新世紀エヴァンゲリオン灼熱の炎

第九話「狂乱の宴」

by、イフリート


オーバーザレインボウから帰ってきたシンジ達は、アスカの歓迎会の為ミサとシンジとレイで準備をしていた。
食べ物を作り終えると、シンジは買い物に出かけ、ミサト達大人が飲む為のお酒と、お酒の飲めない人のためジュースを
買いに行った。
そのついでに、一端ホテルに戻ったアスカを拾っていく。
そして、マンションに戻った。

「ただいま〜」

「ここがあんたの家ね」

「そうだよ、どうぞ上がって」

「ええ、おじゃまします」

その時ミサとレイが玄関まで来た。

「お帰りなさいシンジさん、アスカさんいらっしゃい」

「・・・おかえり、お兄ちゃん・・・・その人、誰?」

「ああ、レイは初めてだったね、この人はエヴァ弐号機パイロット、惣硫・アスカ・ラングレーさんだよ。」

アスカはレイを撫でるように見る。

「ふ〜ん、あなたが零号機パイロットの綾波レイね、仲良くしましょ」

「・・・よろしく」

「なんか暗い子ね」

「・・・わたし、暗いの?
身体に灯り付けた方がいいの?」

「「「はぁ?」」」

ボケるレイ、本人は大真面目だが・・・
一瞬、誰も意味がわからなかった様だ。
いち早くシンジがレイの言った意味を理解し、説明を始める。

「レイ、そう言う意味じゃなくて、アスカが言うのはレイの性格が暗いって言いたいんだ」

「・・・そう、よかったわね」

「「「なにがだ!!(よ!!)(ですか!!)」」」

レイは周りを乱すだけ乱しといて、とっととリビングへ戻っていった。

「あの子、なんなの?」

「レイってちょっと天然入ってるみたいだからね〜って、そんなことより
こんな所で立ち話も何だからリビングへ行こうよ」

「そうね、じゃあ上がらせてもらうわ」

そしてシンジ達もリビンクへ向かった。





リビングにあるテーブルの上には、とてつもないほどの料理が並んでいた。
アスカの釣ったマダイなどは、船盛りにされていて、一際目立っていた。

「す、すごいわね・・・これあんた達が作ったの?」

「まあね」

「店の物より凄いわよ、これ」

「ありがと、喜んでもらえて嬉しいよ、ささっ、座って座って
みんなが集まったら始めるから、ちょっとまってて」

「わかったわ・・・で、後誰が来るの?」

「え〜と、まず、僕達四人と母さん、父さん、ミサトさん、リツコさん、加持さん、後は学校の友達が三人かな。」

「そんなに来るの?」

「ああ、大勢の方が楽しいだろ」

「まあ、そうだけど・・・」

「もうすぐ来ると思うからこれでも飲んでて」

シンジはアスカにオンジジュースを渡す。

「サンキュー」

シンジはアスカにジュースを渡すと、ソファーに座り刀を抜く。

「ちょっ、ちょっとあんた!!」

「なんだよ」

「危ないわね、それしまいなさいよ!!」

「良いだろ別に人を斬る訳じゃないんだから、ただ手入れをするだけなんだからさ」

「あんたって・・・危ないヤツでしょ?」

「よく言われる」

そんなことを言って、シンジは刀の手入れを始めた。
アスカはそんなシンジを見ていて、ふっと、刀を見た。

「シンジその刀、何か黒くない、普通、銀色でしょ?」

それを聞いたシンジは目を輝かせた。
アスカはそんなシンジにギョッとなる。
何か、聞いてはいけないことを、聞いてしまったとアスカは後悔する。

「よくぞ聞いてくれました!!」

シンジは勢いよく立ち上がる。

「な、何!!」

「この刀、妖刀八乙女はね〜、時は幕末、天才と歌われた刀鍛冶が作った一振りなんだよ。」

「い、いいわよ、そんな話してくれなくても・・・」

アスカはシンジの話を止めようとする。
しかし、とうのシンジは聞いちゃいない、ついでに目もあっちの世界へいっちゃっていた。
何やらシンジの目はウットリしている。
かってに喋りつづけるシンジ

