―――人類補完委員会、会議所。

「かねてより危惧されていた使徒の出現が、ついに現実のこととなった」
 
 真っ暗な部屋の中、六つのイスにそれぞれ一人ずつ座っている。
 そして、その最も奥側の正面に座ったバイザーをつけた人物、『キール・ローレンツ』議長は、重々しげに口を開いた。
 それに倣うように、他の四人も同様に口を開き、各々の考えを述べ始める。

「使徒の再来か・・・・・あまりにも唐突だな」
「15年前と同じだよ。 災いは何の前触れもなく訪れるものだ」
「幸いとも言える。 我々の先行投資が無駄にならなかった点においてはな」
「そいつはまだわからんよ。 役に立たなければ、単なる無駄と同じだ」

 四人の男はそう口々に言うと同時に、残った一人の男、ネルフ総司令碇ゲンドウへといっせいに目を向けた。

「左様・・・・碇君、ネルフとエヴァ、もう少しうまく使えんのかね?」

 キールが、正面の向かい側に座っている、ゲンドウに視線を向けた。

「零号機にひき続き、君らが初陣で壊した初号機の修理代及び兵装ビルの補修・・・国が一つ傾くよ」

 痛烈とも取れるその皮肉に、まったく動じる様子を見せず、腕を組んだまま黙っているゲンドウ。
 
「おもちゃに金をつぎこむのもいいが、肝心なことを忘れてもらっては困る」
「君の仕事は、それだけではないだろう?」
「左様・・・・・・・『人類補完計画』」

 周りの空気が、一気に冷め、緊張が充満する。
 この様子だけでも、これから話されることはとても重要なことであるとわかった。

「我々にとって、この計画こそがこの絶望的状況下における唯一の希望なのだ」
「・・・・・・承知しております」

 初めて口を開いたゲンドウだが、なんだか話し方が棒読みのようで、馬鹿にしたようにもとれなくもない。

「いずれにせよ、使徒再来によるスケジュールの遅延は認められない。予算については一考しよう」
「・・・・・・」
「情報操作のほうはどうなっている?」
「・・・・・・ご安心を。その件については、既に対処済みです」

 ゲンドウの口が、ニヤリと歪んだ。




NEON GENESIS EVANGERION 
〜 Unfathomable Hero Progresses The New Stories 〜     
                        <不測の主人公は、新たな語りを紡ぐ>

                   EPISODE U  
Part B    オレハナク
                
Presented  By  Iblis


―――特務機関ネルフ、総合病院内

外から射し込む光が、異様に眩しかった。
 全てが平穏で、全てが変わらず、そんじょそこらにあるような総合病院とは、桁外れに大きな病院で。
 その待合室にあるテレビを見つめつつ、キョウジは右手の拳を握った。

『正午のニュースをお伝えします。』

 病院の中央広場にあるテレビから、そんな言葉が聞こえた。

『まず、先日の第三新東京市爆発事故についてですが・・・・』

 ニュースの内容は、市内の市街地にできた巨大なクレーターに対する、政府の見解と専門家の見解を述べるだけの面白くも何ともない
内容だったが、キョウジは何故か興味を引かれた。
 意識が戻り、ある程度はっきりとした思考を取れるようになって、院内を歩いていたキョウジがただ一人だけが、この病院にいる。
 看護婦などもいるにはいるが、極少数といった感じだ。

「(エヴァや、使徒のことは一言も言ってない・・・・・あれは夢だったのか?)」

 呆然と立ちすくむように、テレビを見上げるキョウジはそんな考えを持った。

「(俺が、アレに乗ったことも・・・・・・使徒と戦ったことも)」
 
昨日の戦闘で、右目に激痛を感じてからの記憶がすっぽり抜けているせいか、昨日起きたことすべてが夢のようで
はっきりとした自信を持てずにいた。

がらがら・・・・

 突然、キョウジの後方からキャスターの動く音と共に、看護婦と医者が付き添うようにしてベッドを押してきた。
ベッド脇に着いた点滴とそこから伸びるチューブが、痛々しい。
医者達は、キョウジに目もくれずに通り過ぎるが、そのベッドの主、一人の少女だけは目線を合わせてきた。
いや、見つめてきたといっていい。
深く、探りを入れられるような、それでいて酷く懐かしそうな、そんな視線で。

「(昨日の・・・・女の子)」

 通り過ぎる彼女を見つめ、昨日ケイジで起きたことが現実のことであると実感させられる。
 なにか、衝撃的だった。
 そうやって感慨にふけっていると、突然そのベッドの進行方向の脇から誰かが現れ、ベッドに横たわる少女に二言三言話し掛け始めた。 

「(親・・・・・父)」

 通路から突然現れたゲンドウの姿に、思わず嫌悪感を抱く。
 昨日の記憶がフラッシュバックする。
 反射的に右手の拳を引きかけるが、何とか思いとどまった。
 あれほどまで大怪我を負っている少女を闘いに赴かせるなど、とても人間のやることとは思えない。
 だから、そんな彼女を死なせたくないと思ったからエヴァにも乗ったのだ。
 しかし、エヴァ乗ったのは別の理由もある。

