シンジには理解できなかった。
いや、理解はしても、今目の前で繰り広げられる現実を認められなかった。
そして認めたくなかった。

目の前には自分が敵として追い求めた闇の使徒の総統がいる。
しかしそれを守るように、その総統に殺された筈の両親が立ちはだかっている。

いや、両親だけではない。
シンジの故郷であるカオスの町の住人全ての魂が、シンジの行く手を阻んでいるのである。

(何故だ・・・。何故なんだ。何故僕を攻撃するんだ。僕が間違っていたとでも言うのか。
 教えてよ・・・。教えてくれよ、父さん、母さん!!)

皆の無念を晴らし、敵を討ちたくて闇の使徒を追ってきた。
この十年、復讐の為だけに生きてきた。
そのためならば命などいらないとさえ思っていた。

その決意を、その思いを、今までの十年を、全てを否定されたに等しかった。
シンジは復讐を誓った時以来、初めて混乱していた。

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八翼の堕天使
ー第弐拾弐話 人にあらざる者ー
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シンジの混乱はかなりの物だった。
自分が今何をすべきか。この事態にどうやって対処すべきか。
何を考えようとしても思考が働かず、考えがまとまらない。
それ程にシンジが受けたショックは大きかった。

オシリスに操られているのだと言ってしまえばそれまでである。
しかしそれがわかっていても、シンジにはどうすればいいのか思いつかなかった。

死霊術師が骸骨兵や霊魂を操るのは、召喚術師が召喚獣を使役するのと同じで、
術者に逆らう事は決して出来ない。

ましてや霊魂には、召喚獣のように意志があるわけではない。
言ってしまえば完全な操り人形である。

正確には霊魂にも意志がある。
しかしそれは支配された時に封印され、支配から解き放たれない限りその意志が復活する事は無い。

この状況ならば、オシリスを先に討てばいいと言う考え方もあるが、それは通常ならばの話である。
今操られているのは、最強の刀剣術士である碇ゲンドウと、
最強の魔術師である碇ユイの魂なのである。
例え霊魂になろうとも、その戦闘能力は生前の物を維持している。

更に問題なのは、カオスの町の住人全ての魂も支配されている事である。
カオスの町の人間は一部を除いて全員がマリュウドだったのだ。
しかもかなりの腕前である。

この状態を切り抜けて、オシリスのみを狙う。
それはまさに不可能な行為であった。

シンジにはそのことがわかっていた。
しかしわかっているからこそ、対処の方法が思いつかなかった。

いや、対処の仕方は最初からわかっていた。
なぜなら対処の方法はたった一つしかない。
しかしその選択はシンジにはつらく、酷な物だった。

その間にも、カオスの町の住人の霊魂はシンジに攻撃をしていく。
ゲンドウとユイの霊魂は、オシリスを守るように控えていて、シンジに攻撃を仕掛けてこない。

その攻撃をシンジは無抵抗に受け続ける。
シンジの中にある迷いが、その行動を妨げているのだ。

シンジはその防御力の為、傷つく事は無いが、それは表面上の事である。
その一撃一撃は確実にシンジにダメージを与えているであろう。
そして何より、その攻撃はシンジの心を確実に傷つけている。

その光景を見つめながら、オシリスは話し始めた。

オシリス:「十年前のあの時、俺はこの者達を殺した。
      その時この者達の中には少なからぬ悔恨の念があった。
      俺はそれを利用している。」

信じられないような光景を前にして、言葉をしなっていたメンバーがその言葉に反応する。

ミサト:「それはどういうこと?」

その言葉に、オシリスは笑みを絶やさずに答える。

オシリス:「悔恨の念があれば、この世に魂が残りやすくなる。その魂は無防備だ。
      結果的にその魂は支配しやすくなる。
      俺はこいつらを殺している際に、既に支配し始めていたのさ。」

オシリスの言葉を聞き、メンバーはその表情を変える。
その表情には明らかに怒りの感情が伺える。
そんな中、アスカは静かに自分の胸当てにある赤眼石に手を伸ばす。

(もう我慢できない・・・。赤眼竜の力をもう一度・・・。)

アスカは今一度竜騎士の力を解放しようとする。
しかしそれをレイが肩を掴んで止めた。

レイ:「やめなさいアスカ。今のあなたがあの力を使ったら、命すらも危ないわ。」

アスカ:「止めないでレイ!このままじゃシンジが・・・。シンジが死んじゃう!!」

アスカは頭を振って、レイの手を払い除けようとする。
そんなアスカを、レイは強い口調で諌める。

レイ:「彼の事を、碇君の事を思うなら尚更よ。
    あなたが命を危険に曝す事を、碇君が快く思うと思うの?
    例えあなたが良しとしても、彼は自分の為にあなたが傷つく事を、自分自身を許さないわ。
    何より、今加勢をする事は、碇君の両親に斬りかかると言う事よ。」