「それでね〜、この刀はね、普通の刀と作り方が少し違うんだよ、厳密に言うと使った材料が違うらしいんだ。」

「そ、そう・・・それで・・・」

どうやらアスカはシンジの話を止めるのは諦めたようだ。
聞くことに専念する事にしたアスカ

「普通、加熱した刀を打った後、水で冷やして、また炭の中に入れて加熱する、その繰り返しだろ
その工程の中で、水で冷やすって所で、水の代わりに他の物を使った見たいなんだ・・・何だと思う。」

「そ、そんなの解るわけ無いじゃない」

「血さ、人間の・・・それも女性限定の・・・」

「血って・・・・・・えぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

「生きた女性八人をロープで天井から吊して、加熱された刀を八人の女性に次々と刺して
水の代わりに冷やした見たいなんだ。
だからこの刀は八乙女と言われてるらしいんだ。
刀身が黒いのは、血で冷やしたからなんだ。」

その話を聞いていたアスカは軽蔑した視線でシンジを見ながら言う。

「よくそんな話女の子の前で出来るわね・・・軽蔑するわ」

それを聞くとシンジはあわてふためいて弁解し始める。

「ちょっ、ちょっとまってよ、妖刀なんてだいたいこういう話が付き物だろ
それに僕がこの刀を作った訳じゃないんだから、良いだろ別に・・・
それに僕は女の人に刀を振り上げたことは、一度しか無いんだから。」

それを聞いたアスカは驚きの顔になる。

「まっ、まさかあんた・・・その人のこと・・・」

「殺したのって言いたいの?」

「・・・・・」

「殺してないよっていうか、殺せなかった、相手が強くて・・・
それに、別に殺し合いじゃなく、単なる試合見たいなもんだったから
剣士同士の純粋たる試合だったんだから。」

「ふ〜ん、いまいち理解できない世界ね
それにしても、機関銃の弾を全てはじき返せるって言われるあんたでも
その人には勝てなかったの?」

「勝てなかったって・・・負けてもいないよ、僕」

「じゃあ、互角だったって訳だ。」

「まっ、そう言うこと」

「その、あんたと戦った相手って誰よ・・・有名?」

「裏の世界では有名だよ、僕やミサや加持さんと同じ位に
名前は霧島マナ、戦自の光の女神って呼ばれているよ。」

「へ〜、聞いたこと無いわね」

「普通、知っている方がおかしいよ」

「でも、少しは知ってるわよ
加持さんは確か裏では、スマイルアサシンって呼ばれているし
本人の名前は知らないけど、人斬り火龍って言うのと
氷の妖星って言うのはドイツでも有名よ」

