使徒はいませんし、ユイさんキョウコさんもサルベージされてます。
加持さんもマナさんも生きてるし、レイさんも居るという作者の願望丸出しの作品です。
だって、人が死ぬのは嫌ですから(笑)







「ネルフ主催大運動会!!」










「で、どうしてこんなとこにいる訳?」

アスカさんがぶーたれるのも仕方がない。何しろ広大な大地・・・・平たく言えば『グランド』だ。しかも、ロープが空一面に張り巡らされていて・・・・これまた平たく言えば、
『万国旗』だったりする。要するに『運動会』なのだ・・・・。

「そ、そんなこと僕に言われても・・・・・・・」

シンジ君が混乱しながら答えてる。
原因は昨日、ミサトさんに「明日はグランドで特別訓練よ〜ん♪」と言われた。
えびちゅ片手に・・・・。それで来て見ればネルフの職員総出で運動会の準備してた・・・。

「あら〜〜、早かったじゃない?うん感心感心♪」

原因の張本人ミサトさんが来た。流石作戦本部長と言ったところか・・・。
的確に指示を出し部下を扱使ってる・・・自分は片手にえびちゅ持ってるが・・・。
こんなのが上司でよく部下達は指示に従うもんだ。


「ミサト!!これは一体どういうわけ?」

アスカさんがかなりキレかけてミサトさんに詰め寄る。

「どうしたもこうしたもないわよ。見た通り運動会よ?」

「だから!!どうして運動会なのよ!!」

「・・・・・司令が決めたの」


「「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」」

これ以上無い説得力のある言葉によりアスカ・シンジ・レイは黙ってしまう。ってレイさんいたんかい!?

「(あの髭親父〜、って、将来のお義父様だったわね)」
「(とうさん・・・・僕はいらない子なんだね・・・)」
「(・・・・・運動会・・・・・それは気持ちのいいこと・・・)」

三者三様に見当違いの妄想をして固まってしまった。


「わたしも止めたんだけどね〜」

ミサトさんが溜め息混じりに言っているが相変わらずえびちゅ片手に言われては
説得力が無い。すでに500mlとか言う缶ではなく1Lの缶を片手に持ってる。

「じゃあ、どうして開催されてるのよ!?」

ようやく膠着から舞い戻ったアスカさんが理由を求める為再び詰め寄る。
ただ、酒臭くてあまり寄りたくないが・・・。

「だ、だから・・・・・その・・・・つまり・・・・」

「なによ?はっきり言いなさいよ?」

ミサトさんにしては妙に歯切れの悪い。何かを隠してるようだ。
ここでふとシンジ君はある事に気付いた。

ミサトさん、さっきからビール飲んでばかりだな?
うん?そう言えばどうしてあんなにビールを買うお金があるんだろう?

「ミサトさん、どうしてそんなにビールがあるんですか?この前、「司令ったらいきなり減棒だなんて言うのよ?おかげでえびちゅが買えないじゃない!!」とか言ってたのに・・・」

ミサトさんはこの前、酔っ払い運転により逮捕されたのだ。警察に捕まったのならネルフの権限により即釈放だが、何故かその時は司令直々に減棒が言い渡された。

「そ、そ、それは・・・・・(^-^;;;;;;」

思いっきり冷や汗だらだらのミサトさん、これは絶対何か隠してる!!

「・・・・・・・まさか買収されたんじゃ?」



びくっっっ!!
「!!!!!!」

シンジ君が何気に言った言葉が真実のようだ。
真相は、ミサトさんを禁酒状態にし、そこへえびちゅを餌に買収を掛けたのだ。
恐るべし!!碇ゲンドウ!!そこまでするか!?流石自分の為に世界を滅ぼし掛けた男。

