新世紀エヴァンゲリオン灼熱の炎

                      第二話、シンジの正体
 
                                                   by、イフリート



『シンジ君、まず歩く事だけ考えて。』

ミサトが発令所から伝える。

「はい、…歩く…歩く…」

ガシャーン、ガシャーン

『おぉーーー歩いた。』

発令所の人達は歓声をあげる。

「おいおい、歩くかどうかさえ解らない物に人を乗せるなよ、まったく…」

バシューン!!

そんな愚痴をこぼしていると、エヴァに気づいた使徒が攻撃を仕掛けてきた。
顔見たいな所からのビームだ。

ひょい

難なくかわすシンジ

(これって本当に自分のイメージ通り動くみたいだから・・・試してみるか。)

そう思うとシンジは右手に集中し始める。

『エヴァ初号機の右手に超高エネルギー反応!!』

マヤが周りに伝える。

『まさか、ATフィールド』

『いいえ、違います!!…これは炎です!!』

『はぁ?、炎?、エヴァに火を出す機能なんて付けて無いわよ、何言ってるの。』

何?と言う顔のリツコ、しかし次のシンジの行動で全て明らかになる。

「よし、いける!!フレイムソード!! 」

そして初号機の右手から炎の剣が現れた。

『シンジ君、それ、いったい何?』

もう驚く事もなく冷静にシンジに聞くリツコ

「後で説明します、あれ倒しますよ。」

そして次の瞬間、初号機が発令所のモニターから姿を消した。

『エヴァ初号機ロスト!!………いいえ、いました使徒の後ろです!!』

マヤは驚きながら伝える、それはそうだろう、さっきまで使徒の距離はだいぶ離れていたのだから。
まさに神速、しかしそれだけではなかった。
使徒はまっぷたつになっていた。
後ろにまわるついでに斬り込んでいったようだ。

「よし!!とどめだーーーー!!くらえ、バーストフレアーーー!! 」

ボーーーーー

炎の剣を右手から消すとこんどは火炎放射状の炎を右手から放射した。
何も出来ず使徒は一瞬で灰になった。

『使徒沈黙、いや消滅』

もはやこのとんでもない現状に声を出せる人間はいなかった。
あ、一人いるか。

『シンジさんお疲れさま。』

「ゼエ・・ゼエ・・あっ、ありがとう・・ミサ・・・」
(火炎術使えると思っていい気になって使って見たけど、なんだ、この、精神力の消費は
普通の五倍は使ってるぞ、やばいな寿命縮まったかな。)

「ゼエ・・あの・・ミサトさん・・」

『あっ、な、何、シンジ君?』

我に帰り受け答えるミサト

「戻して・・欲しいのですが・・・」

『あっ、そ、そうね、御免なさい、それにしても大丈夫?
なんかすごく疲れてるようだけど。』

「‥えぇ・・なんとか・・」

(それにしても、なんか違和感あるなこのエヴァの中って、もう一人誰かいる様な・・・あっ、これは!!)

そして、ミサトの言う場所まで移動して本部まで戻っていった。



「おい、碇、なんだあの力は、老人達がうるさいぞ。」

ゲンドウに話しかける冬月、しかし・・・

「・・・・・・・・・」

「おい!!碇!!」

「もっ・・・・・・・もうイヤ(T_T)」

先ほどの戦いがよほど衝撃的だったのかいつものポーズのまま涙を流し
一言つぶやいたと思ったら気絶してしまった。

「まったく、面倒なことばかりを押しつけよって。」

やれやれと言う顔の冬月だった。



エヴァから降りるとミサが待っていてくれた。

「シンジさん大丈夫ですか?」

「あぁ、なんとかね」

「でも、どうしたのですか、フレイムソードとバーストフレア程度の技で
そんなに疲れるなんて。」

「なんかエヴァで火炎術使うと、いつもの五倍ぐらい精神力を消費するみたいなんだ。」

「それでしたらあまり火炎術は使わないでくださいね、寿命が縮みますから。」

「わかってる、なるべく使わないようにするよ、まあ、なれればたいした事ないんだけどね」

「あっ、そうだ、ミサトさんとリツコさんが呼んでます
なにか検査があるようですよ
確かここの病院の診察所と言ってました、案内します
あっ、その前にシャワーを浴びてください
両方とも場所は聞いています、ついてきて下さい。」

