新世紀エヴンゲリオン灼熱の炎

第六話、「戦闘の果てに・・・

by,イフリート


ユイがサルベージされて一週間が過ぎた。
そして今ここ、ネルフでは、シンジが訓練している。

「エヴァの出現位置、非常用電源、兵装ビルの配置、回収スポット
全部頭に入ってるわね」

ミサトがシンジに問いただす。

「へ〜い」

「では、インダクションモード始めるわよ。」

「ほ〜い」

「ちょっとシンジ君!!やる気あるの!!」

ミサトが切れ気味に聞く。

「無い」

即答のシンジ

「なんですって!!もう一度言ってみなさいよ!!」

「だからやる気は無いと言ったんです、大体、刀を使って戦うのが得意な僕が
何で銃器を使って戦うんですか、悪いけど僕の銃の扱いは最低ですよ」

「いいからやりなさい、これは命令よ」

「はいはい」

「じゃあ始めるわよ」

その後シンジの前に前回の使徒の映像が映し出される。

「さてと、やりますか」

そう言うとシンジはパレットガンのトリガーをひく。

ドドドドドドドドドド・・・

しかしシンジの撃った弾は使徒の映像にかすりもしない。

「なにやってるの!!まじめにやりなさい!!」

「まじめにやってますよ!!ただ当たらないだけで・・・」

「ホントに銃の扱いは駄目なの?シンジ君の運動神経や反射神経なら
楽勝だと思うんだけど・・・」

「人には苦手な物ぐらいありますよ。」

「わかったわ、じゃあシンジ君の思うように
その使徒もどきと戦ってみたら?」

「いいんですか?」

「いいわよ」

それを聞くとシンジはパレットガンを投げ捨て、右手に炎の剣を作り構えた。

「いきます。」

そう言ってシンジは使徒もどきに突っ込んでいった。





その戦いを見ている人達は・・・

「それにしてもシンジ君、良く乗る気になってくれましたね。」

マヤがミサト達に言う。

「たしかにね、人の言うことを素直に聞いて乗るような子じゃないもんね
何か理由があるはずよ。」

「シンジさんはただ身近な人達を守りたいだけなのですよ、戦い好きと言うのもありますが・・・」

「それにしてもミサちゃんはシンちゃんの事、良く知ってるわね。」

「二年も一緒にいれば大体はわかります、姉様程わりませんですけど」

「そんなもんかな〜」

「そんなものですよ」

そんなときシンジから通信がはいった。

「リツコさんいます?」

「いるわよ、何?」

「フレイムソードで戦うと少し疲れるんで、エヴァ用の刀作ってもらえませんか?」

それを聞いたリツコはニヤリと笑った。

「あら、もう作ってあるわよ」

「え!!本当ですか」

「ええ、今度の戦いの時には装備させとくわ」

「わかりました、じゃあ訓練に戻ります」

そういってシンジは訓練を再開した。
その直後ミサト達の所に人が入ってきた。

「訓練の調子はどう?」

「あ、これは碇ユイ司令、どうしました」

そうなんと、今のネルフはユイが司令なのだ。
そしてゲンドウは司令補佐に降格させられてしまったのだ。

「いえ、ちょうど近くを通りかかったのでよってみただけ」

「は、はぁ〜 そう言えば碇司令はどうしました?」

「ああ、あの人だったら今までの事の罰として、トイレ掃除一ヶ月を命じたわ」

「そ、そうなんですか(^^;)」

そんなこんなでシンジの今日の訓練は終わりの時間がやってきた。

「シンちゃん上がっていいわよ」

「了解」

突然ユイが口を挟む。

「シンジ後で話しがあるから総司令室まで来て」

「わかったよ母さん」

「あと、ミサちゃんもね」

「わかりました」

「それじゃ先行ってるから」

そう言ってユイは部屋を出ていった。


シンジ達二人は総司令室へと入った、しかしその部屋の変わり様は・・・

「か、か、母さん!!なんなんだよ、この部屋は!!」

「す、すごい少女趣味ですね。」

そう、ゲンドウの時とうってかわって、とんでもなく少女趣味の部屋になっていた。
まわりの壁紙はピンク、カーテンはひらひらのついたやつ、電気はシャンデリア
そして何故か沢山のヌイグルミが置いてあった。

「何って、可愛いでしょこの部屋」

「ま、まあそうだけど・・・」

前の部屋との変わり様にさすがのシンジもどうようする。

「まあ、そんなことはどうでも良いわ、あなた達を呼んだのはこれからのあなた達の身分についてです。」

「身分?サードチルドレンじゃないの僕は?」

「その他にもシンジにはやってもらいます。」

「何を?」

「じゃあ話すわね、まずシンジにはサードチルドレンとしてエヴァ初号機のパイロットの他に
保安部所属特別第三尉碇シンジとして、レイと自分自身の身を守ることを言い渡します。
今後あなた達には監視やボディーガードはつきません、後、ドイツにいる
セカンドチルドレンが来日したらその子もお願い、わかった。」