「(なんで・・・・あんなあっさり・・・・!!)」

 昨日の、満身創痍の女の子に向かって、なんの躊躇いもなく出撃命令を下したのが、自分の父だとは思いたくもなかった。
 爪が食い込むのがわかる。両手の拳を、強く握る。
 だが、それでもかまわない。
 いまここでアイツを殴ってしまっては、自分の考えていた取引がパーになる可能性がある。
 それは絶対に避けなければならない。
 だから、それを避けられるならば、自らの体を傷つけてさえも避けようと、キョウジは深く心に誓う。

 ゲンドウは、少女と二、三言言葉を交わすと、そのまま立ち去ってしまう。
 キョウジには、一度も顔を向けることはなかった。

がらがらがら・・・・・。

 再び、ベッドが移動する。
 心の内に広がる、焦燥感のような、後悔のような、そんな複雑な気持ちが広がった。

「ひどいわねぇ・・・・・傷心の息子に声もかけないなんて」
「?・・・・・あ、えっと、ミサト・・・・・さん?」

 声のしたほうを振り返ると、ミサトが黒いバインダーを片手に、顎に手を添え考え込むような仕草をしていた。

「別に・・・・気にしなくていいですよ、あんなやつ」
「・・・・・そんな、かわいげのない」
「かわいくなくて、結構です」
「むぅ・・・・・」

 ややむくれたミサトから目線を外すキョウジ。
・・・・・逃げた。

「それより、ミサトさん」
「ん?なぁにぃ?」
「その・・・・」

 何か大切なことを話すようなキョウジの真剣さに何かただならぬものを感じるが、ミサトは普通に聞き返した。

「あの、今運ばれてった女の子なんですけど・・・・・」
「ん? ああ、レイのこと?」
「レイ、ですか?」
「ええ、綾波レイ。 あなたと同い年の一人目の適格者よ。つまるところ、キョウちゃんの先輩になるわね」
「綾波・・・・レイ」
「レイがどうかしたの?・・・・・って、まさかキョ・・・・・」
「その子の病室って、ドコですか?」

 早速からかいモードに突入しようとしたのに、出先からその勢いをそがれ、一つため息をつくミサト。

「・・・・・この廊下を真っ直ぐ行って、突き当たりの左よ。一番奥の部屋」
「ちょっと、見てきます。待っていてもらえますか?」
「勿論。私はここで待っているから、存分に話してらっさい」
「ミサトさん、言葉、ヘンです」
「気にしなくていいの。 ほら、さっさといく!」
「わかりましたよ」

 しっしっと、まるで追い払われるようにその場を立ち去るキョウジの後姿を見つめながら、ミサトは手近にあったベンチにゆっくりと腰掛け、
暗い表情で小さく呟いた。これから彼に頼むべきことを、口にするのを躊躇いながら。

「気が、進まないわね・・・・・」


―――ネルフ総合病院、病室前

「ここか」

立ち止まって、表札に目をやる。
 確認を取った後、今度は右手で軽く拳を握ると、ドアを軽くノックした。

「はい、どうぞ」

 中から、くぐもった小さな声と共に短い返事が返ってくる。
 キョウジは一度深呼吸をすると、ドアへと手をかけた。

「失礼します」

 部屋の中は、キョウジの部屋と同じだった。
 すべて無機質な白に覆われ、それ以外の色が全然見当たらない。
 唯一目に付くほかの色といったら、目の前のベッドに横たわる少女の蒼髪だけだ。


「?碇君?」
「あ、うん。 初めまして・・・・・って、俺、自己紹介したっけ?」
「・・・・何か用?」


 しばらくの間を置いて、レイはキョウジの言葉を無視して尋ねた。
 その言動には、あからさまに誤魔化そうという意図が伺える。


「質問に答えてくれ。俺、自己紹介したっけ?」
「してないわ。ただ私が聞いただけ」


 単調だが、抑揚の効いたよく通る声。
 そこに、有無を言わさない迫力を秘めている。


「・・・・・・誰から?」
「どうでもいいでしょ? 私は貴方の名前を知っている。そして貴方も私の名前を知っている。それ以上に、何が必要なの?」


 正論なのかどうかはともかく、キョウジはその言葉に何故か同意した。
 確かにこの場でこんなことを聞いたところで時間の無駄であるし、名前なぞすぐにわかること。
 気にすることのほうが、おかしいに違いない。


「そうだな。ごめん」
「変な所で謝る癖は、治っていないのね・・・・」
「え?」
「なんでもないわ。 それより、何の用?」


 レイの小さな呟きをかすかに聞き取って疑問の眼差しを向けるキョウジを見つめながら、レイは軽く頭を振りつつ話題を変えた。
 話の流れを変えるのがうまい。どうもキョウジはうまく丸め込まれているように思える。 


