新世紀エヴァンゲリオン灼熱の炎

第八話「レッドハリケーン」

by、イフリート


ここはヘリの中、セカンドチルドレンを迎えに行くのとエヴァのソケットを運ぶため
空母オーバー、ザ、レインボウへ向かっている。
ここにいるのはセカンドチルドレンと面識のあるミサト、司令のユイ、ミサトのつまみでも釣っていくかと釣りを楽しみにするシンジ
シンジのお守り役ミサ、どうしても連れてってくれと泣いて頼んできたケンスケがいる。
レイは万が一のためにネルフで待機している。

「おー!!すごい、すごい、すごい、すごい、すごい、すごすぎるーーーー!!」

ヘリに乗れたのがよっぽど嬉しいのか、はしゃぎまくるケンスケ

「そんなに嬉しいか?」

「当たり前だろ、男だったら涙を流す光景だよ」

「そんなのお前だけだろ」

「わからんかね〜やっぱ凡人には」

「わかんないよ、わかるのはケンスケが変人だからだろ」

「うるさい、おっ!!見えてきたぞ」

ケンスケは下の方を見て呟いた。

「おぉぉぉ!!凄すぎる!!」

下の方には沢山の軍艦が浮いていた。
そしてその中央には守られるようにして、空母オーバーザレインボウが浮いていた。
それを見たときシンジはふっと何かを思いだした。

(あの空母、確かあの石頭のごますり野郎が船長だったな)

それを気にかけたのかミサはシンジに声をかける。

「シンジさん、どうしたのですか?」

「ああ、ミサも見て見ろよあの空母、見たことあるだろ」

「あれですか、う〜ん・・・・・あっ!!」

「思い出したか」

「はい、確かあのごますりじーさんが船長をやっている空母ですね」

「そうだ」

その時ユイが口を挟む。

「なに、シンジ達はあの空母の船長のこと知ってるの?」

「まあね、一年前にちょっとした裏の仕事の時に知り合ってね」

「そうなの」

そんなこんなとしているうちに、ヘリは空母の上へとおりた。


シンジ達は甲板へ降りると二人の人が立っていた。
一人は女の子、レモンイエローのワンピースと金髪の長い髪をなびかせながら
ブルーの瞳でこちらを伺っている。
もう一人は男性、よれよれのシ゜ャケットを着て、無精ひげを生やした顔で男臭い笑い顔をしながら
やはりこちらを伺っている。
シンジとミサは何故か驚いた顔で男性を見ていた。
女の子がこちらに挨拶をしてきた。

「ヘロー、ミサト」

「アスカ、ひさしぶり、また大きくなったんじない。」

「ふふ〜ん、他の所も大きくなっているわよ」

そんな時だった、急に強い風が吹き、女の子のワンピースを捲り上げた。
その姿にビデオ越しにくぎつけになるケンスケ

女の子はケンスケに近寄った、そして・・・

パーーーーーン!!グシャ!!

ビンタをかまし、ビデオを踏みつけ壊した。

「あーーーー!!何すんだよ!!」

「うっさい!!見物料よ、安いもんでしょ!!」

そう言って今度はシンジに近づきビンタをかました、しかし・・・

すかっ

シンジは何事も無かったようにビンタをかわし、女の子の横をミサと一緒に通り過ぎていった。
女の子のことはまだ眼中にさえ入っていない。
女の子の横を通り過ぎると男性に近づいた。

