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親友
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「惣流・アスカ・ラングレーです。よろしく!。」

僕たちの前に現れた転校生。それはあのEVAの二号機パイロットだった。
・
・
「ちょっと静かにして。授業中よ!。」
いまだ騒ぎのおさまらないクラスメートに委員長こと洞木ヒカリの檄が飛ぶ。

「あら、いいじゃない。みんな私の事聞きたいみたいだから。」
それに対して平然と返したのは転校生のアスカだった。

「ちょっと、惣流さん。何言ってるの?今授業中なのよ。」
ヒカリのアスカに対する初印象は最悪だった。

「そんなの関係ないわ。で、あなたは何なの?。」

「私はこのクラスの委員長をやってる洞気ヒカリよ。」

「ふーん・・・冴えないわね。」

「惣流!いいかげんにしろや!。」

アスカの暴言に涙目になるヒカリ。
それに声を上げたのは今まで沈黙を守っていたトウジだった。

「あら、あなたはいつかの変態じゃない。」

「惣流、今のは言い過ぎや。委員長に謝らんかい。」

「何意地になってるの。何、あんたたちデキてるわけ。」

そのアスカの一言が決め手となって、ヒカリは泣きながら教室を飛び出してしまった。

「委員長!。・・惣流、てめぇ。」
トウジがアスカに殴り掛かっていった。

アスカはそれを避けようとした。
がしかし、周りの机が邪魔で思うように動けない。
そして強い衝撃を覚悟したように目をつむった。

が、

パシッ!

受けた衝撃は思ったより軽いものだった。

アスカが不思議に思い目を恐る恐る開けると
そこにはシンジの姿があった。

「(シンジ・・・・・)。」

あまりに早い事の成り行きに教室は静まり返っていた。
碇シンジが転校生をかばった?

見るとトウジの拳がシンジの肩にめり込んでいる。
確かにあの時アスカめがけて振り下ろされたはずだったのだが、
間一髪のところでシンジが割り込んできてアスカを平手で殴ったのである。

しかもトウジの拳が当たった事に対して、
相当の苦痛があったはずだがシンジはそれに対して、なんの行動も起こさなかった。
それどころか笑顔さえ浮かべている。

そしてゆっくりとシンジが沈黙を破る。
「惣流、今のは言い過ぎだよ。委員長に謝ってきな。」
アスカはシンジを見つめながらそれを聞いている。

「惣流が本心からあんな事を言ってない事ぐらい僕には分かってるよ。
惣流は本当は優しい女の子なんだって。でもね、委員長も女の子なんだよ。」
シンジは優しくアスカに言い聞かせる。

「わ、わかってるわよ。謝ってくりゃいいんでしょ。謝れば。」
アスカは赤く染まった顔をごまかすように背を向け、
教室から出ていってしまったはずのヒカリを追いかけていこうとした。

が、アスカの目が教室の入り口のところでとまってしまった。
不思議に思った一同が皆教室の入り口を見てみると、
そこにはニヤニヤ笑いを浮かべながら立ちすくむヒカリの姿があった。

アスカはゆっくりとヒカリに近づき素直に謝罪の言葉を述べた。
「洞木さん、ごめんなさい。」

                また、ヒカリとアスカが話している一方では2バカことトウジとケンスケ
                そしてシンジがしゃべっていた。

「いいのよ。それに洞木さんなんて他人行儀な呼び方は止めて、
これからクラスメートになるんだから。ヒカリでいいわ、惣流さん。」

               「すまんな、シンジ。」

「私もアスカでいいわ。それよりヒカリなんで?教室を飛び出していたじゃない、
何で戻ってきたの。」

                「いや、僕が悪いんだよ。いきなり目の前に飛び出したんだもの。」


「私はこのクラスの学級委員長よ、このクラスの平和と秩序を守る義務があるの。
いつまでも留守にするわけにはいかないわ。それに・・すぐに戻ってきてよかったわ。」

                「それにしてもシンジ。見直したぜ。」

「なんで?。」
アスカが聞き返す。      

                「なんで?」
                 シンジが聞き返す。     
 
「だって、アスカと碇君の決定的瞬間を見る事が出来たんですもの、
まさか惣流さんと碇君がああいう関係だとは思わなかったわ。」

                「惚れた女を身をていしてかばう。うーーー男だね。シンジ。」

その言葉にアスカは真っ赤になって反論する。
「どっどうして私があんなさえない奴と付き合わなきゃなんないのよ。」

                 その言葉にシンジは真っ赤になって反論する
                「どっどうして僕があんなわがままな奴に惚れなきゃなんないんだよ。」

                                      
「ふーん、私二人が付き合ってるなんて言ってないわよ。そうか
アスカ、碇君と付き合ってるんだ。」

                 「そやそや、今更隠す事はあらへん。好きなものは好き、それでいいやないか。」 

 
      「「だから違うって言ってるだろ(でしょ)!!。」」

      「「へっ?」」

離れているところで話しているはずの二人の声が見事に重なった。
このとき二人は初めてユニゾンの片鱗を覗かせた。

「「イヤーンな感じ!」」
トウジとケンスケがハモル。

そのころ中心人物の二人はいうと
真っ赤になってうつむいてしまっていた。

その二人をクラスメートが放っておくはずもなく、恰好のからかいの対象となってしまった。

クラスの平和と秩序を守る洞木ヒカリでさえその輪に入ってしまったのだから、
もはやそれを止められるものは誰もいなかった。
そう、先生でさえも・・。


マナ:シンジかっこいいわね。

アスカ:当然よ!

マナ:あれが、わたしを守ってくれたんだったらなぁ。

アスカ:そんなことあるわけないでしょ。

マナ:そんなことないもん。もし、あれがわたしでもシンジは守ってくれてたもん。

アスカ:なら、試して見なさいよ。

マナ:いいわよ!

アスカ:フフフ。

マナ:さて、鈴原くんをからかって見るか。シンジ見てるかな?・・・って、ん?

アスカ:早くやんなさいよ!

マナ:アスカ!

アスカ:なによ!

マナ:シンジをおさえつけて、何してるのよ!

アスカ:そんなの無ーーーーーーーーい!!!!!
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