「ミサトォ〜〜、あんた何してんの・・・・・」

アスカさんも流石に呆れてる。レイさんは相変わらず黙ったまま。

「だ、だって、えびちゅ1ヶ月分よ?」

「「知るかぁぁーーー!!」」

アスカさんとシンジ君の見事なユニゾンも虚しく響く・・・・。

「そ、それに賞品もあるのよ?それぞれの競技ずつに!!」

最早ミサトさんは二人のご機嫌取りだ。

「どうせ貧乏くさい賞品でしょ!?」

「ち、違うわよ!!ちゃんとMAGIを使って準備したんだから!!」

「そんな為にMAGIを使うんじゃないわよ!!それに使ったって事は技術部も参加してるのね?と言う事はあのマッドも・・・・」

アスカさんの指摘はもっともだ。

「ご名答よ。でもマッドってどう言う意味かしら?」

突然表れるリツコさん

「あ、リツコォ〜〜、助けてよ〜」

援軍が現れてそれにすがるミサトさん。すでにえびちゅは空なのは言うまでもない。

「リツコ、あんたも買収されたのね?」

いきなり追求するアスカさん

「どうして?(^-^;」

ミサトさんと違い冷静を装っているがその表情は虚ろだ。

「だって・・・・」

アスカさんが指差す先には『赤木博士専用救護テント』(実験器具一式取り揃え)&
『ネコグッズに囲まれたそのテント内にある机』

「あ、あ、あれは・・・・・(^-^;;」

メチャクチャ言い逃れも出来ない証拠を突き付けられ取り乱すリツコさん。珍しい・・・。

「はあ〜〜、もう良いわ。それで賞品はどんなのがあるの?」

最早この二人を持ってしても司令の欲望(?)を止めるのは無理と悟ったアスカさんが賞品が置いてあるテントを覗くとそこにあったのは・・・・。












「えびちゅ1月分」「ネコミミ&シッポ」「にんにくラーメンチャーシュー抜きのラーメン券1月分」「台所セット」「スイカの種」などなど・・・。







「・・・・・・・・・・」

思わず黙り込んでしまったアスカさんの脇を嬉々として通り過ぎて行くシンジ君やレイさん、ミサトさん&リツコさん。

「くうぅぅぅ〜〜〜、これだけあれば1月持つわね〜」
えびちゅ1月分、それは常人には1年分はあるだろうか・・・、この為だけにテントが組まれてた。

「待っててね〜、すぐに取りに来るからね〜」
リツコさん、普段聞けない声でネコミミを付けては外しを繰り返す・・・。

「・・・・・・・・・嬉しい」
それだけですか(--;でも、券を数枚破ってポケットに入れるのはダメです・・・・。

「わあ〜〜、これ最新式のオーブンじゃないか」
ある意味一番感想としてはまともだが、そうじゃないだろう・・・・。




流石MAGI,誰でも貰って嬉しいモノじゃなく、特定の人だけが喜ばせるとは・・・。
俄然やる気も出ると言うもんでしょう(笑)



「どうしてアタシの賞品は無いのよ!?」

そう、何故かアスカが貰って嬉しそうなモノがないのだ。

「アスカ、あなたの競技毎の賞品はモノじゃないわ」

「え?」

そう言ってアスカさんを連れてテントの陰に入って行くリツコさん。何となく実験されそう・・・。







「で、何なのよ?アタシの賞品って?」

「シンジ君よ」

「!!??」

「だから、シンジ君よ。アナタかシンジ君が次の競技が始まるまで甘えてて良いわ」

「!!・・・・で、でも、それじゃお持ち帰り出来ないじゃない!!」

論点はそこじゃないと思うぞ?

「あら?お持ち帰りOKよ?ただし!!1位を5回以上だけど?」

「!!!ほんとに!?か、簡単よ!!アタシの実力を舐めないで貰いたいわね!!」

「そう、それとMVPの賞品は・・・・」

ごそごそと懐を探るリツコさん、そして、出てきたのは1枚の紙

「なにそれ?賞状?はん、そんなの要らないわよ!!」

そう言って戻っていくアスカさん

「婚姻届よ」

ダダダダダダダダ・・・・・・・


「今なんと!?」

「だから、婚姻届よ。これがMVPの賞品。しかも夢の婚姻届」

「夢の?」

「そう、ペアであれば名前を書き込んだ時点で効力発揮」

「そ、それってつまり・・・」

「そ、歳の差だろうが日本国の法律だろうが同性だろうが無視!!」

「・・・・・・最高ね、でも、良いの?そんな事して?」

「アスカ、この運動会の発案者と主催者を考えてみなさい」

「・・・・・・・完璧ね」

「そうね、一応司令に確認は取ってるわ、そしたら『・・・・・問題ない』だそうよ」

「「フフフフフフ」」

女二人妙に意気投合しテントの陰から出て行った。

























「それでは、これよりネルフ主催の運動会を開催します」

司会が進行するが、なんだか締まりの無い挨拶だな・・・。

「それでは、まずは主催者&発案者の碇ゲンドウ氏に挨拶を・・・」

そう言われて出てくるゲンドウ氏

「・・・・・・・・ふ、問題無い」

「ありがとうございました」

ネルフ、それは意味不明な組織・・・・・

「続きましてルールの説明です。ルールは至ってシンプル!!
自分が出たい競技にエントリーして頂ければ結構です。
そして、その競技の順位により得点、1位には賞品が出ます。
一番得点を集めた人がMVPです」