「「加持さん!!」」

シンジとミサはユニゾンして言う。

「よお、久しぶりだな、火龍に氷の妖星ちゃん」

「よして下さいよその呼び方は、でないとスマイルアサシンって呼びますよ。」

「おお悪い悪い、じゃあ改めて、久しぶりだなシンジ君」

「ほんと久しぶりですね、加持さん」

「ミサちゃんも一段と可愛くなったな」

「相変わらずなのですね加持さんは、また凍らしますよ」

ミサは呆れ返った顔で言う。

「それは勘弁、それよりシンジ君」

「なんですか?」

「後ろ振り返ってごらん」

シンジが振り返るといきなり手の平がシンジの顔に襲いかかってきた。
何事かとシンジは襲いかかってきた手の平を受け止めた。

「いきなり何するんだよ」

「うっさい!!あんたが見たからよ!!」

「見たって、なにを?」

「アタシのパンツをよ!!」

「はぁ!?何のこと?」

加持がシンジに助け船をだす。

「アスカ、シンジ君は俺の方を向いていて何も見てないぞ」

「そうなんですか」

こんどはミサトがシンジ達に話しかけた。

「何?どう言うこと?シンちゃんとミサちゃん、加持と知り合いなの?」

「ええ、前一緒に仕事したことがありますから」

「そうなの、なんか世間って狭いわね
そうだ、そんなことよりあなたたちの紹介がまだでしょ
じゃあ紹介するわね
この子がセカンドチルドレン、エヴァ弐号機パイロット、惣流・アスカ・ラングレーよ」