その言葉に、アスカはその動きを止める。
そしてシンジに目を向けた後、ゆっくりとレイを振り返る。
その蒼い瞳からは涙が溢れていた。
そんなアスカを、レイは優しく励ます。

レイ:「・・・大丈夫よアスカ。碇君を信じてあげて。彼を信じるように言ったのはあなたなのよ?」

レイの言葉に、アスカはうなずくと、再びシンジの方に目を向ける。
そんなアスカの胸中が、レイには痛いほどわかった。

人を好きになった時から、その心には多少なりとも常に不安がよぎる。
好きになった人を信じている一方で、不安でたまらない気持ちになる。

自分でもその思いが矛盾している事がわかっている。
しかしそれでも、その思いが変わる事はない。
人を好きになると言う事は、不安と戦う事なのかもしれない。

カヲルの事を好きになってから、レイはそう考えるようになった。
人を好きになったからこそ、今のアスカの思いが理解できた。

不謹慎だとは思いながら、アスカの力になれて、レイは少しだけ嬉しかった。
アスカはずっと、自分を支えていてくれたから。

そんなやり取りになど興味の無いオシリスは、無抵抗に攻撃を受け続けるシンジに向って言い放つ。

オシリス:「あんなに小さかったガキが敵討ちなんて誓い。涙が出るぜ。
      さあ、尊敬していた両親と、親しかった町の者達の魂に殺され、
      こいつらのいる世界に行くがいい。俺が支配してやるからよ。」

そこまで言って、高笑いをする。
卑劣な事この上ない。本物の外道である。

その言葉はメンバーの怒りを一層に強めた。
しかし相手は腕利きのマリュウドとして知られる、カオスの町の住人の魂である。
万全の状態ならばまだしも、今の疲労困憊の常態では勝負にならないであろう。
ましてや最強と謳われた二人がいるのである。
手出しできる状況ではなかった。

しかしここに来て、我慢の限界を超えた者がいた。
その者にとって、先程の言葉は決して許せる物ではなかった。

その者は、驚異的な跳躍力を持って、司令席にいるオシリスに、背後から襲い掛かった。

バル:「主、愚弄する。俺、許さない!!」

バルディエルにとって、自分が主と崇めるシンジを愚弄されることは、
自分を愚弄される事よりも怒りに燃える物だったのだ。

オシリスに迫る、バルディエルの爪。
しかしその攻撃は飛来した魔術によって妨げられた。

バル:「グアッ!」

魔術によって吹き飛ばされたバルディエルは、何とか体勢を整えて着地する。
そして着地と同時に自分の攻撃を阻止した者に目を向ける。
その視線の先には黒髪の女性が立っていた。

バル:「主の・・・、母親。手出し、できぬ。」

バルディエルはシンジの意志に叛いてオシリスに攻撃を仕掛けた。
それだけでもバルディエルにしてみれば心苦しい物がある。
その上で更にユイにまで手出しをする訳には行かなかった。

バルディエルは悔しさを紛らわせるように、床に爪を突き刺した。
彼もまた、アスカ同様に力になれぬ事が悔しかったのだ。
しかしバルディエルは何かに気付いたように顔を上げる。

バル:「ならば、こうする。」

バルディエルは一気に跳躍すると、シンジの前に降り立つ。
そして両腕を広げてシンジの前に立つ。

バル:「俺、せめて、主、盾と、なる。」

バルディエルは町の住人達の魂の攻撃からシンジを庇うように受ける。
何もせずにいられない。シンジの為に何かをしたい。
その思いがバルディエルを動かしていた。

その様子を見たオシリスは、再びシンジに向って言い放つ。

オシリス:「死霊術師である俺には聞こえてくるぞ。苦しい、眠らせてくれと言う声がな。
      おまえの為に呼び起こされている。おまえが生き残り、攻撃を仕掛けて来たからだ。
      こいつらが苦しんでいるのも、その魔獣が苦しむのもおまえの所為なんだよ。」

その言葉は、無抵抗に攻撃を受け続けるシンジの耳に届く。
シンジはその言葉に反応を示した。

シンジ:「僕の・・・所為・・・?」

それと同時に、シンジは自分に問い掛けはじめる。
多少の混乱を起こしていたシンジの思考が、再び冷静に働き始めた。

(僕の所為で・・・みんなの魂が・・・バルディエルが・・・苦しんでる。)

(僕の・・・所為で?)