「そうなんだ、僕達の名前、ドイツまで知れ渡っていたんだ。」

「僕達って・・・まさか!!」

「そう、僕は人斬り火龍碇シンジ、そしてミサが氷の妖星さ。」

「うそ・・・マジ?」

「マジマジ、自慢にはならないけどね」

「どうしてよ、十分自慢できるじゃない」

それを聞いたシンジはいきなり怒りだしアスカを怒鳴る。

「何が自慢できるんだよ!!
所詮、俺達がやってきたのは人殺し
こんな物が何の自慢になるんだよ!!」

「お、怒ることないじゃない!!」

アスカも怒った顔でシンジに怒鳴る
しかしアスカの目は怯えている。
人斬り火龍とは言え、目の前に居るこの可憐な少年がいきなり怒り出すとは思わなかったようだ。

「あっ、ごめん、八つ当たりだねこれじゃ、僕が悪かった、もうよそうこんな話」

「・・・そうね」

それから数分、アスカとシンジは黙りこくってしまった。
そしてその間に、みんなが集まった。
そしてアスカ歓迎会が始まった。

これから起こる地獄絵図の様なことになることを、今は誰も知らない
そしてこの歓迎会はゲンドウの心に深く思いとどまるだろう・・・傷として


歓迎会も盛り上がると同時に
みんな仲のいいグループ同士で盛り上がっていた。
まあ、グループに別れたと言っても大人同士と子供同士に別れているだけだが。

まず大人達、ミサト、加持の場合

「かじ〜、わたしをもらえ〜〜〜」

酒の勢いで加持に結婚を迫るミサト

「ほ〜、それは葛城が俺にプロポーズしたととっていいんだな」

「うだうだいってんじゃないわよ、さあ、やるわよ!!」

目の座ったミサトが強引に加持を引っ張って自分の部屋へ連れ込もうとする。

「や、やるって・・・何をする気だ葛城・・・」

「あら〜ん、男女が夜にする事って言ったら一つしかないでしょ♪」

そう言って加持を引きずってくミサト

「た、助けてくれ〜、犯される〜」

加持のその言葉を最後に葛城家へと消えていくミサトと加持であった。





リツコの場合

「ふっふっふ・・・・・碇ゲンドウ・・・わたしをもて遊んだ男・・・改造してやる・・・
髭むしってやる・・・松代のマギに脳を移植してやる・・・残った身体をカバに食わせてやる・・・
うひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっっっっっっっ!!!!!!」

酒の勢いと仕事のストレスで、天才赤木博士はいってしまっていた。
天才と何とかは紙一重と言う言葉が相応しい有様だ。
絶対リツコファンにはお見せできない。





ユイ、ゲンドウの場合

「オラ!!オラ!!オラ!!オラ!!オラ!!」

まるでジョ◯の奇妙な冒険のスター〇ラチナの様な声でゲンドウを攻撃するユイ
別にゲンドウが何かしたと言うわけではない、いや一応していた。
依然ユイが頼んだトイレ掃除一ヶ月を一日サボってしまっていた。

「ふげ!!ぽげ!!ぴきゃ!!ぷご!!ふべし!!」

たかがその程度のことでこの有様だ。
ユイに酒が入っていなければ少しはましだったと思う。
どうやらユイは酒癖が悪いようだ。

「わたしの言う事が聞けないようね!!殴るわよ!!」

「既に・・・殴ってるでは・・・ないか」

「何か言った!!」

ドゲシッ!!

