西暦2015年 某日・・・第3新東京市某所


この日、赤木リツコ博士を責任者とする極秘のミッションが遂行された。

「・・・ブツは?」
「回収に成功した・・・しかし、コレは本当に・・・なのか?」

男達の会話。後者の男が抱える箱に何かが入っているらしい。
その箱は厳重にロックされ、中身を伺う事が出来ない。
指示を受け、回収したこの男だけが実物を見る事が出来た様だ。

「赤木博士の話によると間違いない。
 うまくいけば対使徒戦で、大いに役立つらしい・・・」
「とてもこの世の物とは思えない異臭を放っていたぞ。
 その異臭だけで気を失いかけた・・・(汗)」
「とりあえず作戦成功と言う事だ・・・さあ引き上げよう・・・」

2人の男はNERVに引き上げていった。
気を失いかける程の悪臭を放つ”ブツ”を携えて・・・

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EVA小ネタ劇場 〜禁断の兵器・MCボム〜                                BOY−999・著
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極秘ミッションから数日後・・・

第3新東京市は平和であった。
平和でなかったのは、太平洋上の某所。
空母オーヴァー・ザ・レインボウを旗艦とする太平洋艦隊の航路上に”使徒”が現れたのである。
丁度この時、エヴァ弐号機とそのパイロットを迎える為に葛城ミサトと碇シンジが来ていたのだ。

「使徒だ!!」
「使徒!? あれが?」

セカンドチルドレン=惣流・アスカ・ラングレーに連行(?)されてエヴァ弐号機を見せられていたシンジ。
使徒の攻撃が始まったのはそのときだった。
使徒を初めて目前にしたアスカは恐れるどころか・・・

「ちゃ〜んす(ニヤッ)」

と独断で弐号機の出動を決めた。

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・・・一方、オーヴァー・ザ・レインボウのブリッジでは・・・

「くそう! 何が起こってるんだ!?」

艦長が謎の攻撃を見て喚いていた。
アレ? ミサトは何処に?
実はブリッジの入り口脇でトランク・・・出掛けにリツコに持たされた物・・・を持って立っていた。

『ミサト、万が一使徒が現れたらコレを使いなさい』
『何なの? コレ?』
『技術部で試作した対使徒用の新兵器よ。
 コードネームはMCボム・・・と言っても爆発物を使った物じゃないの』
『MCボムぅ!? 何なの、そのうさんくさいネーミング?』
『あくまで試作だから詳しい成分はまだ教える事が出来ないの。
 ただし、間違いなく効果はあるはずよ・・・』

「・・・な〜んて言ってたけど・・・本当に効果あるのかしら?(汗)」

かなりの不安があるマッドな親友(爆)の作品。
しかし”万が一”の事態が起きたからには、逆に使わないと後で何を言われるか解ったモンじゃない。
いやそれどころか、何かの実験台にされるかも知れない・・・などと考えている内に副長の悲鳴じみた報告が聞こえてきた。

「! エヴァ弐号機起動中!!」

その声を聞いてブリッジに駆け込むミサト。
速攻でマイクを奪い取り・・・

「ナイス! アスカ!!」

艦長や副長の声など無視して指示を出す。

「アスカ良い?
 こっちの甲板上にケーブルと武器を用意するから!!」
「オッケー♪ すぐ”跳んで”行くわ!!」
「飛ぶって・・・どうやって?」
「こう・・・やるのよっ!!!」

何故か同乗しているシンジの想像を超える行動を見せるアスカ。
船から船へと次々に飛び移りオーヴァー・ザ・レインボウへと到達する弐号機。
ケーブルの接続が終わると同時に、ミサトが甲板に出てくる。

「アスカ! コレを使って!!」

弐号機の手に向かって投げられた物はさっきのトランク。

「「・・・何(ですか)これ?」」
「ウチの技術部の試作兵器よ! 使徒の口にでも放り込んじゃいなさい!!」

ユニゾンでの疑問に自信を持って答えるミサト。
自分が一番信用してないくせに・・・(爆)

((・・・こんな小さいので大丈夫なの・・・?))