「ああ、わかった、ありがとう」

「いえいえ、じゃあ行きましょう。」

そう言うと二人は待ち合わせの場所へと向かった。



診察所でコーヒーをすすりながらミサトとリツコは、話をしていた。

「ミサトは聞いてる?シンジ君のあの力の事」

「ええ、少しね、ちょとだけ目の前でみしてもらったから。」

「あきれた、なんで教えてくれなかったのよ。」

不機嫌な顔のリツコ

「そんな暇無かったじゃない、使徒は来てるわ、シンジ君はきれるわで」

「たっ、たしかに、(^_^;)じゃあこの名前知ってる?」

「名前って?」

「人斬り火龍」

「ええ、知ってるわよ、裏の世界で知らないのはモグリね
ここ二年くらい噂も聞かないけど、それがどうしたの?」

そう言ってミサトはコーヒーをすする。

「人斬り火龍ってシンジ君の事よ。」

ブーーー

コーヒーを吹き出すミサト

「ちょっと、汚いわね」

「ちょっと、それ、本当?」

疑い顔のミサト、それはそうだろう、自分の倍くらい歳のはなれた子供が
人斬りなどと言われて信じる方がおかしい。

「ええ、本当よ、さっきマギでシンジ君の事調べたら
〃碇シンジ=人斬り火龍〃ってなったもの、それに考えても見て
人斬り火龍は、龍神流と言う剣術と炎を操る暗殺者と呼ばれているでしょ
炎を操れる人間なんてシンジ君しかいないでしょ、どう考えても」

「たっ、確かに」

「でしょ、でもこれは他言無用よ、シンジ君もいい気分じゃないと思うから。」

「解ってるわよ、さっき車の中で似たような事聞いたらミサちゃんに
怒られちゃったしね。」

「当たり前でしょ!!まあ、それはそれとしてシンジ君達遅いわね。」

シンジ達の来るのがおそいのを思い出したリツコはいきなり不機嫌な顔をする。

「迷ったんじゃないの?」

「そんな、ミサトじゃあるまいし、それにここの場所はちゃんとミサちゃんに
教えたのよ」

「私みたいってどーゆー意味よ。」

「言葉通りよ」

「なぁんですって〜」

切れ気味のミサト、しかしリツコは相手にしていない。

「あぁ〜早く来ないかしら、シンジ君もミサちゃんも早く調べたいわ、どういう結果が
出るかたのしみたわ〜〜」

不機嫌な顔から一変してこんどはいっちゃった顔になったリツコ

(な〜にが、早く来ないかしら〜よ、この腐れマッドが)

