新世紀エヴァンゲリオン灼熱の炎《京都編》

第十四話「光の女神の実力」

by.イフリート


塔を目指すシンジ達一行、その目の前に武装した兵が五十人ほど立ちはだかった。

「ちっ、邪魔くせぇな、死にたくなきゃどけや!!」

シンジが罵声を浴びせるが、その中のリーダー格と思われる人物が鼻で笑う。

「ふん、餓鬼が生意気なんだよ。この人数相手に、たった六人で何が出来る。」

「生意気なのは貴様だ、そんなに死に急ぎたいなら、その願い・・・叶えてやろう」

そう言ってシンジは五十人の武装兵の中に突っ込んで行こうとする。

「シンジ、わたしが居ることも忘れないでね♪」

「そうか、マナもいたんだな、それじゃあマナは右から攻めていけ
俺は左から攻める。」

「OK〜」

「ミサとレイは自分とアスカとケンスケをフリーズシールドとATフィールドで守っていろ。
五十人くらい俺とマナですぐ処理する。」

「わかりました。」

「・・・わかったわ、お兄ちゃん」

「よし、それじゃ行くぞマナ!!」

「ええ!!」

その言葉を合図に、シンジは左から、マナは右から攻めていく。
そしてミサやレイもシンジに言われた通り、即座にフリーズシールドとATフィールドを張る。
この防御は相当頑丈だろう。
ロケットランチャーやバズーカ程度ではとても破れない代物だ。

「おらおらおらぁぁぁぁぁ!!」

「せい!!てい!!てりゃぁぁぁぁ!!」


ズバッ!!ズバッ!!ズバッ!!ズバッ!!ズバッ!!ズバッ!!ズバッ!!ズバッ!!


ジュバッ!!ジュバッ!!ジュバッ!!ジュバッ!!ジュバッ!!ジュバッ!!ジュバッ!!ジュバッ!!


容赦なく武装兵を切り刻んで行く二人
武装兵も機関銃とかで二人に発砲してくるが、刀で受け止められたり、避けられたりで
全然当たらない、かすりもしない。
ただ二人の手で死体の山が出来上がっていった。
そして辺りは血と臓器の海とかしていった。

さすがにアスカは目を背け、ケンスケに至っては吐いていた。
ミサとレイでさえ顔をしかめている。

「ばっ、化け物がぁぁぁぁ!!」

最後に残ったリーダーの男は手榴弾を二人に向かって投げる。

ドカァァァン!!ドカァァァン!!

シンジ達の前で爆発が起きた。
男はこれで仕留めたと思ったが、爆発の煙が晴れると
炎の障壁を張ったシンジと、光の障壁を張ったマナが平然と立っていた。

「残りは貴様だけだ、何寂しがることはないさ、先に地獄へはお前の部下達が行ってるんだからな」

完全な死刑宣告だ。

「ひっ、ひいぃぃぃぃぃぃぃ」

男は背中を向け逃げ出した。

「馬鹿が、俺から逃げられると思っているのか?」

シンジは人差し指に集中すると、小さな火球が出来上がる。
その小さな火球を男に向かって投げる。

ずぶっ

男の体内に背中から火球が埋め込まれた。

「ひやっ、な、なんだ・・・」

その時、男は何故か解らないが身体が動かなくなる。
シンジはそれを確認すると、ゆっくりと手を上に上げていく。
それと同時に男も空へと上がっていく。

「ひゃ!!やめ、やめ、やめめめめめ」

「・・・グッバーイ」

そう言う風にシンジは言うと、開いていた手の平を握る。

「ふぎょ!!ぶし!!ぴみゅゅゅゅゅ!!」

男の身体は体内からボコボコと膨れだし・・・・最後は


ボン


爆発した。
それを見たシンジは・・・

「けっ、きたねぇ花火だぜ。」

いまのシンシは、冷酷残忍極悪非道と歌われた、ミサやナミと出会う前の
人斬り火龍、碇シンジに立ち戻ってしまっている。

大事な場所が汚された挙げ句、大事な人が人質とされてしまっているのだ。
シンジにとってこれ程の怒りはナミが殺されたとき以外一度もなかった。

こうなってはミサでも止められない。
ミサがシンジを止められるのは、人斬り火龍になりかけの時だ。
なってしまってからは、止められない。
唯一止められるのは、無きナミだけだ。