(僕が死ねば・・・みんなは・・・苦しまないの?)

(オシリスを殺し・・・復讐を果たすには・・・誓いを果たすには・・・、
 みんなの魂を斬るしかない。)

(でも・・・僕は・・・みんなの魂を斬れるの?)

(僕が復讐を誓ったのは・・・この人達の為なのに・・・。)

(みんなの無念を・・・晴らす為なのに・・・その人達の魂を・・・僕は・・・斬るの?)

(みんなを斬る。それが・・・僕に・・・できるの?)

(僕が死ねば・・・みんなは解放・・・されるの?)

(僕が死ねば・・・)

そこまで考えた時、シンジの中である言葉が蘇る。

『生きていこうと思えば、どこだって天国になる筈だから。
 だから・・・、だから強く生きなさい、私達の分も。希望を捨てないで・・・、絶望にくじけずに!』

それは、シンジの母、碇ユイが残した遺言とも言える言葉。
その言葉を思い出したとき、町の住人達が死ぬ光景が脳裏に浮かぶ。
死ぬ間際、彼等は自分が死ぬ事を望んでいたのか?

(・・・違う。・・・違う。・・・違う!!」

最後の言葉は、シンジの口から漏れ出していた。
しかしその言葉は攻撃の音によって掻き消され、オシリスや、アスカ達に聞こえる事はなかった。

(違う。父さんや母さんは・・・、町のみんなは・・・、僕が死ぬ事を望んでいなかった。
 僕に生きろと言っていた。強く生きていけと言っていた。今ここで死ぬ事は、間違っている。)

(バルディエルだってそうだ。何の為に僕の代わりに攻撃を受けてくれているんだ。
 僕を守ろうとしてくれているんじゃないか。)

(今ここで死ぬ事は、みんなの意志を無駄にする事だ。みんなを裏切る事だ。
 そして・・・自らの誓いを破る事だ。・・・ここでは・・・死ねない。)

(でも・・・僕に・・・斬れるのか?みんなの・・・父さんと母さんの魂を・・・)

(それを行えば人とはいえないかもしれない。・・・人?僕は・・・人?
 復讐の誓いの為に、みんなに刃を向ける。そんな僕が・・・人といえるの?)

そこまで思考が言った時、シンジの中で何かが咆哮を上げた。
それを聞いた時、シンジは覚悟を決める。

バルディエルは魂の攻撃に耐えられす、後方に吹き飛ばされる。
しかしすぐに立ち上がり、シンジの元に行こうとした時、そのシンジが動いた。

シンジ:「オオオオオォォォォオオオ!!」

無抵抗だったシンジが突然雄叫びを上げた。
それと同時に、シンジの周囲の闘気が爆発的に放射され、攻撃を仕掛けていた魂を吹き飛ばした。

シンジは右腕を横に広げてバルディエルの動きを制する。
それをみたバルディエルは、これ以上いては邪魔になると判断し、アスカ達の方に向う。

シンジは俯いていた顔をあげ、剣をオシリスに向けて言い放つ。
その黒い瞳には、強い決意の光が宿っていた。

シンジ:「みんなが苦しんでいるのは確かに僕の所為もあるかもしれない。
     しかしみんなの魂を支配し、強制的に操る貴様にそんな事を言う資格は無い。
     父さんも、母さんも、町のみんなも、僕を生かすために死んでいった。
     今ここで死ぬのは、その思いを無駄にし、裏切る事だ。
     だから僕は・・・貴様を斬り、皆の無念を晴らし、復讐を果たす。」

そのシンジの気迫に、オシリスは一瞬気圧されたが、すぐに言い返した。

オシリス:「それがどういう意味かわかっていっているのか?
      それはつまりここにいる魂達を全て切り倒すと言う事だぞ?」

その言葉は、できるものか、と多寡を括っている部分が多分にあった。
しかしその思いは次のシンジの言葉で打ち砕かれる。

シンジ:「無論そんな事は承知の上。これより行う行為を否定する者もいるだろう。
     しかしそんな事は関係ない。」

シンジはそこで区切ると、深く深呼吸をすると、再び話し始めた。

シンジ:「十年前のあの時、僕は全てを失った。
     そして三年前、神龍皇と闘い、その力を受け入れた時、僕は人としての肉体を捨てた。
     それでも僕は、心だけは人でありたかった。人であろうとした。
     でも・・・、今の僕にはそんな事はどうでも良い。」

