サードインパクト発生後、地上のアダムとイブとなった少年少女。

 少年の名は、碇シンジ。

 少女の名は、惣流・アスカ・ラングレー。


 彼らは、悲劇を繰り返さないために時間を遡る・・・・・・・・。


 少年は、かつての自分の弱々しさを無くす為に自分を鍛えることを決意する。

 そして、少女は・・・・・・。

  


REPEAT of EVANGELION 
                                                                     
  第10話 『アスカの日記』                          作『CYOUKAI』

 

 8月10日(月) 
 
  今日から、日記を着けようと思う。
 
  新しい人生の始まりを祝して。

  そして、あの悲劇を起こさないための決意を確認する意味を込めて。

   

  シンジ達と共にあの紅い海の畔で光に包まれ途切れた意識。

  目が覚めると、アタシはかつて見慣れたドイツ支部内の一室に居た。

  部屋の外に出て、色々確かめるために歩き回り、日本に渡る前に戻って来たことが確認できた。

  まあ、その後にシンクロテストやらハーモニクステストやらがあったが、無難にこなした。

  ホント、疲れたよぉ。

  加持さんにも再会?したけど、全てを知ってしまったアタシには、彼に何の魅力も感じなくなってた。

  全く、あんな人に一度でも迫っていたことが恥ずかしいわ。

  でも、今は違う。

  目覚めてから思うことは、日本に居るだろうシンジの事。

  シンジは戻ってきてるよね。

  大丈夫よね。
 
  はぁ、早く日本に行きたい!!

  シンジに逢いたい!!

  勝手に日本に行っちゃおうかしら・・・・。

  ダメね、すぐにバレて連れ戻されるのが落ちだわ。

  全く、ここの技術者は何やってんのよ!!

  さっさとアタシの弐号機を完成させなさい!!

  さっき聞いたら、あと1ヶ月弱掛かるって行ってたわ。

  当然、完成を催促しておいたけど。

  とにかく、アタシは日本に渡るまでここで全力を尽くす!!

  そろそろ眠くなってきたので寝ようかな?

  シンジの夢が見られるといいなぁ。

  そうだ、明日は加持さんにシンジのプロフィールを貰おう。

  じゃ、おやすみなさい。

  シンジ、愛してるわよ!!




 8月11日(火)

  今日、早速シンジのプロフィールを貰ってきた。

  加持さんは「なんだアスカ、サードチルドレンに興味があるのか?」
  
  なんて言ってたけど、とりあえず適当に誤魔化しておいた。

  これで今日からシンジと一緒に寝られるわ。

  キャッ、うれし〜〜〜〜〜〜!!

  シンジと一緒、シンジと一緒、シンジと一緒、シンジと一緒、シンジと一緒。

  シンジと一緒、って少し取り乱したわね。

  早く日本に行きたいなぁ。

  シンジ待ってね。

  今度はビンタしないから。

  そうね、初対面でいきなりキスはどうだろう?

  シンジとキス。

  良いかもしれない・・・・・・・。

  そうと決まれば予行練習よ!!

  とりあえず、今日貰ったシンジの写真、焼き増ししてもらわないといけないわね。

  シンジ、覚悟してなさい!!

  今度逢ったら、あつ〜いキスで挨拶してあげるわ!!!



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 『主任、セカンドがサードの写真を焼き増しして欲しいと言ってきましたが。』

 『好きにさせてやれ、チルドレンは人類の最後の砦だからな。』

 『わかりました。
  それにしても、何に使うんでしょうか?』

 『さぁな、それは彼女だけが知ってるんじゃないか?』

 〈ドイツ第3支部内、とある部署での会話記録より抜粋〉
  
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 8月12日(水)

  今日のテストは散々だった。

  シンジの事を考えていたら集中できなくて・・・・・・。

  このアタシとした事が、お説教を食らってしまった。

  ムシャクシャしたから加持さんを誘ってショッピング。

  全て、加持さんの奢りよ!!

