2nd Time The Outside Story 〜大空に羽ばたく翼〜 Vol.1




    中東 アスラン王国外人部隊 エリア88

「所属不明機近づいてきます!!」

管制官が叫ぶ。

「今上がれる機体は?」

額に十字の傷を持つ指揮官らしき男が確認する。

「稼動可能機、在りません。」

機械的な返事が返ってくる。いや、絶望から来る諦めの声といったほうが良いか?

「くそっ、全員退避!!戦闘員、非戦闘員は防空壕へ!!」

指揮官の声に全員が動き出す。

「・・・キ、サ・・・こえるか?こち・・リョウ・・・」

その時、管制室のスピーカーからひどく聞き取りにくい通信が流れてきた。

「所属不明機からの通信です!!」

「解ってる!!無線をまわせ!!」

そういうと管制官からヘッドフォンを奪い取り呼びかける。

「エリア88指揮官、サキ・バシュタールだ!!所属不明機に告ぐ。所属と目的を答えよ!! 答えない場合は撃墜する!!」

サキ、と名乗った男は一気にまくし立てた。

「へっ・・・すでにそんな余裕もないくせによく言うぜ、強がりはよしたほうがいいんじゃないか?サキ?」

「その声!!リョウジか?」

「ああ、その通りだ、久しぶりだなサキ、脅かしてすまん。ちょいと周波数を探すのに時間食っちまった。

 とりあえず着陸許可を願うがいいかい?」

「かまわないのですか?サキ様?」

「かまわん、俺の古い知り合いだ。尤も敵か見方かもわからんがな?」

くっくっと含み笑いをする。

「でしたら・・・」

「あいつの言うとおり今のこの状態じゃ奴が敵でも何も出来んよ。それにまだ敵と決まったわけでもなし。

 拒否する理由はなかろう。しっかりと誘導してやってくれ、あいつの腕じゃ今のこの基地に下りられるかどうか心配だ。」

「かしこまりました。」

サキの余裕ともいえる態度に管制官も少し安堵したのだろう。落ち着きを取り戻し機体を誘導し始めた。





突然の珍客に基地中が注目する。基地中総出で近づく機体を見つめる。

「ミッキー、あの機体見たことあるか?」

「ドラ猫・・・って訳でもなさそうだなあ、見たことのない機体だ。F-14(こいつ)の後継機か?」

ミッキーと呼ばれた男は滑走路にアプローチしてくる機体を見つめながら答えた。

「格好は似ているが…何より垂直尾翼がない。というより二つ付いているのかあれは?

 可変翼みたいだが…いずれにしても新型には間違いないな。爺さんはどうだい?」

「ふむ、わしも始めてみる機体だでのう…」

パイロットの腕がいいのかそれとも誘導官の腕がいいのか見慣れぬ機体は見事にタッチダウンを決めた。

その機体に司令官であるサキが近づいていく。

キャノピーが開き後部座席から加持リョウジが降りてきた。

「突然悪いな、お前さんにちょっと頼みごとがあってね。」

ヘルメットを脱ぎながら挨拶する。

「ふっ…変わらないなお前も、いつも忘れた頃にやってくる。歓迎する…といいたいところだが御覧の有様だ。

 こっちが頼みごとをしたいくらいだよ。この機体を譲ってくれるとかな・・・」

握手を交わしながら深刻そうな目をする。

「P4の仕業か?」

「ああ…2日前にな…燃料備蓄庫ごとやられてしまったよ、機体は無事でもガスがなけりゃただの鉄屑だからな…」

「そうか…」

「お前達!!何をやっている!!さっさと持ち場に戻らんか!!」

周りに集まっている傭兵達に大声をかけるとあわてて皆散会する。

「すまんなリョウジ、折角ここまで来てもらって申し訳ないがお前の頼みとやらは聞けそうにない。

 ここもいつ総攻撃を受けるかわからん場所だからな、その準備で手一杯だ。」

「それじゃ丁度いいときに来たのかも知れんな、サキ。」

加持はにやりと笑う。

「どういうことだ?」

「ひとつお前さんに貸しを作っておこうと思ってな、この機体とこの子を預かって欲しい。」

いつの間に降りて来たのだろう?加持の横には操縦席から降りてきた小柄な男が立っている。

その男はヘルメットを脱ぐとサキのほうへ向き直りこう告げた。

「始めまして、サキ・ヴァシュタール殿下、碇シンジです。しばらく厄介になります。」

「機体はありがたいが・・・こんな子供をよこしてどういうつもりだ?」

シンジの方を見てサキは叫ぶ。

「まあこんな所で立ち話もなんだ、クーラーの効いたところでゆっくりと話そうじゃないか?」

加持はそう言うと返事も待たず基地のほうへ足を向けた。



to be continue


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ハイ皆様、超お待たせです。(何ヶ月ぶりかしら・・・)

資料読み漁ってましたので…(っていっても漫画だけどね・・・)

導入部です。それ以外の何者でもありません。短いです。次はもうちょっと長くしようかなあ・・・


マナ:なんか、加持さん格好いいわね。

アスカ:向こうに司令官、びっくりしてたわよ?

マナ:傭兵さんのとこに子供が来たらびっくりするって。

アスカ:でも、アタシだっらた飛行機よりシンジがいいな。

マナ:そりゃそうよねぇ。(^^v
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