新世紀EVANGELION MACHINE ARMS


第5話 「SILENT SCHOOL WARS!!」


第7使徒戦後 2日目 通学路


「アスカ〜、待ってよ〜」

「もう、早くしなさいよ〜。
 早く行って入学の手続きをしなくちゃいけないんだから。」

「そんなこと言っても、アスカ走るの速いよー。」

「もう、さっさと来なさいよ〜。置いてくわよ!」

「そんな〜、待ってよー。」

そう、実に和やかな光景だ。
その証拠にアスカはうれしそうに走ってる。
置いてかれそうになっているシンジも
アスカと同じくらいうれしそうに走っている。
これが彼らにとっての本当の日常なのだ。
ほんの些細なこと。
それでもシンジとアスカはその些細なことがうれしいのだ。
そんな様子を見ていた年配のネルフ諜報部の男たちは、

「こんな登下校がいつまでも続けばいいのになー。
 俺たちはいつまであの子達に無理を続けさせなければならないんだ。」

「そうだな。多分使徒が来なくなればこんな登下校がいつまでも続だろうよ。
 使徒が来なくなるまでのそれまでの間、俺たちはあの子達を守り
 その後は、あの子達がずっと笑ってられるようにするのさ。」

すると、聞き手の男が笑い出した。

「・・・そんなにおかしいこと言ったか?」

「いや、違うんだ。
 ただ、お前がそんなまじめなこと言ったの
 俺とパートナー組んでから初めてじゃねえか。」

「そうか?」

「そうだぜ」

諜報部の二人は
少年少女の幸せそうな姿をずっと見ていたいと心から願った。





























学校 シンジの机周辺部

おい、碇!おまえこの間誰か女と一緒にいたって言うじゃねえか?」

「しかも相当の美人だったらしいじゃねえか!
 誰なんだよ!正直に答えやがれ!!」

こんな質問がずぅううっと続いてる。
アスカと職員室まで行った後シンジがこの教室に入ったとたん、
ほのぼのとした教室の雰囲気は一変し、ほとんどの男子が目の色を変えて
シンジに詰め寄ってきた。全員目が血走っており、血管が浮いております。
シンジは自分が何をしたのかわからなくて、おろおろしている。
ちなみにこの情報はジャージ馬鹿とメガネ野郎が発信源である。
こいつらは今、笑いをこらえながらシンジを見ている。
・・・悪魔め・・・

「しかも!昨日は学校をサボってデートしてたらしいじゃねぇか!」

これはマナの情報提供である。メールで回てたようです。
えーと、マナさんは今日はいないようです。
どうやら戦略自衛隊の会議に出席らしいです。

「「「「「「「正直に答えろーーー!」」」」」」

ガラッ

扉を開けて老教師が入ってくる。
慌てて男子たちは自分の席に戻る。

「えー、今日は皆さんに転校生を紹介します。入ってきなさい。」

つかつかとアスカは教室に入ってきて自分の名前を黒板に書いた。

「惣流・アスカ・ラングレーです。よろしく」

そのあとにっこり笑う。
もちろんシンジにである。

「うおおおおおおお」

勘違いした男子の歓声があがる。
自分に気があるとでも思ったのか?

「では・・・
 碇の席の横に座りなさい。
 いろいろ分からないことがあるだろうから
 洞木、よろしく頼むぞ。」

「はい!よろしくね惣流さん。」

「アスカでいいわ。よろしく。」

「私もヒカリでいいわ。碇君の席はこっちよ。」

そう言ってヒカリはアスカを席に連れて行く。
アスカはシンジの横の席に座るとシンジにウィンクした。
シンジもにっこりと笑う。
シンジにアスカを取られたと思い込んでる他の男子はシンジをしめると誓い
女子もアスカをどうにかしようと考えた。





一時間目 歴史(セカンドインパクト?)の授業中


ふぁああ、つまんないわねぇ。
おんなじことばっかりいつもしてない?

