あれ・・わたし・・・

どこにいるんだろ?・・・なんだかとってもいい香りがする・・

なんだかとても安心できる・・・・・。

・・まるで誰かに守られてるみたい・・・・・

・・・・たしか・わたし・・・トイレに行って・・・

それから・自分のベットに・・戻ったのよね?・・・・・・

冷たい布団のはずなのに・・・

・・・どうしてこんなに暖かいの?

・・・・・・・まるで誰かに包まれてるみたい・・・・・

それに・・・・・・

・・・・・・

・・・・

・グピー!

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 夢
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『ママ・・どうして死んじゃったの?。』

あれ、小さい頃の私だ ・・・ 私・・泣いてる・・・。
もう泣かないって決めたのに・・

そこにはサルのぬいぐるみを抱えながら泣いている私の姿があった。

「ママ・・・・。」

そっと口に出してつぶやいてみた。

「どうしたのアスカ?。」

あれ・・この声は・・・・

私が振り向くとそこには優しい微笑みをたたえた男が立っていた。

「なぜ泣いてるのアスカ・・そんなに無理なくてもいいんだよ・・。」

たしか・・いかり・・シンジ・・・・・

「何、言ってるのよ。私は無理なんかしてないわ。」

エヴァンゲリオン初号機専属パイロット・・・
冴えない男・・・・内罰的な奴・・・・
そして・・・私の今の同居人・・

「いや・・アスカは無理してるよ・・いいんだよ僕の前では無理しなくても。」

「へんっ!アンタにそんなこと言われたくないわね。」

「僕はアスカのことを護りたいんだ。」

「アンタに護られなくても私は大丈夫よ。私は一人で生きていけるわ!。」

「アスカ・・・・。」

私の叫びを無視してシンジが私に抱きついてきた。

私は必死で抵抗しようとするが、なぜか身体が動かない・・・

そして私はシンジになされるがまま・・抱きすくめられていた。

「アスカ・・・アスカはとても優しい女の子だよ・でも・・それだけ傷つきやすいんだ。
僕なら君を護って見せる・・どんなことがあっても君を傷つけたりはしない。」

そうか・・・あのぬくもりはこの・・・・・・・・・・・・

「シンジ・・・。」

不意にシンジは私と距離を置くと・・・

一言つぶやき・・・私に顔を近づけてきた。

私もそんなシンジに促されるようにそっと目を閉じた。

「好きだよ・・アスカ。」

・
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「アスカ。」
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「アスカ。」

・
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「アスカ!。」

・
「アスカ!。」
「だー!もう!うるさいわね!・・今いい所なの!じゃましないで!。」

私は幸せな気分をじゃまされて不機嫌そうに布団から飛び起きた。

「へっ?。」

私が飛び起きて目を開けるとそこには同居人である碇シンジの顔があった。

なんで・・・シンジがいるの?・・・・・・・

「アスカ・朝だよ。朝食できたから。早く起きて食べちゃって・・。」

「キャー!エッチバカ変態!もう信じらんなーい!。」
パシーン!

「バカシンジ!何、女の子の部屋に勝手に入り込んでいるのよ!。」

「いや・・・勝手にっていうか・・ここリビングなんだけど・・・。」

シンジは頬に紅葉を刻みながらも表情を崩すことなく私に伝えた。

「へ?。」

「今日は決戦の日何だからしっかりしてよね。」

シンジはそう言い残すとそそくさとキッチンへ帰っていった。


リビングに残された私は顔を真っ赤に染めながら考えていた。
何で私ここで寝てたのかしら・・・

確か私は自分の布団で寝てたはずなんだけどなぁ・・・

おかしいわね。

それに私、何であんな夢見ちゃったのかしら・・

私がああいう願望を持っているってこと?・・・・・・・・・

ちっ違うわ・・私は加持さんが好きなんだから・・

あんな奴・・・あんな・・シンジ・・・

・
・
・

だー!もうウジウジ考えるのはやめよ!

何でこの惣流・アスカ・ラングレー様が、
あんな奴のことでこんなに悩まなくちゃいけないのよ!

そうよ!今日は決戦なんだから。

私がしっかりしないと。

あんなバカシンジなんかに任せておけないわ。

そう決心した私は立ち上がると
シンジの待つキッチンへと歩みだした。

私はこのときに今日の勝利を確信していたのかもしれない。

キッチンへ向かう私の顔にはいつもになく幸せそうな笑みが浮かんでいた。


マナ:どうしてあんな夢を見たのか教えてあげましょうか?

アスカ:アンタにわかるの?

マナ:シンジはマナちゃんがお似合いだから、せめて夢の中だけでも・・・ってやつよ。

アスカ:調子のいいこと言ってるんじゃないわよ!

マナ:あら? 本当のことだけど?

アスカ:アンタなんかにシンジを渡すものですか!

マナ:ほら決戦なんでしょ?

アスカ:そうそう・・・決戦なのよ・・・今日は。

マナ:わたしも決戦だから、がんばらなくっちゃ。

アスカ:アンタも決戦に参加するの? 聞いてないけど?

マナ:もちろん!

アスカ:ふーーーん。まぁ、せいぜい足をひっぱらないでね。

マナ:よしよし・・・行ったわね。わたしは、アスカの居ない隙に、シンジ争奪戦の決戦へ・・・。(コソコソコソ)
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