「え?あ、いや、その・・・・特に用ってわけじゃないけど、その、お見舞いって言うか・・・・昨日ひどい怪我してたから・・・・気になって」
「・・・・・大丈夫。 貴方が心配するほど酷くはないわ。 ただ、内臓が少し傷ついてて腕も骨折してるし最低でも、一週間は安静に
してなければダメだけど」
「ぜ、全然大丈夫じゃないじゃないか!」
「死ななければいいもの。 どの道、今は私のエヴァは準凍結中だから、健康でもあまり意味がないわ。むしろちょうどいい機会ね。
久しぶりにのんびりできるから。ここのところ、訓練ばかりでろくに休んでなかったもの」
「ちょうどいいって・・・」


 キョウジはレイの物言いに半分呆れ、半分尊敬していた。
 自分達の行動如何によって人類が亡びるかどうかが決まるというのに、この少女はあまりにものん気すぎる。
 昨日のように、焦りを感じて必死に『使徒』と呼ばれる怪物と闘った自分がバカのようだ。
 しかし、幾分自分の命を軽視しているようなフシが見られる。キョウジは何もいわないで置いたが。
 だがしかし、それだからこそ、このような状況でコレほどまでに冷静でいられるレイに、キョウジは素直に
感心することができる。
 同時に、キョウジは不思議にも嬉しさがこみ上げていた。
 それはレイの無事に対してなのか、それともレイがしばらく危険な目に会わなくて済むという安心からなのか。
 知る術はまだ、無い。
 そして、今のレイの言葉が、本心から来ているものなのかどうかも。


「別にいいでしょう? そんな細かいこと。私にとってはちょうどいいの。だから、碇君はしっかり訓練するように。
―――何時、使徒が来ても良いようにね」


 月のように、穏やかながら神秘的な雰囲気を帯びた微笑み。
 正確には昨日会ったばかりだし、正式に話をしたのは今日がはじめてなのに、なぜ彼女はこうまで自分を信頼できる
のだろうか。なぜこうも親しげに話せるのだろうか?
 それだけではない。その信頼の証として、いままで見たことの無い純粋な笑みを自分に向けている。
 真っ直ぐに、それでいて力強く。
 その赤い瞳は微笑を浮かべて自分を映し出している。


「あ、えっと、うん」


 しどろもどろになりつつ、顔が火照るのを感じながらキョウジはなんとか返事を返すことができた。
そう答えると、今度は沈黙が訪れた。
 なにか、息苦しい。
 レイは特に何をするでもなく、キョウジをじっと見つめている。
 その視線にこそばゆい何かをかんじながらも、しばらく視線をレイの顔と窓と、床に何度も往復させて、
キョウジは思い切ったように口を開いた。

「あのさ・・・・・」
「なに?」
「・・・・きのう」

 
 言いづらいのか、口篭もりながらポツポツと呟くようにキョウジが語る。


「逃げてって、いったい「別に」・・・・・」


言い終わらないうちに、レイは答えた。


「・・・・なんでもないわ」


 先ほどとは違い、その声音には確かな感情が隠れている。
 何かを隠すような、だがその何かがわからない。
 不思議と、レイのその態度に怒りを覚えることなく、ただ純粋に疑問を感じただけだった。

「・・・・でも俺、確かに聞いたんだ。それに、こういっちゃなんだけど、一応俺はおまえを助けたということに
近いことをしたし、その、あまりいいたくないんだけど、君には借りみたいなものが・・・・・だから」
「私は頼んだ覚えはないけど?」


 今度はカチンときた。
 先ほどとは大いに態度が違う。
 なにか聞かれると不味いことでもあるのだろうか。
 それとも、ただ単に答えるのが嫌なだけなのか。
 ある程度は予測していたが、ここまでキッパリといわれると、ことさら腹が立つ。
 しかも、棒読みで。


「なんでだよ? 教えてくれたっていいじゃないか。もしかしたら・・・・・」
「何故?」
「っ・・・・! 俺が聞きたいからに決まってるだろ!?」
「わかってるわ。でも、今の貴方には教えることができない。 だって、貴方は碇『シンジ』ではないもの」
「意味わかんないよ! 俺は碇だ! 碇キョウジ! シンジなんて人間じゃない!!」

 シンジの部分だけ、やけに感情が込められていて、しかも言っていることがやや支離滅裂になっていることに、レイは簡単に気づいた。

「くどいわね。 わかってるわよ、そのくらい。 碇の名字を持つヒトは少ないから」
「わかってるなら・・・・」
「けど違うわ。もう一度言わせてもらうけど、あなたは、碇『シンジ』じゃない」
「だから、シンジは・・・・・・」