「ふげっ!!」

蹴飛ばされるゲンドウ、哀れすぎる。

「まだまだ行くわよ!!わたしの愛情受け取って!!」

これは一種のユイの愛情表現のようだ。
この後もユイの愛情表現?を喰らい続けるゲンドウだった。
しかしそれもゲンドウのこれから起こる不幸の序章でしかない。





こちらは子供達

「ねえ、ヒカリ」

「何?アスカ」

この二人はもうファーストネームで呼び合っている。

「シンジとミサってどういう関係なの?」

「へ〜、アスカは二人の事気になるのね」

「べっ、別にそう言う訳じゃ・・・」

「ふ〜ん、まあいいわ、恋人同士じゃ無い事だけは確かね」

「そっ、そうなの?」

「ええ、あそこを見れば解ると思うわ」

ヒカリはミサの方を指さす。

そこにはミサとケンスケがいた。
そこでは二人で楽しく会話をしていた。

「ケンスケさん、今日は本当に有り難う御座いました。
あなたはわたしの命の恩人です。」

いつの間にかミサはケンスケの事を、相田さんから、ケンスケさんに変えていた。

「何言ってるんだよ、男として可愛い女の子を守るのは当然だろ」

臭いセリフをはくケンスケ

「・・バカ

真っ赤に顔を染め、俯くミサ
どうやらこの手の台詞に弱いようだ。

「ね、まあミサさんはあんな感じだし、相手が碇君じゃない事は確かでしょ」

「そうね」

「だけど・・・」

いきなり真剣な顔になるヒカリ

「え?どうしたの?」

「碇君・・・多分彼女とかは作らないと思うの・・・」

「え、どうして」

「現に碇君に交際を申し出た女の子は結構居るのよ。
そして、申し込んだ人はみんな振られてる・・・
それに振られた子の話も少し聞いたことが有るのよ」

「その子、何て言ってたの?」

「その子、碇君にこう言われたらしいの・・・
僕は、過去を清算するまで誰ともつき合えない・・・もし僕が本気で君のことを愛してしまっても・・・だって」

「・・・そう」

なんとなくアスカには理由が解るような気がした。
しかしアスカの思いついた理由も少し違っている。
アスカが思ったのは、シンジがこれまで犯してきた人殺しと言う罪を清算しない限り
女性との、いや・・・人との心からのつき合いは出来ないと思った様だ。

確かにそれも有るかも知れないが、アスカはナミの事を知らない。
シンジの今生きている理由・・・そう、マシュラへの復讐だ。(雪月花、前編〜後編を参照)
これを清算しない限り、シンジはナミの事を忘れられない。
いや、マシュラへ復讐してもナミの事は忘れられないと思う・・・
だけど、敵を討てば心にゆとりが出来るのも確かだ。

それにもう一つある
シンジは本気で愛した女性を失うのが怖いのだ。
もう二度とあんな目に遭うのはご免なのだろう。
これに至っては誰もシンジを攻めることは出来ない。

「ねえ、僕も話しに混ぜてよ」

突然シンジかアスカ達の前に現れた。
その顔は少し赤かった。
お酒が入っているようだ。

「あんた、お酒飲んでるの?」

「まあね」

「あんた、けっこう不良ね」

「なんで、たかが酒だろ。」

「は〜 まあいいわ、アタシも付き合ってあげるわ、感謝なさい」

「お!!話が分かるね、ささっ、一杯」

シンジは手に持っていた日本酒をアスカについであげる。

「ちょっと碇君!!アスカ!!」

突然ヒカリが怒鳴る。

「どうしたんだ、委員長」

「どうしたじゃないわよ!!何お酒なんか飲んでるの!!二人とも未成年でしょ!!」

「堅いこといいっこなし、お酒だって限度を越えなければ立派な薬なんだからさ。」

そんな偉そうな事を言いながらシンジは煙草をくわえ火を付ける。

「ちょっと!!何で煙草まで吸うの!!煙草は百害あって一理なしよ!!」

「だって、煙草がきれると無性に人間を斬りたくなるんだ。」

刀を抜き、刀身を見つめるシンジ

これは全て演技である。
シンジはヤニ切れしたくらいじゃ、そんなことにはならない。
いらいらするのは確かだが、人なんか斬りたくはならない。
ヒカリを軽く脅しているだけだ。

「どんどん吸ってね、碇君♪」

「ありがと」

どうやらシンジの演技にまんまとだまされたヒカリだった。

「わたし、鈴原の所行ってくる」

そそくさと逃げていくヒカリ

「ちょっと待ちなさいよヒカリ」

アスカもシンジの演技に騙されたのか、ヒカリを追ってシンジから逃げようとした、しかし・・・

ガシッ!