「べつにいいけど、何でまた」

「シンジはここネルフの保安部の誰よりも強いからよ
それにあなた達には普通の生活をおくってもらいたいからね
だって邪魔でしょ、年がら年中監視がついていたりしたら」

「まあね、わかった引き受けるよ」

「OK、ありがとう、じゃあ今度はミサちゃんね」

ユイはミサの方を見る。

「わたしも何かするのでしょうか?」

「ええ、ミサちゃんにはネルフの医療班に入ってもらいたいの
特にシンジ達の身体のメンテナンスの為に
ミサちゃんのその特殊能力を貸してもらいたいの」

「ええ、わかりました、やらせてもらいます。」

「ありがとう、ちゃんとお給料も出るから」

「それはどうも」

話し終わるとユイはため息をつきシンジを見る。

「ふぅ〜 ごめんねシンジはパイロットが忙しいのに保安部なんかに入れて」

「いやいいよ」

「ありがと、ミサちゃんもごめんね、巻き込んでしまって」

「いいですよ、普通なら忌み嫌われる存在のわたしが
皆さんのお役に立てるなんて、嬉しいです」

「喜んで貰って嬉しいわ、それにだれもミサちゃんの事を忌み嫌ったりしないわよ」

「そうたぞミサ、妖怪だろうと人間だろうと同じ生き物だろ、関係ないよ」

それを聞くとミサは何か熱い物がこみ上げてきた。

「ぐすっ・・・ありかとう、シンシさん・・ぐすっ・・・ユイさん・・・」

「ミサちゃん泣かないの、可愛い顔が台無しよ」

「ミサもう泣くな、ほら、ハンカチ」

シンジはミサにハンカチを渡した。

「ぐすっ、ありがとうシンジさん」

「じゃあ僕達帰るけどいいかな、母さん」

「ええ、話はすんだから、もういいわよ」

「わかった、じゃあ帰るね、あと髭眼鏡の事頼むよ母さん」

「ええ、わかってるわ」

それを聞くとシンジ達は部屋を出ていった。


次の日、授業をうけていると事件はおこった。

ウウウウウウウウウウウ

非常事態宣言が発令されたのだ。

「使徒だ!!レイ、ミサ、行くぞ!!」

「・・・ええ」

「いきましょう」

シンジ達は教室を飛び出していった。





ネルフへ着いたシンジはすぐさま更衣室へいき、着替え終わるとゲージへと向かった。

《目標を光学で補足!領海内に進入しました。》

「総員第一種戦闘用意!!」

《第三新東京市、戦闘形態に移行します、兵装ビル現在対空迎撃システム稼働率48%」

それを聞くとミサトはシンジに確認をとる。

「シンジ君、用意は良い?」

『いいですよ』

「・・・それにしても碇司令達の留守中に第四の使徒襲来か・・・
思ったより早かったわね」

「前は十五年のブランク、今回はたった三週間ですからね」

愚痴をこぼすオペレーター日向マコト

「こっちの都合はおかまいなしってとこね
女性に嫌われるタイプたわ」

《葛城一尉、委員会からエヴァンゲリオンの出動要請が来ています》

「うるさい奴らね、言われなくても出撃させるわよ」





第334地下避難所

「ちっ、まただよ」

テレビのモニターを見ながら愚痴をこぼすケンスケ

「なにがや?」

「ほら見ろよ」

ケンスケはトウジにモニターを見せる。

「また文字ばっかし
僕ら民間人にはなんにも見せてくれないんだ
こんなビックイベントだっていうのに〜」

「お前ほんっまに好きやなこーゆーの」

「う〜う〜っ
一度だけでも見てみたい〜
今度は何時敵が来るかわかんないし〜」

ケンスケは少し考えるとトウジの方に振り向いた。

「トウジ」

「なんや?」

「ないしょで外出ようぜ」

「あほかっ!!外出たら死ぬやないか!!」

「バカ!!し〜〜〜〜〜っ
ここにいたってかわりゃあしないさ、それに・・・」

「それに、なんや」

「トウジだって、シンジの闘いを見守る義務があるんじゃないか」

「なんや、それ・・・」

「こないだの時だって結局彼奴が
俺達を守ったんだぜ
それをいきなり喧嘩売ったりして」

トウジはそれを聞くと言葉に詰まる、そして・・・

「お前・・・ホンマ自分の欲望に素直なやっちゃな」

「とか何とかいって、お前も反省してるんだろ」

「まあな」

ケンスケは女子の集まっている所に振り向いて
その中の洞木ヒカリに声をかける。

「委員長、俺達ちょっとトイレね」

「んも〜〜〜