 そこでようやく思い当たった。なぜ、レイがこの名前を知っているのかということに。

「なんで・・・・おまえはシンジ兄さんのことを知ってるのさ」


 声が若干震えるのがわかる。
 背中を、冷たい汗がつたった。
 レイの赤い瞳の視線が、正視できない。
 しばらくの間があってから、レイは口を開いた。


「そう・・・・・あなたは本当に彼ではないのね・・・・・」
「?何を言ってるんだ?」
「別に・・・・・独り言よ」
「だけど!」


 納得できないながらも、納得するしかないので、そうか。といって無理に自分を納得させた。
 本当は首根っこ引っ掴んでも聞き出したいところだが、病人に手荒な真似はできない。
 そもそも婦女子に手を上げること自体、キョウジには不可能なのだが。


「用はそれだけ?」
「まだ聞いてないことが・・・・・!!」
「いつか、話してあげる」
「・・・・・・」


 まっすぐに、その紅い目で直視される。
 その瞳は、まるでわがままをいう子供をあやすような、そんな力強い意思に満ちていて、キョウジはしぶしぶ『わかった』と応えるしかなかった。


「それじゃ、また今度。 私のことは、心配しなくていいわ」
「・・・・・お大事に」
「ええ。 ありがとう」

 背中のほうで、特に感情のこもっていない別れの挨拶を聞きながら、キョウジは振り返ることなく
純白の、静寂に包まれたレイの病室を後にした。

 キョウジが退出してしばらく、レイはぼおっとその扉を見つめながらふと視線を窓の外に向けた。
 外には、さんさんとした暖かい日光が降り注いでいる。
 セカンド・インパクトで地軸が傾き、一年中夏となってしまった日本にしては、珍しく暖かい一日に
なりそうなことがわかる。
 時折、開け放たれた窓から吹いてくる風が、心地よい。

「碇、キョウジ。この世界の碇君の弟、なのかしら? そう。なら私は、彼を助けなければいいのね。
 ・・・・・・碇君の弟というんだから」

 目を細めて窓の外を眺めるレイは、先ほどの会話からは想像もつかないほどの、最初にキョウジに向けた笑みより
綺麗な笑みを浮かべ、慈愛に満ちた雰囲気を纏っていた。
 
 開け放たれている窓から吹き抜ける風が、レースを揺らす。
 そして、ポツリと、レイの瑞々しく紅い唇から、なきそうなまでに震えた言葉が。

「アスカ・・・・私、やっぱり駄目みたい・・・・」


―――ネルフ、通路


「(ちょっとぉ・・・・・・な〜んでこんなに機嫌悪いわけぇ?)」

 司令の執務室へ向かう途中、ミサトはキョウジの先頭にたって先導しながらそんな悲鳴を上げていた。
 
 先ほどレイを訪ねて帰ってきてから、ずっとこの調子である。
 既に普段着に着替えていて、荷物は預けたままだがキョウジは帰ってくるなりすぐに、司令室へ連れて行ってくれと
頼んできたのだ。
 昨日、エヴァに搭乗する前に言っていた取引のことだろうということは容易に想像がついたが、何故怒っているのかが
わからない。
 多分、レイに何か言われたからなのかもしれないが、だからといって、こっちが話し掛けるたびに睨み返してくるのは
やめてほしい。と、心のそこから思うミサトであった。

 
「着いたわ。ここよ」
「・・・・」


 目の前には、鉄製の巨大な扉がそびえたっていた。
 いかにも厳重そうな扉で、ここら一帯に監視カメラがたくさん見受けられ、さらには鍵も指紋検査とカードロックという、
セキュリティ万全の扉である。

 
「司令。サードチルドレン、碇キョウジ君をお連れしました」
『入れ』
「・・・・クソ親父」
「・・・・(汗)」


 入る間際に、キョウジが呟いた声でミサトは頬に一粒の冷たい汗をつたわらせた。

 部屋の中は異様に広く、全体的に黒を基調とした部屋だった。
天井にはセフィロトの木、つまり『生命の樹』が描かれている。
周りにある窓からは、昼の陽気が似つかわしくないくらいにこの部屋へと注ぎ、不気味な雰囲気を際立たせている。
 その異様に広い部屋を、鋭い怒気を纏いながら悠然と進むキョウジの姿は、鬼神のそれに見えた。
 ゲンドウはいつものようにデスクに肘をつき、組んだ腕に顔を乗せた状態のまま、キョウジが来るのを黙って見ている。
 隣に立つコウゾウは、両手を後ろに組んだまま、窓の外に向けていた視線を、ゆっくりとキョウジへと向けた。

 ゲンドウの手前まで移動したキョウジの斜め後ろにミサトが立つと、キョウジが口を開いた。


「約束どおり、オレの要求を飲んでもらうよ」
「あまり無茶な要求は飲めん」
「平気さ。たかが三つのことだ。こんな大きな組織なら、何ら問題のない些細な要求だよ」
「言ってみろ」