開会式も終わりいよいよ競技開始
最初の競技は400m走

「それではこの競技に出たい方は受付けに来て下さい」


ここはアスカ達がいる応援席

「それじゃ、まずはこの競技に出るわよ!!」

俄然やる気(MVP狙い)が出たアスカさんはこの400m走に出るつもりだ。

「それじゃ、僕はここで応援してるよ」

シンジ君はMVPの賞品は知らないし、この競技自体もあまり出る気は無いみたいだ

「何言ってるのよ?アンタも出るのよ!!」

されど、アスカさんに引きずられ強制参加
アスカさんにしてみれば、万が一自分がMVPを逃してもシンジ君が取れば問題ない。
いわば保険だった。そこにシンジ君の意見&意思は微塵も考慮されない。

「それでは、あなたは2組目、あなたは5組目です」

シンジ君が2組目、アスカさんが5組目にエントリーされた。





なんだかんだ言ってシンジ君の番

「それでは・・・・よ〜い!!」

スターターの合図で姿勢を整えるシンジ君・・・と、その後ろからアスカさんが来て

「シンジ、もし得点取れないなんて事したらどうなるか判ってるわね?」

「!?」

バンッ!!

スタートの直後、いきなりフルスピードで飛び出して行く選手が!!
人間の構造上、走ると言うのはいきなりトップスピードは無理・・・なはず!!
しかし、その選手はいきなりトップスピード

「逃げちゃダメだ、逃げなきゃダメだ、逃げないとダメだ・・・・・止まっちゃダメだ、止まっちゃだめだ、止まっちゃダメなんだぁぁぁーー!!」

何か悲愴な感じで一心不乱にダッシュする選手、お分かりの通りシンジ君だ。
いきなりトップスピードの選手に勝つにはほぼ無理だ。例えるなら『神○』で走るのが一般選手なら、シンジ君は『縮○』で走るようなもの・・・話がややこしくなった(--;

「おぉーーと、碇シンジ選手、いきなりの独走状態です。これは予想外な展開です」
「マジかよぉぉ!?」
実況が話してる脇で何故か異常に盛り上がってる空間がある
普通の子供の運動会ならほのぼのとした雰囲気なのだが、ここはネルフ主催
ならば賭けが成立する<そうなのか?


もう目の前が見えなくなったシンジ君は猛然とゴールに向って直走る!!
それほど、アスカの応援(脅し)が効いたのか?

「ふ、シンジ、中々やるな・・・・これで計画に2%の遅れも無い」
あんたの計画はイヤでも遅れん!!と言うかこの運動会以外にまだ計画があるのか?

「あら?シンジったら頑張ってるわね」
ユイさん、あなたは何故司令のイスに座ってる?ゲンドウさんがその脇でパイプイスに座ってみかん箱で例のポースをしてるぞ?(笑)

「あら?これじゃシンジ君に賭けておけば良かったわ、MAGIを使えば良かったわね」
リツコさん、あなたも賭けてるんですね・・・(^-^;

「ちょ〜ちまずいわねぇ〜、このままじゃシンちゃんにえびちゅ取られちゃうわ」
ミサトさん、あのえびちゅ狙ってるのはあなただけ・・・。
「あ、でもシンちゃんが貰っても家に帰って、貰えばOKね」
だから、シンジ君は貰うつもりは無い・・・。



「400m走第2組の順位は1位碇シンジ選手、2位・・・・・」
「ただいまの配当は・・・・・」
あの極悪スピードで400mを走り切ったシンジが当然1位だ。
しかし、配当なんて放送するとは・・・、どうやらシンジ君は大穴だったらしいが(笑)


「ぜぇはぁ〜、ぜぇはぁ〜」

「良くやったわ!!馬鹿シンジにしては上出来よ!!」

アスカさんには自分が脅したと言う概念は無いらしい・・・。

「こ、これで僕は自由なんだぁぁぁーー!!」

シンジ君、君は相当アスカさんに調教・・・もとい教育されてるようだね

「さてと、次はアタシの番ね!!ま、アタシの実力なら楽勝ね!!」

「ぜぇはぁ〜、そ、そうだね、アスカなら余裕だよ!!」

「あら?シンジにしては中々分かってるわね。そうよ!!アタシにかかれば楽勝よ!!」

「うん、それじゃ、僕はあっちで応援してるよ」

シンジ君は建て前「応援」本音「休憩」の為、その場を去ろうとしたその時!!

「1位になったら祝福のキス、よろしく!!シンジィ♪」

「!!??」

シンジ君が振り返った時にはすでにアスカさんはいなかったりして・・・シンジ君はアスカさんに振り回される運命らしい。


「それでは・・・・よ〜い!!」

まあ、余裕でアタシの勝利ね。それでシンジとのキスよぉぉぉーーー!!