ちゃんと済ませておきなさいよ」

「はいはい」

そういってケンスケ達はシェルターを後にした。





「いい、シンジ君」

『いつでもどうそ』

「じゃあ、エヴァ初号機発進!!」

初号機は合図とともにリフトから外へと向かった。



外へ出たケンスケ達は・・・

「す、すごい、苦労してきたかいがあった!!」

「あれが使徒っちゅうやつかいの、気色悪う」

ケンスケがカメラを構えている前に初号機があらわれた。

「お、待ってました!!」



シンジの乗った初号機は・・・

「さてと、やりますか」

そういうと初号機の腰の刀を抜いた。

「おお、ちゃんとした日本刀モデルじゃん、かっこいい」

シンジは刀を構えた。

「いきます」

そう言ってシンジは切り込もうとした、しかし・・・

シュバッ!!シュバッ!!シュバッ!!シュバッ!!

使徒は両腕?から光の鞭で攻撃してきた。

「ちっ!!」

何とかかわすシンジ

「この、イカの分際で生意気な!!ミサトさんのビールのつまみにしてやる!!」

しかし光の鞭の早さは並じゃない、刀で弾き返すのが精一杯だ。

シュバッ!!シュバッ!!シュバッ!!シュバッ!!

ガキンッ!!ガキンッ!!ガキンッ!!ガキンッ!!

「ほぅ、なかなか強いな、それにこっちの動きも理解しているみたいだ、頭も悪くないな」

そんな時だった、アンビリカルケーブルが切断されなおかつ使徒の光の鞭が初号機の刀に巻き付いた。

「しまった!!」

使徒はそのまま初号機を投げ捨てた。
山の方へ飛ばされる初号機



「おいおい、こっちにくるで!!」

「うそだろ!!」

「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」」

ズガーン!!

そう、ケンスケたちが居るところに初号機がふってきたのだ。
しかし幸いケンスケ達は初号機の人差し指と中指のあいだにいた。
泣きが入っているケンスケ達



ビービービー!!

初号機の中にアラームが鳴り響く
そしてシンジはモニターを見た。

「ばっ、馬鹿野郎!!なんで外にいやがるんだ!!
ミサトさん、どうすればいいですか」

シンジはミサトに応援をあおぐ。

『その二人をエントリープラグに乗せて!!』

『何を言っているの、民間人をエントリープラグに乗せて良いと思っているの』

リツコがすぐさま反抗する。

『わたしが許可します』

『何を言ってるの、葛城一尉』

そんなやり取りのなかシンジはエントリープラグをエジェクトした。

「トウジ、ケンスケ乗れ!!」

二人は初号機によじ登るとエントリープラグの中へ入った。

「な、なんやこれ、水やないか」

「カ、カメラ、カメラ」

「うるさい、黙ってろ!!気が散る!!」

『ケーブルが切れて内部電源に切り替わっているわ
いったん後退して、回収ルートは34番、山の東側へ後退するのよ!!』

「何馬鹿なこと言ってるんですか、使徒が追いかけてきますよ。」

『いいから聞きなさい、これは命令よ』

「ちっ、わかりました、いったん退きます、どうなってもしりませんよ。」

そしてシンジは使徒の攻撃をかわしながら戻っていった。


ゲージに戻ったシンジ達はエントリープラグから降りた、そして・・・

バキャ!!ドカッ!!

シンジはトウジとケンスケを殴り倒した。

「このドバカ!!あんな所にいやがって死にてえのか!!」

何も言えない二人

「お前らが居なきゃ火炎術で何とかなったんだ!!それをみすみす見逃しちまったんだ
この責任をどうとってくれるつもりなんだ!!」

「わるかったなシンジ」

「悪いですむか!!」

バキャ!!ドカッ!!

また二人を殴り飛ばす。
そんな時ミサト達がやってきた。
シンジを羽交い締めにするミサト

「シンジ君もういいでしょ、落ち着きなさい」

「わかりました、それよりミサトさん」

「何?」

「この後退命令は何ですか」

「作戦を立て直すためよ」

「そんな暇ありませんよ、使徒がジオフロントに攻めてきたらどうするんですか、すぐ出して下さい。」

リツコが口を挟む

「それは無理よ」

「どうしてですか!!」

「いったん戻ってきたら出るまでには時間がかかるのよ」

そんな時だった・・・

ズカーーーン!!