 キョウジのかすかな皮肉にもまったく反応を示すことなく、ゲンドウは先を促した。


「一つ目。ココに所属する代わりに、給料として一ヶ月に一億、そして出撃及び危険手当としてその毎に三億を要求する。さらに、
消費限度額無制限のカードに振り込むこと」
「金額が高いな」
「命をかけてるんだよ? 当たり前じゃないか」
「・・・・・いいだろう」


 少しの間があってから、ゲンドウは短く答えた。
 そのセリフを聞いたミサトが、一瞬ひるんだように見えたが、多分ビックリしただけなのだろう。
 コウゾウは予想でもしていたのか、特に何の反応も示しはしなかった。


「それはよかった。それじゃ、次ね。
二つ目は、一週間〜二週間の間、最低一日は実家に帰ることを許可すること。勿論、監視やボディーガードはつけてくれて
かまわない。ただし、俺が怪しまれない程度に頼むよ?」
「・・・・いいだろう。だが、その時に有事が起こった場合はどうする」
「そんなの、そっちが迎えを出すに決まってるだろ? どうせVTOLの一機でもとばせば、ものの三十分程度で着く所なんだ。
 まさか、ここまで用意周到に進めてきておいて、一時間も前に敵を補足できませんでした。なんていうほどここのレーダーは
マヌケじゃないだろ?」
「ふ・・・・無論だ。問題ない。要求を呑む」
「なんだか、随分と物分りがいいね」


 内心、キョウジは舌打ちと安心の気持ちが複雑に絡み合っていた。
 ここまで素直に要求を受けるのは、どうやっても自分をエヴァに乗せたいからであり、少しぐらい厳しい要求だろうと
さっさと承諾して即戦力を確保したいという気持ちに違いないことはわかっている。
 そして、その思惑に付けこんで自分は取引をしているのだ。
 それはそれでいい。
 だが、それでもこの髭の思い通りに自分が動いているのだと考えると、激しい憎悪と自分に対する嫌悪感が募ってくる。


「これで最後だ。もし、これが許可されない場合、オレは即、エヴァに乗ることを拒否するから。
 父さんに選択肢はないってことだ。ただ、一応形式だけでも要求は通さなきゃと思って聞くだけだ」
「・・・・・」
「最後の要求は、ファースト・チルドレン、綾波レイについてのこと」
「「!?」」
「・・・・」


 キョウジの口から出たその言葉に、ゲンドウを除いた二人が動揺を隠せずに目を大きく開けてキョウジを凝視した。


「彼女の親権、及び保護権をココにいる葛城ミサト一尉と、オレの祖父である碇 ヒタツ氏に譲渡すること。
 その後はいかなる拘束も彼女には適用しない。彼女は本当の意味で自由だ。
 親権や保護権といっても、将来的に後見人が必要になった時のためだから、別に家族とかそんなことを考えてるわけじゃない。
 もう一度繰り返すけど、彼女には一切の拘束は通用しない。
 エヴァの搭乗は、一応彼女もこの組織に所属するらしいから搭乗の権利はある。
だが、それは彼女の意志に任せる。彼女がいやならば乗らなければいいし、乗りたければ乗ればいい。
 二度と、彼女が父さんの手で怪我を負うことはなくなる。自覚してくれないとな。『アンタ』がどれだけ・・・・・まぁ、いいや。
とにかく要求はこれでおわり。そして、これらの要求が全て承諾されたとき、俺は初めてアンタ達の組織に所属することを約束する」


 キョウジの出したその要求は、無茶以外の何物でもなかった。
 二つ目までの要求はなんとか呑むことはできるが、さすがに最後の要求は答えるのに時間を必要とした。
さらに、キョウジの真意がわからないのは、何故、殆ど面識もないファースト・チルドレン、『綾波レイ』を条件に出してきたのかと、
何故自分の祖父だけではなく、ミサトまでもこの要求の中に引っ張り出してきたのかということだ。
さらには、レイに対する絶対的な自由。
 そもそも、まだ昨日が初対面であるレイとミサトは、キョウジにとって赤の他人以外の何者でもないはずである。
 しかし、キョウジはその『赤の他人』であるレイを引き合いに出し、ミサトに親権と保護権を渡せといっているのである。
 そこが、この場にいる三人に理解できないことであった。


「二つほど、聞いても言いかね?」
「どうぞ」


 それまで黙っていたコウゾウが口を開いた。


「まず一つ目だが、なぜ綾波レイの親権と保護権を譲渡してほしいのかね?」
「簡単な理由です。さっき少しだけ述べましたが、まだ年端も行かない少女を戦場に赴かせるような輩に保護者及び
親を名乗る資格なんてありませんからね」
「なるほど。それはそうだな」


 頷きながらコウゾウはそう言葉を漏らした。
 ミサトは後ろのほうで苦笑いを浮かべている。
 それもそのはずだ。なにせ、実際にレイたちを戦場に放り出すのは作戦部長である自分なのだから。
 そして、その自分に親権を渡せといっているのだ。
 なんだか矛盾していることに納得いかないのは当たり前である。
 だが、ゲンドウだけはまったく微動だにせず話に耳を傾けるだけであった。