その言葉を聞いた時、アスカ達は信じられなかった。
蛇神の森の闘いで、あれほどに人である事にこだわっていたシンジが、その思いを自ら否定したからだ。

シンジは更に続ける。

シンジ:「復讐の為にみんなの魂を斬る。そんな僕が人といえる筈が無い・・・。」

シンジは寂しそうにそう言うと、暫しの間瞑目する。
しかし次にその瞳を見開いた時、シンジの決意は更に強固な物となっていた。

シンジ:「我は龍!我は鬼神!我は復讐鬼!!我は人にあらざる者!!
     我行くは修羅の道。みなの魂、この碇シンジが斬る!!」

シンジはそう言い切ると、町の住人達の魂の群れへと、ルシファーを構えて切り込んでいく。
それに対して、住人達の魂が攻撃を仕掛けてくる。
その時シンジは小さく、こう呟いた。

シンジ:「・・・ごめん。」

そしてシンジはひたすらにルシファーを振るった。
ルシファーを振るう度に、確実に魂を捕らえ、切り裂いていく。

シンジは八翼を収納し、第三眼を閉じていた。
シンジは本来の姿で相手をする事を選んだのだ。

自分の故郷の町の住人の魂を切り払う。
それはシンジにとって、自らの魂を傷つける行為に他ならない。
一つの魂を切り払う度に、シンジは胸痛むのを感じていた。
しかしその動きが鈍り、その意志が揺らぐことは決してない。

自らが切り払い、自らを傷つける事。
それだけが、贖罪だと思って。

いや、贖罪だとも思っていなかった。
この痛みが、自分のなしている事。自分の罪業なのだと。そう思っていた。

シンジはその目から、赤き血の涙を流しながら、ルシファーを振るっていた。

オシリス:「魔術師の魂たちよ。あいつらを撃て!」

その光景を見たオシリスは、魂達に命令を与える。
その攻撃目標はアスカ達だった。

命令を受けた魔術師の魂達は、アスカ達に向って無数の魔術を放つ。
疲労していたアスカ達は、防御する事もままならない。

しかし魔術が直撃する寸前、アスカ達の視界が遮られた。
再び八翼を広げたシンジが、アスカ達と魔術の間に割って入ってのである。

アスカ:「シンジ!!」

シンジに吸い込まれるように直撃する魔術。
オシリスはこの事も考えて攻撃させたのだ。

しかしオシリスの目論見も外れる事となる。
濛々と立ち込める爆煙を吹き払い、無傷のシンジが現れた為である。
それを見たアスカ達は安堵し、胸を撫で下ろした。

シンジは魔術を受けた自分の体を見た後、魂達にこう言い放った。

シンジ:「そうだ。もっと攻撃して来い。感じる痛みだけが、今の僕を癒してくれる。」

そう言うと、シンジは再び翼を収納して切り込む。
その後姿を、アスカ達は見つめる事しか出来なかった。

それから暫くして、シンジの動きが止まる。
周囲にいた住人の魂達は、もう一つも残ってはいない。

シンジは最後に残った二人、ゲンドウとユイを見つめて口を開いた。

シンジ:「父さん・・・母さん・・・いざ、勝負。」

そう言って、シンジはルシファーを構える。
それに応えるようにゲンドウも剣を構え、ユイの周囲に魔力の光が輝き始める。

シンジとゲンドウは同時に動いた。
そして剣を一度合わせると、再び離れる。

しかしゲンドウが使っている剣はごく普通の剣と同じものである。
所詮シンジの振るっているルシファーの相手ができる剣ではない。
ゲンドウの剣の刀身は、粉々に砕け散る。

シンジ:「すまない、ルシファー。ただ、せめてこうさせてくれ。このままでは、僕も納得できない。
     ルシファーよ、別れろ。」

それを見ていたシンジは、何を思ったのかルシファーを二つに別け、ルシフェルとサタンの状態に戻す。
そしてあろうことかルシフェルをゲンドウに向って放り投げる。

シンジ:「それを抜いて使われよ。生前あなたが使っていた時よりも強力だが、
     あなたなら扱えるだろう。」

そう言ってシンジはサタンを構えなおす。
ゲンドウはシンジの言葉に従い、ルシフェルを拾い上げると構える。
次の攻撃はゲンドウが先に動いた。

ゲンドウ:「剣竜拳武術・六獣牙刃斬」

ゲンドウは六発の斬撃を繰り出してシンジに切りかかる。
それを見て、シンジも技を繰り出す。

シンジ:「ならばこちらは、龍牙剣術流・九龍!!」

シンジの九つの斬撃は、ゲンドウの斬撃を全て受け止め、残りの三撃がゲンドウに襲い掛かる。
しかしその斬撃は、ユイの放った魔術によって弾かれる。
それを受け、シンジは再び間合いを取る。