バンッ!!

スターターの合図と共に飛び出したのはアスカさん・・・・じゃなく!!違う選手だったりして・・・。

「!?ちょ、ちょっと!!誰よ?あれは!?」

アスカさんはスタートで出遅れたものの(それでもかなりの好スタートなのだが)その飛び出た選手に追い付く。
そして、その選手の顔を見た時・・・・

「マナァ!?あ、あんたがなんでここに居るのよ!?」

「決まってるでしょ!!シンジ君を貰う為よ!!」

「なっ!?そうじゃなくてどうしてここに居る事が出来るのよ?それにシンジ貰うってどう言う事よ!?」

「ネルフの総司令さんがね〜、呼んでくれたのよ♪」

あんのぉぉぉ〜、髭おやぢぃぃぃぃぃ!!

「チッ!!まあ、それは分かったわ!!それでシンジを貰うってどう言う事よ!?」

「司令の言葉によると『・・・・なにも孫はアスカ君に限ったことではな〜い/〜\』だそうよ」

思わずレースを放り出して髭おやぢを弐号機を起動させて踏み潰してやろうかと思ったアスカさんでしたが、それは流石にマズイので堪えてレースを続行する。

「・・・・・どうやらあんたとはケリを付けないといけないようね?」
「あら、偶然ね。あたしもそう思ってたのよ」

ゴールまであと250m!!

「それに、シンジ君のキスが掛かってるのなら余計負けられないわよ!!」

「なっ!!ど、どこでそれを!?」

「あなたね〜(- -;あれだけスタート地点で言えば誰でも聞こえるわよ・・・」

しまったぁぁぁぁーーー!!アタシとしたことが墓穴掘っちゃったじゃないの!!

「そういうことだから、お先に!!」

マナさんが飛び出て更にスピードを上げて行く!!

「ふ・・・甘いわね!!伊達にシンジと一緒に訓練してないわよ!!アタシのカモシカのような脚を舐めんじゃないわよぉぉぉぉーーー!!」」

アスカさんはどこでそんな日本語を覚えてくるんでしょうか?
まあ、アスカさんの脚は早いのです。ついでに言うと頭の回転も早い、更には手も早い(爆)
アスカさんのカモシカのような脚(本人談)にエネルギー充填!!
肉体的エネルギー120%充填!!精神エネルギー(シンジ君のキス)120%充填!!




キィィィィィーーーーーーン



紅い弾丸と化したアスカさんがマナさんに迫ってくる。
シンジ君も使った(本人の意思ではないが)『縮○』だ。
シンジ君の場合、アスカさんの脅迫の為、アスカさんの場合はシンジ君のキスの為!!
シンジ君が使えるのならアスカさんも当然『縮○』を使う<そうなの?


「げっ!!な、何よそれぇーー!?そんなの卑怯よ!!」

あっさりと抜かれたマナさんが吠えてますが、そんな事アスカさんの耳には届かない
シンジ君の場合は、スタートから持続して走れるが、アスカさんの場合は瞬間の速さが凄まじい。アスカさんが走ったレーンはペンペン草(←別に某温泉ペ○ギンのことじゃないぞ)1本生えない荒野と化す!!摩擦熱で炎があとに点くくらいだ。


「ゴ、ゴール・・・・・で良いんでしょうか?見えなかったんですが・・・・」

ゴール係もあまりの早さに見えなかったらしい。

「・・・・・ふ、問題ない」

この一言でアスカさんの勝利確定

「ふん!!所詮マナなんてこんなもんよ!!」

いや、マナさんじゃなくても勝てないと思う・・・・。

「それより!!」

ギラン!!

アスカさんの血走った眼がシンジ君を探し出し狙いを定める!!

「シンジィィィ!!アタシの勝利よぉぉぉーーー!!さあ、キスよぉぉぉーー!!」

シンジ君に迫るアスカさんでしたが、それと同速度で逃げるシンジ君が観測されたらしい。
流石どんな時でも二人はユニゾンする・・・違うか?