「それでは、もう一つ。なぜ、君の祖父のほかに葛城一尉にも渡さなければならないのかね?」
「・・・・・それは」


 キョウジが一度口をつぐむ。
 その場の空気が一瞬にして緊張で満たされる。
 だが、はっきり言ってそれは、ただの損な緊張でしかなかった。


「アイツの根性をミサトさんに叩きなおしてもらうためです」


 同時に、コウゾウは唖然とし、後ろのミサトはガクッと膝を崩し倒れかけた。


「り、理由を聞いてもいいかな?」
「先ほどオレは彼女に会ってきました。見たところオレと歳はそんなに大差はなさそうですが、あまりにも礼儀知らずだ。
 特に会話。
 一応かみ合ってはいましたけど、人がカチンと来るようなことを平然と言い放つあの態度。
 そういう点は改善しないと、後々社会でいろいろと面倒なことになります。それに、彼女の様子を見てみたら、どうも生活スタイルに
乱れがあるようです。たぶん、その点は保護者の問題でしょう。そこで、僕はミサトさんが適任だと思ったのです。
 まだ、昨日あったばかりですが、ミサトさんはそういうところの気配りはとても上手そうですから」
「そうか・・・・・・わかった。ありがとう」
「いえ」


 内心、コウゾウはここまでいわれれば仕方がないかもしれないと、殆ど諦めがついていた。
 そもそも、この無茶苦茶な要求を呑まなければ、彼はエヴァに乗る気はないといっているのだ。
 仕方がないだろう。
 ただ、この時点でキョウジは二つの誤算をしていた。
 それは後々気付くことになるが、今のキョウジは自分の思い通りに取引が進んだことに有頂天になっていたので
大してその点について深く考えることはしなかったのだ。


「いいだろう。三つの要求、全て承諾する」
「碇? いいのか?」
「かまわん」
「賢明な判断だね。手続きはそっちでやってよ」


 しばらく会話だけを聞いていたゲンドウだが、ここにきてようやく口を開いた。
 そして、その答えに満足したのか、キョウジは皮肉的な笑みを浮かべゲンドウに背を向けると、もと来た道を戻り始めた。
 ミサトは慌ててゲンドウとコウゾウの二人に敬礼すると、キョウジの後を追う。
 途中、扉の手前で立ち止まったキョウジは、一度後ろを振り向きこう言った。


「ヘンな小細工はしないことだね。そんなことすれば、祖父さんが黙ってはいないよ?」


 キョウジがそこまで言うと、扉がプシュッと音をたててしまった。


―――ネルフ、通路


「はぁ・・・・・・まったく、冷や汗モノだった」
「わたしゃ、司令と互角に取引を行う人間を初めてみたわよ・・・・・」 
 

ネルフの通路を歩きながら、キョウジとミサトは互いに肩を回していた。
 二人とも、同時にため息をついた。


「まぁ、いいわ。それより、これからよろしくね。キョウジ君」
「こちらこそ。相当迷惑かけると思いますけど」
「上等よ。そう来なくちゃ、やりがいがないわ」
「・・・・まるで、オレを調教するつもりのような言い方ですね」
「きのせーよ。きのせー」
「だといいんですけど」


 軽口を叩きながら、二人は荷物を預けた場所まで歩いていった。


「あ、そうだ。ね、キョウジクン。あなたの部屋まで送ってあげるわ。本部があなた専用の個室を用意してくれたの」
「え?いえ、平気ですよ。そんなに気を回してくれなくても結構ですから」


 荷物を受け取ってから、ミサトは自動販売機から買ってきた飲み物をキョウジに渡しながらそう言った。
 しかし、キョウジはそれをなるべく丁重に断った。
 かえるついでに、ここら一帯の地理を知っておこうと思っての言葉だったのだが、それがミサトの何かに触れたらしい。


「そんな、遠慮しなくていいから。あ!なんならさ、私と一緒に住まない?」
「は!?」


 いきなりのミサトの提案に、思わず素っ頓狂な声を上げるキョウジ。
 納得できない。
 そんな顔だ。


「いいでしょ?きまりね。んじゃまっと」
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!!」


 ポケットから携帯を取り出し、手早く電話をかけるミサトに悲鳴に近い声を上げるキョウジ。
 だが、ミサトはそんなこと気にもしていない。


「あ、もしもし。リツコ?うん、わたし〜。キョウジ君ね、私と一緒に住むことになったから。ちなみに、レイもよ。
 え?ああ、さっき司令たちとキョウジ君が取引してね。レイの親権と保護権が私と彼の祖父に移ったの。
 だから、私のトコに引っ越すよう手続きしといて。・・・・え?へーきよ。私が見張ってるもの。
 はぁ!?あんたねぇ・・・・・子供なんかに手ぇ出すほど、わたしゃ飢えてないわよ!
 じゃ、上の許可取っといてね!よろしく!!」