・・・そう思います・・・

ん、
メールが来てる。
アタシは何かと思いそれを開けた。

「惣流さんって彼氏いるの?Y/N」

もちろん即答で

「YES」

間髪いれず数十通

「だれだれ、教えてくれよー」
「あたしも知りたいー教えて」
「俺にも教えてよー」
    ・
    ・

など大量にきた。
まあ、黙ってても仕方ないから
全部を選択して返事を書く。

「横の碇シンジよ。」

そして送信ボタンを押した次の瞬間
学校がゆれた。


「「「「「「「「「「「「「「えええええええええええええ!!! 」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

ったくなによこいつら。
見るとクラス全員が立ち上がってる
いや、ヒカリだけ座って驚いてる。
あの馬鹿2人は笑ってるわ。
シンジも何事かと思って目をひん剥いている。

「そ、そ、そのい、碇と・・・」

「そうよ!悪い?」




このあと、
アスカはシンジに抱きつき、自分の恋人と主張して
シンジは真っ赤になって俯き
トウジとケンスケは腹を抱え笑い続け、
ヒカリは「授業中よー!座ってー!」と叫び、
男子はそこらじゅうで泣き叫び、怒り狂っており、
シンジを慕う女子たちはハンカチをかみながら机をバシバシ殴り
老教師は窓の外を眺めながら、







京都の有名なお寺の話をしていた。


チャイムの音もかき消すこの騒ぎは結局3時間目までつづいて、
それから急にシーーーーーーーーーーーーンとなった。











学校 お昼休み 屋上

今ここでアスカとシンジは
仲睦まじくお昼ごはんを食べている。
時々アスカが

「シンジ、あーん」

「あーん」

モグモグ

「おいしい?」

「うん、おいしいよアスカ。
 じゃあ次は僕が、はい、あーん」

「あーん」

モグモグ

「おいしい?」

「もちろんよ、なんたってシンジのお弁当をシンジが食べさせて
 くれるのよ、おいしいに決まってるじゃない。」

といったやり取りがされております。
それを屋上の階段の影から見る男子たちは、はらわたが煮えくり返る
思いで、その光景をみて、シンジへの報復を誓った。











学校 放課後 シンジ報復作戦本部(校内の大会議室)

今ここで男子生徒たちの集会が行われている。生徒会も出席してる。
さまざまな年齢層に分かれているがみな志は同じである。
ざわざわした中、ケンスケが司会を務める。

「静かに!」

シーーン

「これよりシンジ報復作戦について説明します。
 司会進行はこの相田ケンスケが勤めます。
 早速ですが「相田!いいか?」 

三年生の男子が手をあげ立ち上がる。この人は生徒会長だ。
この人が生徒会長になってから生徒会の予算は10倍になったと言う。
聞けば教師たちの裏を握ってるとか。

「なんでこんな集会を開いたんだ?
 ここまでしなくても何とかなるんじゃないか」

うなずく人がちらほら会場に見えます。
その質問に対してケンスケは、

「確かに。普通ならこんなに集まる必要もないでしょう。
 しかし!相手はシンジ!しいて言うならネルフの諜報部に
 われわれはけんかを売ることになるのです!
 はたしてネルフの諜報部にわれわれ素人が勝てるのか?
 100%負けるでしょう。
 そのためには、一致団結し、この作戦を遂行するのみです!!」