「よろしく!!で、サードチルドレンは何奴?」

「あんたのビンタを軽々かわした子よ」

シンジが挨拶をする。

「初めまして惣硫さん、碇シンジです、よろしくね(ニッコリ)」

シンジは必殺の女殺しの笑顔をくりだす。
無論、無意識だが

「あっ」

アスカはシンジの奇麗すぎる笑顔に声が出ない。
顔を赤くして見とれるアスカ。
そんなアスカにシンジは心配そうに声をかける。

「あ、あの、どうしたの?」

シンジの声で我に返るアスカ

「ななっ、なんでもないわよ!!」

「よかった、なんかボ〜っとしちゃってたから心配したよ
そうだ、それよりこれから釣りするんだけど、一緒にやろうよ」

「な、なんでアタシがあんたと釣りしなきゃいけないの」

「まあまあ、良いから良いから、母さん僕達釣りしてるけどいいよね」

「いいわよ、あなた達には休んでいてもらいたいから」

「ありがと、それじゃ行こう、ミサも行くよ」

そう言ってシンジはアスカの背中を押していった。

「えっ、あっ、ちょっと、そんな勝手に・・・」

「ほらほら、早く」

「んも〜わかったから押さないでよ」

そう言ってシンジ達は釣りの出来そうな場所へと移動していった。
ユイ達は弐号機の受け取り許可のサインを船長から貰うため操舵室へむかった。


シンジ達は釣りの出来そうなところへ腰掛けて釣り竿の用意を始めた。

「惣硫さん、釣りは初めて?」

シンジがアスカに問いただす。

「まあね、アタシエヴァの訓練とかそんなんばっかやってたから、やったこと無いわよ
それにアタシの事はアスカでいいわ、惣硫さんって呼ばれるの嫌いなのよ」

実はアスカは同年代の男にファーストネームで呼ばせた事など無い。

「わかったよ、アスカ」

シンジはそう言いながらさりげなくユイ達の向かった操舵室に目をやった。
そこでは何やら言い争っているのが見えた。

(あの石頭野郎のことだ、ここではサインはできんとか言ってるんだろうな)
「ねえアスカ、ミサ」

「なによ」

「なんですか」

「先に初めててよ、僕ちょっと母さんの所へ行ってくるから」

そう言ってシンジは操舵室へと向かった。
突然どっかいってしまったシンジの行動に呆気にとられた顔でアスカはミサの方を向く。

「あいつ、どうしたの?」

「船長の所にでも行ったのではないでしょうか」

「あのむかつく船長の所に」

「ええ、知り合いですので」

「ふ〜ん、まあいいわ、さきはじめてましょ・・・・そう言えばあんたの名前聞いてなかったわ」

「あっ、わたしの名前ですか、ミサです、雪女のミサ」

「はぁ!?雪女ですって、あんたバカ?」

「しっ、失礼な人ですね、証拠見せましょうか」

ミサはそう言って手の平の上に氷の箱を作った。

「な、なな、何よそれ〜!!」

すっとんきょうな声をあげるアスカ

「これが証拠です、わかって頂きましたか。」

「え、ええ、わかったわ、疑って悪かったわね」

「いえいえ・・・そうだ、この箱クーラーボックスの代わりに使いましょう」

ミサは氷の箱を地面に置く

「それにしてもあんた達何者?シンジはシンジで腰に刀なんてさしてるし」

「シンジさんはあなた達の護衛も任されているのです。
刀を持っていても不思議じゃないでしょ」

「何で彼奴に護衛して貰わなきゃならないのよ
そんなの保安部や諜報部の仕事でしょ」

「シンシさんは保安部にも所属しているのですよ」

「あいつ、そんなに強いの?」

「はっきり言って化け物です、機関銃の弾を一発残らず刀ではじき返せるぐらいなのですから」

「う、うそ」

この事には流石のアスカも驚いた。
そんなこと出来るのはルパ○三世のごえ○んぐらいだ。

「そんなことより始めてましょう、はい、アスカさん」

ミサはアスカに釣り竿を渡す。

「サンキュウ、じゃあやるわよ!!」

ミサとアスカはシンジが来るのを待ちながら釣りを始めていた。





その頃シンジは、操舵室に入らず近くで話の内容を聞いていた。
船長やユイ達にばれないように
争いの内容はここら辺から聞いていた。

「あんなおもちゃに金を使うならこっちに回せばいいものを!!」

ユイに怒鳴っている船長

「エヴァでなければ使徒は倒せません、そんな事よりこちらにサインを・・・」

「まだだ!!」

#ピクピク

それを聞いたユイは今にもぶち切れそうだ。
しかしそこへ・・・

ゴンゴンゴン

ノックする音が聞こえた。

「誰だ!!騒々しい!!」

音のした方に振り向く船長
そこには一人の少年が立っていた。
その少年を見た船長は顔が一気に青ざめた。

「きっ、貴様は・・・」

「貴様だ?ワレ、いつからそんなに偉くなったんだコラ」

ドスの効いた声で凄むシンジ

「すっすすすす、すみません、お許し下さい人斬り火龍様〜」<(_ _)>

土下座をして謝る船長、ユイやミサトはあっけにとられている。
つくづくシンジの裏の世界での偉大さが身にしみてわかったようだ。
加持だけが微笑んでその光景を見ていた。

「さっき貴様が怒鳴ってた相手、誰だかわかってんのか、俺の母親だぞ」

それを聞いて青い顔がいっそう青くなる。

「え!?そっ、それはとんだご無礼を!!」

「そう思うならさっさとサインしろや」

「わ、わかりました〜」

すぐにサインをし始める船長

「よし、今度俺やこの人達になめた口聞いたら殺すぞ
それにちょっとそこから外を見て見ろよ」

言われるまま船長は窓から甲板を見た。

「あ、あ、あそこにいるのは、氷の妖星」

「わかったか、あんまり俺達を怒らす様なこと言うんじゃねえぞ
俺はともかくミサが何するかわかんねえぞ、お前のこと、すげ〜嫌っているし」

「はは〜かしこまりました〜」

そう言ってシンジは操舵室を出ていった。
残されたユイ達は・・・

「シンジが裏の世界で凄いのは知っていたけど、これほどとは思わなかったわ」

「何、この位なら序の口ですよ、もっと上の方々にも恐れられていますから、シンジ君やミサちゃんは」

「あんたよりも」

ミサトが加持に聞く

「ああ、あの二人には到底勝てないさ」

「そうなの?それにしても驚いたわ、シンジ君が人斬り火龍って事はしってたけど
まさか氷の妖星がミサちゃんだったなんて・・・
たしか氷の妖星って人斬り火龍の名前が噂されなくなったと同時くらいに
有名になったんでしょ」

「まあな、ほとんどシンジ君の代わりに、シンジ君と一緒にいたミサちゃんが動いていたからな」

「ふ〜ん、まあいいわ、そんなことよりそろそろいきましょう」

「そうね、サインもしてもらったことだし、食堂あたりでくつろいでましょう」

そう言って三人は食堂へ向かった。






アスカとミサが釣りをしているところにシンジは戻ってきた。
そこには先ほどカメラを破壊されて落ち込んでいたケンスケもいる。
そして、こりもせず予備でもってきたカメラでアスカとミサを撮影していた。

