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レイ・・その瞳の奥に
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第12使徒レリエル来襲。
その事後処理にはサードチルドレンをのぞく、全職員が駆り出されていた。

ここではファーストチルドレンとセカンドチルドレンがその事後処理に当たっていた。


「ファースト、あんたシンジと何話していたのよ。」
事後処理をしながらアスカはレイにそう言った。

アスカは病室でのシンジとレイとの話の内容をしきりに気にしていた。

「あなたに関係あるの?」
冷たい言葉。感情のない、人形。
私と話すときのファーストはいつもこう。
シンジや司令には自分の感情を見せるというのに
私には相変わらず感情を見せない。
そればかりか表情さえ変えようとはしない。

パシーン!

またやってしまった。
悪気はなかった、でも・・許せなかった。
なぜ?
ファーストが人形みたいだったから。
いえ、違う。
それだけじゃない。
嫉妬してたんだ、私。

私の知らない会話をするシンジとファーストに
私の知らないシンジとファーストの絆に。

「なぜ、殴るの?」
ファーストの頬、殴られた後が赤い。
でも表情は相変わらずだ、変わっていない。

言葉も出ない私。
思わず下を向いてしまう。
沈黙があたりを包む。

刹那

パシーン!

えっ!

何?
何があったの?
ファースト?

「おかえし。」
いつのまにかファーストが目の前に立ち、私をにらんでいた。

殴られたの?私。

そのことを理解した私はすぐさまファーストをにらみ返した。
相変わらずの無表情。

しかし、その時私は初めて気がついた。
ファーストの瞳に、怒りの感情が宿っている事に。

今まで私はファーストを遠くからしか見てなかった。
そして私はその遠くからファーストを見ただけで、
ファーストという人間を理解していた。
でも今、近くで見てはっきりとわかった。
レイは感情がないわけじゃない、ただ感情を表に出すのが苦手なだけなんだ。

そのことを理解した私はレイに言った。
それは今までなら決して口に出さなかった言葉だった。

「ごめん。」
私は小さな声そうレイに告げた。

「いいのよ。別に・・」
相変わらず無愛想な物言いである。
でもレイの瞳から怒りの感情が消えていた。

「私も悪かったのよ。」
レイが初めて自分から私に話かけてきた。

「私・・・・・嫉妬してたの・・碇君と・・・アスカに。」
「えっ?」

思わず私は聞き返す。

「碇君、気を失っている間中、ずっと呟いていたわ、アスカ、アスカって。
だから私・・・。」

私の顔はその時点で赤くなっていた。
「(シンジが私の名前を・・・)。」

「意地悪してみたの。」

レイ・・・・・やっぱり性格悪いわ、この女。

「さあ、レイ。さっさと事後処理終わらせるわよ。(そしてシンジに早く逢いに行かなきゃ)。」
気を取り直した私はレイにそう告げた。

「碇君に早く逢いたいのね。」

ぎくっ!
「なっ、何で私がシンジなんかに早く逢わなきゃ行けないのよ。」
心の中を見透かされた私は顔を赤くしながらレイにそう告げた。

「まあ・・そういうことにしときましょ。」

相変らず無表情で答えるレイ。
しかし、その瞳の奥には不器用な感情がある事を私は今日知った。


マナ:シンジが大変な時に、なにしてんのよ。

アスカ:だって、ファーストと話をしてたんだもん。

マナ:話くらいいいじゃない。

アスカ:嫌だったんだもん。

マナ:それくらいで、レイのこと叩いちゃってさ。

アスカ:でも、今回のことでちょっとファーストの関係も良くなるかも。

Δのレイ:やっと、私のことをわかってくれたのね。

アスカ:ぎょ! ち、ちがう。アンタじゃない!

Δのレイ:いい関係になるっていったじゃない。

アスカ:違うわよ! 都合のいい様に捕らえるんじゃないわよ!

Δのレイ:さぁ、いまからデートに行きましょ。(*^^*)

アスカ:いやぁぁぁぁぁぁぁ!!(ずるずるずる)

マナ:フフフ・・・今のうちにシンジの所へ・・・。(こそこそ)
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