「さて、行くぞ」

そう言ってシンジは塔に向かって歩き出す。

「あ〜あ、ばっちいな、返り血だらけになっちゃたよ。シャワー浴びたいな」

そう言いながらマナもシンジについていく。
人を殺した罪悪感はマナには無いようだ。
勿論、今のシンジにもそんな物はない。

「ねえミサ・・・あの二人、裏の世界では何時もあんななの?」

アスカはあの異様な光景を見てミサに聞く。

「シンジさんがあそこまでするのは、私も初めて見ました。
シンジさんは二年前からあまり裏でも活動していませんでしたし・・・
マナさんに至っては裏では何時もあんな感じですよ。
二度と大切な物を失わないために、歯向かう敵は容赦しないと言っていましたし」

「・・・・・・」

アスカは何も言えない。

「シンジさんの事・・・怖いですか」

「そっ、そんな事」

「無いとは言えないですよね」

「・・・・・」

「それは当たり前のことです。
怖くない方が異常です。
私だって怖いのですよ、今のシンジさん・・・マナさんは会った時からあんなんでしたので見慣れてますが。」

「・・・お兄ちゃん達行っちゃうよ、私達も行きましょう」

レイの一言で四人は二人を追うことにした。

「アスカさん、レイさん、ケンスケさん、これだけは言っておきます。
これが裏の世界の光景です。
今回はあなた達三人の熱意に負けて、ここに連れてきていますが
解りましたでしょ、裏の世界は甘くないと言うことが・・・
もし、安全な場所に戻りたいのであれば、わたしが家まで送ります。」

アスカは少し考えて・・・

「いい、アタシもついていく」

レイも・・・

「・・・私も帰るつもりはないわ」

最後にケンスケは・・・

「何を言ってるんだミサちゃん、俺も行くぞ
みんな命を張ってるんだ、ここで帰ったら男が・・・いや、人間が廃る。」

「・・・わかりました、では行きましょう」



そして舞台は塔の中へ・・・





塔の中へ足を踏み入れたシンジ達一行
入ると同時に、三メートルはあろうか・・・
そんな男が金棒を持って立っていた。

「良く来たな餓鬼共、俺は三羽烏の一人、剛鬼、俺の相手は誰だ」

剛鬼はシンジ達を見下ろしながら言う。

「うざいんだよ貴様ら、俺が相手をしてやる、ウドの大木」

シンジは今にも抜刀しそうな体制で剛鬼に罵声を浴びせる。
しかしシンジの前にマナが出る。

「邪魔をするなマナ!!」

「邪魔?違うわよ、シンジは最後の敵を相手にしなさい。
こんなウドの大木で体力を消耗する事無いわ」

「・・・わかった」

そう言ってシンジは後ろに下がり、マナが更に前へと出る。

「聞いての通りよウドの大木さん、私が相手をするわ」

「お前ら・・・聞いてりゃあ言いたい事ぬかしやがって・・・この金棒で潰してくれるわ!!」

剛鬼は金棒を振り上げ、思いっきりマナに向かって振り下ろす。


ドゴォォォォォォォォン!!


マナの居た場所が衝撃でクレーターになっていた。
しかし・・・

「ば〜か、そんな遅い動きの攻撃が、私に当たるわけ無いよ〜だ」

軽々と横へかわしていた。
そしてマナは直ぐさま斬り込む。


ジュバッ!!


その攻撃が剛鬼の横っ腹を斬り裂いた。

「ん?今何かしたか?」

剛鬼は剛鬼でマナの攻撃が効いていないようだ。
しかし斬れているのだ、効かないのはおかしい。

「あんた・・・ブラックエンジェルを投与しているわね。」

「よく解ったな、あの薬を完全に支配している俺に、あんな攻撃はきかん。
俺みたいな奴になれば身体だけ無敵になり、精神は支配されないんだよ」

「そう、忠告有り難う、もうあんたに用はないの・・・死んで」

「馬鹿がお前の攻撃は効かないと言っただろ」

「どうかしら」

そう言ってマナは、光の剣で目の前に五芒星を描く。
描かれた五芒星はマナの前で光り輝いている。

「ま、まてマナ!!いきなりそれ使うのか!!」

シンジは何が起きるのか判っている様でマナを止める。
しかしマナは耳をかさない。

「五芒星よ、五方より交わりて形を作らん」

マナは何かの呪文を唱えるかの様に言う

「どんな攻撃も俺にはきか〜ん」

バカ剛鬼は、手を広げてマナを馬鹿にした様に言う。

マナの唱えた言葉により、五方から光が集中し、五芒星から光の玉へと変わる。

「喰らいな!!光術、光なる蛇!!」

マナは光の剣で目の前に出来た光の玉を叩く。


ザシャァァァァァァァァァ!!