「ケンスケ、懲りもせず、また撮ってるのか」

「あたりまえだろ、美少女が二人いて、こんな美味しい場面撮らないカメラマンなんているかよ
これはいい、売れる、売れるぞ〜〜〜〜〜〜」

「やれやれ、これはほっとくか・・・
じゃあ僕も釣りするかな」

そう言って釣り竿を用意するシンジ
しかしそこでアスカに話しかけた。。

「ちょっとアスカ」

「なによ」

「かかってるぞ」

アスカは自分の釣り竿を見た。

「ほんとだ!!」

その後直ぐに、凄い勢いでリールを巻き始めた。
しかしそこでシンジが止める。

「あぁ、だめだめ、そんな一気に巻いちゃ」

そう言ってシンジはアスカの後ろに立ちアスカの手の上に自分の手を乗せた。
顔が真っ赤になるアスカ

「ちょっ、ちょっと、何するのよ!!」

「いいから集中して、まずは魚を暴れさせ疲れさせるんだ」

説明するシンジ、しかしアスカはシンジの手の温もりが、どうしても気になってしまう。
そんなことを思っているとは露骨にも思わないシンジは、説明をつづける。

「そして魚が暴れ疲れたら一気に巻くんだ、そしてまた暴れだしたら、ほっておく
その繰り返しなんだ、わかった」

そう言ってシンジはアスカからはなれた。

「あっ」

なんか、名残惜しそうなアスカ

「ん?、何?、どうしたの?」

凄く優しい顔で問いかけるシンジ

「なっ、なんでもいわよ!!」

そう言いながらシンジに教えて貰った通りに実行するアスカ
そしてその数分後、少し苦戦しながらも、約1メートルはある
大きなマダイが釣れた。

「お〜!!凄いじゃないか、アスカ」

「本当にすこいですね」

ミサとシンジがアスカをほめる。

「ふん!!当然よ!!」

胸を張り得張るアスカ

その後、みんな何匹か釣り上げていた。
しかしアスカの釣ったマダイが一番大きかった。

「アスカ、このマダイ、どうする?」

「勿論、食べるわよ」

「アスカさん、調理出来るのですか?」

「そっ、そう言えば・・・出来ない」

「じゃあさ、家きなよ、僕とミサでこのマダイ調理するから・・・
ついでに、アスカの歓迎会も兼ねてさ」

「いいの?」

「「もちろん」」

シンジとミサがユニゾンして答える。

「わかったわ、サンキュー」

その後シンシ達は釣りの後かだつけを始めた。





かだつけが終わると、アスカがシンジを誘った。

「シンジ!!つき合って」

「なっ!!まだ早いよ、僕、君のこと全然知らないし・・・まずは友達から」

思いっきりボケをかますシンジ

そう言う意味じゃな〜〜〜〜〜〜い!!
ついてきてって意味よ!!」

「なんだ、残念」

「たくっ、行くわよ」

「はいはい、じゃあミサにケンスケ、ちょっと行ってくらぁ」

「わかりました」

「おう」

ケンスケは短く答えるとミサの写真をまた撮りだした。
シンジはアスカにひっぱられていき、奥に消えていった。






「ねえ、アスカ」

「なによ」

「何処行くの?」

「あんたにアタシの弐号機を見せてやるのよ」

「ここにあるの?弐号機は?」

「違うわよ、あの船」

アスカは結構離れている船を指さす。

「どうやって行くんだよ」

「ヘリにきまってんじゃない」

「おいおい、僕、操縦できないぞ」

「期待してないわよ!!誰かパイロットを捕まえるのよ」

それを聞いてため息をつくシンジ

「ふぅ〜やれやれ、そんな事しなくていいよ
僕が運んでやるから」

そう言うとシンジはアスカの首の後ろと膝の後ろに手を入れ、抱きかかえた。

「えっ、えっ、、ちょ、ちょっと!!いきなり何するのよ!!
下ろしなさいよ、バカ!!エッチ!!変態!!」

いきなり抱き抱えられ、顔を真っ赤にして怒るアスカ

ポカポカポカ

シンジの頭を殴る。

「痛て、痛いよアスカ」

「だったら早く下ろしなさいよ!!」

「いいからじっとしててよ、それじゃあの船までいくよ。」

シンジは何やら背中に集中し始めた。

「フレイムウイーング」