シンジはアスカの肩を掴む。

「待ってよアスカ、逃げることないじゃないか」

「ちょっと放してよ、アタシを斬るき?」

「あれは嘘、そんな訳ないだろ・・・煙草を自由に吸いたかっただけさ」

「あ、ああ、そうなの」

「それじゃ乾杯しようか。」

「そうね」

「「かんぱ〜い」」

キ〜ン

シンジアスカはグラスどうしを当てた。






それから一時間が経過した・・・





アスカとシンジは飽きもせず二人っきりでずっと話をしていた。
その時シンジはアスカに一つの質問をした。

「ねえアスカ・・・」

「何よ」

顔が真っ赤になっている二人
結構飲んでいるようだ。
ろれつは回っているから大丈夫の様だが・・・

「アスカもエヴァに載るために色々訓練したんだろ」

「まあね」

「その時、生身のままの訓練ってしたの?」

「ええ、まあね」

「じゃあさ、得意の武器って何?」

後でシンジは思う・・・聞かなければよかったと・・・

「う〜ん、素手が主だったけど、強いて言えば・・・鞭かな」

「え!?」

先ほどまで真っ赤だったシンジの顔が一気に青色に変化していった。

「何、どうしたの、顔が真っ青よ・・・・・・・・はは〜ん、さては・・・」

「な、なんだよ、べべべべべべ別にむむむむむ鞭なんてこわこわこわ怖くはななないいいぞ」

何故かどもりまくり墓穴を掘るシンジ
これじゃあ怖いと言っているようなものだ。

「ふ〜ん、怖くないのね・・・じゃあ・・・」

アスカはスカートの中から鞭をとりだした。
太股の所にくくり付けていたようだ。

「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!!!」

ずざざざざざざざざざっ

シンジは座ったまま、いちもくさんにアスカから離れ
壁に背中が当たると頭を抱え伏せてしまい、がたがた震えながら何やらぶつぶつと言っている。

「お仕置きはイヤお仕置きはイヤお仕置きはイヤお仕置きはイヤお仕置きはイヤお仕置きはイヤお仕置きはイヤお仕置きはイヤ

さすがのアスカもこれには驚いた。
あの伝説の人斬り火龍が、たかだか鞭を持った女の子に、これ程まで怯えているのだ。
すかさずアスカはミサにその理由を聞いてみた。

「ねえミサ」

「何ですかアスカさん」

「あれの事なんだけど・・・」

アスカは今だブツブツ言っているシンジを指さした。

「あっ、久しぶりに見ましたよ、シンジさんの恐がりモード」

「はあ!?」

「シンジさん昔色々あって、鞭を持った女の人が苦手なのです。
それもトコトン苦手なのです。」

「へ〜、鞭を見せただけであんなんになるなら、音を出したらどうなるかな」

アスカは鞭を床に叩きつけてみた。

バチンッ!!

その音を聞いたシンジは何故か震えが止まる。
そして、ゆら〜りと立ち上がった。

「・・・こうなったら」

「な、なによ」

「やられる前に、やってやる!!」

シンジは刀を鞘に納めたまま右手に持つ。

「ちょ、ちょっとミサ!!シンジなんか切れたみたいよ!!
どうしよう、本気になった人斬り火龍何かにアタシかてないわよ!!」

「大丈夫ですよ、今のシンジさんの状態は、ハッキリ言って弱いです。
アスカさんでも何とかなりますよ。」

「ちょっと、助けてくれないの!!」

「ほら、余所見をしない、来ましたよ」

「え!?」

シンジがアスカに向かって突進してきた。
しかしその動きは鈍い

「ちょっと、来ないで!!」

アスカはシンジに鞭を振った。

バチィン!!

「はうぅ!!」

もろに喰らうシンジ

「あっ、これならいける」

アスカはシンジに向かって鞭を乱打する。
しかしシンジも馬鹿ではない、恐怖に怯えながらも刀で何とかかわす
それが面白くないアスカ

「何よ、全部かわされるじゃない!!つまんないわね、こうなったら・・・」

アスカはシンジの方ではなく、全然関係ない方向へ鞭を振った。






「うっ、ユイの奴・・・ここまでしなくとも・・・」

ユイの愛情?でぼろぼろのゲンドウ
何とか立ち上がろうとした、その瞬間!!