辺りにもの凄い轟音が鳴り響いた。

《使徒、ジオフロントへ進入しました!!》

「ほら、いわんこっちゃ無い、どうするつもりですかミサトさん
エヴァは動かない使徒は進入する、絶体絶命ですよ」

「くっ・・・」

ミサトは何も言い返せない。

「・・・しょうがない、あれを使うか・・・」

シンジがぼそっと言う。
近くに来ていたミサがそれを聞いたとたん顔が青ざめシンジを止めようとする。

「シンジさん、あれってまさか・・・
だめです!!やめてください!!」

「しょうがないだろ、これしか方法が無いんだから」

トンッ

シンジはミサの首筋に手刀をいれた。

「し・・・シンジ・・・さ・・ん・・」

シンジは気絶したミサをミサトに渡した。

「ミサトさん、ミサをよろしく」

「え、ええわかったわ、シンジ君なにするき」

「まあ、見てて下さい
後、僕から離れていて下さい。」

それを聞いたミサトはミサを抱えてシンジから離れた。

「お前ら二人も僕から離れて」

「「ああ、わかった」」

トウジとケンスケもシンジから離れた。

「さてと、やりますか、それでは皆さん短い間でしたけどありがとう」

シンジは笑顔でみんなを見渡し呟いた。

「し、シンジ君、それってどう言う・・・」

ミサトはシンジに問いかけるがシンジは無視した、そして・・・

「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

シンジは両手を広げ最大の力を振り絞った。
両方の手の平に炎が集まってくる。

ズカーーーン!!

使徒がシンジ達の目の前に現れた。

「丁度良いところに来てくれたな、ちょうど完成したとこだ・・・・」

シンジは使徒を見上げコアの所に目をやった。

「くらえ!!火炎術最大最強必殺奥義・・・炎龍波ぁぁぁぁぁっ!!」

シンジは広げていた両手を前に突き出した。
その両手から龍の形をした火炎放射状の炎が放射された。
しかしそのせいでシンジの両手は悲鳴を上げ始めた。

ミシ、ミシシシ、ボキャ!!

シンジの両手の骨が炎龍波に耐えられず砕けた。
しかしシンジはそれでもうち続けている。

「くそっ・・このままいけぇぇぇぇぇ!!」

炎龍波は使徒に到達する。

ガキン!!

しかし使徒の張ったATフィールドで止められる。
だがそれも一瞬の事だった
すぐさま貫通してコアへとぶちあたり、コアを蒸発させた。

使徒沈黙

周りの人はそれを見て歓喜の声をあげた。

「「「「やったーーーーー」」」」

「やったじゃんシンちゃん、すごい技ね」

「ホンマ、すごかったでシンジ」

「おお、格好良かったよ」

その声で今まで気絶していたミサが目を覚ました。

「う〜ん、はっ!!・・・シンジさん!!」

ミサがシンジに駆け寄ろうとした時それはおこった。
シンジが突然・・・

「ゴフッ!!」

血を吐いて倒れた。

「シンジさーーーーーん!!」

ミサの悲鳴が辺りを木霊した。

つづく


こんにちはイフリートです。
やっと第四使徒まで終わりました。
アスカ来日まで早くいってくれって感じです。

ミサ「あなた、なにシンジさんをいたぶっているのですか」

イフリート「べつにいいじゃん」

ミサ「良くありません、シンジさんの代わりにわたしがあなたを殺します。
   ダイヤモンドダストーー!!」

イフリート「またかいなぁぁぁぁ・・・」

ミサ「それでは次回は・・・う〜ん、ラミエレのとこまでみたいですね、それでは次回もよろしく(ペコリ)」


マナ:やっぱり、鈴原くんと相田くん・・・出て行っちゃったのね。

アスカ:あの2人のせいで、使徒の進入を許すなんて、かなりの被害が出たわねぇ。

マナ:あれじゃ、シンジじゃなくても怒るかも・・・。

アスカ:しっかりシンジがリカバリしてくれたみたいだけど・・・。

マナ:あの強烈な技はなに?

アスカ:炎龍波って言ってたわねぇ。

マナ:すごいけど・・・シンジが・・・。(;;)

アスカ:シンジ大丈夫かしら・・・。

マナ:なんか、自分の体を犠牲にした大技みたいだけど・・・。

アスカ:大怪我しちゃったのよね・・・。ミサの治癒力でなんとかなればいいけど。

マナ:ここは、ミサちゃんに任せるしかないのかしら。どうなるんだろう・・・最後何か起こったみたいだし。

アスカ:引かれると、次回が早く読みたくなるのよねぇ。
作者"イフリート"様へのメール/小説の感想はこちら。
kentarou-w@thn.ne.jp

感想は新たな作品を作り出す原動力です。1行の感想でも結構
ですので、ぜひとも作者の方に感想メールを送って下さい。

inserted by FC2 system