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名前:  シンジ
From  s_ikari@nerv.com
To    a_souryu@daiichi.jh.jp

アスカさん、返事遅くなってごめん。
なんか寂しい想いをさせちゃったみたいだね。ほんとにごめん。

質問の答えだけど・・・・答えは「YES」。
どうせ、週刊誌か何かに載ってたんでしょ?
そのおかげで、ちょっとごたごたに巻き込まれちゃったんだ。

それと、聞かれたことについては気にしてないから、謝らなくてもいいよ。
その代わり、この先、今まで通り返事をすぐ返せるかわからないんだ。

それと・・・あまり他人行儀なのはやめてくれないかな?
僕にはそれが一番辛いんだ。


どうか、いつまでも良きメル友でいてほしい。

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気がつけば、濡れている頬。





今日、二回目の涙は・・・・喜びの涙だった。






Mail Friend 第七話 作:ちょ〜さん
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 名前: アスカ From a_souryu@daiichi.jh.jp To s_ikari@nerv.com 遅いわよ!もう、どれだけ心配したと思ってるの? あたしはね・・・あんたの返事がないのが、すごく寂しいんだから! 返事が出来なくなるなら、先に言いなさいよ! ・・・ほんとに、寂しかったんだから・・・ あとね、「アスカさん」はやめてよ。「アスカ」でいいわ。 なんか、他人行儀で気持ち悪いし。あたしだって「シンジ」って呼んでるんだから。 光栄に思いなさい! あたしがファーストネームで呼ぶことを許可するなんて、珍しいんだから! だからね・・・出来るだけ早く、返事頂戴! 一週間以内に来なかったら、こっちから100通送ってあげるんだから! 覚悟しなさいよ! −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 翌日、暖かな日差しの朝。 「おはよう!」 「アスカ、おはよう。今日は元気ね。」 「ヒカリもわかってるんでしょ?」 「ふふふ。」 あたしは、以前のあたしに戻った。 「シンジ」のメールが、あたしに元気をくれる。 今は、それだけでいい。 必ず、返事が来るんだもの。 待つ楽しみが出来ただけよ。 だから・・・自分の想いは当分、心にしまっておくの。 今の関係を崩したくないから。 いつか・・・この想いに我慢できなくなって、会いたくなるまでは・・・ あたしが立ち直ってから、しばらく経った。 冬。もはや、街に枯葉すらなくなった頃。 その日は雪でも降るんじゃないかと思う程、寒い日だった。 「11月だっていうのに、寒いわね。」 コートを脱ぎつつ、マナがぼやく。 レイは・・・なぜ?と思うくらいに厚着だ。まるで饅頭。 コートを脱ぐのに、六分儀が手伝っているほどだ。 「やっぱりさ、これは着過ぎじゃないの?」 「だってぇ、寒いんだもん。」 「これ以上寒くなったらどうするのさ?」 「もっと着るからいいんだもん!」 あんた、それ以上着たらそのうち鏡餅になるわよ。 「まぁったく、朝っぱらからアツアツぶりを見せつけるのは、よしてよね。」 レイはいつも六分儀にベタベタ。一時も離れようとしない。 それでも本人たちは「付き合っているわけではない。」と言う。 そんなこと言ったって、、みんな納得するわけない。 そんなこんなで、二人は今や生徒の間で公認カップルとなっている。 本人が否定していても、多勢が認めればそれが真実。 