新世紀EVANGELION MACHINE ARMS



第2話  「再会の真実」



「ないわねー。」

惣流・アスカ・ラングレー
12月4日生まれ 血液型 O型

「どこ行ったのかしら。」

わずか14歳で大学を卒業。
同時にスポーツも万能。
容姿は自他ともに抜群と称する。
まだ14歳という年齢にしてこのプロポーションなら
将来が楽しみと語るのは某3重スパイである。

「まったく、こんなことならほかにもジーンズをもって来ればよかった。」

彼女はエヴァンゲリオン弐号機の専属パイロット。
その頭脳を生かし、シュミレーションでは常にパーフェクト。
ネルフドイツ支部きっての天才。

「あ、あった!!

そして、彼女は常に沈着冷静で判断力に狂いはない

グイッ

ぐら、
「え、」
どたどたどたどたどたどたどたどた・・
「キャーーーーーーー」


と思う・・・



オーバーザレインボー内
アスカ嬢の部屋



今の彼女の部屋は某組織のある作戦部長の部屋
と見間違えるくらいすごいありさまである。
さまざまな色の服の中に埋もれいるのは、
先ほどの説明に出ていたアスカ様である。

なぜこんなことになったのか。
それは前の世界の風のいたずらのためであった。
(シンジには見せてもいいけど、ほかのやつらには見せたくない!!)
この思いがあって、スカートではないものを探していた。
そこで彼女はジーパンを探していたのである。
で、お目当てのジーパンを引っ張り、上にあった荷物が見事に
崩れてきたわけである。
しかし、彼女は何とか荷物の中から生きて生還した。
その右手にしっかりとジーパンを持って。
そのジーパンをアスカ嬢はせっせと履き
身支度を整え始めた。

・・・部屋を片付けないのか?・・・・

「よし、これでばっちり!!」

確かに誰が見ても荷物と
死闘を繰り広げたようには見えませんが
部屋のほうはさすがにまずいですぞ。

「シンジはもうすぐかしら」

・・・バタバタバタバタバタバタバタバタ・・・
どうやらヘリが近づいてきたようだ。

「タイミングいいわねぇ。
 こうしちゃいられないわね!!」

言い終わらないうちに
アスカ様は非常にうれしそうな顔で
甲板にダッシュしていきました。













そうまだ何も知らないから











・・・て、もしかしてこの部屋作者が片付けるの!?・・・












同時刻、オーバーザレインボー甲板

碇シンジは輸送ヘリから最後に降りた。
一方ではケンスケがカメラを片手に「すごい」を連呼し、
一方ではトウジが帽子を追っかけてる。
シンジはトウジをみて幸せそうだ。
こんな平和がいつまでも続けばいいのに。

「止まれ!止まらんかい!」

そんなトウジのことなどお構いなく帽子は転がり、
少女の足にあたる。
少女はその帽子を拾い上げた。

「これ、あんたのでしょ、はい。」
「お、おおきに。えろうすんまへんなぁ」

と、少女は言葉を交わし、
書類を飛ばさないように必死になって
抱えているミサトのほうへやっていた。

「ヘロウミサト!元気にしてた?」

「まあねー。あなたも背伸びたんじゃない?」

「そ、ほかのところもちゃんと女らしくなって・・・・!」

「どうかしたの?」

どうやらシンジを見つけたみたいだ。
シンジもアスカを見てうれしそうだ。









いや、不満がないわけではない。








(ワンピース・・・はぁぁぁーー)
と、ワンピースを着てないアスカをみて残念そう。
それでも笑顔のシンジ。

「シンジー!!」
タッタッタッタッタ
「アスカー!」

抱き!!!

「しんじー」
と言って顔を彼の胸に埋めるアスカ嬢。
残る3人を含む周囲の時間が止まる。
あるものはカメラを落としたが気がつかない。
あるものは帽子が空高くのぼっていったことに気がつかず、
あるものは持ってた書類の束を落としそうになった。
まったく予想外の展開に驚きを隠せない一同。
そんなことを無視して、LASワールドを作るアスカ様。


「むふふーしんじー」

甘えているが何か違和感を感じ始めたアスカ。
そう、昔の彼の本当のやさしさがないということのほかに・・・

(なんかへんねぇ・・・
 何がっていわれてもよく分からないけど・・・・
 そう、腕よ、腕が前と感触が違う。)