  当然の事ね。

  今のアタシにとって、加持さんは財布代わり。
  
  まあ、アタシの精神安定の為に居るような物だから。

  ガードもしてくれてるけどね。

  そう、加持さんと言えば、最近アタシを見る目が妖しい・・・・。

  なんか、飢えた狼のような、そんな視線をアタシに向けてくる。

  加持さんってロリコンだったのね。

  危ない、危ない。

  少し距離をおかなくちゃ。

  アタシの全てを見せるのは、シンジ唯一人だもん!!

  そして、シンジの全てを見るのもアタシ唯一人!!

  他の人間に見せてたまるもんですか!!!
  
  日本に行ったらすぐに見せてもいいくらいよ・・・・・・・(ポッ)

  まあ、まだ14歳だけど身体には自信があるわ。
  
  シンジ待ってなさいよ、アタシの全てを見せてあげるからね!!!

  
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 『加持一尉、最近セカンドチルドレンを何やらいかがわしい目で見て居るようだと
  噂で聞いたが、本当か?』

 『な、な、何を言うんですか、支部司令。
  俺はロリコンじゃないですよ。
  4年後ならいざ知らず、14歳の少女に興味を持つなってありえません。』

 『加持君、君が誰に興味を持とうが私は口を挟まんが、ロリコンはいかん。』

 『だから、違いますって。』

 『わかった、今回だけは信用しよう。
  しかし、他の職員からまた同じような報告を受けたら、容赦はしないぞ。』

 『わ、わかりました。
  (なんで、俺がアスカを狙っているのが解ったんだ?)』

 『解ればいい。
  用件はそれだけだ、下がってくれてかまわん。』

 『失礼します、支部司令。』

 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 『私だ。
  加持一尉の行動を監視してくれ。
  ・・・・・・・・・・・・・・・・。
  ああ、そうだ。
  セカンドチルドレンに対しておかしな行動を取ったら、即座に捕縛しろ。
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
  手段だと!!どんな手を使ってもかまわん!!! 
  とにかく計画が遅延し、これ以上本部に嫌味を言われるわけにはいかない。
  まして、セカンドチルドレンに何かあったら、首が飛ぶどころか殺されるぞ。
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
  そうだ、よろしく頼む。』
 
 〈ドイツ第3支部司令室の会話記録から抜粋〉

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 8月14日(金)

  昨日は、テストの後、戦闘訓練があって日記が書けなかった。

  疲れてて、部屋に戻った途端に、バタン、キュゥ。
 
  すぐに寝てしまったの。

  でも、キスの練習は、忘れなかったけどね。

  そして今日、第3新東京市に使徒が現れた。

  何とかシンジが殲滅したけど、最後に爆発に巻き込まれて一瞬ドキッとした。

  シンジなら大丈夫って信じてたけどね。
 
  アタシが居ない間に怪我したら承知しないんだから!!

  とにかく、シンジは無事だったらしい。

  今日の戦闘の状況は、ココの発令所でモニター越しに見た。

  その時、加持さんと賭けをした。

  シンジが勝ったら、電話で話しをさせて貰う。

  負けたら?

  シンジが負けるはず無いじゃん!

  当然シンジが勝ったから、電話出来る事になった。

  楽しみだなぁぁぁぁ。

  加持さんは、明日の午後に準備を整えておいてくれるって言ってた。

  明日はシンジと対面するから、寝不足の顔じゃいけないわ。

  と言う事で、今日はもう寝る事にする。

  シンジ、オヤスミなさい。

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 『おいおい、アスカのわがままにも困ったもんだ。
  まあ、拒否して心理的に影響があっても困るし、何とかするか。』

 『加持一尉、本部との回線を一本、明日の午後に空けておけば良いんですね。』

 『そうさ、ケイト。
  それより、これから俺の部屋に来ないか?』

 『夜のお誘いですか?』

 『まあ、それは君次第さ。』

 『明日も朝一から仕事ですので、お手柔らかにお願いいたします。』

 『まあ、それも君次第かな。』

 『それでは、後ほど・・・・(ポッ)』

 『これで、今夜は・・・・・・フフフフフフ。』

 〈ドイツ第3支部発令所、会話記録より抜粋〉

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 8月15日(土)
  