「続きまして運動会の定番、借り物競争です。しかし、この競技は物ではなく人を借りて来る競技です。つまり眼鏡を掛けてる人ならその人と一緒に走って貰います」

次はどうやら運動会の定番らしい

「それじゃ、この競技にも出るわよ!!」

アスカさんは貪欲だ。何が何でもMVPが欲しいらしい
当然アスカさんが出る=シンジ君も出るは同義語だ。

「ま、また出るのぉぉ!?そんな立て続けは無理だよぉー!!」

「うっさい!!出る事に意義があるのよ!!こういう大会は」

それは順位を気にしないってことであって、アスカさんのように順位も気にする人が言う言葉ではない

「さあ!!さくさく行くわよ!!」

シンジ君を脇に抱え受け付けに向かうアスカさん、しかし、受付けに行くと

「すいません、この競技はすでに女性の方の参加は定員です。そちらの方は出れますが・・・」

400m走のように完全な実力だけしか問われない競技は訓練を受けてない人にはキツイ。
だが、借り物競争のような運も混じった競技は大番狂わせがある為、女性の参加が多い。

「ちっ、仕方ないわね。それじゃ、シンジ!!アタシの為に頑張って来るのよ!!」

なんだか400m走の時とは違う応援だが、それでもシンジ君にとっては大好きなアスカさんからの応援だ。気合を珍しく入れスタート地点に向う

「それでは、第1組目、いちについて・・・」


バンッ!!


スタートの合図と共に走って行く選手達
顔触れは「ネルフOP3人」「マナ」「技術部の人2人」の計6人

「さあ、借り物競争の始まりです。選手はもちろん、何故か外野も異常な盛り上がりを見せています」

実況の言う通り、外野からはわれんばかりの応援が飛ぶ。
理由は「レースっぽいから」・・・・・一発逆転が出る可能性のある賭けは良いな〜<をい!!


タッタッタッタ

選手達が借りる人が書いてあるエリアに来ると、目当ての人を探し始める。

「誰か〜、逆立ちが出来る人いませんか〜?」

技術部の女性(かなり美人)が男性職員に声をかけると幾人もの職員が手を上げる!!

「はいはい!!俺できます!!」「俺も出来ます!!」「ず、ずるいぞ!!俺だって!!」

ほとんどの男性職員が名乗り出てる。
と、女性職員が一人を選び出し(この男性職員は殺意の眼差しで見られていたが本人は気にしない)レーンに戻って来た。

「それじゃ、逆立ちして下さい」

「はいはい、いくらでもしますよ!!」

「うん、中々体力ありそうね。それじゃ、走って来て」

「・・・・・・え?」

女性職員が指差す先はトラック、それも1周400mのやつ・・・。

「え?じゃなくて!!あなたがやる事は逆立ちでトラック10周なの!!」

「・・・・・・・マジ?」

「マジもマジ!!早く走って来なさいよ!!それとも、ウソなの?逆立ち出来るってのは!?」

「い、いや、ウソじゃないが・・・」

「じゃあ、早く!!」

哀れ、この男性職員はこの後の競技にはとてもじゃないが出れなくなったのは言うまでも無い・・・合掌。
殺意の眼差しも同情からある意味尊敬の眼差しになった。

「「「よくぞ選ばれてくれた・・・(−−;;」」」




「シンジ君、一緒に来て!!」

何故か指令エリアからスタートエリアに戻り、順番待ちしてたシンジ君の元の来るマナさん

「え?え?ど、どうしたの?」

「これ!!」

そう言ってマナさんが差し出した指令書には・・・



『男女ペアとなり二人三脚でゴールする事。ただし、ペアは同年代とする』



これはマナさんならば迷わずシンジ君を選ぶでしょう。ヒモも持ってるし。

「分かった。こう言う事なら仕方ないね!!それじゃ、脚を縛ってと・・・」

いそいそと自分の脚とマナさんの脚を縛るシンジ君。傍目からは運動会の競技、
マナさんの顔を見れば涎垂らしそうな顔

くうぅぅぅぅぅーーーーー!!やったわ!!ネルフも捨てたもんじゃないわね!!
こんなおいしい場面があるなんて!!

「それじゃ行こうか?初めは左足・・・マナは右足だね」

「わ、分かったわ。あ、さっきの400mみたいなスピードはダメだからね!!」

流石にあのスピードで二人三脚出来るのはアスカさんとシンジ君だけでしょう。

「わ、わかったよ。それじゃ・・・」

イチニ、イチニ・・・・・・・・

かなり調子良く進んで行くシンジ君・マナさんペア


マナって運動神経良いんだな〜


シンジ君がほのぼのと思案してるの対して


このままゴールに役所ないかしら?そのまま婚姻届にサインを・・・・・

かなり暴走した事考えてるマナさん





「う、うわぁ!?」

ズダン!!

マナさんが余計な事考えてるもんだから見事にコケてしまう

「あいたたた、だ、大丈夫?」

よくよく見ればマナさんが下、シンジ君がその上に被さる様に倒れてる。
まあ、足が繋がってるんだから離れて倒れるのは無理だろう。

「ご、ごめん!!ちょっと考え事してて・・・」

「そ、そう、それじゃまた左足から始めよう?」

「う、うん」




ピカ〜〜ン!!


