『......シンクロ率50.1%、ハーモニクス異常ありません...』 『すごいわね、EVAのために生まれてきた子みたいだわ...』 ------------------------------- 幸せは何処 ----------------------------------- ----------------------------- シンジと初号機 --------------------------------- この前の戦闘から早一週間たった休日、シンジは初めての戦闘シュミレーションをしている。 (ううっ、やっぱりこのLCLってのは慣れないな・・・・。) 『どう?調子は?』 「LCLは厳しいですね。」 『そんなこと言わないの!男の子でしょう!』 「はぁ...」 ミサトと同居して一週間、だんだんミサトという人物を理解してきたシンジ。 ずぼらで、朝はなかなか起きれなくて、そしてえびちゅで始まるとか。 ほんとに保護者なのか疑いたくなってしまう。 『ではシュミレーションを始めるけど、その前に、シンジ君EVAの出現位置、非常用電源、兵装ビル、 回収スポット、全部頭に入っているね?』 「自信はありませんけど、一応は。」 シンジはそう答えると(はぁ)とため息をついた。 (僕って剣とかは得意なんだけど銃はどうもなぁ〜) 今からシンジが行なおうとしているシュミレーションはパレットガンと呼ばれるEVA専用の銃で練習するっていうものだ。 今までシンジは剣を扱ってきたが銃関連はまったく触ったことがなかったのだ。 『さぁ、始めるわよ。マヤお願い...』 『では、模擬体を使った戦闘シュミレーションを開始します。』 [ババババババババババっ!] シンジは言われた通りに目標をセンターに入れてスイッチを押す、という一連の動作を繰り返していた。 しかし、シンジは何か不思議な感覚にとらわれるのだった。 (なんだろう、初めてのはずなのにそんな感じがしない。それどころか次にどこに出てくるのかがわかる気がする...。) そう、まさにその通りであった。 シンジが撃つ弾はすべてコアにあたっている。命中率は100%だ。 『先輩、すごいですよシンジ君。命中率100%です。』 『ほんとね、彼、一体何者なのかしら。』 リツコとマヤがそんなことを話している時、ミサとは腕を組みながら何かを考えていた。 『どうしたのミサト、ウンウンうなって。あなたらしくもない。』 『ちょっち気になることがあって...。シンジ君が撃つタイミングがちょっと...』 『どういうこと?』 『シンジ君はどうも使徒の模擬体が出てくる前に撃っているような気がするの。』 『えっ?』 ミサトの戦闘技術はなかなかだ。その中でも銃の腕前はずば抜けている。 そのミサトが言うのだから間違いはないのだろう。 そう、ミサトがいっていることに間違いはないのだった。 シンジはサキエルが出現する前に撃っているのだった。まるで出現位置がわかっているかのように...。 しかしシンジもわからないのだった、何故苦手な銃がここまで撃てるのか、このあと出てくる場所がわかっているような気がするのだ。 『すごいわよシンジ君、命中率100%よ。銃関係も得意なの?』 「いいえ、むしろ苦手なんですけど...。なんか体が勝手に反応してしまうんです。」 『そう。』 「あの、お願いがあるんですけど。」 『なに?』 「エントリープラグで初号機に乗せてくれませんか。実際のも体験しといたほうが後々やりやすいので。」 『そうね。じゃぁ午後からその実験をやりたいと思います。シンジ君上がっていいわよ。 マヤ急いで準備して!』 『は、はいっ!』 シンジは初号機から何かを感じ取っていた。しかしそれが何かはわからない。 だから実際に乗ってみて何かを得てみようというわけなのだ。 ************************** そして午後。 シンジはプラグスーツに着替え、エントリープラグに乗り込み完了している。 あとはジオフロントに射出してもらうだけだ。 『いい?シンジ君、戦闘ではないのだから激しい動きはやめてね。』 「はい、わかっています。ではお願いします。」 『マヤ、射出準備』 『射出します。』 (なんだろうこの感じ。初号機の中には僕のほかにもいるのか?) シンジは初号機の中に自分のほかにも何かがいるような気配を察しているのだ。 が、それを察したとほぼ同時にシンクロ率が急上昇したのだ。 『シ、シンクロ率上昇!60...100...150...200!止まりません!!』 『どういうこと!?シンジ君大丈夫!?』 しかしプラグ内からは反応がまったくない。 『シンクロ率まだ上がります!300...350...400%!これ以上は計測できません!』 『ありえないわ!シンジ君!?』 だか結局プラグからは反応がなかった。 しかしその数分後、 『シ、シンクロ率下がり始めました。