くるくるくる

ゲンドウの首に何かが巻き付いた。

「ぬ、何だこれは・・・」

首に何かゴム製の物が巻き付いていた。

そして・・・

ズザザザザザザザザッ

引きずられるゲンドウ

「ぬおぉぉぉぉぉぉ、何だ何だ」

引きずられたかと思うと、今度は空に舞い上がり、身体が回り始めた。

「ふげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

ゲンドウは何が何だか解らず、こんな状態にもかかわらず自分の状態を把握しようとした。
今の状態は、アスカが自分の絡まった鞭を頭の上で回しているではないか。

「やめ、止めるんだセカンド!!」

遠心力で回りながらも必死にアスカに対して説得を試みるゲンドウ

「シンジ!!これでも喰らいなさい!!」

とうのアスカはヒートアップしすぎて、ゲンドウの話なんか聞いちゃいない。
それどころか・・・

「のぴょょょょょょょょょょん」

アスカは遠心力のかかったゲンドウをシンジに向かって飛ばした。
凄い勢いで顔からシンジに向かっていくゲンドウ

「ふん!!こんな物!!」

ドガンッ!!

シンジは鞘に納まった刀で、飛んできたゲンドウを
野球のボールの如く打ち返した。
この瞬間だけ、いつもの強いシンジに戻っていた。

「ぽげぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ」

有らぬ方向へと飛んでいくゲンドウ

ドカ、ムニュッ

何やら柔らかい物にぶつかり止まったゲンドウ
それが何か、痛みをこらえながらそれに手を伸ばし触って確認してみた。

ムニュッ、ムニュッ、ムニュッ、ムニュッ、ムニュッ

「ふむ、良い感触だ・・・・・・・って、これは!!」

ゲンドウは恐る恐る顔を上げてみると、そこには
もの凄く恐ろしい形相のミサが居た。

そして自分の今の状態を把握した。
ゲンドウは飛ばされた勢いでミサの豊富とは言えない胸に顔を埋め
尚かつムニュッムニュッと揉んでいたのだ。

「いっ、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「何すんだよ!!変態親父!!」

ドカッ!!

近くにいたケンスケが怒ってゲンドウを蹴飛ばした。

「ぐへっ!!」

ケンスケの蹴りにより、ミサから強制的に離れさせられたゲンドウ
しかしミサの気はこの程度では治まらない。

「この変態!!馬鹿!!ドスケベ!!」

ミサは両手を握ると拳を作り、尚かつ拳を堅い氷で覆った。
氷のグローブの完成である。
普通のグローブなら攻撃力と拳への衝撃を防ぐための物だが
これでは攻撃力が倍増する、所々とげとげまで出ている。

ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!
ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!
ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!

そんな物でゲンドウを容赦なく殴るミサ

「・・・・・・・・・」

もう、悲鳴もでないゲンドウ
辺りが血塗れになっていく・・・
それでも攻撃を止めないミサ
ついでに回りで見ている人達も止めようともしない。

ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!
ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!
ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!、ドカッ!!

「とどめです!!」

ドグシャッ!!

ミサは堅い氷のグローブが割れるくらいの力で最後には殴った。
そして今更・・・

「ふえぇぇぇぇん、汚されてしまいましたぁぁぁ」

泣き出した。

「ミサちゃん、もう忘れるんだ」

ケンスケがミサを慰める。

「ふえぇぇぇぇぇん、ケンスケさぁぁぁぁん、わたしもうお嫁に行けないよぉぉぉぉ」

「何言ってるんだ、ミサちゃんだったら誰でも喜んで貰ってくれるよ
なんなら俺が・・・」

どさくさに紛れて、とんでも無いことを言うケンスケ

「もう、馬鹿」

ドカッ

それを聞いたミサは照れ隠しで、気づかぬ内にケンスケを殴ってしまっていた。

「ふげっ!!」

もろに喰らい、気を失うケンスケ

「は!?ケンスケさん、しっかりして下さい!!
誰がケンスケさんにこんな非道いことを・・・」

殴ったのが自分と言うことにまだ気づいていないミサ
もう、勝手にやっていてくれ・・・







ミサにボコボコにされたゲンドウはと言うと・・・

「うっ、何でわたしがこんな目に・・・」

三分たったら活動を開始していた。
普通の人間なら完璧に死んだ筈の攻撃を喰らったにもかかわらず。
恐るべきゲンドウ
しかしあれだけの攻撃を喰らった彼だ・・・
その姿は満身創痍な状態だ。

