これは「葛城家のとある朝」の続編です。


葛城家のとある夜

by Froom


あの朝からアスカちゃんがシンジくんのベットに潜り込むのは日課と化していた。

だが今日はそうはいきません。

アスカちゃんの親友、ヒカリちゃんが泊まりに来ているのです。

今は四人で仲良く夕食を食べています。

アスカちゃんはシンジくんに甘えたくても、ヒカリちゃんが居るので甘えられません。

「碇君、お料理上手ね」

「そうでもないよ」

シンジくんはヒカリちゃんに料理を誉められて照れ笑いを浮かべてます。

それをミサトさんはニヤニヤ見ています。

「う〜」

でも、アスカちゃんは面白くありません。

「シンジ!おしょうゆ取って!」

だから、ついつい怒鳴ってしまいます。

「えっ、あぁ、はい」

シンジくんはあわてておしょうゆを渡します。

「アスカ〜なんで機嫌が悪いのかな〜」

ミサトさんがさっきよりもニヤニヤした顔で言います。

「べつに機嫌なんか悪くないわよ!」

「え〜そうかな〜」

さらにミサトさんは言います。

「ミサトさん。もう止めてくださいよ」

シンジくんがすかさず止めに入ります。

「あらあらシンちゃん、そんなにアスカが大事?」

「ミサトさん...」

それでもミサトさんは止まりません。

そこで、シンジくんは最終兵器を出します。

「ミサトさん、また禁酒にして欲しいですか?」

ミサトさんはそれを聞いた瞬間に固まってしまいます。

 

なぜかと言うと、以前ミサトさんはシンジくんに禁酒を言い渡された事がありました。

その時は、シンジくんにばれない様に飲めばいいと思っていたミサトさんですが、

なぜか、何処で買おうとしても在庫がないなど言われてしまい

自動販売機で買おうとしても買えなかったりして一適もエビチュを飲めずに苦しい思いをしたのです。

その影に、アスカちゃんの「お義父様〜」の前に陥落したゲンドウがいたとかいないとか。

 

「ごめんなさい!!」

ミサトさんは即座に土下座をしてシンジくんに謝ります。

「わかればいいんですよ」

もう葛城家の主導権はシンジくんが握っているようです。

ヒカリちゃんはその光景を呆然と見ています。

「い、碇君。いつもこうなの?」

ヒカリちゃんは何とか声を出して聞きます。

「いつもじゃないけどね」

シンジくんはいたって平然に答えます。

「そ、そうなの」

ヒカリちゃんはただ呆然としているだけでした。

 

しばらくして夕食も終わりました。

アスカちゃんとヒカリちゃんは今お風呂に入ってます。

シンジくんは食事の後片付けをしています。

ミサトさんは部屋に篭っています。

最初ヒカリちゃんは、後片付けを手伝おうとしたのですがシンジくんが...

「委員長はお客さんだから」

と言い、断られてしまったのです。

 

だから今はアスカちゃんとお風呂で世間話に花を咲かせてます。

「で、ヒカリ〜鈴原とはどうなってるの?」

アスカちゃんはニヤリと笑いながら聞きます。

「な、なんで鈴原なの?」

ヒカリちゃんは顔を真っ赤にしながら言います。

「え〜、だってヒカリッたらいつも鈴原を見てるじゃない」

アスカちゃんはさらに追求します。

「み、見てないわよ」

ヒカリちゃんはうつむいてしまいました。

「そうなの?そうよね〜ヒカリがあのジャージ馬鹿を好きなはずないものね」

「で、でも鈴原にもいいところあるのよ」

アスカちゃんの言葉にヒカリちゃんは言い返しました。

「へ〜、どこどこ」

アスカちゃんはその言葉に興味しんしんです。

「絶対に弱いものいじめは許さないし、優しいし、それに妹思いなのよ。 あっ」

ヒカリちゃんはそこまで言って自分が何を言っているのか気づいたようです。

「やっぱり、ヒカリ鈴原のこと好きなんじゃない」

アスカちゃんは勝ち誇ったような表情で言いました。

「そ、そう言うアスカの方はどうなの?」

ヒカリちゃんはなんとか反撃しようとしますが...