その瞬間、とてつもない巨大な光の蛇が現れ、剛鬼に向かっていく。

「へ?」

剛鬼もこんなとてつも無い事をするとは思っていなかったのか、間の抜けた声を出す。

「うあ、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!・・・・・・」

そのまま光の蛇に飲み込まれ剛鬼は消滅した。
光の蛇はそれでも力が衰えず、塔の壁を破壊、貫通して外へ出ていき
近くのビルとかも何個か貫通して、遙か彼方へ消えていった。

「ふう〜」

ため息をつくマナ、そこへシンジがよってきた。
そして・・・

ごきゃっ!!

マナの頭をぶっ叩いた。

「いった〜い、何するのよ!!」

「アホ!!こんな所で光なる蛇なんか使うな!!塔が崩れたらどうするんだ!!」

「刃なる蛇よりましでしょ!!」

「そう言う問題か!!」

「良いじゃない、勝ったんだから」

「裂光斬でも充分勝てただろが!!」

「そんなに怒らないでよ、泣くわよ!!」

「たくっ、まあいい、結果オーライだ」

「ふえ〜ん」

いきなり泣き出すマナ

「お、おい」

「ミサちゃん、シンジがいじめるの〜」

ミサの所へ走っていき、抱き付くマナ

「シンジさん・・・言い過ぎですよ。」

ミサまでもがシンジを攻める。

「わかったよ・・・悪かったなマナ、言い過ぎた、ごめん」

「(ケロ)判ればいいのよ」

ケロっとしているマナ・・・嘘泣きだった様だ。

「・・・もう良い、次行くぞ」

シンジは呆れてドンドンと上へと上がっていく。

「あ〜ん、待ってよシンジ」

そう言ってマナもついていく。

「あの子・・・凄いわね」

アスカも先ほどの戦いを見て唖然としていたが、やっと口を開けた。

「まあ、一応NO.2ですし・・・ただマナさんには悪い癖がありまして
場所を弁えず直ぐに大技を使うところなのですよ。
まだ良かったのは、刃なる蛇じゃ無かったって所ですね。」

「何その、刃なる蛇って」

「裂光斬と、光なる蛇の合体技です。
それを使っていたら、この様な塔・・・崩れてますよ。」

「危ない子ね」

「まあ、凄く一途で良い子何ですけどね・・・さて私達も行きましょうか」

「そうね」



こうして三羽烏の一人、剛鬼を倒して、次の階へと進んでいくシンジ達一行であった。


《つづく》


あとがき

何か短いな・・・

まあ良いか、ここで終わらさないと、きり無いから

それにしても最初の方は残酷だった様な気が・・・

それでは役に立たない次回予告を・・・

『三羽烏の一人を倒し、次へと進むシンジ達一行
次に待ちかまえて居たのは、ミサと同じく氷を操る男だった。
その男に挑むミサ
そして・・・』

次回、新世紀エヴァンゲリオン灼熱の炎《京都編》

第十五話、『圧倒的な力』


次回もサービス♪サービス♪


アスカ:なんか、シンジ怖い。

マナ:ほんとねぇ。裏の世界って怖いわ。

アスカ:アンタも怖かったわよっ!!!!!

マナ:うーん・・・。なぜかわたしも、妙に強いのよねぇ。(^^v

アスカ:なんか、アタシが1番弱いんじゃないかしら。(ーー;;;

マナ:大丈夫よ。綾波さんが守ってくれてるじゃない。

アスカ:まぁ、それはいいけど。見てて怖かったわ。

マナ:裏の世界ってこんなもんじゃないかしら。

アスカ:だって、あんなにマナが暴れてるでしょ。

マナ:No.2の役だからねぇ。(^^v

アスカ:あそこまで暴れて、胸が揺れないなんて・・・。恐ろしい・・・。(ーー;;;

マナ:死ねーーーーーっ!(▼▼#(ゴーーーーーーーーーーーーーーーーー!)(火炎放射器発射)

アスカ:(沈黙)
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