シンジ:「父さんの剣術と、母さんの魔術の連携か。これはきついな。」

そう言うとシンジは苦笑いをする。
自分の感じている感覚は、つらさなど感じていないのがわかったからだ。
シンジは再びサタンを構え、ゲンドウに斬りかかる。

それから暫くの間、シンジとゲンドウは切結びつづけた。
その間、剣をあわせる事百数十合。
そしてシンジは切結びながら、絶妙のタイミングで飛来するユイの魔術も全て相殺している。
シンジの表情にはほんの少し、笑みが浮かんでいた。

それは強者と戦える喜びか?
それとも、尊敬する父と剣をあわせられる事に対する喜びか?
おそらくはその両方なのだろう。

しかしその勝負にも終わりが見え始めた。
ゲンドウが剣に闘気を集中し始めたのだ。

その後方ではユイも魔力を高め始める。
ユイの高めた魔力はゲンドウの持つルシフェルに流れ込んでいく。

元は同じ流派を使っていたシンジには、それが意味する事がわかっていた。

シンジ:「剣竜拳武術最強究極技・天地陰陽・対消滅両断剣。
     しかも母さんの魔力を受けて通常の威力の比ではない・・・か。」

確かにシンジの言う通り、ゲンドウの元に凄まじい力が集中している。
その光景を見て、シンジは深く溜息をついた。
それは即ち、それを超える魔力を有する技を繰り出さねばならないと言う事を意味していたからだ。

シンジ:「・・・やるしか・・・ないね。」

そう言ってシンジはサタンを上段に構え、集中し始める。

シンジ:【万能にして全ての魔法の根源たるマナよ、我が力を受け、無数の刃を生み出さん。
     我が闘気で生まれし刀身はその刃を纏わん。】

シンジはその場で自分を中心に剣を振るう。
その一撃一撃が龍牙無限斬の小規模版と言ってもいいものらしく、振るう度に無数の斬撃が出ている。
そして生み出された斬撃は、シンジの魔力を吸収し、魔力の刃となってその場にとどまる。

無数の斬撃を生み出すと、シンジは再び上段に構え、今度は刀身に力を注ぎ込む。
すると、サタンの黒い刀身から、シンジの闘気の刃が伸びる。
そしてとどまっていた無数の斬撃は、シンジが再び上段に構えなおしたのと同時に、
サタンの黒い刀身に吸い込まれていく。

最終的には、無数の刃を纏った巨大な剣となっていた。

シンジ:「竜牙剣術一刀流・最大最強究極奥義・龍牙無限破断剣!!」

シンジは技の完成と共に仕掛けた。
強大な魔力の剣を、右手で肩に担ぐように構えて突進する。
それに対して、ゲンドウは上段に構えていたのを、シンジの動きに合わせて振り下ろす。
シンジはその攻撃に対し、片腕で剣を振るってぶつける。

双方共に巨大にして強大な魔力を帯びた闘気の剣を振るう技である。
そしてそれを振るうのは最強と呼ばれた刀剣術士と、最強の鬼神である。
その衝突は凄まじいの一言である。

拮抗しあう技と技。
その間も、ユイは魔力を注ぎ込み続ける。
それにあわせるかのようにシンジが押され始める。

その光景を見て、笑みを浮かべるオシリス。
そして、押されるシンジを見て、動きの止まるミサト達。

そんな中、アスカは胸の前で手を組み、ただひたすらに信じた。
自分が愛した少年、シンジの勝利を。

暫しの間拮抗していたゲンドウとシンジ。
未だに押されていたシンジがふっと寂しげに笑った。
そして、悲しみに満ちた瞳から、赤い涙を流しながら言った。

シンジ:「父さん・・・母さん。」

二人の事を静かに呼ぶシンジ。
そして暫しの間瞑目した後、シンジは今まで以上に血の涙を流しながら言った。

シンジ:「・・・・・・さよなら。」

そう言った直後、シンジは剣の柄を両手で握ると、切り上げる形でゲンドウの剣を弾き飛ばす。

シンジ:「オオオオオォォォォオオオ!!」

そして無防備となったゲンドウに向って、シンジは雄叫び発しながら、
その巨大な闘気の刀身を振り下ろす。
振り下ろされた刀身は、ゲンドウの後方にいたユイの魂も飲み込む。

シンジは剣に込めていた闘気を解いた。
そして弾き挙げられたルシフェルをそのまま右手で受け取る。
シンジは即座に剣をあわせ、ルシファーの状態へと戻す。
そしてゆっくりとした動作で剣の切っ先を床につける。