「だが、相田、そうなるとこっちが不利じゃないか?
 相手はプロ、いくらなんでも無理があるんじゃないのか?」

もっともです。
諜報部にけんかをうるのはわざわざ死にに行くようなものです。

「ふふふふ、ご心配なく。そのための会議です」

・・・ゲンドウみたいだ・・・

「これをご覧ください!!」

そして部屋の照明は落ち、プロジェクターから映し出された
映像が会議場正面に映し出される。
おおおお、と歓声があがる。

「これはネルフ諜報部のチルドレン護衛のスケジュールです」

・・・なんでお前持ってんだ!・・・
・・・諜報部もしっかり仕事しろ!・・・

「これによれば、来週の水曜日は護衛の引継ぎがあるようです。
 そこを狙って惣流とシンジを連れ去ればいいのです!!」

「ちょっとまて、なんで惣流さんまでつれてくんだ?
 かんけいな「惣流の連れ去りも計画のうちです」

ケンスケが割り込む。

「どういうことだ?」

「実は事前に女子の対アスカグループにこのことを話したところ
 惣流とシンジを引き離し、シンジを引き渡せば協力すると」

これには黙っていられない2年の男子生徒が叫ぶ。

「話が違うぞ!!
 我々は碇に報復をするためにここにいるんだぞ!!」

そんなことを気にしないようにメガネを押し上げるケンスケ。
メガネが光を反射して白く光ってるところがかなり怪しい。

「しかし・・・
 このグループにシンジを引き渡すだけで戦力は倍増・・・
 成功確率もぐんと上がるのですが・・・・
 おまけに惣流の生きた生の体・・・・
 その重要性はかなりのものではないかと・・・・」

その場の全員が妄想しだす。
もし、惣流を手に入れたら・・・ぐふっ
あるものは逝っており、あるものは鼻血を出している。
そんななか、生徒会長は自席に座りゲンドウポーズをした。

「反対する理由はない。存分にやりたまえ。
 しかし、失敗したそのときは・・・」

「分かっております。必ずや成功に導きます。」

「よし、それでは生徒会から予算として
 100万円を支給しよう。」

な、なんと生徒会長自らこの作戦にGOサインを出し、
しかも生徒会の裏金から準備金100万も支給された。
ケンスケは大喜び!

「ありがとうございます!
 早速ですが細かい作戦の方を説明します・・・・・」





結果としてシンジ報復作戦はアスカ誘拐作戦へと変貌をきたし、
さらに会議は夜遅くまで続いた。











それから8日間

シンジとアスカはいつものように生活していた。

しかし計画はケンスケ指揮のもと着々とじゅんびが整えられた。

生徒会はこの計画を全校補完計画と称し
その実行組織としてSTAG(シンジを)を設立した。
            たおし )
            アスカを)
            GET!  )
(ネーミングセンスがないのは許してください)


















そして約束の日

学校 放課後


「こちらA班。配置完了」

「B班も完了。ネルフの諜報部のほうはどうだ」

「C班完了。諜報部は全員いなくなった。本部へ、作戦準備完了しました」

『まて、連絡が入った・・・・・・
 本隊の到着が遅れそうだ。
 自転車の6列走行で補導されてるらしい

「どうしますか」

『・・・・はい、分かりました。
 本隊の到着を待たずに作戦を決行せよとのことだ。
 作戦開始!』

「了解」








同時刻 学校内 1階の廊下


「ねぇ、シンジ〜」

そう言ってアスカは僕の腕にぶら下がってくる。
いつも帰るときはこうやって甘えてくる。
いつもはみんなに見られて恥ずかしいんだけど。
そういや、誰とも合わないなぁ。

そう、あたりは不気味なくらいシーーンとしている。

「ねぇったら!」

「え、なにアスカ」

「聞いてなかったでしょ〜」

「ご、ごめん何だっけ?」

「だから、一年生に貸したCDを返してもらってくるから
 ここで待ってて、っていってんのよ。」

「わ、わかったよ。
 じゃあ、ここで待てるよ。」

「それじゃあ、返してもらってくるわ。
 ちゃんと待っててね。」

そう言ってアスカは廊下を走っていった。
そしてアスカが廊下を曲がったところで、

「ねえ、碇君」

「え、だれ?」

僕は横から声をかけられた。

ガツン








10分後 

学校 1階 保健室

うーん
僕はどうしたんだろう。
アスカと分かれた後不意に声をかけられて、

「目がさめた?碇君。」

「うん、ってうあああああ」

シンジがそこで見たもの。
それは、保険室にすしづめ状態で
女子が入っているなんともいえない窮屈な光景。
そして、かなり危ない雰囲気が漂っていた。
別の意味で・・・・