民主主義なんてそんなものだ。 そして、その民主主義はこの学校にも適用されている。 「ただ、コート脱ぐのを手伝ってるだけじゃないか。」 「そんな子供じゃあるまいし。一人で脱げるでしょうに。」 「大変そうだから手伝ったんじゃないか。その方がレイも楽だろう?」 「へぇへぇ、六分儀様は紳士ですからねぇ。」 もうひとつ、公認されたものがある。 それは、あたしと六分儀の口喧嘩。 最初のうちは、ヒカリや鈴原が止めに入っていたが、 最近ではかなり深刻になるまでは誰も止めようとしなくなった。 むしろ、六分儀がのらりくらりとかわすので、あたし的には不完全燃焼。 そういえば、手を出すまでいった事がない。 「唯一、惣流に口で勝てる転校生」 他のクラスの六分儀の評価だ。 この口喧嘩を見に、一日に何人の生徒がこのクラスを訪れているか、わからない。 あたしは見世物じゃないのよ! 「ねぇ、アスカ。シンジと毎日言い争ってて、よく飽きないわね。」 「ふん、あいつの口が減らないだけよ。」 「アスカも人のこと言えないわよ。」 「だいたいねぇ、マナ。あんたは毎日あのバカップルを見てて、なんとも思わないの?」 「バ、バカップルって・・・い、いいんじゃないの? 別に、周りに害を与えているわけではないんだし。」 「じゅ〜ぶん、公害よ。あれを見てると、なんだかムカムカするのよ。」 「はぁ、さいですか。」 マナは呆れ顔。これ以上、不毛なやりとりをするつもりは無いらしい。 だいたいね、学校はいちゃつくところじゃなくて勉強するところなのよ! そして、学生の本分である授業中。 「今日は抜き打ちで、小テストを行う。」 「「「「えぇ〜〜!?」」」」 いきなりのテストにみんなからブーイングの嵐。 先生は気にもせず、テストを配り始める。 ふん、普段勉強してれば、こんなのどうってこと無いわ。 あたしは慌てもせずにテストにとりかかる。 教室のあちこちから、泣き声ともうめき声ともつかないような声が聞こえる。 この問題、そんなに難しいかしら? 「よし、終わりだ。後ろから集めて。」 所々からため息が聞こえる。 答案を受け取るために後ろを向くと・・・マナが机に突っ伏していた。 「なにやってるの?」 「あうぅ、じぇんじぇんわからなかったよぉ。」 「普段から勉強してればどうってことないわよ。」 「惣流さんの言うとおりだね。」 あら、珍しく六分儀があたしの意見に賛同してきたわ。明日は大雪かしら? 「でもさ、「天才美少女」なら勉強なんかしなくても、このくらいの問題解けるんでしょ?」 「そうよ。あたしくらいならこんな問題ちょちょいのちょいよ。」 「はは、流石だね。」 「ふん、どうせあんただってわからなかったんでしょ?」 「さぁ、どうだろう。一通りは書いたから、運が良ければ当たってるんじゃないかな?」 「はぁ、あんたも人のこと言えないわね。」 どうしてあたしの周りは、こんな奴しかいないの? やっぱり、「シンジ」だけね、まともな男は。 キーンコーンカーンコーン♪ 「それでは、テストは次の授業で返すからな。もちろん、順位発表有りだ。」 そういえば、この先生、順位発表とか生徒に順番つけるのが好きなのよね。 ま、あたしはいつでもトップだからいいんだけど。 「「「「「うげぇ〜・・・」」」」」 この発言で、クラスの3分の2は沈黙したようだ。 その中にマナ・レイ・鈴原・相田が含まれていた。 あんたら、遊ぶの程々にして勉強したら? 高校受験、大丈夫なの? 「だからね、みんなで勉強会を開こうかと思うのよ。」 昼休みにヒカリからの提案。 テストで散った四人は、未だに上の空。 さすがに見かねたヒカリが「受験のためにも今から準備」との理由での勉強会、開催告知。 どうせ気になるのは一人だけなんでしょうけど。 