  今日、シンジとTVフォンでお話をした。

  シンジは嬉しかったのか泣いていた。

  アタシも涙が出てきちゃったけど・・・。

  シンジも戻ってきてた。
  
  声には出さなかったけど、嬉しいって言ってくれた。

  ついでに言うと、レイも戻ってきてた。
  
  シンジに限って浮気はしないと思うけど、少々不安だ。

  だから、釘は打っておいた。

  詳しくは書けないけど、今後の対策の様な事を打ち合わせしておいた。

  そして、別れ際にキスをした。

  モニター越しのキス。

  無機質なモニターの感触しかなかったけど・・・・・・・・。

  だから、今度は逢った時にって言ってやった。

  シンジは顔を赤くしてたみたい。

  可愛かったなぁ。

  アタシの大好きなシンジだった。
  
  気が付くと2時間話してた。

  その後すぐにテストだったから、終わりにしなければならなかったのが、
  
  ちょっと残念。
  
  今夜は良い夢を見られそう。


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 『おい、誰だ?
  モニターをこんなにベトベトにしたのは!!』

 『知りませんよ。』

 『全く。
  掃除するのが大変じゃないか!!』

 『いっその事、捨てますか?』

 『貴様!!
  物は大事にしろと、母親に習わなかったのか!!』

 『はぁ。
  自分の母は、贅沢だったので・・・・・・。』

 『全く、最近の若い者は物を大切にすることを知らん。』

 『そうですかねぇ。』

 『・・・・・・・・・・・・・・・・・。』

 〈ドイツ第3支部、総務部庶務課機材維持係倉庫内会話記録より抜粋〉
  
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 8月29日(土)

  この所、弐号機の開発が大詰めの為に、日記をかくことが出来なかった。

  まあ、特に書く事も無かったので良しとする。

  また、第3新東京に使徒が現れた。

  シンジが出撃して殲滅したけど、歴史は繰り返すと言うかなんと言うか・・・・・。

  戦闘中にシェルターを抜け出したジャージとメガネがシンジの邪魔をしたらしい。

  全く、あのバカ共は!!

  おかげで、初号機のプラグに載せなきゃいけない羽目になるわ、攻撃は受けるわで、

  危うくシンジが怪我するところだったじゃない!!

  日本に行ったら、あの二人にはお仕置きが必要ね。

  それにしても、初号機の腹部に使徒の触手が刺さってたけど、シンジ大丈夫だったかなぁ。

  今日も戦闘後に電話で話しをさせてもらおうと思ったけど、何度もやったら疑われちゃうから

  やめにした。
 
  シンジ、怪我して無いよね。

  それじゃ、おやすみなさい。




 8月31日(月)