それはあまりに呆気ない最後だったように感じられた。
しかしそれは当然の結果だったのかもしれない。
シンジは二人の、町の住人達の敵を撃つ為に、二人を超えようとした。
そしてその戦闘能力は確実に二人を超えていたのだ。

二人の魂を切り払った一撃は、それを放った少年の心に深い傷を残した。
しかしシンジはもう血の涙を流していなかった。
シンジは感情の篭っていない声でオシリスに言い放つ。

シンジ:「もう、貴様の操る魂はいない。正真正銘、貴様一人だ。」

その言葉を聞いたオシリスは、諦めたように司令席から降りてくる。
しかしその手には剣が握られており、このまま無抵抗にやられるつもりが無い事がわかる。

オシリス:「まさかこれほど物とはな。俺の繰り出した切り札を全て打ち破るとは。
      どうやら甘くみていたようだ。いや、それも今更だな。」

そう言ってオシリスは剣を構えた。
どうやらあれほどの闘いを見た後にもかかわらず、シンジに挑むつもりらしい。
それを見たシンジもまたルシファーを構え、八翼を広げ、第三眼を開く。

暫しの睨み合いの後、オシリスはシンジに切りかかった。
その太刀筋は闇の使徒の総統に相応しく、かなりの腕前だった。

対するシンジはまだ様子見のつもりなのか、オシリスの攻撃を受け止めるだけだった。
いや、シンジはオシリスの持つ剣に、何かを感じ取っていた。
しかしその力がなんであろうと、オシリスの腕では自分には勝てないと感じ取ったシンジは、
一気に勝負を決めようと攻撃に出る。

シンジの一撃を、何とか受け止めた瞬間、オシリスはあろうことか視線をシンジから逸らす。
その視線はアスカ達に向いていた。
それに気が付いたシンジは、オシリスに注意を向けつつ、アスカ達のほうに視線を向けた。

すると、アスカ達の後方から、通常よりも遥かに巨大な獣牙兵が現れ、剣を振りかぶっている。
アスカ達もそれに気付いて回避しようとしているが、どう考えても間に合いそうにない。

シンジは反射的にオシリスを吹き飛ばすと、ルシファーを振りかぶる。
考えるよりも先に体が動いていた。
魔術を完成させるだけの時間はないし、かといって衝撃波系の技ではアスカ達にも危険が及ぶ。

シンジ:「竜牙剣術一刀流・龍牙飛翔撃!」

シンジはルシファーを獣牙兵に投げつけた。
投擲されたルシファーは、的を外す事無く獣牙兵に命中し、粉々に打ち砕く。

しかしルシファーを投げつけたと言う事は、シンジは一時的に武器を失ったと言う事だ。
オシリスはその瞬間を狙う為に、あのような事をしたのだ。

オシリス:「貰ったぞ!!」

シンジ:「クッ!髪刃!!」

オシリスの振るった斬撃がシンジに迫る。
しかし通常の攻撃ではシンジはたいしたダメージを受けない。
が、シンジはその攻撃に何かを感じ取り、髪を伸ばして刃とし、その攻撃を受け止めようとした。
刃となったシンジの黒髪は、受け止める事もできずにオシリスの剣に切り裂かれた。

シンジ:「なっ!?」

シンジは驚愕した。
この刃を切り裂く事などできないと思っていたから。

髪刃を切り裂いて迫り来る斬撃を、シンジは体を反らし、右腕で受け止めながら何とか防いだ。
信じられない事に、その斬撃はシンジの腕に切り傷を負わせたのだ。
シンジの腕から流れ出る赤い血。
オシリスからある程度離れたシンジは、腕から流れ出る血を呆然と見つめた。

オシリス:「さすがだな、首を狙った筈なんだが。」

そう言ってオシリスは、自分の腕を見つめるシンジを睨みながら、剣の先端に付着した血を振り払う。

バル:「そんな!?主、傷つける。不可能な、筈。一体、どうやって。」

長年シンジと共に暮らして来たバルディエルだが、シンジが傷を負った所など見た事がなかった。
どんな鋭利な刃も、強力な魔術を受けても、シンジを傷一つ着ける事は出来無かったのだ。

オシリス:「この剣は、その原料となる金属を魔術によって生成された。
      その金属自体が膨大な魔力の塊なのだ。
      そしてそれを、名の知れた刀匠に作らせた、特別性のドラゴン・バスターだ。」