「あっ、私。もちろんシンジとラブラブよ!」

ヒカリちゃんの反撃はあえなく撃破されちゃいました。

「そ、そうなの...」

ヒカリちゃんはいつもと違うアスカちゃんの返答でこれ以上追求できません。

この後二人はお風呂を上がり、アスカちゃんの部屋へと向かいました。

 

「シンジ、上がったわよ!」

「わかった」

部屋に行く途中アスカちゃんはシンジくんに言います。

そして二人はアスカちゃんの部屋へ着きました。

「お布団ひかなくっちゃ」

アスカちゃんはそう言うとヒカリちゃんとお布団をひきます。

「ふ〜、終わった、終わった」

「それじゃ、もう寝ましょうか」

ヒカリちゃんの提案にアスカちゃんはうなずきます。

パチッ

部屋の電気を消し、二人はそれぞれのお布団に入りました。

「おやすみ、アスカ」

「おやすみ、ヒカリ」

そう言ってから二人は目を閉じました。

 

 

午前5時

もそもそ...

おや?アスカちゃんの部屋で何か動いてますね。

もそもそ...

動いて入り口の方へ...

スー

ふすまを開けて廊下に出ていきますね。

そして出てきたのは...

(ヒカリはと...まだ寝ているわね)

アスカちゃんです。

(まっててね、シンジ)

そしてアスカちゃんはシンジくんの部屋へ向かいます。

 

アスカちゃんはシンジくんの部屋の前まで来ました。

(ふふ、シンジと一緒にベットに入ってるのをヒカリに見つかれば...)

(ミサトの時みたいに学校でも公認カップルになれる♪)

(そうすれば学校でもシンジに抱きつける♪)

どうやら学校でも公認カップルになるのが目的のようです。

アスカちゃんはふすまを開けようとしますが...

(あれ、開かない!)

そう、シンジくんは部屋のふすまにつっかえ棒を立てておいたのです。

(ふ、甘いわねシンジ)

アスカちゃんは何処からか物差しを取り出しました。

それをふすまの隙間に入れて...

コトン

おや、外れてしまったようですね。

(さ〜て、シンジ♪)

アスカちゃんは早速部屋に入っていきました。

 

どんどんシンジくんのベットに近づいていきます。

(うふふ、シンジの寝顔かわいいな♪)

アスカちゃんはシンジくんの寝顔に見とれています。

(は!いけない、いけない、貴重な時間が)

アスカちゃんは頭を軽く振るとシンジくんの布団の中に潜り込んでいきます。

(ああ、シンジの匂いだ...)

アスカちゃんはシンジくんの匂いに包まれて幸せそうです。

そして、しっかりとしがみつくと目を閉じます。

(おやすみ、シンジ...)

 

午前6時30分

 

さて、シンジくんのお目覚めの時間です。

(う〜ん、今日はアスカを潜り込ませるわけにはいかないんだ)

(学校でみんなにばれたら僕の学校生活が危ないんだ。ごめんね)

シンジくんはちょっと罪悪感を感じていました。

(さてそろそろ起きないと)

でも次の瞬間、罪悪感はきれいさっぱり吹っ飛びます。

「ん!まさか...」

恐る恐る中を覗くと...

「アスカ〜、はあぁ〜」

シンジくんが見たものは予想どうり、幸せそうに眠るアスカちゃんでした。

(この前はすぐ諦めちゃったけど、今度は僕の学校生活がかかっているんだ!)