「碇君大丈夫?」「碇君大丈夫?」
 「碇君大丈夫?」   「碇君大丈夫?」
      「碇君大丈夫?」
  「碇君大丈夫?」    「碇君大丈夫?」
   「碇君大丈夫?」「碇君大丈夫?」

そればっかり聞こえてどんどん僕の周囲は狭くなっていく。
身の危険を感じる・・・・
ヤバイ・・・・

「うああああああああああああ」






学校内 STAG本部 生徒会室

『うあああああああああ』

アタシはそのモニターから目を逸らした。
もう見たくない。

パチン、プツゥーーン

そんな音がしてモニターの電源が切れ、シンジの声も消えた。
くやしかった、シンジがほかの女の物になったかと思うと腹がたって仕方ない。
あの時裏に気をつけていればこんなことには・・・

気がついたときには
モニターなどのたくさんの機械が設置された部屋にいた。
そして相田とその部下と思われるやつらが数人いた。
部下と相田はガス銃を持っていた。
あの相田である。
ガス銃とはいえかなりの威力だろう。
あたれば骨折は間違いない。

「これで、終わりかな」

「相田!あんた何のつもりなの!あたしたちに何の恨みがあるの!」

「恨みなんて何もないよ」

「じゃあ、なんでこんなことするの!」

「そりゃぁもちろん、
 もちろん・・・・
 ・・・・・・・・・・忘れちまった」

ガクッ

「じゃあ、さっさとこの縄を解きなさいよ!」

「それはできない。残念ながらこの作戦が失敗すると
 僕の命にかかわるんでね。生徒会長に君を引き渡すまでは
 おとなしくしていてくれよ。そのあとは知らないけど。
 生徒会長率いる本隊の到着まであと1時間。
 まあ、気長に待とうよ、惣流」

「あ、あんたねぇ」

ピーーー

「どうした?」

相田は何か慌ててる
すると突然モニターに文字が出てきた。
そこには、

『ケンスケ、覚悟しておけ。
 アスカ、今行くよ。
          By シンジ』
   
と書かれていた。
シンジは無事だった。

「シンジ〜。」

「ば、馬鹿な!保健室は女子が守ってたはず。
 しかもギュウギュウ詰めで身動きひとつ取れないはず。
 いったいどうすれば・・・・
 いや、大丈夫だ。
 窓にはガラスの代わりにチタンをはめ込み、
 万が一のときのために廊下には
 強度の高いバリケードが設置してある。
 唯一の扉のかぎはこの僕の持ってるかぎと
 なかのかぎが両方刺されたときだけ開く仕組みだ。
 ぜったいに逃げることは、
 


ドガーーン


いきなり校舎がゆれ出した。
アタシは必死に窓のそばに向かう。
保健室の廊下あたりから煙が出ている。
相田の顔を見てみた。
口を開けっ放しで顔面が青くなってる。

「ば、ばかな・・・
 あのバリケードは・・・・
 ダイナマイトでも壊れないはずだぞ・・・・
 シンジのやつ・・・・
 な、なにを持ってたんだ・・・」

アタシは信じる。
シンジはきっときてくれる。


本隊到着まであと1時間










学校 保健室前 廊下


げほげほげほ
ちょっと出力を出しすぎたかな?