  いよいよ明日、アタシはドイツから旅立つ。

  目的地は、日本よ日本。

  と、言うわけでアタシは今ブレーメンに来てる。

  明朝7時に輸送艦オスローでヴィルヘルムス・ハーフェンの港を出港する予定。
  
  そこから、約3週間のクルージング。

  大西洋を航海する間は、国連大西洋艦隊が護衛に着く。

  太平洋に入ったところで、国連太平洋艦隊が護衛を代わる。

  あの石頭司令官の艦隊だ。

  とにかくやっと日本に行ける、シンジに逢える。

  うれしいよぉぉぉぉ。

  今日まで、出来ることは全部やった。

  お料理も少しは覚えた。

  あまり難しいのは出来ないけど、カレーとシチューとハンバーグは作れるようになった。

  日本に行ったらシンジに食べさせてあげようと思う。

  ハンバーグなんかは、一緒に作っても良いかな。

  まあ、ミサトよりはマシって事。

  今日はアタシには特に変わった事は無かったけど、加持さんは大変だったみたい。

  ドイツ支部でも密かに人気のあったケイト・クレスティルって女の人が居るんだけど、

  なんか、加持さんと別れ話しをしてたみたい。

  加持さんがそのケイトに、ビンタされまくりで大変だった。

  挙句の果てには、ナイフまで取り出して、「リョウジを殺して私も死んでやる!!」なんて

  物騒な事を言ってた。

  まあ、アタシには関係ないけどね。

  ああ、シンジに逢えるのが楽しみだわ。
 
  それでは、明日の出航に備えて寝る事にしよう。

  おやすみなさい、愛してるよシンジ。

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 『ケイト中尉、あの男を殺しても君の為には、ならないぞ。』

 『わかってます。
  でも、私を弄んだあの男が許せなかったんです。』

 『だからと言って、刃傷沙汰はいけない。』

 『申し訳ありません・・・・・・。』

 『それとな。
  君の事を陰ながら心配している男も居る事を忘れないでくれ。』

 『それは・・・・・・。』

 『セカンドインパクトで妻を失った俺だが、君の支えに位はなれると思っている。
  それが、自惚れだと言うこともな。』

 『ありがとう、エルネスト・・・・・。』

 〈ブレーメン市内、某宿泊施設内の会話記録から抜粋〉

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 9月1日(火)
 
  いよいよ出航。

  アタシは加持さんと一緒に空母サラトガで、大西洋を南下中。

  これから、スエズ運河を通過してカラチまではノンストップ。

  カラチに寄航して、補給等を済ませた後に日本の佐世保までまたノンストップ。

  そこから、目指すは新横須賀。

  途中でシンジが合流するはず。

  そして・・・・・・。

  ああ、今から楽しみだわぁ。

  シンジとの共同作業だもんね。
  
  さて、船旅は長くなりそうだからねようかな。

  おやすみなさい、シ・ン・ジ(はーと)

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 『加持一尉、お部屋はこちらになります。』

 『ありがとう・・・・・・ん?』

 『あっ、申し遅れました。
  加持一尉ならびにセカンドチルドレンのお世話係を申し付けられました、
  サラ・モートン少尉であります。』

 『サラ少尉、ありがとう。
  お礼と言っちゃ何だが、これから俺の部屋で一杯やらないか?』

 『いえ、未だ勤務中ですので辞退させて頂きます。』

 『なるほど。
  すまない、悪いことを言った。』

 『いえ、気にしないで下さい。
  明後日は非番ですので、その時にお時間があればお誘い下さい。』

 『了解した。
  そうする事にしよう。』

 『では・・・。』

 ・
 ・
 ・
 『脈ありって所かな?』

 〈空母サラトガ、居住区会話記録より抜粋〉

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 9月10日(木)

  最近は、特に書くことが無いので、10日も時間が空いてしまった。

  さっき、加持さんと食事を済ませてやっと部屋に帰ってきた。

  大西洋艦隊とお別れして、あの石頭司令官率いる国連太平洋(石頭)艦隊が今護衛に

  着いている。
  
  加持さん、また女の人に手を出したみたい。

  大西洋艦隊と別れるときにまた、ちょっとしたトラブルがあった。

  まあ、いいか・・・。
 
  さっき、聞いた話によると、また使徒が出たらしい。

  こう書くと、幽霊みたい。

  すぐに出撃したシンジが重症を負ってしまった。

  この艦隊にも次々と連絡が入ってくる。
  
  加持さんも色々教えてくれるけど、シンジの事が心配だった。

  でも、何とか回復したみたい。

  今晩、作戦名「ヤシマ作戦」が実行されるらしい。

  シンジ、頑張れ!!

  死なないでね。

  アンタが死んだら、アタシは一生結婚できないんだからね!!!!

