2nd Time The Outside Story 〜大空に羽ばたく翼〜 prorogue



セカンドインパクトの後、世界は混乱を極めた。

中東の地でも争いの火種は尽きず、血で血を争う抗争が10年以上繰り広げられていた。

中東統一を目論む大国と、それに反対する小国連合の争い。

長年の抗争は、ある最新鋭機の投入によって小国連合の勝利に終わり、相互に不可侵条約が結ばれた。

これは小国連合の国のひとつ、アスラン王国の外人部隊の働きによるところが多いとされる。

この部隊に配備された最新鋭機は一騎当千の活躍を見せ、中東紛争中最大の戦果を上げた。

外人部隊に配備された機体は現行の戦闘機よりも10年は先を進んでるといわれ、

各国が血眼になって機体データを手に入れようと試みたが、撃墜された機体もなく、

また終戦と同時に外人部隊ごと跡形もなく消え去ってしまった為にデータを入手する事が出来なかった。

なぜ外人部隊に最新鋭機が投入され、なぜ終戦と共に消えてしまったのか。

外人部隊の指揮官であったアスラン王の甥に当たる人物も、国家機密をたてに口を開かず、

また、この人物も終戦後しばらくしてからいずこかへ消えてしまった。実質的に外人部隊を把握していたのは

この人物だけであった為、アスラン軍の中でも特異な存在であったこの部隊を知るものはおらず、

各国諜報機関の間では未だに調査がなされているという。

一説によるとこれにはアジア系の少年が一枚かんでいたという情報も流れているが

その情報も未確認情報であるために信憑性は低い。

その後、当時の外人部隊に配備されていたとされる機体の目撃情報は多数あるが

いずれも突拍子な話でこれについても信憑性はない。唯一、信頼できる情報として、

事故により、南太平洋上を漂流していた米軍ヘリのパイロットが異様な形をした巨大な空母のような船に

噂の最新鋭機が着艦し、いずこかへ消えていったのが唯一といえば唯一の目撃証言であろう。

いずれにせよ今現在、中東の空を縦横無尽に駆け巡った機体は行方不明である。

存在自体は確実視されているがどこで何をしているのかは皆目見当がつかない状態だという。

セカンドインパクトによる索敵能力の低下なども原因のひとつではあるが

これほどの間どこの国でさえ存在を確認できないという事はよほどの隠密性があろうと思われる。

中東紛争においてその最新鋭機が活躍したのはわずか3ヶ月である。その機体、信頼性のある情報によると

YFタイプと呼ばれていたらしい、は数種類確認されているが彼らと交戦して生き延びた部隊は少なく

どれも断片的な報告しかなされていない。その為に空戦能力等未知の部分が多く本来の性能ですら解っていないのが現状である。

彼らが今どこで何をしているのか、また現れる事があるのか、また現れるとしたらどんな時か、

憶測が憶測を呼んでいるが真相はいまだ持って謎のままである。


2014年発行 ミカエル・シャブシャ・ブスキー著 『中東紛争とその結末』 序文より抜粋


マナ:外人部隊って、どうして外人ばかりなの?

アスカ:外人部隊って、名前だからよ。

マナ:べつに、自国の人がいてもいいんじゃないの?

アスカ:それじゃ、国民部隊になるじゃん。

マナ:そりゃ・・・そうだけど。うーん。(ーー;
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