シンジは右腕のレールガンを見る。

シンジはあの後、見えないように腕から催眠ガスを放出して事なきを得た。
さらに便利なことにこのガス、シンジには効かなかった。
おかげでシンジは眠って倒れた女子たちの上を進んでいた。
やっと外に出たシンジは見張りの女子にすべてを白状させ、行動に出た。
もちろん腕は元に戻して問い詰めていた。
まず見張りの女子を眠らし保健室に入れておいた後
保健室の端末からケンスケの場所を探し出し、死刑宣告を出した。
そして、廊下にある変な仕切りを壊そうとしたが
ガトリングでも、ハンマーでも壊れなかった。
さすがにバズーカ砲は爆風があるので使用はしなかった。
そこでシンジはレールガンを使ってみた。
どのくらいの出力を出してもいいのか分からなかったから
とりあえず10%で撃ってみたところ、バリケードは粉々になった。

(100%だったらどうなるのかなぁ)

・・・・・・さて、シンジのいるところからケンスケのいる生徒会室までは
最短ルートでは
1、本館 保健室
2、本館 1階廊下
3、本館 2階への階段
4、本館から別館への廊下
5、別館 2階廊下
6、別館 3、4階への階段
7、別館 4階廊下
8、別館 5階への階段
9、別館 生徒会室
となっております。
(よくシンジの学校の構造が分からないですが本SSではこうしちゃいます)
とにかくアスカの元へ向かうシンジ。







2、本館 1階廊下

シンジは要注意しながら進む。右手をガトリングにして
(ケンスケが相手なんだ。油断はできないなあ)
そう考えて進むシンジ


しばらく進むと、
通り過ぎた教室から3人組みの男子生徒が出てきました。
シンジの裏をつけて、スタンガンを構えます。

が、3人の目に入ったのは・・・・
ガトリング砲・・・・
3人は自分の持ってるスタンガンとシンジのガトリングを見比べる。
3人ともシンジの腕がガトリング砲であるという事実より、
シンジがガトリング砲を所持していることで頭はいっぱいのようです。

「「「碇ー!俺たちが悪かったー!」」」

「うぁ!」

いきなり裏から謝られたら誰でもびっくりします。
慌てて振り返るとそこにはシンジの知らない男子生徒が
3人でなかよく土下座していました。

「・・・・みたな・・・」

「命だけは・・・お助けを・・」

「顔をあげてよ」

許してもらえたと思い生きる喜びをかみ締める3人がみたのは
赤く光ってるシンジの左手だった。

「ごめん、今のは忘れて」

ドシュン

そんな音がして3人はゆっくり倒れる。
べつに死んでいるわけではない。気絶してるだけだ。
シンジは左手を見ながら、

「・・・記憶を消すって便利だなぁ・・・」

そう言ってシンジはアスカのもとへ向かう




本隊の到着まで のこり 55分






3、本館 2階への階段


「きたみたいだぞ」

20人ほどの男子生徒は階段でケンスケ印のガス銃を構える。
あたれば骨折は確実な代物である。

そして、シンジの普通の右腕が廊下から見えた。
いや、右腕だけ意図的にだしてる。

「撃てーーー」
パシュン
パシュン
パシュンパシュンパシュンパシュンパシュン
パシュン
パシュンパシュン
パシュン
パシュンパシュン
パシュンパシュン
パシュンパシュン
パシュン
パシュン
パシュン

破壊力抜群のケンスケ印のガス銃は
シンジの腕にあたるとキンと音がして跳ね返る
本物と瓜二つでも機械には変わりない。

そして跳ね返った弾が男子にあたる。
うぎゃああ、碇にやられた。
と勘違いをしています。
それに反応してみんなシンジの右手を攻撃する。
しかし次々と兆弾していく。

そして、全員骨折をしてうずくまってる横を

「あとで救急車呼ぶからね」

と言ってシンジは通っていく。


本隊到着まで あと45分






学校 STAG本部 生徒会室



ここでは相田が怒り狂ってた。

「なんでなんだ!!」

「シンジのやつ何か秘密兵器でも持ってんのか?
 いや、そんなはずはない。俺があいつの身体検査をしたんだ。
 見逃すはずない!くそ、なにをもってたんだ!」

その相田の言葉がアタシは怖かった。
シンジの右腕のことがばれたら・・・

『相田!相田!聞こえるか!
 こちらSポイント!どうぞ!!』

「どうしたんだ、シンジを早く狙えよ。」

『そんなことより大変だ!
 碇のやつ、ガトリング砲を持ってやがる!』

「なんだ、そんなことか。
 俺はてっきりシンジがガトリング砲でも
 ガ、ガトリング砲!!!

