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光
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「酸素も薄くなってきている・・・。」

独断専行 作戦無視

この二つの言葉が僕の頭を締め付ける。
あの時飛び出さなければ・・・・

第12使徒レリエルとの戦闘中僕はディラックの海へと飲み込まれ
その虚数空間へと取り込まれた



「プラグスーツももう限界だ・・。」

光の消えたエントリープラグ
闇がボクの身体を蝕んでゆく・・

寒い・・・


限界を感じた僕は瞳をそっと閉じてゆく・・

:
・
・
・

ドクン



何だ?・・

瞳を閉じた僕は、誰かの鼓動を感じていた

誰かが僕を見つめている   ドクン

    ドクン
    
                ドクン
そっと瞳を開いてみる・・

暗かったエントリープラグはいつの間にか光が満ちあふれ
とても暖かい光がそこに、静かに佇んでいるのが見えた

「母さん?。」   

僕がそう呟くと光は優しく僕を包み込んできた


母の胸に抱かれるってこんな感じなのかな


その温もりに僕は懐かしさを感じていた

その温もりに身を委ねながら僕は再び瞳を閉じた・・・・


でも

瞳を閉じた僕は何か違和感を感じていた

    瞳を閉じて・・肌で感じて・・初めてわかる光の正体
 

この感じは・・
       このぬくもりは・・・この光は


母さんじゃない・・・・


僕の記憶にある母さんの温もりよりも、ずっとしっくりくる感じがする


この感じは・・  確か・・・


    ア・・・スカ
  
間違いない

  アスカ

そうだアスカだ。

この優しい光  
    暖かい光  でも今にも消えてしまいそうな光
  そしてボクの大好きな光



僕は戻らなくちゃダメだ

  アスカが待ってる

僕はアスカのプライドを傷つけたままなんだ
   癒さなくちゃ・それが僕にできるせめてもの罪滅ぼし・・

そしてアスカの笑顔をもう一度見るために・・


決意した僕は最後の力を振り絞って初号機を操作する

初号機の電源はとっくに切れている
でも、今の僕にはそんなことはさほど問題ではなかった


「アスカが待ってる。」

その想いだけで僕は何でもできるような感じがしていた

:
・
すると、それに応えるのように初号機が咆吼をあげる・・・

虚数空間。暗闇の中を初号機の叫びが響きわたってゆく

そして僕は、光の中へ身を乗り出して行った

:
・
・

眩しい光が僕を包み込む

気を失ってたのか・・瞳をそっとあけてみる


その瞬間ミサトさんが抱きついてきた

泣いてる・・・・・

「ただ、逢いたかったんだ・・・。」

ボクは疲労からそれだけしかミサトさんに言うことはできなかった

言いたいことはたくさんあったのに・・


「しかるんじゃなかったの・・。」

その直後にアスカの声が聞こえてきた

よかった・・・・アスカ


僕は戻ってこれたんだアスカの元へ・・またアスカと暮らせるんだ


そう思った僕は安心して再び、疲労感に身を任せてゆく。


再び暗闇が僕を包み込む
でもその暗闇は、暖かな光に満ちていた。


マナ:シンジを絶対に手放さない気ね。

アスカ:何言ってるのよ。シンジが勝手に夢見たんじゃない。

マナ:シンジがLCLに溶け込んでる間、シンジぃ、シンジぃ言ってたのは誰よ。

アスカ:み、覗き見なんかするんじゃないわよ!(*ーー*)

マナ:そのくせ、「しかるんじゃなかったの・・。」だって・・・素直じゃないわね。

アスカ:ウッサイわね!

マナ:まぁいつまでもそんな態度とってたら、愛想つかされるのも時間の問題ね。フフフ。

アスカ:それは甘いわね!

マナ:あーら、やけに自信たっぷりじゃない?

アスカ:アンタの知らないところで、ちゃーんとやさしくしてあげてるから大丈夫よ。

マナ:な、なんなのよそれぇぇぇぇ。

アスカ:あ! 口がすべっちゃた・・・なんでも無いから、忘れて。

マナ:ちょっとぉ! ちゃんと言いなさいよ!

アスカ:あ、そろそろいつもの時間だわ。さよなら。

マナ:何の時間なのよ!(--;;;; ちょっと! どこ行くのよ!!(--;;;;
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