シンジくんは妙に気合が入っています。

「アスカ!アスカ!」

でも、やっぱりアスカちゃんはなかなか起きてはくれません。

「アスカ!アスカ!」

それでもシンジくんは諦めません。

「なによ〜シンジ」

やっとアスカちゃんは起きた様です。

「アスカ!早く自分の部屋に戻ってよ!」

シンジくんは必死です。

「え〜シンジ嫌なの?」

アスカちゃんお得意のお目めうるうる攻撃。

(うっ、負けちゃ駄目だ、負けちゃ駄目だ、負けちゃ駄目だ、負けちゃ駄目だ!)

シンジくんは必死に耐えています。

「だめだよ!早く戻ってよ!」

何とか耐えきったようで再びアスカちゃんを説得し始めます。

「どうして、どうしてよ、シンジ私の事嫌いになったの!」

アスカちゃんさらにお目めうるうる攻撃を開始します。

(うぅ、負けちゃ駄目なんだ、負けちゃ駄目なんだ、負けちゃ駄目なんだ、負けちゃ駄目なんだ!)

 

こんなやり取りがされている頃、アスカちゃんの部屋では...

「う〜ん、良く寝たわ」

ヒカリちゃんが起きてしまいました。

「あれ?アスカがいない」

どうやらアスカちゃんがいないのに気づいたようです。

「リビングにいるのかな?」

ヒカリちゃんはそう言ってリビングへ向かいます。

 

ヒカリちゃんがリビングに来てみると先客がいました。

(うふふふ、シンちゃん今日はアスカは来れないでしょう♪)

(今日こそはシンちゃんの寝顔を見れる♪)

葛城ミサト 2○才

全然こりてない様だ。

そこへヒカリちゃんが恐る恐る話し掛けます。

「あの、葛城さん?」

(びくぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!)

「な、なんだ洞木さんか...」

ミサトは話し掛けてきたのがヒカリちゃんと判り安心する。

「ところで、アスカを知りませんか?」

「えっ、アスカいないの?」

ヒカリちゃんはうなずきます。

「まさか...」

言うが早いかミサトはシンジくんの部屋のふすまを勢い良く開けました。

そして二人とも固まってしまいました。

「あ、あんた達...」

「ア、アスカ...」

ミサトとヒカリちゃんの視線の先には...

もつれ合ってベットに転がっているシンジくんとアスカちゃんがいました。

「何やってるのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

「二人とも不潔よぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

マンション、コンフォート17にミサトとヒカリちゃんの叫びが響く。

今日も葛城家は平和だ.........

 

余談だが、この事は学校にはばれなかったが、

翌日から学校で鈴原トウジを見て顔を赤くし、

うつむきながらぶつぶつと何かを言っているヒカリちゃんがいたとか。

 

fin


書きましたよ続編!!

どうでしょうか?

「葛城家のとある朝」の2倍くらいの量です。

ミサトさんは全然こりてませんね。

これでも感想くれると嬉しいな♪

それでは...



マナ:あなた、やってることが無茶苦茶じゃない。

アスカ:だって、前回はうまくいったもん。

マナ:あっちこっちで、いちゃいちゃされたらみんなの迷惑でしょっ。

アスカ:別に誰にも迷惑掛けてないわよっ!

マナ:どこがよっ! よく見てよっ!

アスカ:何が?

マナ:あれ以来、洞木さんの目つきがおかしくなっちゃったじゃないっ!

アスカ:あぁ、あの娘にはあれくらいの刺激があった方がいいのよ。

マナ:あなたねぇ・・・。鈴原くんを襲ったらどうするの?

アスカ:それくらいしないと、あの2人は進展しないって。

マナ:まったく・・・。今度は、あなたの監視に、わたしが泊まりに行くわっ!

アスカ:いいわよぉ。(これで、戦自でもラブラブし放題だわぁぁぁ。)

マナ:じゃ、今度行くわね。(アスカより先に、シンジの布団に潜り込んじゃおっとっ!)

アスカ:ウフフフフフ。(/〜\)

マナ:ウフフフフフ。(/〜\)
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