私と相田は青ざめている。
私はついに知られたと思って。
相田はシンジの装備に驚いて。

『ああ、よく見えないが、あれは間違いない。
 漫画でよく見るガトリング砲だ。先端が少し見える。
 膝から上は見えない。どうする?どこ狙う?』

「よし、足だ。一発でしとめろ。
 せめて足止めだけでもしろ。」

『りょうか
 ザーーーーーーーーー』

「おい!どうした!くそ!」

そういって相田はなにやら3台のパソコンの前に移動する。
どうやらシンジのことはばれてないみたいだ。
ほっと胸をなでおろす。

「このスーパーコンピューターMAGIでセットした機銃を
 撃ってやる!」

スーパーコンピューターMAGI?
なにをそう言ってるのか気になって見てみて、
アタシは爆笑した。

そのMAGIは、3台の











旧式のパソコンをつないだものだった。おそらくセカンドインパクト前のものだ。
3つのCPU足しても200メガヘルツいってないだろう。絶対。
(あはははははは、こんなのMAGIじゃないわよ。
 MAGIじゃなくてSAGI。
 ローコンピューターSAGI。
 リツコが聞いたら爆笑するわね
 SAGI、SAGI、あはははははは)

相田にきずかれないように笑ってたつもりだがしっかり聞こえてたみたいだった。

「ばかにするなよ!このMAGIさえあれば・・・・
 あれ?・・・・・」

ENTERを連打する相田。
止まったらしい。
もうだめ、限界!

「だははははははははは」

「笑うなー!!」





本隊到着まであと40分







5、別館 2階廊下


「くそ、なんとしても食い止めるんだ」

パシュンパシュン
パパパパパパパパパパパパシュン
パシュンパシュンパシュンパシュンパシュン
パパパパパパパパパパパパシュン
パシュンパシュンパシュンパシュンパシュン
パパパパパパパパパパパパシュン
パシュンパシュンパシュン
パパパパパパパパパパパパシュン
パシュン
パパパパパパパパパパパパシュン
パシュ
パパパパパパパパパパパパシュン
パシュン


30人位の男子たちは電動ガンまで持ち出して
シンジを止めようとする。

シンジも教室からたまにガトリングで応戦するものの
嵐のような弾丸は一向に弱まる気配がない。

「碇ー!もう降参しろー!
 もう惣流さんに近づかないと俺たちに誓えー!」

「嫌だ!絶対にあきらめない!アスカは僕の大事な
 恋人だー!死んでもあきらめるものかー!」

「そう言ってられるのもあとわずかだー!
 あと35分後には本隊が到着する。
 そうすれば惣流さんは・・・うへへへへへ
 俺たちの思うがままよ!!


これにはシンジも切れた。
下品な笑い方からシンジは想像してしまった。
アスカが僕以外の男にピーーーーーーーー
(放送規制が入ります。すみません)
されてピーーーーーー
されてピーーーーーー
させられるなんて・・・・・