 そこまでいっきにまくし立てると、勢いよく電源を切りポケットに突っ込む。
 その様子を最後まで観察して、ようやくキョウジは我に戻った。


「な、なにかってなことするんですか!!しかも、あの女まで一緒に住むだなんて・・!冗談でしょ!?」
「だーいじょうぶよ。それに、レイの性格を直してほしいって言ったのはキョウジ君じゃない。いまさら何いってるの」
「そ、それでも・・・・・!」
「上司の言うことが、聞けないってぇの・・・・?」
「・・・・い、いえ」


 ドスの利いた声と据わっているミサトの目によって、キョウジ、あえなく撃沈。
 結局、キョウジは半ば引きずられる形で強制的にミサトとレイとの同居が決まってしまったのだった。


―――第三新東京市内

「オ〜〜〜ッホッホッホッ!! 今日はパァ〜ッとやるわよぉ!!」
「パァッとって・・・・うぁぁ!!? ミサトさん、速度オーバー!! スピード出しすぎです!!」


 盛大なスキール音を市内にとどろかせながら、蒼い稲妻が道路を駆け巡っていた。
 言わなくてもわかると思うが、ミサトのルノーである。


「な〜〜に言ってんの!男の子なら、このぐらいで情けない声上げんじゃないわよ!
 それ、さらに加っ速ぅう!!」
「ぎょわぁああ!!!」


 さらに速度を上げて道路を爆走するルノー。
 その姿はまさに、道路を駆け抜ける稲妻のようだ。
 しかし、一応ここは市内の公共道路。
 高速道路でもなければ、セカンド・インパクトの影響で崩れてしまったドイツの『アウト・バーン』でもないのだ。
 しかるのち、その後方に見える正義の集団なるものが現れるのもまた道理。


『こら!!そこの青い車、速度違反です!!とまりなさい!!』


 こういうときの正義の味方とは、警察しかあるまい。


「ちょ、ミサトさん?!警察が!!」
「フッフッフッ・・・・私とやろうってェの? 上等!! 抜けるモンなら抜いて見なさい!!!」


 ミサトは、ニヤリと気味の悪い笑みを浮かべると、目の前に現れた十字路を強引に左へと曲がった。
 それに続いて、後方に見えるパトカー5台も追いかけてくる。
 
こうして、『第一次 アルピーヌルノーA310(改)VS警察パトカー大追跡劇』が始まったのだった。




―――ネルフ本部、司令執務室


無駄に広大で、人気が全くと言っていいほどない不思議な空間。
床と天井に描かれたセフィロトの樹が、その異様は空間に更なる拍車をかけている。
そして、その部屋の入り口から見て、もっとも奥の位置。
そこには、二人の男が、おのおのの行動をとりながら、意味深な会話をしていた。


「碇、本当によかったのか?」
「問題ない。所詮は子供の我侭だ。どうにかしようと思えば、どうにでもなる」


 その一人、コウゾウは目の前に展開された将棋版を見つめながら、そのすぐ隣に鎮座する巨大なデスクにいつものポーズをとっている
ゲンドウにむかって非難するかのような口調で言った。
 大して、ゲンドウはたいして興味もなさそうに答えた。その目の前には、ノートパソコンのモニタがあり、どこかのBBSのようなページが
開いてあった。


「しかし、もしそのことで彼が初号機に乗るのを拒否すれば計画に支障が出るぞ」
「フ・・・・カードはこちらにある」
「・・・・いつのまにそんなものを」
「備えはいつでもしておくものだ」
「やれやれ・・・・」


 片手に将棋の本を持って軽く溜息をつくコウゾウ。
 ゲンドウはそれには気を向けることもなくただ淡々とページに書いてあることを斜め読みしている。
 そこには、ただいつもの通りという空気だけがあった。
 息子に脅しをかけられたことなどなかったことのように。
 息子を道具として扱ったことなど当然などというように。
 コウゾウは、心の側でちくちくと突き刺してくる良心を無理にでも忘れようと、いつものように将棋を続け。
 相変わらずモニターばかりを見つめているゲンドウのそのサングラスに隠れた瞳には、傷ついたチルドレン子達に対する慈悲など、
塵の欠片ほどもありはしなかった。




―――第三新東京市郊外、展望公園。


 さて、大追跡劇開始から約一時間。
 キョウジ達は一つの大きな展望公園へと来ていた。
 そこは、市内からはやや離れた、第三新東京市全体を一望できる場所にあった。
 すでに日は傾き、向こう側にある山の裏側へと落ちようとしている。
 そ
の夕焼けに染まった第三新東京市は、まるで沈黙した都市のように静かだった。

「あらら。 ダイジョブ、キョウジ君?」
「うぇ・・・・・だめです・・・・・」


 ルノーの隣で片手を突いて跪いているキョウジの顔は真っ青だった。

 あの大追跡のときのミサトの運転といったら、すでに常軌を逸脱していた。
 物理法則に逆らうようなコーナリングに、電気モーターとは思えないほどの加速力。
 そのうちにパトカーの数は数十台にも増したものの、結局はミサトの逃げ切り勝ちとなった。
 しかし、その代償がこれである。


