が訪れる

広い野原に一面タンポポが咲き乱れる

その真ん中に一つの墓が建っている

その石に刻まれた名は【碇シンジ】

その墓の前で一人手を合わせる赤毛の少女がいる

「ふふ・・ねぇシンジ?きれいだよね。そっちからも見えてるかな?きっと見えてるよね?

今でもねシンジのこと思い出すと涙が出ちゃう。

でもねその流れる涙は全部あったかいんだ・・・

ねぇシンジそっちからいつも見てて。それで私がいつの日かそっちへ行ったらまた一緒に・・・ね?」

その彼女の言葉を全て聞いていたそのタンポポ。

ざあっと彼女とタンポポに風が吹きぬける

するとタンポポはさっきの言葉に頷く様にパタパタと揺れそれを見た彼女はにっこりと笑い、そのタンポポに包まれるかのように身を預けた

「シンジ・・愛してるわ今も・・・そしてこれからもね!!」

その優しい黄色はまるであの少年の笑顔のようだった


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