2,3歩進んだ所でマナさんの頭脳にとんでもなくナイスなアイデアが浮かぶ!!



・・・・・ピト、ギュ!!




「う、うわぁ!?マ、マナ!?」

マナさんの頭脳に浮かんだアイデア、それは文字通りシンジ君に寄り添う格好で肩まで組んでしまう事

「こ、こうすればよりリズムが取り易いでしょ?」

顔を真っ赤にして言われても・・・・・

「そう言えばそうかも・・・・うん!!こっちの方がやり易いや」

鈍感シンジ・・・・・その性格は世界を救い、消滅させる・・・。



きゃぁぁぁーー!!シ、シンジから、か、肩組んできたぁーー!!
も、もうこのまま時間止まって・・・・・


マナさんが妄想しても、その足は止まらない。シンジ君に合わせてイチニ、イチニ・・・を繰り返す。どうやら無意識で動いているらしい、マナさんは。それに肩組んでれば転ぶ事も無いだろう。


「どうやら霧島 マナ選手が1位のようです。それに続いて逆立ちの刑・・・じゃなくて指令が終わった技術部の・・・」

一体あの逆立ちに負ける程時間の掛かる指令とは何なんだろうか?
そこはネルフ、下手に検索すると命に関わる。作者はそのような事で死にたくない。
それに逆立ちした人はとてもじゃないが、走る事は出来ず技術部の人が引き摺りながら歩いていた。


「ふえ?マナが1位?へえ〜、まあこんな競技なら1位取れるでしょうね」

応援席の後ろでジュース飲んでたアスカさんにはシンジ君の出ない時など応援などする気も無い。
でも、何となく実況の声に引かれて選手がいるレーンを見てみれば・・・・・・
そこにはマナさんと二人三脚なんてしてるシンジ君がいたりして、しかも寄り添うように身体が密着してて、取り敢えず握ってたジュースがバシュッ!!って吹き出して潰れて、近くにあったイスが真っ二つにされて・・・・兎に角、般若降臨でありまして・・・。


「・・・・・・・・・・・・ぶち殺す!!!!!!凸(▼▼メメ」


再び紅い弾丸と化したアスカさんがレースに乱入し・・・・ようとしたが、レイさんが表れてその力を発揮。
簡単に言えばATフィールドを張り巡らしアスカさんを閉じ込めてしまう。

「こんのぉぉぉーーー!!ファースト、出しなさいよ!!」

「ダメ、あなた危険。これは命令、『会場内の治安維持に努める事』って命令なの」


ダンダンドガッドガッバキッバキッニョロ〜ンドカドカ!!


アスカさんでもレイさんのATフィールドを破る事は不可能でしょう。
いくら殴って・・・・るんだよね?ニョロ〜ンって音は一体・・・(--;;





「1位霧島 マナ選手、配当は・・・・・」

アスカさんがATフィールドに四苦八苦してる内に第1組目は終了
顔が弛みまくってるマナさんでしたが、脚が未だにイチニ、イチニ・・・してるのは
怖い光景だ。放っておけば多分あのまま歩いてどこかに行ってしまうかもしれない。
アスカさんもATフィールドは破れないと悟ったのか、応援席に戻ってた。
しかし、もう一度般若降臨すると、いくらレイさんのATフィールドでも破るだろう。
くわばら、くばら・・・・(-人-)
さてと、次はシンジ君の番だ。



アスカさんがまさか自分を亡き者にしようとしてたとは露にも思わないシンジ君
スタートラインに戻りスタート位置につく



「それではよーい・・・・・・・・スタート!!」

シンジ君が参加してる組は「シンジ君」「他5名(爆)」だ(べ、別に頭合わせじゃないぞ?




「だれか〜〜、あの貯水タンクのバルブ取って来て一緒に走ってくれませんか〜?」

グランドから見える貯水タンク、そのバルブを取って来いって・・・・漏れちゃうぞ?
・・・・・・え?そうじゃない?<当たり前だ!!


「・・・・・・・こんなの無理だぁぁぁぁーーーーー!!!」

指令放棄ですか?一体何が書いてあったのでしょうか?
『司令のサングラスを取って、副司令に懸けさせてゴールへ!!・・・・『司令と副司令』使った『指令』、どう?このハイセンスなギャグは?ぷぷぷ・・・』
・・・どうやらこの指令を作ったのはバカらしい・・・。もしくは、司令達に恨みのある人だ。ただ、実行すると明日の太陽は拝めないだろう・・・。