「僕は洞木さんの意見に賛成だな。みんな、同じ高校に行きたいだろう?」 なるほど、ヒカリの危惧はその辺も考慮に入れてあるのね。 「でもさ、俺たちは惣流や委員長とは頭の作りが違うからなぁ。」 「そやそや、同じ高校なんてとても入れるとは思えへん。」 「はぁ、アスカ、短い付き合いだったわね・・・」 「同じ高校に入ったら、餡蜜、奢ってくれる?」 まったく、こいつらは・・・ 「何よ、あんたたち、やる前から諦めるって言うの?」 「そうだよ、何事もやってみなければわからないだろ?」 「あら、珍しく意見が合うわねぇ。」 「僕もみんなと同じ高校に行きたいからね。」 あんたも教えてもらう立場なのに、態度でかいわ。 「じゃあ、とりあえず休みの日にみんなで集まるって事でどう?」 ヒカリは、ほぼ強引に開催決定を宣言。 「や、休みの日まで勉強かいな・・・」 「鈴原!あなたが一番危ないのよ?しっかり勉強してもらわなくちゃ困るわ!」 「なんで、いいんちょが困るんや?」 「わ、わたしが困るんじゃなくて、ご両親とかが、よ。 やっぱり息子にはいい学校に行ってもらいたいでしょうから。」 「さよか〜、おとんとおかんには迷惑かけられんからのぉ。」 でも、一番困るのはヒカリよねぇ。 「あうぅ、休みが・・・ショッピングが・・・」 「諦めて、レイちゃん。甘味処は逃げないわ・・・」 この二人の頭には、きっと餡蜜が詰まってるんだわ。 「そんなの勉強終わってから行けばいいでしょうに。」 「・・・それもそっか。」 レイ、納得。 「場所はどうするのさ?」と、相田。 「図書館とかは?」と、ヒカリ。 「こいつらが静かに勉強するわけないでしょ。周りの迷惑よ。」・・・あたしね。 「じゃあ、誰かの家?」と、マナ。 「この人数やで。どこぞの家に行くっちゅうんや?」と、鈴原。 まず、女の子の家は却下よね。 まさか、恋人でもない男を入れるわけには行かないわ・・・きゃっ♪ だとすると、あとはこの3バカの家のどれかよね。 相田・・・部屋に何があるかわからないわ。 鈴原・・・ヒカリは喜びそうだけど、なんかジャージ臭そうだわ。 とすると・・・ 「シンちゃんの家でいいんじゃない?」 レイ、久しぶりにまともな提案。 「「はぁ?」」 六分儀が驚くのはともかく、なぜマナまで? 「だ、駄目よ!シンジの家はぜ〜ったい、駄目!」 「マナちゃん、環境的には一番いいと思うよ?」 「そういえば、俺らもシンジの家は行ったことがないしな。 やはり友人としてはチェックしておかないと。」 チェックって・・・そんなだから、怪しいメガネおたくって言われるのよ。 「な、な、な、チェ、チェックですってぇ〜!そんなのぜ〜ったい許さないわよ?!」 「・・・なして、霧島が許さないんや?」 そうよね、どう考えてもおかしいわ。行くのは、六分儀の家よ? 「あ、な、そ、それは・・・」 冷や汗ダラダラのマナ。救いの視線は六分儀に向いている。 「・・・まぁ、居間ならいいんじゃないかな?」 「シンジ!」 「ちょうどいい機会だし、みんなをうちに招待するよ。」 これにて、場所は六分儀宅に決定。 横では、マナが真っ白になっていたが・・・ 「あぁぁあああぁぁぁぁぁううぅぅぅうぅうぅぅぅ・・・」 「・・・どうしてそんなに嫌がるの?」 ヒカリが問いかけても反応なし。 「それは・・・来ればわかるよ。」 「何、勿体つけてるのよ。教えてくれたっていいじゃない。」 「シンちゃんにも、108つの秘密があるのです。」 ・・・だから、それは除夜の鐘の数でしょうが! 放課後、とりあえず下見がてらに六分儀宅に行くことになった。 「ヒカリ、うまくやったわね。」 みんなに聞こえないように、話しかけた。 「なんのこと?」 「またまたぁ、とぼけちゃって。