  シンジとレイが出撃するらしいけど、二人とも死なないで欲しいと思う。

  今はまだ船の上だから何も出来ないけど祈る事は出来るから、今日は寝ないで

  お祈りしようと思う。
  
  二人とも無事に再会しましょうね。

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  『ヤシマ作戦が実行されるらしい。
   発案者はあの葛城だそうだ。
   何とか成功してくれる事を祈る。
   葛城、死ぬなよ。』

 〈加持リョウジ、私的文章から抜粋〉

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 9月11日(金)

   カラチに今日入港。
   
   そして、さっき出航した。

   これで日本の佐世保まで一直線のノンストップ。

   佐世保で一泊した後は目指せ新横須賀。

   一歩、一歩、着実にシンジのもとへ近づいているのがとても嬉しい。

   さて、夕べの作戦だけど、シンジが狙撃をして使徒を殲滅したらしい。

   レイが、防御に出て怪我をしたらしいけど、軽かったらしい。

   とりあえず安心した。

   でも、シンジの事だから、レイのお見舞い行くんだろうなぁ。

   浮気はしないよね、シンジ。

   アタシ、アンタの事信用してるからね。

   それと、なんか日本に近づくにつれ嫌な予感がする。
   
   それは、レイより危険な何かがシンジに近づこうとしているような。

   なんだろうか?
  
   ちょっと不安かも・・・・・。

   でも、日本に行けばわかるような気がする。

   悩んでいても仕方が無いので、今日はココまで。

   今夜も愛するシンジの夢が見られるかしら?

   それじゃ、おやすみなさい。

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 『俺はなんて罪作りな男なんだ。』

 『加持一尉、何を一人でブツブツと言ってるのかね?』

 『あ、これは艦長。』

 『ああ、楽にしてくれてかまわないぞ。』

 『はい。』

 『それで、誰が罪作りな男なんだ?』

 『それは、俺の事です。』

 『まさかとは思うが・・・・。』

 『はい、カラチにも女を作ってしまいました。』

 『まあ、船乗りには良くあることだ。
  港ごとに女が居るってな。』

 『そう言えば、そんな事を聞いた事があります。』

 『しかし、君には心に決めた女性が居ると聞いているが?』

 『はぁ?』

 『ニホンに居るんだろ。』

 『まあ、そんなところです。』

 『あまり、その女性を悲しませないようにな。』

 『了解です、艦長殿』

 〈空母オーバー・ザ・レインボー、士官食堂内の会話記録より抜粋〉

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 9月18日(木)

  本日早朝、惣流・アスカ・ラングレー、佐世保に上陸。

  日本についた嬉しさで、涙が出てしまった。

  しんじぃぃぃぃぃ、アタシやっと日本に来たんだよ!!

  もう少しでアンタに逢えるよ!!

  日本に来たと言うことで、夕食はラーメン。

  もちろん加持さんの奢り。

  アタシは、お店で一番高いラーメンを食べた。

  加持さんは、お財布を覗きながら涙を流していたけど・・・・。

  食事が終わると、一人で部屋に帰ってきた。

  加持さんは、ゲートの前までアタシを送ると夜の街に消えて行った。

  多分、又ナンパね。
 
  アタシには関係ないけど・・・・・。

  出航は明日のお昼位らしいから、今日はゆっくり休むことにする。
 
  それじゃ、おやすみなさい。

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 『加持一尉は、まだ戻らんのかね?』

 『ええ、艦長。』

 『全く、あの男は何を考えているのやら・・・・・』

 『まあ、そのうち連絡があるでしょう。』

 『そうだな、副長』

 『それより、今夜は久しぶりに一杯やりますか?』

 『そうしよう。』

 『それでは、食堂に連絡して置きますから、一時間後に。』

 『解った。』

 〈空母オーバー・ザ・レインボーブリッジ会話記録より抜粋〉

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 と、アスカは着実にシンジの許へと向かっていたその頃・・・・・。