そう、確かに彼女の言うことは正しい。

「ミサトさーん」

「・・・・・・」

「ミサトさん?」

「・・・・・・」

「あのーー。」

「え、あ、何?シンジ君?」

ミサト再起動

「あのー彼女と別のところで話をしててもいいですか?」

「え、ええ、いいわよ。
 けど、注意してね。
 またこの間のようなことがないとは限らないから。
 いつでも発砲できるようにしておきなさいよ。」

「・・・・分かってます・・・・」

「ならいいけど、くれぐれも気をつけて。」

「はい」

(これがあのアスカ?)
ミサトの中で疑惑が生まれた。
とても初対面の相手に対する反応ではない。
ましてやあのアスカなのだ。
自分の地位を脅かすシンジは彼女にとって敵でしかないはず。
それならば、彼女はシンジに突っかかるはず。
(どうやら、アスカも何か知ってるようね。)
そして、今までの再会で喜んでいた顔は
引きつった笑みを浮かべ、
シンジとアスカの様子を見ているその視線は
とても冷たかった。

そしてとなりで話を聞いていたアスカ。
そのなかに出てきた『この間のようなこと』。
この間のようなこと?
何かあったのか?
アスカは少し考えた。
そういえば思い当たる節がいくつかある。
アスカの護衛が強化されたこと、
加持が本部の諜報部強化のために転勤になったこと、
全チルドレンに本部から帯銃命令が出たこと、
そして、今のミサトとシンジの会話。


これらから推測して
紛れもなく
シンジたちに何か起こったということだろう。
そう、命にかかわるようなことが・・・

「シン「アスカ行こう」

アスカの言葉をさえぎり彼は彼女の手を引いて歩き出した。
何か言おうとしたが、シンジの顔は真剣そのものだった。
ゆえにアスカは何も言わず、シンジの裏をついていった。




「なにを彼らは知ってるの」
残されたミサトの髪が、潮風でなびいている。
しかし、彼女はすぐに艦橋へむかった。
まだ彼女の仕事は残ってる。





「彼らがなにをしっているのか。それを考えるのは後ね。」

一人の女性は飛行甲板の上を足早に進んだ。
結果を求めようと、急ぎすぎていた。





それが悲劇を招くとも知らず・・・









オーバーザレインボー 後部デッキ

潮風が彼ら二人の間を通り抜ける。
シンジはさっきから海を眺め、その横でアスカは
シンジの顔を見つめていた。
(なによ、どうしたの
 何でこんな思いつめた顔しているの?)
予想とは多少違ってきた運命の出会い。
そのことにアスカは少し機嫌が悪くなる。


「アスカ」

「何?」

「今から言うことを聞いてほしい」

「わかった」

「・・・・・・・」

「・・・・・・・」

「・・・・・・・」

「・・・・・・・」

「・・・・人を殺したんだ・・・・」

「・・・・・・えっ?・・・・」

何を言っているのか理解できない。
シンジが人を殺した?
そんなことあるはずがない。
シンジはやさしい。
そのやさしさと内罰的な性格をゼーレは利用したのだ。
だから前の世界で
使徒という大義名分で渚を殺したとき
シンジはすべてを拒絶した。

『もう何もしたくない、傷つけたくない』

そのシンジがこっちの世界で人を殺したと言っている。
なにを言ってるのよ。
そういおうとしたとき
彼はすべてを語りはじめた。



「学校から帰る途中のことだったんだ。
 レイ・・・あ!綾波は戸籍上僕の妹になったんだ。
 そしてカヲル君と3人で帰宅途中に
 黒い諜報部のような格好の2人組みが現れたんだ。」










「ネルフ諜報部の方ですか?」

僕はそう聞いた。
黒ずくめにサングラス。ネルフ諜報部しか僕には思い浮かばない。
普段姿を見せない彼らがこうして目の前に立っている。
つまりなにかあったということだ。

「残念ながら違う。」

そう聞いたとき、嫌な予感がした。
あきらかに彼らは殺気だっていた。

「じゃああなたたちはなんですか」

僕はそう言ったあと、持っていたカバンを投げつけ
カヲル君とレイに大きな声で声で
「逃げるんだ!!」
と叫んだ












はぁはぁ、
どれだけ走ったんだろう。
レイもカヲル君も行き絶え絶えだ。

「なにものだったんだろうね、シンジ君」

「分からないよ、でも味方ではなかった。」

あいつらの目は
獲物を見つけた時の
ライオンのような目をしていた。
そして殺気がひしひしと感じられた。

するとレイが少し考えて僕たちに言った。

「ネルフの諜報部はどうしたのかしら。
 さすがに私たちを監視している以上
 今の一件を見ていたはず。
 助けがこないということは
 やっぱり彼らはネルフの「諜報部には死んでもらったさ」