オシリスの言葉に、自分の腕を呆然と見つめていたシンジが反応した。

シンジ:「それ程の物を作るのには、かなりの権力がいる筈。貴様にそれは無いはずだ。」

それに対して、オシリスは満足げに答えた。

オシリス:「十年前、ある男に貰ったのだ。カオスの町を襲い、聖魔の魂を大量に手に入れてくれ。
      そう頼んできた奴にな。」

シンジ:「・・・なんだと?」

シンジはオシリスの言葉に過敏に反応した。
もしオシリスの言う事が本当ならば、真に殺さねばならないものは他にいる事になるからだ。
オシリスはそんなシンジに気付かずに話し続ける。

オシリス:「今回この地を襲ったのも、本当はそいつに頼まれたからだ。
      大体、人数だけで最強の盗賊などやっていられるか。後援者がいるから名乗れるんだよ。」

シンジ:「・・・そいつは何の為に聖魔の魂を欲し、この街を襲った!?」

怒りを含んだシンジの言葉に、オシリスは平然と答える。

オシリス:「何でも、ある神の復活を行うのに、大量の聖魔の魂が必要だったらしい。
      その復活に必要なものがこの地にあるのだとも言っていたな。
      名前は確か・・・キール・ロレンツ・・・だったかな?
      まだこの街にいるはずだが。」

それを聞いたシンジは、無意識の内に強大な殺気を放つ。
そんな理由で自分の両親は、町の住人達は殺された。
シンジは怒りに打ち震えた。

そんなシンジに構う事無く、オシリスは剣を構える。
シンジにとどめを挿そうと言うのだ。

バル:「主!!」

それを見ていたバルディエルが、ルシファーをシンジに投げ返そうとする。
しかしバルディエルがルシファーを投げる前に、オシリスが動いた。
そしてそれに応えるように、シンジもまた動いた。

オシリス:「これで、終わりだっ!!」

オシリスは剣のリーチがある分、シンジより先に攻撃を仕掛けた。
シンジはそれを受け止めるかのように、傷ついた右腕を振り上げた。
その行動に構う事無く、オシリスは剣を振り下ろす。
この剣ならば腕を切り落としながら攻撃できる。そう考えての事だ。

オシリスの剣がシンジの腕に迫る。
しかしそこで思い掛けない事が起きた。
硬質的な音共に、オシリスの剣が弾き上げられたのだ。

オシリス:「ば、馬鹿な!?」

驚愕に歪むオシリスの表情。
そのオシリスに向って、シンジは抜き手を打ち出すように攻撃を仕掛ける。
オシリスは弾き上げられた反動そのままに後ろに下がる。
抜き手の間合いから外れれば、少なくとも致命傷は免れると考えたからだ。

しかし次の瞬間、肉の貫かれる音がオシリスの耳に入ってくる。
そしてすぐに自分の喉の奥から生暖かい液体が込み上げて来るのを感じた。

オシリス:「グハッ・・・。バ・・・馬鹿な。
      翼や髪の力を使っている暇など・・・無かった・・・はず・・・。
      一体・・・何を・・・?」

オシリスは口から血を溢れさせながら、息も絶え絶えに呟くと、必死に首を曲げて、
自分を貫いている物を確認しようとする。
そしてオシリスが見たものは・・・。

オシリス:「赤い・・・刃・・・?」

オシリスを貫いていたのは血のように赤い真紅の刃。
そしてその刃はシンジの腕から伸びている。
いや、正確にはシンジが先程受けた傷口から伸びている。
そう、オシリスを貫いていたのは、シンジの血液から生まれた刃だったのだ。

シンジ:「僕がこの姿のままで行える、正真正銘の最後の切り札。それがこの血龍刃。
     切り札は、どんな時でも残して置く物だよ。
     それとね、この十年間で僕が知った事がある。冥土の土産に教えておこう。
     死ぬ時を逸した者は、生きる上での選択から、死は永遠に消える。
     僕はもう・・・簡単には死ねないんだ。死に逝く君には、関係ないかな?」

シンジの言葉が終わると同時に、オシリスはその命の炎を消した。
肉体から力が抜け、だらしなく手足が垂れ下がる。
シンジはオシリスから血の刃を引き抜き、血を固めていた力を抜く。
その途端、刃の形を成していた血が液体に戻り、シンジの足元を赤く染めていく。