 所変わって、第3新東京市。

 そして、おなじみ中学生兼清掃員マナちゃん。

 「お〜い、霧島〜。」

 本日の業務を終え、帰宅しようと着替えるマナに、ドアの向こうから声をかける者がいた。

 「はい、なんでしょうか?」
 
 一応答える。
 
 「上がったばかりで悪いけど、残業頼むわ〜。」

 「残業ですか?」

 「そうだ、手当てははずむぞ〜。」

 手当てが出る。

 この言葉に、拒否する事をやめるマナ。

 「で、残業ってなんですか?」

 「ああ、そんなに大変な仕事じゃないから、もう一度着替えて10分後に下に来てくれ。」

 「解りました。」

 一度脱いだ作業服をもう一度着る。

 「ヨシ!!もう一稼ぎしてきますか。」
 
 マナは、気合を入れると更衣室を出て、階下の駐車場へ向かう。

 そこで、移動用のワゴンに乗り、仕事場へ。

 「ここだよ。」

 そう言って降ろされたのは、街外れにある公園。

 「嫌な予感がする。」

 野生の勘?が何かを告げている。

 「この公園の何を掃除するんですか?」

 「それは、あの公衆トイレだ。」

 「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 予感が当たり、驚くマナは大声を上げる。

 「おいおい、もう遅いんだから大声出すなよ。」

 「そんなぁ、またトイレ掃除ですか?」

 「仕方ないだろ、市からの依頼なんだから。
  俺は、男子トイレをやるから、お前は女子トイレを頼む。」

 「・・・・・・・・・・・・・・。」

 「おい、聴いてるのか?」

 「わかりました!!
  やれば良いんでしょ、やれば!!」

 半ば投げやりな態度のマナ。

 それを、どう勘違いしたのか、上司の男は

 『やけに気合が入ってるなぁ。
  まぁ、残業手当に色を着けてやるか・・・。』

 などと考える。

 「やっぱり、トイレ掃除からは逃れられないのね。
  学校でもトイレ、ネルフでもトイレ、公園でもトイレ。
  シンジ君と逢う時間より、トイレに居る時間の方が多いような気がしてきたわ。」

 とは、マナの独白。

 「でも良いわ。
  明日は、家庭科で調理実習。
  それも男女混合。
  さらには、私はシンジ君と同じ班になれた。
  私の家庭的なところを見せて、シンジ君を落として見せる!!
  だから、こんなトイレ掃除くらい何てこと無いわよ!!!」

 明日、学校である調理実習の事を考え、嫌悪感を払拭したマナ。

 彼女は、後に第壱中学校の掃除大臣と呼ばれる事になるのだが、それはまだ後の事。

 

 この日、霧島マナは公園内の3ヶ所のトイレを4時間かけて完膚なきまでに掃除した。

 
 翌朝、トイレに入ったある女性が、その美しさに使用をためらったとかそうで無かったとか・・・・。 




  




  次回予告:アスカとの再会を一日後に控えたシンジは全く落ち着かなかった。
       学校で、些細な事でミスを繰り返す。
       一方、シンジ撃墜に命を賭けるマナは、調理実習に全てを賭けていた。
       次回『ある一日の風景』


       真の補完は未だ終わらない・・・・・・・・・。





 あとがき:どーも『CYOUKAI』です。
      他人の日記を書くのは疲れます、大変です。
      それと、この日記の日付ですけど、とあるホームページの資料を参考にしてます。
      移動距離と日数が合わないかもしれませんがそこはご容赦下さい。
      さて、次回ですけど、今まで散々ヒドイ目にあわせてきたマナさんに、少し良い
      場面を用意しようと思います。
      なんせ、掃除させる度に火炎放射器じゃたまりませんから。
      てな訳で、もしかしたらシンジと急接近するかもしれません。
      保障はしませんが。
      
      
      では、今回も小生の駄文にお付き合いいただきありがとうございます。

      それでは、また。


作者"CYOUKAI"様へのメール/小説の感想はこちら。
sige0317@ka2.koalanet.ne.jp

感想は新たな作品を作り出す原動力です。1行の感想でも結構
ですので、ぜひとも作者の方に感想メールを送って下さい。

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