この勉強会は鈴原に近づくために考えたんでしょ?」 ヒカリに、肘でつんつんする。 ふふ、ヒカリったら、赤くなってるわ。 「う、うん・・・考えてくれたのは「シンジ」君なんだけどね。」 「彼が?」 「うん・・・”なかなか話すきっかけがないの”って書いたら、 ”だったら受験のためとか言って、勉強会でも開いたら?”って返事くれたの。 同じ高校に行きたいのもあるんだけど・・・お節介だったかな?」 「そんなことないわよ。なんだかんだ言ったって、みんな賛成してくれたじゃない。」 「・・・なんか強要したみたいで、悪い気がするわ。」 「この時期に勉強しない方がおかしいのよ!だからヒカリが気にすること無いわよ。」 「そうかしら・・・」 「さぁ、みんな着いたよ。」 いつのまにか、目的地に到着。そこにあったのは・・・ 「シンジ・・・ほんとに、ここにお前の家があるのか?」 「そうだけど?」 そのマンションはこの界隈では有名な高級マンション。いわゆる、億ションとでもいうものだ。 入り口には完全なセキュリティ。いたる所に監視カメラ。 ロビーの鍵は指紋照合と声紋照合。 「あぁ、ケンスケ、カメラとかは隠しておいた方がいいよ。間違われるから。」 言ってる意味がわかったのか、相田は慌ててカメラを鞄に入れた。 「おいおい、何でこんな厳重なんだよ?」 それでも、周りの設備のチェックは怠らないところが、さすが、と言うかなんと言うか・・・ 部屋の玄関にも指紋照合。まるで別世界だわ。 「ただいまぁ。」 「「「「おじゃましま〜す。」」」」 「・・・・・。」 六分儀を先頭にして、部屋に入る。 「マナちゃん、ちゃんと言わなくちゃ。」 久々のレイの不気味な笑顔・・・というとは、何か悪いことを考えてるのね。 「・・・言わなきゃ駄目?」 「だめぇ♪。」 マナは大きく息を吸い込んで・・・ 「・・・ただいまぁ!」 「「「 はぁ〜?! 」」」 ・・・ただいま? それは、帰って来た時の言葉。 この場合、考えられるのは、自分の家に帰って来た時。 ・・・自分の家? 「な、な、な、な、なんやて?霧島・・・」 「ちょ、どういう意味だよ?」 「ここは六分儀の家で、マナの家でもあって・・・」 「・・・もしかして、同じ所に住んでるの?」 ヒカリの質問に黙って顔を縦に振る、六分儀とマナ。 そして・・・ 「ふ、ふ、ふ、」 「ふ?」 俯いたまま、プルプル震えているヒカリの先を促すレイ。 「ふ、不潔やうおぉぉぉぉぉぅぅぅぅぅぅ!!!」 マンションの廊下にヒカリの叫び声が響き渡った。 「うきゅぅ・・・」 レイは真横でその超音波を聞いてしまった。 かわいそうに、目を回しているわ。 「ちょ、ちょっと、ヒカリ!別に二人っきりで住んでるわけではないんだから・・・」 「二人っきりだけど?」 あたしの言葉をさえぎって、事も無げに言う六分儀。マナの顔は真っ赤だ。 ヒカリは、完全に固まってしまっている。口をパクパクして、まるで金魚みたい。 「シ、シンジ・・・綾波っちゅうもんがおりながら・・・」 「霧島と同棲だなんて・・・」 「「 いやぁ〜んな感じ! 」」 「いや〜んな感じって言われても・・・」 頭、ぽりぽり掻いてる場合じゃないでしょが! 「両親は一緒じゃないの?」 「うん、二人とも孤児だから・・・」 やば、いけないこと聞いちゃったかしら? 「まぁ、こんなところで立ち話もなんだから、中に入ったら?」 「そ、そやな。とりあえず上がらせてもらうで。」 鈴原と相田はドタドタと中に入っていった。 そのあとに、あたしはレイを引きずるようにして続く。 いやんいやんと体をくねくねさせてるヒカリは、マナに任せた。 とりあえず、目を回してるレイはソファーに寝かしつける。 居間でテーブルを囲むようにして座り込んだ。 「じゃあ、説明しようか?」 