シンジの背中から大きな炎の羽が生えた。
シンジの身長と同じくらいの大きさの羽だ。
その姿はまるで天使の様だ。
見惚れるアスカ

「じゃあ飛ぶよ」

「えっ、ええ」

バサーン、バサーン

羽を羽ばたかせ空中に浮くシンジとアスカ
そしてそのまま目的の船へと向かった。






目的の船に到着すると、シンジはアスカを下ろして、羽を消した。

「どう、気持ちよかったろ、空の旅は」

「ええ、まあね、でも、何なのよ!!それは!!」

「羽のこと?」

「そうよ!!」

「僕の技、火炎術の一つさ」

「なによ火炎術って?」

「今度教えてやるよ、話が長くなるから」

「そう、わかったわ、それより弐号機はこっちよ、ついてきなさい。」

「はいはい、いきましょ」

シンジはアスカに案内されながらついていった。







弐号機の所へ着くとアスカは弐号機の頭の上へよじ登った。

「アスカ、何やってるの、危ないよ」

しかしアスカは聞いちゃいない、そして弐号機の自慢をしようとしたその時だった。


ドカー−−−ン!!


外から爆発音が聞こえ、辺りが揺れた。

「キャアァァァァァァァ!!」

揺れと同時にアスカが弐号機から落ちた。
このまま行くと大怪我はまのがれられない。

「たく、いわんこっちゃない」

シンジはアスカを抱き留める。

「サンキュー、シンジ」

「いやいや、それより外を見に行こう」

「ええ、わかってるわよ」

シンジ達は急いで甲板へと向かった。


外へ出たシンジ達は周りを見た。
そこでは戦艦が一隻また一隻と沈められていた。

「まさか、使徒!!」

「あれが使徒なの」

「なんとかしなくちゃ」

困っているシンジを後目にアスカはと言うと・・・

「ちゃ〜んす(ニヤリ)」

などと言いながら、ゲンドウも真っ青のニヤリ顔を繰り出していた。

「シンジ!!」

「なに?」

「何じゃないわよ、弐号機で使徒を倒すのよ!!」

「じゃあ、母さんやミサトさんの許可は?」

「そんなの勝ってから言えば良いのよ」

「う〜ん、そうだね、じゃあアスカよろしく」

「何言ってるのよ、あんたも、来るのよ!!」

そう言ってシンジを引っ張って行こうとするアスカ

「何言ってんだよ、僕は使徒をこの船に近づけさせないようにしないと・・・」

「あんたバカ、生身の人間に何が出来るのよ」

「こんな事、できるよ」

シンジは右手に集中する。
右手からソフトボール位の炎の玉が現れる。

「いけっ!!ファイヤーボール!!」

使徒が海水から跳ねた瞬間、シンジは使徒に向かって炎の玉を投げつけた。

ドカァァァァン!!

炎の玉は使徒にあたり、爆発を起こした。
使徒も生身の人間が直接攻撃してくるとは思わなかったのだろう。
ATフィールドを張らなかったようだ。
炎の玉は使徒に直撃していた。
しかし・・・

「な、こんな事、生身でも僕には出来るんだよ、でも効いてないみたいだな・・・・・ぜんぜん」

「なによその技〜〜〜!!」

「これも火炎術の一つさ、そんなことより、早く弐号機出してよ、何かさ・・・・
怒っちゃった見たいなんだ、使徒・・・」

確かに使徒はこちらを睨んでいた。

「当たり前よ!!」

「悪い!!早く弐号機を起動させてくれ、こっちは何とかするから」

「わかったわ、無茶するんじないわよ!!」

アスカは弐号機の所へ戻っていった。

(ああわ言ったが・・・・どうしよう、炎龍波を使うか・・・だめだ、使徒だけでなく、周りの船も
巻き込んじまう、俺も死んじゃうし・・)

そんな事を考えているうちに、使徒がシンジに向かって突進してきた。

「ちっ、これならどうだ!!」

右手にさっきの数倍力を加えるシンジ

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ、巨大ファイヤーボール!!」

先ほどのファイヤーボールより全然でかい、家一軒位の大きさだ。
それを使徒に向かって投げた。

ドカァァァァァァァァァン!!