ユニゾンででっかい汗が浮かんだ気がする(LCLの中なので)アスカとシンジ。
しかしそれ以上考える間もなく、目の前に使徒の口が・・・

「「あああっっっ!!!!!」」

弐号機を頭からくわえ込んで海に飛び込む使徒。
当然例のトランクも使徒の口の中に入る事になった。
その勢いですっ飛んだトランクは使徒のコアに当たって砕け、その中身をぶちまけた。

・・・3秒経過。

『ガフッッッ!!!』

使徒が突然口を開き、弐号機を解放した。
いや解放したのではなく、そのまま浮かび上がり・・・そのまま二度と動かなくなったのだ。
赤かったコアは”何故か”青く変色し、ヒビまで入っていた。
使徒殲滅。

「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(汗)」」」」」」

一同唖然。
特にミサトは・・・

「・・・何なの? この即効性って・・・?(滝汗)」

一番信用していなかっただけに、ショックは誰より大きかった様だ。

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ーーー新横須賀港

太平洋艦隊が入港し、弐号機がオーヴァー・ザ・レインボウから下ろされてる最中、
出迎えに来ていたリツコに質問をぶつけるミサト。

「一体何だったの、あのMCボムって・・・?」
「・・・どうしても知りたい?」

まるで、悪戯っ子の様な笑みを浮かべるリツコ。
そこへプラグスーツのペアルックで現れるアスカとシンジ。

「私も知りたいわね・・・本当に何なの、あれ?」
「使徒を秒殺なんて・・・毒ですか?」
「ぷっ・・・あははははははははははははははははははははははははははは・・・(爆笑)」
「「「???(汗)」」」

突然吹き出し大笑いするリツコ。
訳の解らない3人に、遂に種明かしをする時がやってきた。

「じ、実はね・・・アレの材料を作ったのは私じゃなくて・・・ミサトなのよ」
「・・・・・・はい?」

リツコの言葉に目が点になるミサト。他の2人はミサトとリツコを見比べる。

「何日か前、貴女カレー作ったでしょう?
 で、処理に困ったシンジ君がソレを鍋ごとこっそり捨てたでしょ?
 そのカレーを技術部でこっそり回収して金属のカプセルに入れた物がアレ、MCボムの正体よ」
「な、な、なんですって〜〜〜〜〜!!!」

想像外の正体に悲鳴を上げるミサト。

「と、言う事は・・・MCって・・・(汗)」
「ミサトカレー(Misato Curry)の略・・・って事?(汗)」

思わず顔を見合わせて、そして爆笑するアスカとシンジ。
更に再び笑い出すリツコに、真っ白に燃え尽き立ちつくすミサト(爆)。

暫く笑いは止まらず・・・仲良く4人とも病院へ運ばれたのは20分後の話。
悲惨な事(?)にミサト以外の3人、笑い過ぎによって呼吸困難になったのだった(激爆)。

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おまけ

この一件で自分の”超弩級味音痴”を思い知ったミサトは、二度とカレーを作らなくなった。
しかし新たに”ミサトシチュー”を開発(爆)・・・するものの、なんと”自爆”。
自分の料理で自分が病院送りとなったとさ(激爆)。

当然親友には「無様ね」と言われ、
同居人の少年少女にはユニゾンで「「料理禁止!!」」を言い渡されたミサトは、
入院中ずーっと枕を涙で濡らしていたそうな。
ご愁傷様(核爆)。

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あとがき

皆さん初めまして。若葉マーク作家のBOY−999と申します。
作文系を大の苦手としていた者なのですが、私の駄文にお付き合い頂ければ幸いです。


さて、この作品について一言。
かなり毒電波入ってます(笑)。

コンセプトはズバリ!

「最強・最凶・最悪のミサトカレー(爆)」

・・・であります!!

恐らくですが、数多いエヴァSSの中で最大級の破壊力を持つミサトカレーだと思います。
しかし真の最凶は、ミサト本人さえも病院送りにしたミサトシチューかも(爆)。

尚、構成の関係上、某三重スパイ(笑)の出番は作れませんでした。悪しからず(m−−m)。


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