六分儀とマナ。表情が引き締まる。 ただ事ではない話に、あたしたちも緊張した。 「・・・マナとは孤児院で一緒だったんだ。 で、まぁ、いつまでも世話になってる訳にもいかないし、 一人だと大変だから一緒に生活しようって決めたんだ。」 「このマンションはどうしたの?」 「あぁ、これは僕たちの両親の遺産で買ったんだ。住むところは大事だからね。 それに、中学生二人じゃあ、危ないでしょ? だから、少し奮発したんだ。」 「・・・ご両親はどうなさったの?」 「僕の親は、交通事故で亡くなったんだ。マナは・・・」 「私も同じよ。」 そう答えるマナは、とても苦しそうだった。 そして、そんなマナを見つめる六分儀・・・一瞬、辛そうな顔をしたが、すぐに穏やかな表情になる。 まるで、慈しむような笑顔。 あたしは不覚にも、その表情にドキッっとしてしまった。 こいつ、こんないい顔するんだ・・・ 「ごめんなさい、変なこと聞いて。」 「いや、いいんだよ洞木さん。みんなには知っておいてもらいたかったんだ。 僕の数少ない、友達としてね。だから、この家にも来てもらったんだ。」 「あ、でも、私とシンジは別にそういう関係ではないからね、ヒカリ!」 「・・・わ、わかってるわよ。二人は共同生活してるだけなんでしょう?」 「そう言ってもらえると助かるよ。で、他のみんなには内緒にしておいて欲しいんだ。」 「わかったわ。学級委員長として、クラスメイトを助けるのは仕事の一つですもの。 ・・・だから、みんなに言っちゃ駄目よ、鈴原、相田君。」 「なんで、わいらだけに言うんや?」 「そうだよ、惣流には口止めしないのかよ?」 「アスカは、口が堅いから。ね?アスカ?」 「・・・あ、うん。」 「・・・? どうしたの、アスカ?顔が赤いわよ?」 「へ? べ、別に何でもないわ。」 まさか、六分儀に見惚れてたなんて言える訳ないじゃない。 いいよなぁ。 レイやマナには六分儀がいるし、ヒカリは、なんやかんや言っても鈴原に優しくされてるし。 「シンジ」もあたしのこと、あんな笑顔で見てくれるかな・・・ あ〜、だめだめ。こんなこと考えてたら、会いたくなっちゃうもの。 でもなぁ、どんな感じなんだろう、きっと素敵な人なんだろうなぁ、会ってみたいなぁ。 「アスカ?」 「ほえ?」 「今、彼のこと考えてなかった?」 ぎくっ。ヒカリ、鋭い。 「よだれ、垂れてるわよ?」 「なっ?!」 口元を手で拭う・・・垂れてないじゃないのよぉ。 「誰の話?」 「あ、シンジは知らないんだっけ?」 うっ、六分儀だけには知られたくない。 あたしはマナを睨みつけた。 言ったら、どうなるかわかってるんでしょうね? 「マナは知ってるの?」 「あ、い、いや、なんでしたっけ〜、ははははははは・・・・」 「惣流には想い人がいるっちゅう話や。」 「それがなぁシンジ、お前と同じ名前なんだぜ。」 しまったぁ、こいつらがいることをすっかり忘れてたわ! 「な、あんたら勝手なこと言ってんじゃないわよ!」 「自分、ほんまのことやないかい。」 「だからって、こいつに教えなくてもいいでしょうが!」 「どうせ、周りの奴はみんな知ってるんだぜ。いまさら隠してもしょうがないだろ?」 ま、まぁそうだけど・・・ 「そうなんだ。いいんじゃない? 恋することは・・・しかも僕と同じ名前とは光栄だね。」 「あ、あんたのことじゃないんだから、そこのところ勘違いしないでよね!」 「わかってるよ。」 はぁ、あのときの失態が悔やまれるわ・・・ 「さてと・・・レイ、いいかげんに起きたらどう?」 「う〜ん、あと五分・・・」 六分儀が起こしにかかるが、レイはなんか勘違いをしている。 もう、夕方よ? 「こら!レイ!起きろ!」 「はひ?!お兄ちゃん?!」 ソファーの上にガバッと立ち上がるレイ。