「そんな・・・アレは人間じゃないですか」


エヴァンゲリオン−P
「帰還者」


リフトアップされた初号機。
その眼前には15年ぶりに現れた使徒「サキエル」
それを目の前にして、しかしシンジは驚きを隠せなかった。

「良い?シンジくん。今は歩くことだけを考えて」
ミサトの指示がプラグ内に響く。
しかしシンジは動かない。
いや・・・ウ・ゴ・ケ・ナ・イ

「そんな・・・」
シンジのつぶやき。
「何、どうしたのシンジくん?」
「アレは人間じゃないですか」
ミサトの問いかけに答えるシンジ。
「何言ってるの!?シンジくん、しっかりして!」
「だって人間なんですよ?」
ミサトにはシンジが何を言っているのか解らない。
アレは使徒だ、人類の敵だ。
第一アレの姿のどこが人間だと言うのか。
まぁ、確かにエヴァにしたところで「人造人間」などと呼ばれているが。
アレの素体を見て人間と言うやからの神経を疑う。

しかしシンジの言葉に激しく反応している者も発令所内に少なからずいた。
(シンジ、何を知っている?)
(彼は、使徒の存在のあり様を理解していると言うの?)
(さすがはユイくんの忘れ形見と言うことか)

「シンジくん、落ち着いて。アレは使徒よ、人類の敵なの」
「そんな事言ったって、人間なんですよ?僕に、・・・僕に人殺しをやれって言うんですか!?」
(何言ってんのよこのガキ〜。かわいい顔しててもやっぱりあの髭の子供ってことかぁ?)
ミサトは切れそうだ。

しかしミサトはなけなしの忍耐力を持って、シンジに問う。
「シンジくん、じゃあ聞くけどアレのどこを見て人間だと思うの?」
「そんなの、あの姿かたちを見て似決まってるじゃないですか」
引きつるミサト。
(だからどこがか〜〜〜〜〜)
「彼は帰ってきたんですよ」
シンジの戯言は続いている。
「宇宙のかなたから」
「・・・シッ、シンジくん?」
「はるばる故郷を目指して」
「あの・・・」
「それを」
「・・・」
「それをあなたたちは、石つぶてを持って出迎えろって言うんですかっ!?」
「シンジくん・・・私にはあなたが何を言ってるのかわからないわ」
もはや切れるのを通り越してただただ困惑するミサト。
「ミサトさんは知らないんですか?」
「・・・なにをかしら?」
「初代ウルトラマンの第23話を!!」
「・・・」
いや、ウルトラマンは知っている。
当然再放送だが女の子であったにもかかわらず結構楽しみに見ていた。
「かれは」
もはや何を言いたいのか悟りつつあるミサト。
発令所内でも幾人かはまさかと思っている。
そしてゲンドウにいたってはすでに確信して、しきりにうんうんと頷いている。

「彼は宇宙線を浴びて姿かたちが変わった宇宙飛行士」
「・・・・・・(−−#)」
「棲星怪獣ジャミラじゃないかぁぁぁぁっ!!!!!!」
「あほか〜〜〜〜〜〜〜いっ!!!」

























「あっ、色が違うか」<シンジ



あとがき

ごめんなさい

2002/9/20  著者 ダイス


アスカ:シンジ・・・。(-_-メ

マナ:やっちゃっていいわよ。(ーー#

アスカ:今回ばかりは、同情の余地無しね。(ーー#

マナ:色が違うかって、全然違うじゃなーーーいっ!

アスカ:碇司令も、なに冷静に頷いてるのよ。

マナ:親子揃って、天誅だわ。

アスカ:天誅よっ! キス地獄ねっ!

マナ:碇司令に?

アスカ:まさか・・・。(ーー;
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