思っていても言えないミサト、言ったら改造されかねないから。


そのころシンジ達は、【綾波レイ】と書かれた病室の前に立っていた。

「どうしますシンジさん、少しよっていきますか。」

「そうだね、せっかく近くを通りかかったんだから見舞いがてら少しよってこうか。」

そして二人はレイの病室に入っていった。
そこにはベットの上で気持ちよさそうに寝ているレイの姿があった。

プシュー、パタン

扉の閉まる音がする。
その時、物音に気づいたレイが目をさました。

「あっ、ゴメン、おこしちゃった。」

「・・・・・・・」

しかしレイは何も答えない。

「どうですか、体の調子は?」

「あなた達・・・誰?」

小首を傾げながら聞くレイ

「そう言えば自己紹介がまだでしたね、わたしは雪女のミサです、よろしく」

にっこり微笑むミサ

「僕は碇シンジよろしくね綾波」

「・・・・・碇?」

「そう、碇ゲンドウの息子だよ、そしてエヴァ初号機のパイロットになった
え〜と、なんだっけな〜、たしか、カードチレドルンだっけ?」

「サードチルドレンですよシンジさん、本当に英語は全然駄目ですね」

クスクスと笑っているミサ、どうやらシンジは英語が苦手のようだ。

「うるさいよ、いいんだよ日本人は日本語が喋れれば。」

「はいはい、それよりレイさんでしたっけ?私のこと驚かないのですか」

「・・・なぜ?」

「わたし、雪女と言ったのですよ。人間じゃない」

とたんに暗い顔になるミサ、いくら雪女だと言い張っていてもやはり人間でない事を気にしているようだ。
しかしミサの顔を見てシンジが怒鳴る。

「ミサ!!そんなことは関係ないっていつもいってるだろ!!」

「あっ、御免なさい、つい」

「解ってくれればそれでいいよ。」

シンジ達の争いを聞いていたレイが口を開く。

「・・・あなたも人間じゃないの?」

「そうですよ、わたしは雪女という妖怪、そしてシンジさんも半分は人間じゃありません。
・・・って、さっきあなたもっていいましたね、じゃあレイさんも人間じゃ・・・」

「・・・えぇ、わたしは、碇ユイと第二使徒リリスの遺伝子を混ぜ合わせて作られたクローン
碇指令の命令を聞くだけの人形・・・」

パン

そこまで聞いたシンジがいきなりレイの頬を叩く。
レイは驚きながらも叩かれた頬を押さえながらシンジを見上げる。

「ばかやろう!!自分のことを人形なんて言うんじゃない!!」

「・・・わたしには、他に何もないもの」

こんどはレイの頭をシンジは抱え込みながらこう言う。

「何もないならこれから作ればいいじゃないか、それに何もない事なんてないよ
さっき碇ユイの遺伝子が混じってるって言ったよね」

「・・・えぇ」

「僕はその碇ユイの息子でもあるんだ。だったら僕と綾波は血のつながった
立派な兄弟じゃないか
僕の方が先に生まれてるから、僕が君のお兄ちゃんになる訳だ。
ねっ、ちゃんとした絆が君にもあるだろ。」

「・・・貴方がわたしのお兄ちゃん?」

「そう言う事。」

その時レイの赤い瞳から涙があふれだした。

「・・・あれ、わたし泣いてるの・・・嬉しいはずなのに・・・」

「嬉しくても人は泣くもんなんだよ、思いっきり泣くが良い
その方がすっきりするよ」

それを聞くと今までため込んでいた物を一気に解放したかのように
シンジの胸に縋り付きながら大声で泣き出すレイ

「お兄ちゃん・・・ヒック・・・お兄ちゃぁぁぁぁん」

シンジはそんなレイを優しく包みこみながら頭を撫で続ける。
そしてそのままミサに話しかける。

「ねえ、ミサ」

「なんですか?」

「こんなに可愛い妹に辛い思いをさせたあの髭眼鏡、どうしたらいいと思う?」

「お仕置きですね。」

「やっぱりそう思う、じゃあ後であの髭眼鏡に、お仕置きフルコースを
食らわせてあげて(ニヤリ)」

「わかりました(ニヤリ)」

ニヤリと笑うこの二人、はっきり言って・・・コワイ(^^;)

「あっ、そうだ、そろそろ行かないと、リツコさん達が待ってるんだっけ。」

「そうでしたね、そろそろ行きませんと」

シンジは今だ抱きついてるレイの肩に手をかけ、優しく声をかける。

「レイ、僕達そろそろ行かなくちゃいけない所があるから。」

「・・・わたしも行く、お兄ちゃんから離れたくない。」

「え!!でも」

途端にレイの表情が暗くなる、また今にも泣きだしそうだ。

「・・・わたしの事、嫌いなの?」

「嫌いなわけ・・・嫌いな訳無いじゃないか!!でも大丈夫?体の方は?」

「問題ないわ。」

「そう、じゃあ一緒に行こう。」

「うん!!」

そして三人は病室を後にした。


その頃リツコ達は・・・

「あぁぁぁぁぁ、お、そ、いぃぃぃぃ、何やってるのよあの子達は!!説明しなさいよミサト!!」

思いっきりミサトに八つ当たりするリツコ

「わたしに解る訳無いでしょ!!」

ごもっとも

「うるさい、あの子達が遅いのも、地球が丸いのも、わたしが実験に失敗するのも
みんな貴方のせいよ、わかった。」

「わかるかぁぁぁぁぁぁ!!」

はっきり言って悲惨なミサトであった。


あとがき

こんにちはイフリートです。
今回はシンジの正体とレイの補完を重点に書きました。
でもまだ解らないことだらけですね、これじゃあ。
アスカも早く出したいよ〜
やっぱりSSは難しいですね。


アスカ:エヴァから炎がぁぁぁっ!

マナ:エヴァってあんなこともできたのね。

アスカ:できるわけないでしょうがっ! でも、こういう展開だと、アタシのエヴァからも・・・何か出るのかな?

マナ:猿でも出るんじゃない? 毛をフーーーって吹いたら。(^^

アスカ:やかましいっ!

マナ:でも、シンジって人斬り火龍って呼ばれてるのね・・・ちょっと恐い。

アスカ:じゃ、アタシはラブリーアスカちゃんかしら?

マナ:無視無視・・・。それより、綾波さんと仲良くなれて良かったわね。

アスカ:ファーストが兄弟。いい設定ね。(^^v

マナ:これで、安心してシンジをゲットできるわ。

アスカ:それは、アタシのセリフよっ! ファーストが邪魔してこなかったら、こっちのもんよっ!

レイ:お兄ちゃんに手を出す人は、許さない。(ーー#

アスカ:ゲッ!(@@;;;;

マナ:そういう状態も有り得るわね・・・。確かに・・・。(^^;;;;
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