何、寝ぼけてるんだか・・・ 「・・・あれ?みんな、どうしてうちにいるの?」 「何言ってんのよ。ここは六分儀君の家でしょう?」 「へ?・・・あぁ、そうだっけ。」 「それよりも、制服がしわくちゃよ?」 「え?・・・あぁ、またお母さんに怒られるわ・・・」 さめざめと涙を流すレイ。 「ふふ、怒ってくれる親がいるだけましってもんよ。」 「むぅ、マナちゃんのいじわるぅ。・・・あ、みんなに話したの?」 「えぇ、簡単にね。みんなもきちんと聞いてくれたし、問題はないわ。ね、シンジ?」 「まぁ、一部誤解した人はいたみたいだけど。」 「どうせヒカリでしょ?」 「な、な、なんでわたしなの?!」 「人の耳元で「ふけつよ〜」とか叫んでるんだもん。まだ、耳がキンキンするよ。」 「あああれは別に、誤解とかそういうんじゃなくて、た、ただちょっとびっくりしただけで・・・」 あ、このパターンは・・・ 「そ、そ、そりゃわたしも羨ましいな、とか考えたりもしたけど、 でもでも、やっぱり中学生だし、 そういうのはきちんと責任がとれるようになってからでないと・・・」 「「「「・・・・。」」」」 「いいんちょ、何言っとるんや?」 きっとヒカリの頭の中では、鈴原との二人暮らしが始まってるわ。 「ま、いつものことだし、ほっときゃいいわよ。」 「レイちゃん、記録とってる?」 「もちろん!今日は本人もいるから、新記録間違いなしだよ!」 ・・・こ、こいつら・・・ 「さてと、これからどうする?」 「まさか、今日から勉強・・・なんて言わないよな?」 「うぅ、餡蜜ぅ〜。」 「・・・ま、勉強は土日だけにしときましょ。」 「さっすがや、惣流!話がわかるな。」 「じゃあ私、お茶入れてくるね。」 この日、ヒカリの記録は20分の大台にのった。 結局、この後はみんなで座談会。 改めて考えてみると、マナと六分儀ってすごいわね。 親がいないことを少しも感じさせない態度。 きっと、二人とも無理してるのよね。 それなのに、「両親はいないの?」なんて聞いてしまって・・・ ・・・あたしったら嫌な奴。 今回といい、「シンジ」の時といい・・・ もう少し周りのことを考えないと駄目ね。 ほんと、このままじゃ友達なくしかねないわ。 最近、自分のこの性格が嫌になってきた・・・ ・・・「シンジ」、それでもあたしを見ていてくれる? <続> ======================================== あとがき ども、ちょ〜さんです。 ・・・なんか書いてて、全然関係ない話になりそうだなぁ、 と思ってたけど、そんなでもなかったかな? ちょっと、説明的みたいだったし・・・ なにはともあれ、シンジ・マナ同棲発覚。(爆) いいのだろうか?・・・いいんだろうな。(謎) ヒカリとトウジの仲も、最後までに進展するといいんだけど・・・ むぅ、あと少し・・・もう少し・・・ ではでは、続きでお会いしましょう! ========================================


アスカ:早くシンジからメール来ないかなぁ?

マナ:100通も送ったら、明らかに嫌がらせよ。

アスカ:100通返事貰うもん。(*^^*)

マナ:・・・あなたねぇ。

アスカ:しっかし、学校のシンジと同棲してたなんてねぇ。

マナ:フフフフフ。わたしにも春が来るのね。

アスカ:ファーストとアンタ・・・いったいどうなるのかしらね。

マナ:アスカは?

アスカ:アタシは、メールのシンジがいるから。

マナ:メールで満足できるって、いいわねぇ。

アスカ:フン。そのうち大どんでん返しがあるわよっ!(^^v
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