おもむろに右腕が変形します。

レールガンに・・・・・・
出力は20%くらいでしょう。

「うわっはっはー
 碇ー、残念だったなー
 惣流さんは俺たちが


ズゴーーーン


パラパラパラ


ダッシュで階段へと向かうシンジ。
いつものやさしさなどそこにはない。




少し前

6、別館 3、4階への階段


意外と手間取るなー。

と、どっかで聞いたセリフをはく中3の男子生徒。
知ってか知らずかこんな受け答えが、

「我々の作戦に楽なところはありませんよ」

「そうだな、本館のほうはどうなんだ?」

「碇が通ったところは全滅です。」

「別館の部隊は?」

「被害は報告されていません。
 相田の方も2号作戦を展開するようです。」

「そうか、結局本部も捨てることとなるのか・・」

急に下のほうから爆音が聞こえる。
それに伴い校舎がゆれる。

「わっとっと、なんだ!!」

「したのほうからのようで


ドカーーン


パラパラ


タッタッタッタ
グシャ、
「はう!」

シンジに踏まれたようだ。

タッタッタッタ・・・

「我々の出番はこれで・・
 お・・わ・・り・・か・・」

ガクッ




このように4階廊下、5階への階段を突破したシンジ。

本隊の到着まで あと30分


最終目的地 生徒会室前


生徒会室の前には気絶した(記憶を少々消された?)
大量の男子生徒と鬼の形相のシンジが立っていた。

「・・・アスカ」

そうつぶやいたシンジは両腕を元に戻して生徒会室の扉を
あけようとする。

「ケンスケ!覚悟しろ!」

ガラッ

生徒会室の引き戸をあける。

そこで僕が見たものは・・・・

様々な機械、
大量のモニター
その中のひとつに

『ざんねんだったなシンジ』

という文字を見つける。
ケンスケに逃げられた・・・・

ピッピッピッピッピッピ

変な電信音が聞こえてきた。
それは机の真ん中においてあった。
なにやら紙でできた赤いつつが1本置いてあり
上のほうからコードが延び、
伸びた先の機械に03秒と表示されていた。

そんな・・・
ダイナマイト・・

02秒・・・・

僕は左手をワイヤーフックに変えながら
窓のそばに走っていった。

01秒・・・・

天井に打ち込み急いで窓から飛び降りる。

00秒・・・・

生徒会室を中心に爆発がおこる・・・・





学校 グランド

「シンジー!」

生徒会室から大きな爆発がおこる。
シンジはいなくなったの?・・・・・
アタシはその場に座り込む・・・・

「おい、相田、大丈夫なのか?生徒会室ふっ飛ばしても・・・」

「大丈夫だ、例えシンジがいても気絶するくらいの火薬しかない。」

「それならいいんだが・・・・」

ははは、アタシってこれからどうすればいいの・・・・
エヴァ・・・・・べつにいらない・・・・
シンジ・・・・・・あいつさえいればよかった・・・・

パン、パン、パン

本物の銃声が聞こえる・・・・
え、シンジ?・・・・シンジなの?
アタシは振り返る。
そこには諜報部の2人と、加持さんとミサトがいた。




説明しよう。
シンジの保健室でのレールガンがバリケードを吹っ飛ばしたときの爆発音を
朝の諜報部の2人が帰宅途中(もう引継ぎは終わった)
偶然聞きつけミサトと加持に連絡をしたところ

「わたしたちが行くまで何もしないで!!」

とのことでしぶしぶ二人が到着するのを待った。
ミサトはおそらくシンジがらみであると判断し極力シンジのことを隠しておきたかった。
そして、4人で学校に突入したときグランドに集まってきたケンスケを見つけたのである。
そのなかに縛られたアスカの姿があったため威嚇発砲をしながら接近したしだいである。





「おとなしくしろ!ネルフ諜報部の者だ!」

相田を含め全員が手をあげて投降する。

「アスカ、大丈夫?」

「ミサト・・・・
 う、シンジが・・・・・」

「シンジ君がどうしたの!?」

アタシは爆発した生徒会室を指差した・・・・

「シンジはアタシを助けようと
 あそこまで来て・・・・・・・
 う、うああああああ「アスカー!」

泣き始めたころ
あたしが一番聞きたかった声が聞こえた。
シンジが走ってきた・・・・・・無事だ!
少し砂まみれだがシンジは元気だ!