400........200........100、 ...70.1%で固定されました!』 『何で急降下したの?その上シンクロ率が上がっているわ。これはシンジ君に聞かなくてわ...ふふふ。』 どうやらリツコはマッドの血が騒ぎ始めたらしい。 オペレーターたちはびびっている。 ************************** <400%にシンクロ率が到達し、初号機、シンジが沈黙した数分間...> 「ん?ここは一体どこだ?ジオフロント内ではないみたいだな・・・」 『ここは、初号機の中だよ。』 「だれだ!?」 シンジは反射的に格闘戦の備えをした 『大丈夫だよ、別に危害を加えるわけではないからね。』 「だったら、姿を見せろ!」 『しかたないね、今見せるよ。』 そう何者かが言うとどこからか一人の少年が出てきた。 「き、君は・・・」 その少年は、黒い瞳で、黒い髪。男と言うより女に近い感じがする顔立ち。そして華奢な体つき。 シンジが一番驚いたことはその少年が自分と『同じ』顔などをしていたからだ。 「君は一体誰だ!?」 「僕は碇シンジ、正確に言うと未来のだけどね。とはいっても数ヵ月後だけど」 「!?」 「僕が君をここに連れてきたことには意味があるんだ、これから教えることをすべて事実だと信じてほしい。 いいかな?」 「お、教えるってなにを?」 シンジ(現在)がどもるのも無理がない自分とまったく同じ人物が目の前にいることもそうだが、 それが未来から来たとなればなおさらだ。 「これから起こるすべてのことを。」 「サ、サードインパクトのこと?ある程度なら父さんから聞いたけど。」 「そうなんだ、じゃぁこれからの使徒とかについて説明しようか、それと本物のサードインパクトについても...」 〜説明中〜 「・・・想像していたよりずいぶん酷いんだね。サードインパクトって言うのは...」 「それを防いでほしいから君に教えたんだよ。」 「それで?具体的に何をすればいいの?」 「まず...彼女に会ってもらいたいんだ...ちょっと来てちょうだい『霞(かすみ)』」 シンジ(未来)がそう言うとまたもやどこからか一人の少女がやってきた。 「彼女は誰?」 「この子は初号機の心だよ、このこと意識を共有することによってEVAはもっと上手く動くことになるよ。 母さん、碇ユイにシンクロするよりね。」 「じゃぁ、母さんはどうなるの!?」 「今すぐ戻ってもらうことにするよ、そうすれば父さんも喜ぶだろうから。」 「わかった、サードインパクトはもともと起こすつもりもなかったし、ゼーレも潰すつもりだったから 僕にとっては護るものができたっことだけだよ。」 「やってくれるんだね、これからは僕らがいなくても意識の中で話せるからそこで呼んでちょうだい。 じゃぁこれからよろしくおねがいするね。」 「よっろしく〜!」 今までしゃべっていなかった霞という少女だが意外とお調子者のようだ。 「そのうち僕は外に出るつもりだから、それからの僕の処遇についてはまた今度相談しようよ。」 「うん、わかった。僕からもよろしくね。」 「じゃぁとりあえず元に戻すよ...母さんも一緒にだけど」 「じゃ、いつでもいいから声をかけてよ、暇だろうから(笑)」 「では、戻すから。 アスカをよろしくね...」 「うん、わかってるよ!」 ****************************** 『ふふふ...どういう検査しようかしらね〜。楽しみだわ〜』 『シンジ君戻っていいらしいわよ、リツコもあんなんだし。』 「分りました、戻してください」 ビービービー 「なに!?なにがあったの!?」 「プ、プラグ内の生命反応が二つあります!」 「どういうことなのリツコ!?」 普通に考えたらまずありえないことだろう、EVAからシンジ以外の人の生命反応が出るなんて、 しかし、リツコはEVAについての事情を知っている。故に顔が青ざめているのだった。 (ま、まさか彼女が目覚めたっていうの?幸いにも此処に司令はいないわ。でもどうしろって言うのよ。) そんなことをリツコが考えているときに、初号機から通信が入る。 『すいません。何か服をくれませんか?ちょっといろいろと大変なモンで。 あと、病院に連れて行けるように手配をお願いします』 「どうしたのシンジ君?なんかやったの?」 ミサトはネルフの幹部といえどEVAのことはほとんど知らされていない、よってシンクロ率400% というものがどんなものなのかはわからないのだった。 『まぁ、しいて言うならばあまり目に入れるとつらいというか、とにかく何か下さい。』 「わかったわ、すぐいくから。マヤちゃんプラグ出しておいて。」 「わかりました。」 ミサトはそう言うとなぜか近くにあった白衣を掴み、ケージに向かって走っていったのだった。 ****************************** プラグが開くとシンジは急いでミサトの所にやってきた そんな慌てたシンジを見たミサトは 「シンジ君?