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ユニゾンのために
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「いーかーりーくーん、追いかけて!女の子泣かせたのよ!。」

委員長こと洞木ヒカリの言葉を聞いて碇シンジはすぐにアスカを
追いかけるためにマンションから出ていった。

「いいんですか、葛城さん。」
これはケンスケ。

「ああ、アスカの事ね。いいのよ、いつもの事だから。」
「「いつもの事?」」
トウジとヒカリがハモル。

「そう、いつものこと。アスカ、シンちゃんが何かやらかすたびに、
ああやって出ていっちゃうの。」
「そうなんですか?。」

呆れ顔で問い返すヒカリ。

「で、アスカが飛び出すたびにシンちゃんがああやって追いかけていくんだけどね。
今回はちょっち長引きそうね。」

会話が一段落ついたところでレイが口を開く。
「葛城三佐、私帰ってもいいでしょうか。」
「いいわよ。さんきゅレイ。」
「さよなら。」
それだけを言い残しレイは去って行く。

「私たちはどうしようか。」
ヒカリが困ったように口を開く。
「そうね、せっかく来たんだから私が何かごちそうするわ。」
「「ええ!ミサトさんの手料理ですか?」」
ミサトの言葉に過剰に反応する二人。

ミサトはそれを聞いてから立ち上がると台所の方へと向かって行った。
それにヒカリが続いてゆく。
「葛城さん、よかったら私手伝います。私料理とくいなんですよ。」
「あら、そう助かるわ。」

そのとき
プシュー!ドアの開く音がしてシンジが入ってきた。

「あら、シンちゃんどうしたの?。」
「ええ、ちょっと財布を取りに。惣流、お金もないのにコンビニで買い物しようとして
そこの店長と喧嘩しちゃっているんですよ。」

「あら、それはそれは。シンジ君も大変ね。」
「そうでもないですよ。・・じゃミサトさん行ってきます。」
「奥さんによろしくね。」

ミサトの最後の言葉は果たしてシンジに届いたのだろうか、
顔を真っ赤に染めた少年が部屋から出ていった。

その後、葛木邸ではヒカリの多大な功績のおかげで、
ミサトの料理はどうにか食べられるものに改造され、
トウジたちの腹へと無事に収められていった。

そのころコンビニでは
「本当にすみません。」
「いや、いいんだよお金さえ払ってもらえればね。」

ひたすら謝るシンジと顔に紅葉の後をつけた店長の姿があった。

「お嬢ちゃんも彼氏にあんまり迷惑かけちゃ駄目だよ。」
「「ちっ違いますよ。」」
彼氏という言葉に過剰に反応する二人。

「おや、違うのかい。ペアルックなんか着てるからついラブラブのカップルかと
思ったのにな。まあ、いいや、また買い物してくれよ。」

そう言って見送る店長を後にして二人は第三新東京市の見渡せる高台へと向かった。

「まったくあんたの所為で恥かいちゃったじゃないの。」
「そう?、喧嘩するたびに飛び出していくほうがよっぽど恥だと思うけど。」
「今回のはアンタが悪いんだからね。」
「何で僕が?」
「あんたがレイと・・・その・・。」
「ヤキモチ?」
「なわけないでしょ。」ガコッ!
そう言いながらとっさにアスカの蹴りが飛ぶ。

「とにかく、傷つけられたプライドは10倍にして返してやるのよ。」
起き上がったシンジはそんなアスカをまぶしそうに見つめていた。

「それから、これから私を呼ぶときはアスカって呼びなさい。」
「何で?。」
「気分的なものよ、これからユニゾンを深めるのに片方だけ名字で呼ぶなんて不自然でしょ。」
「そりゃそうだけど・・。」
今のアスカの説明にいまいち納得がいかないシンジ。
「じゃあ、呼んでみなさいよ。アスカって。」
「う、うん・じゃ、じゃあ・・・ア・・アスカ・・。」
「それじゃこっちが恥ずかしいじゃないの。」
テレながらアスカの名前を呼ぶシンジに、アスカまで恥ずかしくなってしまったらしい。
「まあ、いいわ。これからはしっかりとしなさいよね。」
そう言いながら顔を赤くしているアスカ。
その理由はシンジのテレが伝染しただけなのだろうか。
・
・
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「「ただいまー。」」
ユニゾンしながら帰宅する二人。
「おかえりー、アスカ。」
出迎えたのは洞気ヒカリ。

「ヒカリ、まだいたの。」
「ええ、夕飯をごちそうになってたの。」
「ヒカリ、まさかミサト料理を・・。」
「まさか、99.89%は私がつくったのよ。」
笑顔でヒカリはそう答えた。

二人の少女がそんな話をしている横ではシンジたちも話をしていた。
「おい、シンジ。ミサトさんて料理もうまいんだな。」
「えっ?」
とたんにいぶかしげな表情をするシンジ。
「そのうえあのナイスバディやろ、シンジも幸せもんやな。」
「ははは。」
シンジは疲れたように笑っていた。

不意に
「アスカ、夕飯どうする?」
シンジがアスカに声を掛けた。
「そうねハンバーグがいいな。」
それに答えるアスカ。
しかしこの何気ない会話に過剰に反応した三人がいた。

「な、なんやとシンジ。い、いつのまにお前惣流の事、名前で呼ぶようになったんや。」
「そ、そうだぞシンジ。俺達三人は一生恋人を作らないって誓い合った(注:誓い合っていません)
仲じゃないか。」
「シンジ君、とうとうアスカをものに出来たのね。お姉さんは嬉しいわ。」

「「なっ何わけの分からない事いっているんだよ(のよ)」」
仲良く一緒に反論する二人。

「いいのよ、隠さなくても。お姉さんはしっかりと祝福してあげますからね。」
「「イヤーンな感じ。」」

そうして夜はふけて行く。
いずれくる決戦の日へ向けて。


マナ:シンジの気を引きたかったんでしょ。

アスカ:べ、べつに、そんなつもりじゃないわよ。

マナ:シンジともめたら、いつも飛び出してるそうじゃない。

アスカ:だって、腹が立つんだもん。しょうがないでしょ。

マナ:シンジの気を引いて、やさしくしてもらいたいだけなんでしょ。

アスカ:む〜。

マナ:ほら、言い返せないー。図星でしょー。

アスカ:そうよ! 悪い!?

マナ:あーーー、開き治ったぁ!!

アスカ:今度は、どこに飛び出そうかなぁ。

マナ:今度って・・・。

アスカ:コンビニをおごってもらったから、次はファミレスに・・・。

マナ:・・・・・。いやらしいたかり方するわね・・・あなた・・・。
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