「お〜いシンジく〜ん!!」

とある戦場の野営地、現地調達の蛇の姿焼きを貪っている所に

聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「加持さん!!」

「しばらく見ないうちにいい顔つきになったな…」

傭兵として渡り歩いたこの2年でシンジの体つきは少年のそれから

青年としてのそれに変わりつつあった。

「それよりこんなところまでどうしたんですか?」

感慨にふける加持を見ながらそう尋ねた。

「ようやく奴らの居所をつかめたんだ、シンジ君の判断を仰いでから動こうと思ってね、」

「もちろん殲滅ですよ、あ、僕もついていきますから」

「そう言うと思ったよ…こっちの準備は出来ているから後はシンジ君次第だな」

「僕の方はいつでも…」

まるでピクニックにでも行くような会話だが、内容は結構恐ろしい。

「よしそれじゃあ出発しますか」

傭兵契約もなにもあったモンじゃない。シンジはさっさと自分お荷物をまとめると、部隊に別れを告げた。

尤もこの部隊はシンジが実質的に資金援助をしているので契約なんぞは問題じゃあないのだが…

加持が乗ってきたヘリに乗り込むとシンジは目を閉じて眠りにつこうとした。

「ああ、それともうひとつ、例のものめどがつきそうだよ」

半分寝ぼけまなこのシンジにとって例のものがどれをさすのかがわからなかったが

「そうですか…」

と生返事をして、眠りについた。











「やりすぎちゃったかなあ?

 でもこれでアスカに対する憂いがひとつなくなったからいいのかな?」

死屍累々の部屋の中でシンジはそうつぶやいた。

「いいんじゃないかい?」

加持はそう答えながらも苦笑した。確かにやりすぎだ。

「まあでもこれで、こいつらの計画は無くなったわけだ。しかしたいしたものだね、

 これだけの動きをしながらどこにも情報が漏れていない。」

「ブレ−ンの方たちが優秀ですからね、感謝しています。」

「ここもシンジ君の手の内か…あとはシンジ君のやりたいようにやればいいさ」

「そうですね、それより加持さんそろそろ本来の任務に戻られた方がいいんじゃないですか?

 あんまり放っておくとお姫様のご機嫌を損ねちゃいますよ?」

「そろそろ限界かな?へそを曲げられても困るから俺は先にお暇するよ」

加持が去った後にはシンジと共に乱入した数名の工作員だけが残っていた。

シンジは遺体の処理と施設の完全な制圧を彼らに命じ、自分に残された仕事の為辺りを見回した。

「あとは彼を探すだけだけど…」

「その必要は無いよ」

シンジは声のする方向に体を向け、そして満面の笑みで彼を迎えた。

「カヲル君!!」

「シンジ君…また会えて嬉しいよ、」

「という事はカヲル君も戻ってきたんだね?」

「そうだよ、シンジ君と綾波レイの会話を聞いていてね…こんな面白い事にはぜひ参加しなければと思って…」

「僕も嬉しいよカヲル君」

「さあ、2人だけの世界をつくろうシンジ君!!」

さらっと怪しげな事を放つカヲルであった。

「い・いや…カヲル君…そうじゃないんだけど…」

先行き不安なシンジであった。

こうしてある程度満足いく自分自身の能力と最良(最愛?)のパートナーを

手に入れたシンジは消えたときと同じように突然養父達の前に姿を現した。

シンジを見失った事に対して相当の圧力があったと見え、養父たちは涙を流して喜んだという。

実父ゲンドウも安堵のため息を漏らした。無論彼の補佐役にしか解らない様な仕種ではあったが…

シンジはこの時代に戻ってから初めて、穏やかな休息をとることが出来たのである。

ほんのわずかな時間であったが…





幾ばくかの休息の中でシンジとカヲルが蜜月を過ごしたとかそこに加持が加わっただとか

まことしやかな噂も組織内に流れたりはしたが、概ね彼らは平和であった。

そしてついにやってきたのである。

髭からの手紙が…一言

「来い」

と…

「さあ、いよいよだねシンジ君」

「うん、旨く頼むよカヲル君」

こうして使徒との戦いが始まる…

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はい、第4話お届けいたします。相変わらず進行が遅いですね…

この辺りの端寄っている話も出来れば外伝で補完したいと思います。

早いとこアスカを登場させる予定なのでこれからは少しテンポが速くなります。

宜しくお付き合いください。

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マナ:下準備も終わったみたいね。

アスカ:加持さんとも上手くやってるみたいだし。完璧じゃん。

マナ:ここまでしてたら、碇司令からお呼びが掛かっても、余裕なんじゃない?

アスカ:シンジ、ネルフへ行ってなにするつもりかしら?

マナ:一気に、ネルフとゼーレを自分の配下にしちゃうとか。

アスカ:それくらいやっちゃいそうだわ。そこにアタシが登場して、女王様になるのよ。

マナ:アスカが女王様になったら、世界の破滅だわ。(ーー)
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