そんなに慌ててどうかしたの?」 「待っていてください。そうすればきっとわかりますから。あと父さんの連絡先を教えてください!」 シンジは電話を受け取ると自分の父に話すことを話した。 「父さん!?予定より早いけど母さんが戻ってきたから、すぐにネルフの病院に行ってあげて!」 「なに!?それはほんとうか!?」 「どうでもいいから早く行け!!」 どうやらシンジはもたもたしているゲンドウに切れたようだ。 「わ、わかった、あとで戻ってきたときの事を聞くからな!」 「わかった!」 普段は見られぬゲンドウのあせった声を聞き、叫んでいるシンジの姿を見て周りの職員たちはびっくりしている。 しかし、ある二人だけは何か思案しているようだった。 一人目はミサト、彼女はネルフの幹部といえどもEVAなどの詳しいことを知らない、 なのでなぜEVAから人が出てきたのかが不思議でしょうがなかったのだ。 もう一人はリツコ、彼女の顔は青ざめている、なにやらぶつぶつ言っているようだが内容について、今回は無視しよう。 彼女はミサトと逆にEVAについてはかなり詳しいといえるだろう。 本来ならばもっとあとにユイは帰ってくるはずだった、しかしそれが前倒しになったのだ。 ゲンドウの計画も知っているから別になんともないだろうと思うが、彼女はゲンドウのことを愛していたのだ よってまたしても自分のことを見てくれないなのど考えているのだった。 *************************** ユイが病院に言っているとき、シンジはレイの病室に来ていた。 レイに母親が出来たことを説明するためだ。(ついでにアスカのことも。ちなみに来日はこの一週間後) 「レイ、ついに君にも母さんが出来たよ。」 「えっ?本当なの?」 「ああ、また今度一緒に会いに行こう(本当の君の兄さんは『僕』じゃないんだけどね)。」 「嬉しい...あれ、どうしてなの嬉しいはずなのに涙が...」 「嬉しいときでも涙は出るもんなんだよ。」 そうシンジはいうとレイをやさしく抱き寄せるのだった。 レイはシンジの胸で泣くのだった。それは本当の兄妹のように... このときシンジの頭の中(意識)では『二人』が喚いていた。 そのことについてはまたいずれ。 レイが泣き止むまでシンジは待っていた。落ち着いてからセカンドチルドレンについて話そうと考えていたのだ。 レイが泣き止むとシンジは 「レイ、ちょっと聞いてくれ。多分一週間後になると思うけどセカンドチルドレンが此処にくるんだ。 迎えにいってくれないかな?」 レイはこの発言を聞いてショックを受けた、なぜならアスカがくるまでにシンジを落とそうと考えていたからだ その上『過去』ではもっと後になってから来日するはずだったのだから。 「そう、でもなんで私が迎えに行くの、お兄ちゃんでもいいじゃないの。」 「僕はそのときちょっと用意があるからね。そっちに行かなくちゃ行けないんだ。」 「わかったわ、セカンドは任せておいて。」 「じゃぁ今日はもう行くよ、じゃぁね」 そういうとシンジは外に出て行った。そのときに未来のシンジから声を掛けられた (何でアスカを迎えに行かないんだい?用事って?) (さっき君が見せた未来にはアダムが出てきただろう、そのことについてちょっとね。) (なるほど、他の女のところだったらアスカに怒られるだろうからね。) (どういうこと?もしかして...) (そう二人も帰ってきているんだ、僕だけは失敗したようだけどね(苦笑)) (ならレイも知っているんだ。これからのこと。) そんなことを話しているうちに駅に着き、そして家に着いたのだった。 ********************** シンジは食事を終え風呂に入りすべてやり終えるとおもむろに携帯を取り出しどこかに電話を掛けるのだった。 そのころシンジの中にいる二人はなぜか将棋をやっていた。 今のところ霞が優勢でシンジは防戦一方なのだった。 こうして葛城家(?)の夜は過ぎていった。 あ、ついでに言うけどミサトはこの日帰ってこなかったとさ。 <あとがき> お久しぶり、初めまして、こん○○○(なぜなにナ○シコ風)、ゴーヤです。 最近自分のHPのほうで精一杯だったでなかなか進みませんでした。HPのアドレスが知りたい人はメールを送ってください。 前回のあとがきでアスカ登場かもって書きましたけど出てきませんでした(笑)。 次回は出せるようがんばります。 オリキャラとして霞(エヴァの心)を出しました。他の作家さんにも結構エヴァと直接シンクロってのはありますけど 名前がやっぱり天使の名前だったりするので和名にしました。あえて。あんまり出てこないかもしれないけど。 とりあえず気長に書いていきますので。 では次回を待っててくださいな 次はVS第4使徒ってところですね。ではまたいつか。
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