「シ、シンジー!」

「アスカ!」

アタシはシンジの胸に飛び込む。

「アスカ!ごめん。
 おくれてしま、ん!」

アタシはシンジにその続きを言わせなかった。
シンジの口を塞いでしまったからだ。
シンジも私の腰に手をまわして抱きしめた。
私とシンジはいつまでもいつまでもそうしていた。


















その後、家に帰るとミサトに散々からかわれた。

「あんなに長いこと普通はできないわよ〜。」

余計なお世話よ!
本隊と称された部隊は結局来なかった。どこに行ったのやら。
シンジの意向で相田たちは釈放された。
アタシとしてはネルフに閉じ込めておくかリツコの実験室に送ってやりたかった。

「ケンスケ・・・・・
 もう一度やったら・・・
 次はないからな・・・・・」

相田が釈放されるときシンジはそう言ってた。
相田は

「すまなかった。」

と心から誤りシンジと相田はまた前のように仲良くなった。
あれからアタシとシンジの靴いれにはラブレターは来なくなった。
また、しばらくは学校が休校になるみたいだ。
とてもじゃないが授業ができないといことらしい。
校長が全校集会でそのことを言ってるときシンジは居心地が悪そうだった。
もう、そんなこと気にすることでもないのに・・・
あとでちゃんと言ってあげないとね。







































学校 某所 放課後

一人の男が会議室に現れる。
男女数十名の姿がその会議場にはあった。
そしてその男は会議を始めた。





「それではSTAG第5回目の会議を始めます」





司会はケンスケではなく・・・
生徒会長だった。

(所詮相田は俺の手のひらの上で踊ってたにすぎないのさ。
 相田がこの計画を立てたおかげで全責任は相田が負い
 俺はこの計画を引き継ぐだけという当初の予定通り
 さらに、STAGは生徒会直下の組織となる。
 相田の残した大量の武器・・・
 設備・・・
 すべては生徒会の、STAGのものになった・・・・
 碇・・・・つぎは覚えていろ・・・・
 惣流さんは俺にこそふさわしいのだ・・・・)

どうやらアスカをめぐる戦いは近いうちに
再び勃発しそうだ。












次回予告


なんだかんだで学校が休校になった。
そんな中ついにやってきた第8使徒。
イスラフェルをものの見事にたおすシンジとアスカ。
リツコは過去のミサトのように疑いの目を向ける。
そんな中、ミサトはリツコを仲間にしようと子供たちに持ちかける。
了解する子供たち。
使徒戦の次の日、
カヲルは退院してレイとカヲルは葛城家の新たな家族となる。
そして、その日の夕食にリツコは呼ばれた。

リツコはいったいどうするのか。




次回

新世紀EVANGELION MACHINE ARMS

第6話
「心の方程式」

さーて次もスゥヮビス、サービスゥ!


ーーーーーーーーーーーーあとがきーーーーーーーーーーーーー

この話、最初は外伝で考えていました。
でもこの話が本編に来ないとシンジ君の両腕をギャグのときに
使えないことに気づき、急遽本編用に改造しました。
まあ、最初の方と設定は少々変わりましたが、よしとしましょう(笑)
さて、大変長らくお待たせしました。
次回からはレイとカヲルが出てきます。
いつ出そうかと悩んでおりました。
カヲル君が怪我してるためどこでも出せるわけでもないので。

それで次なんですが、
リツコもこのSSの最初のミサト同様に疑いの目を子供たちに向けております。
ただ、今度は拳銃を使うことはないと思います。
なので、次回はそこまで痛いものではないでしょう。
むしろ温かい方向に運ぼうと思います。
これ以上しゃべると次回を教えることとなりそうなので
今回はこの辺でさよなら〜。

P・S

毎度のことですが作者のやる気を起こさせてくれる皆さん!

「ありがとうございます!」

では!


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