「まったくどうしてマナだけ良い目見るのよ!!」

余程先ほどの二人三脚がぶちギレさせる要因だったらしい。
ジュースの缶が悲鳴を度々上げては潰れてる

「シンジが来たら絶対アタシとペアにしてもらうわ!!」

いや、「もらう」じゃなくアスカさんなら「させる」が正しい・・・・・





そうこうしてるとシンジ君が応援席に来た


「え〜〜〜と、リツ・・・・・いや、ミサトさんいますか〜〜?」

かなり苦汁の判断をしたのだろうか?
この世の終わりみたいな顔でミサトさんを呼ぶ

「ちょっと!!!どうしてミサトなのよ!!アタシがいるでしょ!!それに、ミサトの前にリツコ呼ぼうとしたでしょ!!」

まあ、当然アスカさんは怒るのだが、当のミサトさんは応援席の裏で賞品のえびちゅをパクッてた・・・・。
本人に言わせると「準備で疲れた身体にはこれが一番なのよ〜ん♪だから少し位はいいのよ♪」だそうだ。あんた、何にも準備してないだろう・・・(--;;;
それはさておき、シンジ君に呼ばれて出てきたミサトさんは、出来上がってたが、まあ、いつもの事なので、よし!!

「はいはい〜、シンちゃん何かなぁ〜?お姉さんに言ってご覧なさい♪」

「じ、実は・・・その・・・・・・び、美人な人と二人三脚する指令なんですが・・・・」

「うっしゃぁぁぁーーー!!シンちゃん!!お姉さんに任せなさい!!」
「こ、このバカシンジ!!アタシじゃ役不足だってーのぉ!?」

ミサトさんは俄然やる気になるがアスカさんはそうは行かないだろう
しかし、シンジ君は泣きそうな顔で指令を簡単に説明すると・・・・・・




「シンジ、あんたも運が無いわね・・・・、アタシは先にゴールに行ってるからちゃんと
勝ってね?」

「うん、でも、ゴールしたくない・・・・(;;)」

シンジ君の指令書には一体何が!?それにアスカさんも妙に優しいし!!



「ほらほら!!早く行くわよ!!」

一人ミサトさんだけが張り切っていた。

「は、はい・・・」

「ところで、アスカと何話してたの?」

「えっ!?え、え〜〜と、その・・・・勝ったら・・そう!!勝ったらえびちゅをミサトさんに贈ろうと思って・・・・」






ドドドドドドドド・・・・・・・・・・・・・・

「うがぁぁぁぁーーー!!どかんかぁぁーーい!!どかないと轢き殺すわよ!!」

シンジ君が蒼い弾丸、アスカさんが紅い弾丸、ならば、ミサトさんは重戦車『酒徒ミサト』だ。一心不乱にゴールに最短距離を突き進んでいく!!途中の選手たちは轢かれてるが・・・。
二人三脚なのにシンジ君は引き摺られてる。これじゃ二人三脚じゃない・・・(--;


「ミ、ミサトさん!!ちょ、ちょっと、そ、そんなに急がな、くても・・勝て、ます、か、ら・・・」

シンジ君の声も今のミサトさんには聞こえないだろう。
これで勝てば合法でえびちゅが飲める!!がエネルギーですから(笑)








「ゴ〜〜ル!!」

ミサトさんがゴールした時にはシンジ君はボロ雑巾の如く転がってた

「さあさあ、えびちゅ♪えびちゅ♪」

「おめでとう、ミサト。凄いスピードね」

ゴール地点にいたリツコさんが近寄って来てミサトさんに声を掛けてると
アスカさんもシンジ君を起こして、声を掛ける

「おめでとう、中々早かったじゃない。得点も貰えたし」

「ありがと♪でも、得点よりえびちゅよ!!えびちゅはどこ!?」

ミサトさんにはえびちゅしかないようだ・・・。

「は?あるわけないでしょ?」

「なっ!!??アスカ、どう言う事!?」

「だって、ミサトは2位よ?1位はリツコだもん」

そう、何故かゴールにいたリツコさんはミサトさんより先にゴールしてたのだ。
どんな指令だったかと言うと・・・・

『白衣を着てる人のポケットの中身を手に持ち、その白衣の人と一緒にゴールまで!!』だ。

哀れ、これでリツコさんを選んでしまった参加選手はリツコさんから怪しい注射をされ、筋力120%でゴールまで走ったのだ。ああ〜、リツコさんさえ選ばなければ、簡単な指令だったのに、リツコさんを選んでしまったばっかりに・・・・。

「う、うそぉぉー!!じゃ、じゃあ、えびちゅは!?」

「「ない!!」」

アスカさんとリツコさんのユニゾンであっさりと却下されたミサトさんはいじけて応援席に戻ろうとする。
ところが、その先にシンジ君がいたわけで・・・・

「そ、その、ミサトさんと二人三脚出来たんで僕は嬉しいですから」

シンジ君が何とか慰めようとする。ミサトさんも『美人〜』の指令だったので
まあ機嫌はそんなに悪くはならなかった。

「そうね、シンちゃんが美人だって認めてくれたんだからよしとしますか!!」

「そうですよ、ミサトさんは美人ですよ」

シンジ君のおだて作戦はここまでは良かった。ここまでは!!