そんなゲンドウの前に今まで何の音沙汰も無かったレイが
姿を現した。

「ど、どうたんだレイ、わたしを助けてくれるのか?」

レイは少し黙っていて、そして・・・

「・・・ひきガエルが見たいの」

などと言い出した。

「へ!?」

訳が分からないって感じのゲンドウ

「・・・ひきガエルが見たいの・・・ひきガエルになって、じーさん」

「な、なにをする気だレイ・・」

「ATフィールド全開」

ドカッ!!

「うぎゃゃゃゃゃゃゃっ!!」

レイはATフィールドを全開すると
ゲンドウを壁まで吹き飛ばした。

ベチャッ!!

「ふげっ!!」

壁にぶつかり身体が潰れるゲンドウ

「・・・クスッ、ひきガエル」

そう呟くと、先ほどまで居た場所にレイは戻っていった。





そして、更に三時間が経過した・・・





アスカはシンジとのやり取りに疲れたのか、眠ってしまっている。
シンジは精神的に疲れたのか、アスカと同じように眠ってしまっていた。

リツコとユイは意気投合したのか、一緒にお酒を飲んでいた。

ミサトと加持は、部屋から出てこない。

ヒカリとトウジは先に帰ったようだ、ここには居ない。

ミサとケンスケは寄り添って寝ていた。
ケンスケの場合、気絶しているのだが・・・

そして、ゲンドウ・・・

「ゆらり〜ああ、ゆらゆらら、遙か海へとつづく〜う」

レイに吹き飛ばされ壁に埋まりながら歌を歌っていた。
ほぼ、現実逃避だ。

こんな感じでアスカの歓迎会は幕を閉じていった。

負けるなゲンドウ!!お前に未来は無い!!



《つづく》


あとがき

ふへ〜 途中まで書いてあったとは言え、疲れました。
それでは、次回予告を・・・


『アスカの日本での初舞台、シンジと一緒に出撃して分裂君により敗退する
シンジをせめるアスカ
この後、作戦のため、なし崩しに同居することになる二人
作戦のユニゾンをやるが上手くいかず家を飛び出すアスカ
それを追うシンジ
そして・・・』


次回《瞬間、心、重ねて》

次回も、サービスサービス♪


マナ:わ、わたし、「光の世界一可愛くて綺麗で美人でおしとやかで健気な女神」って言われてるのねぇっ!

アスカ:もしもしぃ? 文字数が6倍以上になってなぁーい?

マナ:しかもつよーーーーいっ! シンジと互角なんてぇ。

アスカ:でも、このシンジが強いから、どうしようかって思ってたけど。いけるっ! これならいけるわっ!

マナ:それはそうと、どうして鞭なんかスカートの下に入れてるの?

アスカ:お気に入りの武器だもん。

マナ:鞭がお気に入りって・・・。(^^;

アスカ:なんだか、ますます好きになれそうだわ。

マナ:そういや、アスカって髪が長いから鞭が似合いそうね。

アスカ:髪とどう関係あるのよ?

マナ:昔々、アスカみたいなのが出てくるアニメあったじゃない。妖怪人間なんとかって、あれにベラってのが・・・。

アスカ:妖怪人間と一緒にするなっ!!!(ベシッ! ベシッ! ベシッ! ベシッ! ベシッ!)

マナ:キャーーーーーー。
作者"イフリート"様へのメール/小説の感想はこちら。
kentarou-w@thn.ne.jp

感想は新たな作品を作り出す原動力です。1行の感想でも結構
ですので、ぜひとも作者の方に感想メールを送って下さい。

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