先ほどのと違い、大爆発を起こした。
しかしATフィールドで防がれたらしく、吹っ飛んでいっただけで、表面が焼け焦げただけだ。

「駄目か!!あれを食らってあの程度かよ」

その時、赤き鬼が姿を現した、弐号機だ。

「シンジ!!乗って!!」

アスカはエントリープラグをイジェクトする。

「よし!!今行く!!」

シンジはひとっとびでエントリープラグの中に入った。

「さて、アタシの下僕をいたぶってくれたお礼、たっぷりしてあげるわ!!」

「誰が下僕だ、誰が・・・」

「うっさい、行くわよ!!」

こうして戦いが始まった。


その頃残されたミサとケンスケは・・・

「なんだ!!」

「なにやら使徒が出た見たいですね」

その時・・・

ドカァァァァァァァァァン!!

「うわっ」

「キャッ」

近くで大爆発が起きた。
爆発の衝撃波がミサとケンスケを襲う。
その衝撃波の中に色々な船の残骸などが混ざっている。
その残骸がミサを襲った。

「フリーズシー・・・・」

フリーズシールドで身を守ろうとするが、間に合わない。

「危ない!!」

近くにいたケンスケがミサに抱き付き、盾になった。

ザクッ!!ザクッ!!ザクッ!!ザクッ!!ザクッ!!ザクッ!!

容赦なくケンスケの背中に残骸が襲いかかる。

「ぐはっ!!」

「相田さん!!」

爆発がおさまり、安心したケンスケはズルズルと倒れ込んだ。

「大丈夫か、ミサちゃん・・・ガハッ!!」

「何言ってるのですか!!大丈夫じゃないのは相田さんでしょ!!
今、治療しますので、我慢しててください。」

そう言ってミサはケンスケの背中を見た。

「非道い・・・」

ケンスケの背中は、みるも無惨だった。
服は勿論破れていて、肉などが裂けており、背骨が見えている。

「フリーズヒール」

ミサはケンスケの背中に回復技をかける。
見る見るうちに直っていく。

「あ、ありがとう、ミサちゃん」

「何言ってるのですか、守ってくれたのは相田さんじゃありませんか。
お礼を言うのはこちらです、ありがとうございます。」

「そんなことないさ、当然のことをしたまでだよ、さてと・・・・・あれ?」

立ち上がろうとするケンスケ、しかし力が入らず立てない。

「あれ、立てない」

「当たり前です、わたしの回復技は傷は癒せても、抜けきった血は回復しないのです。
ほら、まだ寝ていて下さい。」

ミサはケンスケの頭を自分の膝に乗せる。

「み、ミサちゃん、何を!!」

顔を赤くして慌てるケンスケ

「そ、そんなに照れないで下さい、わたしまで照れてしまいます。」

「あ、ゴメン、それにしてもミサちゃんは、いい匂いがするな・・・」

「なっ、なななな、何言ってるのですか!!」

顔を真っ赤にして照れまくるミサ
しかし、ミサの問いに、ケンスケは答えない。

「ZZZZZZ...」

寝てしまったケンスケ

「もうっ、本当、男のかたってバカなのですね・・・」

自分の膝で寝ているケンスケを見ながら、優しい顔でケンスケの頭を撫でていた。






もう一方の大人達三人は・・・

「うきゃぁぁぁぁ、使徒、使徒、使徒よぉぉぉぉぉぉぉ!!」

パニクるミサト
本当に作戦部長なのだろうか。

「落ち着け、葛城・・・」

「何よ!!使徒、使徒、使徒なのよぉぉぉぉぉ!!」

「五月蠅いわよ!!ミサトちゃん!!」

ドカッ!!