「ちょっちとばしすぎたかしら?」
「そういう次元じゃないと思う・・・・・」


 力なく立ち上がりながら、キョウジは小声でそう言った。
 その姿はまるでゾンビのようで、ミサトの顔が一瞬引きつる。


「あ、あはは・・・・ごめんねぇ?」
「今度からは気を付けてください・・・・・」
「わかったわよぉ」


 キョウジに肩を貸しながら、ミサトは情けない声で呟く。
 何とか苦労しながらも第三新東京市を見渡せる場所までくると、手すりによりかかって二人は市を眺めた。

「はあ〜・・・・・・すごい眺めですね」
「まぁねん・・・さぁ、もうすぐよ」
「え?」

 しばらくそうしていながら、ミサトが腕時計を見て、小さく呟いた。

 すると突然、あたり一帯にサイレンが鳴り響き、木霊を繰り返す。
 同時に、市内の道路や建物にかかっていた大規模なシャッターが開き、その穴から地価に収納されていたビルが次々と
地上に姿をあらわした。
 その光景は、まるで新たなる都市が、高速で築かれていくそれに似ていた。
 夕日に照らされた集光ミラー。
 赤いランプを点滅させる高層ビル。
 そのビルを囲むようにして幾つもの住宅が、まるで煉瓦を敷き詰めたように立ち並んでいる。


「!!すごい・・・・・ビルが地面から生えていく・・・・」
「ふふ。おどろいた? これが『対使徒迎撃要塞都市、第三新東京市』よ。
――――そして、私たちの町」
「・・・・・・」


 キョウジは、ミサトの説明を聞きながらその光景に見入っていた。
 やがて全てのビルがそろったのか、もう地面からビルが現れることはなくなっていた。
 先ほどまでは、ほとんど小さなビルなどであまり大きな都市ではなかったのが、一瞬にして大都市へと変貌している。
 周りから中心にかけてビルが高くなっていくその光景は、ピラミッドを連想させた。
 同時に、近未来的なその外観になにか芸術的なものも感じる。


「キョウジ君。この町はね・・・・・あなたがいなければ、存在しなかったのかもしれないの。
 
だから、感謝するわ。私個人からも。

―――――――ありがとう。私たちを助けてくれて」

 
 となりで、小さく、それでいて優しく語りかけてくるミサトの声に、キョウジの胸は何かで一杯になった。

 頭の中で、マナや、祖父の顔が写っては消えていく。
 
 そして、今日会った綾波レイの顔も。

 一瞬、腰まで届く美しい赤毛の少女が頭の中をよぎったが、誰かはわからなかった。

 キョウジの頬を、涙が筋を残しながら伝った。


「そんな・・・・・オレは・・・・・オレはただ、みんなを守りたかっただけです。
 
俺の知っている大切な人たちの生活を、守りたかっただけなんです。

 人類を救うなんて、そんな大それたことを考えてなんていません・・・・・。

 ただ、自分の大切な人達を守りたかった。

 それだけなんです・・・・・」

「・・・・・わかってるわ。

 でもね、キョウジ君。

 理由はどうあれ、あなたは私たちの未来も守ってくれたの。

 だから、もっと自身を持っていいと思うわ。

 あなたはよくやった。

 だから、自信を持ちなさい」

「・・・・・・・・・・・・・はい・・・・・・・・・・」



 夕焼けに染まった第三新東京市を、キョウジとミサトは日が暮れるまでずっと眺めていた。
 
 その間、キョウジの目から溢れる涙は、止まることはなかった。


……To Be Continued.



 
 あとがき

イブ「おお、やっとミサトさんとの同居が決まった!」
キョ「これも強制的じゃないか! オレに選択権はないの!?」
イブ「勿論。これは復讐だよ」
キョ「横暴だ!! 卑怯者!!」
イブ「いいのか?そんなことを言って。いっそのこと、
マナも一緒に住まわせてやってもいいんだぞ?」
キョ「い!? や、やめて!! それだけは絶対にやめてください!!」
イブ「フッフッフッ・・・・なら、文句は言わないんだな」
キョ「く・・・・・」
イブ「さて、次回のエヴァは。
   ミサトの家に着いたキョウジは、腐海の森を目撃する!
   そして、新たな同居人、ペンペンとの対面!
   レイとの同居!!
   そしてそして、謎の少女からの脅迫(!?)電話!!
   よみがえる、戦闘の記憶!!
   キョウジは、そこに何を見るのか!!?
   次回、新世紀エヴァンゲリオン〜不測の主人公は、新たな語りを紡ぐ〜第弐話Cパート!
   『THE BEAST』 
   今、キョウジの記憶が、蘇る。」
キョ「なんだよ・・・・腐海の森って・・・・・」
イブ「見てのお楽しみだ」


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