慌てて前を見る。
そこにはさっきの男が一人いた。
壁にもたれてへらへらと馬鹿にしたように僕らを見ている。


「レイ!カヲル君!逃げるんだ!早く」


そう言って僕たちは逃げようとした。
しかし、数歩歩いたところで

バン、バン、バン

銃声が聞こえ、









カヲル君が倒れた
瞬時に僕は理解した。
カヲル君は撃たれたんだと。


「カヲル君!?大丈夫!?カヲル君!!」

「だ、だいじょうぶだよシンジく、うっ。」

「カヲルくん!!」
「渚君!」

足を打ち抜かれたカヲル君は苦痛に顔をゆがめた。
足から、おびただしい量の血が流れる。
僕は自分のシャツを破いて傷口を抑えた。
僕とレイは止血しようとした。
しかし、なかなか血がとまらない。
そうしているうちに男たちはやってきた。


「はあ、はあ。てこづらせやがって。」

遅れてやってきた男は悪態をついた。
鼻を抑えているところから見て、
僕が逃げるときに投げたカバンが
あたったんだと思う。

「悪く思うな、すべてはNERVを恨みな。」


そういうと拳銃を二人は構えた。
黒ずくめの2人組みの男は僕に狙いをつけた。



「あばよ」




















「そのあと、
 僕は・・・・
 彼らを殺したんだ。」

シンジの話を私は聞いていた。
しかしおかしい。
さっきの状況ではシンジは何者かに殺されかけていた。
いや、むしろあの後の展開では殺されるはずだ。
なのに生きている。
私はシンジが生きていることがうれしい。
でも、つじつまが合わない。

「ねぇ、シンジ。
 どうすれば拳銃を持った相手に素手で、勝てるの?
 おまけに話を聞く限り、かなりのプロよ。
 そんなやつらにどうやったら勝てんのよ!」

「・・・・・・・」

「ねぇ!本当のことを答えて!なにがあったの?」

「・・本当のことなんだ・・」

「でもなぜそ「アスカ!!」

そうシンジは叫んだ。
今にも泣き出しそうな顔で。

「な、なによ。」

「どんなことがあっても
 僕を嫌いにならないでくれる?」

「当たり前じゃない!」

「じゃあ、見てほしい」








ガシャン

バシュウウウウウゥゥゥゥ・・・


ドゴーーーーン


なにが起こったの。
シンジは右腕を上げたと思ったら
ガチャンと音がして、
それから海面に大きな水柱が立った。
そしてシンジの方を向いたとき絶句した。


シンジの右腕から・・・
いや、右腕だったところが大きな筒に変化していた。
そう、私は理解した。
なぜ、彼の腕に違和感を感じたのか、
なぜ、彼が諜報のプロに勝てたのか、
なぜ、彼がその後を話さなかったか。
そして、シンジの右腕がバズーカ砲になってることに。







「これが、
 僕の、
 過去に戻るときの
 代償なんだ。」






「僕は戻るときに、
 すべてを、時間を操作した責任として
 悪魔に代償を払わされたんだ。」







「本当の両腕は過去に戻るときに
 失ったんだ。
 でも、戻ってみたらこれだったんだ」







「すぐに分かったよ
 自分の手ではないと。
 そして、この両手の使い方も。」








「普段は本物のようになっているけど、
 僕が念じると変形して
 様々な機能を発揮するんだ。
 ただ、武器にしかならないんだ。
 ガトリング砲・・・
 バズーカ砲・・・」































「そして、この手で僕は・・・
 この兵器で・・・
 人を殺したんだ・・・・」













そう言ってシンジは
右のバズーカをさすった。


まだ硝煙を出しているその右腕。






私は何もいえなかった。











次回予告

シンジは何を見るのか
シンジは何を言うのか
シンジは何を思うのか
シンジは何をするのか
シンジは誰を求めるのか
シンジは生きる意志があるのか?
壊れていく心



次回

新世紀EVANGELION MACHINE ARMS

第3話
「あなたと私」



サービス・・できないわね。


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