「シンちゃん、リツコじゃダメだったの?」

ミサトさんはリツコさんが選ばれてれば、勝って賞品のえびちゅが飲めたと思い聞いてみた

「そ、それは・・・・(^-^;;;;;;;;;」

「シンジ君、あなたわたしが美人じゃないって言いたいの?」
こめかみに青筋浮かべてシンジ君に詰め寄ってくるリツコさん、か、改造される!?

「ち、違いますよ!!そ、そうじゃなくて・・・・」

「まあまあ、良いじゃない。リツコはわたしには勝てないって言いたいのよ。シンちゃんは」

そんな火にニトログリセリン注ぐような事を・・・・

「違うわよ。リツコ、安心して恐らくあんたの方が良かったと思うわよ・・(−−;」

アスカさんがリツコさんを宥めて落ち着かせると場内放送が

「これより競技の順位確定を行います。1位はすでに確認が終わってますので、2位の方から」

放送が終わると係の人が来て、ミサトさんにマイクを渡す

「?これなに?」



そぉぉぉ〜〜〜〜〜〜


「あれ、聞いてないんですか?指令は『三十路女(行き遅れが望ましい)と二人三脚』ですよ?確認はマイクを使って自分の歳を言うんです」



「ふふふ、なるほどね、これならミサトが適任だわ」

お腹を抱えて笑ってるリツコさん、マイクを持ってこめかみどころか顔中真っ赤にして震えてるミサトさん、そぉ〜と逃げてたシンジ君

「・・・・・・・・・シンちゃん、ちょ〜〜〜ち聞きたい事があるんだけど?(−−メ」

「ご、ごめんさい!!ごめんなさいぃ!!」

シンジ君には逃げる事と謝る事しか出来なかった。シンジ君は使徒との戦いが終わり、処世術と言うモノを獲得していたのだろう。普通に言ったら殺されるものを、おだてて参加させれば良い。でも、それじゃゴール後は惨劇が待ってるだろう、まだまだ甘い!!(笑)

「シンジ・・・、あんたは命知らずよ・・・・(−−;」

道理で指令を聞いた時にアスカさんが優しいわけだ!!(笑)

「・・・ふ、無様ね、ミサトが!ふふ」

リツコさんは可笑しくて仕方が無い、自分を選んでくれなかったシンジ君に感謝しつつもミサトさんが選ばれた事に心の中でよっしゃぁぁーー!!と言ったとか言わないとか。









この後、血の涙を流しながら全職員の前で年齢を白状したミサトさんと、血の雨を降らせてミサトさんの脇に倒れてるシンジ君
ただ、このシンジ君を看病する為にテントの中で膝枕なんてしちゃったアスカさんがいたりしたのはまた別の話



続く!?




作者の後書きと言う釈明

えっと、はじめまして。鴛鴦と言います。突発的に書いてしまった「ネルフ大運動会!!」でしたが、作者自身がかなりのLAS人ですので、アスカさん&シンジ君のペアはハッピーです。当初の予定では二人が力を合わせて運動会で頑張るつもりだったのですが、何故かギャグになってしまいました(苦笑)なぜなんでしょう?それでは!!


マナ:鴛鴦さん投稿ありがとうっ!(^O^/

アスカ:すんごい運動会になってるじゃないっ!(@@)

マナ:いっちに。いっちに。(*^^*)

アスカ:なにしてんのよ。(ーー;

マナ:二人三脚ぅ。(*^^*)

アスカ:アンタの二人三脚はもう終わったでしょうがっ!(ーー#

マナ:え? うそ? シンジは?

アスカ:やかましいぃっ! 借り物競争・・・は、まぁいいとして。その後ミサトに粉砕されてるわよっ。

マナ:あーーーーーーーーーーっ! シンジぃぃぃっ!(@@)

アスカ:おそーいもんねっ! アタシがお膝貸し手あげたのよっ!(*^^*)

マナ:最後までいいとこ持っていって、ずるーーーいっ!

アスカ:やっぱ、ヒロインはこうでなくちゃねーーーだっ。

マナ:でも、二人三脚で1勝したもんっ! 続編でも、霧島マナちゃんをよろしくおねがいしまーすっ!m(_ _)m

アスカ:もう、登場させなくていいわよっ!(ーー#
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