ミサトの土手っ腹にパンチを入れるユイ
こぶしがミサトの腹に完全に埋まっている。

「げふっ!!」

ミサトはそのまま気を失った。

「加持一尉、ミサトちゃんと、そのジュラルミンケースを持って、先に脱出して下さい。」

「ユイ司令はどうなさるおつもりですか?」

「わたしはここに残ります、シンジ達だけ置いて行くわけにはいきませんので」

「そうはいきません、あなたが死んだらシンジ君達が悲しみます
大丈夫、あの子達を信じましょう、俺達いたって足手まといなだけです。」

ユイは少し考えて・・・

「わかりました、あの子達を信じましょう」

「それじゃ行きましょう」

「ええ、行きましょうか」

加持はミサトを担いでユイと一緒に外へ出た。
そしてヘリコプターに乗り、オーバーザレインボウを後にした。


シンジ達の乗った弐号機は、適当な船を台にして足場を確保していた。
飛び付いてくる使徒をプログナイフで切り裂いたりして攻撃していた。

「何よ!!全然効いてないみたいじゃないの!!
斬っても斬ってもすぐ直るし!!」

「ああ、弱点のコアを破壊しないと倒せないからね。」

「そんなもん無いじゃない、何処にあるのよ!!」

「多分、口の中」

「口の中の物なんてどうやって破壊するのよ!!」

それを聞くとシンジは真剣な顔になりアスカに言う。

「アスカ、僕の指示に従ってくれるか」

「何でこのアタシがあんたの指示を受けなきゃなんないのよ!!」

「じゃあ、このまま僕と心中するか?」

「うっ・・・・わかったわよ、その代わり絶対倒せるんでしょうね!!」

「ああ、大丈夫だ、一瞬で終わる」

「じゃあどうすんのよ?」

「まず僕がシンクロして炎の剣を出す、そして僕がその剣を消えないように維持するから
アスカは次に使徒が飛び付いてきたときに、頭からしっぽまで真っ二つにして」

「炎の剣ってさっきの火炎術とやらの一つでしょ、エヴァでも出来るの」

「ああ、出来るよ、お喋りはここまでだ、行くよ!!」

シンジはエヴァとシンクロし、右手に集中する。

「フレイムソード!!」

弐号機の右手に炎の剣が現れる。

その時使徒が飛びかかってきた。

「いまだアスカ!!」

「うおりゃぁぁぁぁぁっ!!」

シンジの言ったとおりアスカは使徒を頭から真っ二つにした。
使徒は真っ二つになり、口の中のコアも破壊された。
二つになったまま海に落ちていく使徒

使徒沈黙

「よっしゃー、よくやったアスカ」

「ふふ〜ん、当然でしょ」

胸を張るアスカ

「まあ、お疲れさま、後は家に帰ってアスカの歓迎会だ」

「ちゃんとアタシのマダイ、調理するのよ!!」

「任せとけ」

こうしてお転婆娘、惣龍・アスカ・ラングレーの初めての使徒との戦いは幕を閉じたのであった。

つづく


こんにちは、イフリートです。
やっとアスカ登場です。
ここまで長かった〜
じゃあ、次回の予告を

《日本に到着したアスカの歓迎会をするシンジ達
結構な人数が参加する事になる、その中にはゲンドウも
そして、宴会が始まった、シンジが呼んだ人達だ、ただの宴会で終わるはずがない
その中にはゲンドウもいるのだ、そしてそのゲンドウの運命はいかに・・・》

次回『狂乱の宴』
次回もサービス、サービス

ゲンドウ「たのむ!!わたしは出さないでくれ!!」


アスカ:いよいよ、アタシの登場よぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!(^○^)v

マナ:強いシンジに会った感想は?

アスカ:ハンっ! アタシの下僕は、多少は体力ないとねっ!

マナ:あまり、下僕とか言ってると燃やされちゃうわよ?

アスカ:そんなことするわけないでしょ。

マナ:どうしてよ?

アスカ:下僕が主人に手を上げていいわけないじゃん。

マナ:だから・・・下僕って・・・。このシンジは、強いわよぉ。

アスカ:アタシを守る為にだけ、あの力は使えばいいのよ。

マナ:人類を守る為でしょ?

アスカ:人類なんか、どうでもいいわよ。アタシの言うことを良くきいて、アタシを守ればいいのよっ!

マナ:あなたが、悪の権化だったのね・・・。
作者"イフリート"様へのメール/小説の感想はこちら。
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感想は新たな作品を作り出す原動力です。1行の感想でも結構
ですので、ぜひとも作者の方に感想メールを送って下さい。

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