シンジは自分の前で倒れ付したオシリスを見つめる。

シンジの時は、あの日から錆付き止まっている。
無論実際には時間は止まる事無く常に流れている。
そして人はその流れの中で生きている。

それはシンジも例外ではなく、驚異的な強さを持つまでに鍛え抜かれたその体が、
流れた時の長さを物語っている。

しかし如何に肉体が成長し、時が流れていようと、シンジの魂の時は止まったままである。

彼はあの日、全てを失った。

共に暮らす父と母を。
同じ時を過ごし、共に育つはずだった友を。
毎日のように顔を合わせていた人々を。
帰るべき場所すらも。

全てがあの日、炎に包まれ、灰となっていった。

シンジには何も無い。
通常、人が持っているであろう物は何も無い。
誇りも、守るべき物も、愛する者さえも。

シンジにあるのはたった一つの言葉。
『復讐』の二文字のみ。
あの日、両親の墓前で誓ったこの行為だけである。

負の感情に彩られた十年間。
それを行う為に、シンジは全てを超える力を手に入れた。

その力を手に入れるまでに、一体どれだけその身に傷を負ったのだろう。

幾度命を落としかけたのだろう。

その力を持ってどれだけ多くの人の命を救ったのだろう。

どれだけ多くの迫害を受けたのだろう。

どれだけ人の陰の部分を見たのだろう。

その優しき心にどれだけの傷を抱えているのだろう。

その痛みを見せない、驚異的な強さを持つ精神に、どれだけ無理を言わせたのだろう。

どれだけ心の中で血の涙を流したのだろう。

それは普通に生きてきた者には決してわかる筈の無い、地獄のような日常。
しかしシンジは倒れる事は無く、退く事も、逃げる事も無かった。

両親の墓前で誓った事を守る為に。
カオスの町の皆の無念を晴らす為に。
ただひたすらに前へと突き進む。
例え突き進んだその先に死が待っていたとしても。

そして今、復讐の最後の相手は、シンジの目の前にいる。
シンジの両親、ゲンドウとユイをその手に賭けた、闇の使徒の総統が今はもう、物言わぬ骸となって。

十年の年月を超え、シンジの復讐の誓いは取り敢えず果たされた。

しかしシンジのその表情は、誓いを果たしたとは思えぬものである。
それも当然かもしれない。
その誓いを果たす為とは言え、自分の手で両親の魂を切り払ったのだから。

そんなシンジを見つめていたメンバーは、その思いを感じているのか、
かける言葉を見つける事が出来なかった。

そんな中で、アスカが取り敢えずシンジに声をかけようと思い、近寄ろうとした時、
シンジの周囲に無数の青白い光が現れる。

光はシンジを取り囲むように集まると、その形を変え始めた。
そしてその光は、人の姿を成していった。
それを見たとき、シンジは呆然と呟いた。

シンジ:「父さん・・・母さん・・・それに、みんな・・・。」

それはゲンドウやユイを始めとした、かオスの町の住人達の魂だったのだ。
呆然としているシンジに、ゲンドウとユイの魂は微笑みながらシンジに近寄る。
そしてユイの魂はシンジを抱きしめながらこういった。

ユイ:「もう・・・いいのよ。」

そう言ってユイはゆっくりとシンジから離れる。
その姿を追いかけたシンジの目線の先で、ゲンドウがほんの少しだけ微笑みながら語りかける。

ゲンドウ:「よくやったな・・・シンジ。」

それだけ言うと、両親の魂は揺らぎながらその影を薄くしていく。
周囲の住人達の魂も同じように消え始める。
その表情は皆、笑みを湛えていた。

全ての魂はシンジに微笑みかけながら消えていく。
その光景をシンジは赤い涙を流しながら見つめていた。
そうやって全ての魂が消え去った時、シンジは小さく呟いていた。

シンジ:「・・・赤い涙しか・・・流せないんだ。・・・ごめん。」

To Be Next Story.
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後書き

・・・書きあがりました。
八翼の堕天使第弐拾弐話。ようやく完成いたしました。
この作品は過去最長の作品です。
しかし、この作品はこれでもまだ短いかな?そう思わされます。
シンジの心の傷、そして思い。
自分の書こうとした物が、少しでも伝わったらありがたいです。
この作品はもっと時間がかかるかと思ったんですが、書き始めたら流れるように思いつきました。
ほとんど悩んでいません。
シンジが勝手に動き始めた。そんな感じで書き上げました。
前回と今回の作品は自分的には満足しています。
今回のシンジの行動には、賛否両論。
色々意見があるかもしれませんが、自分的にはこれでよかったんじゃないかと思っています。
今回は題名について、少しだけ考えてみてください。
人にあらざる者。それは誰だったのか。
人を捨てようとしたシンジか?それとも魂となったユイやゲンドウなのか?
そして自分なりに答えを出してみてください。
多分読んだ方全員の考えが一致するでしょう。
そして、そうあることを願います。

聖:随分真面目な後書きですね。
作:ん?まあ、今回は内容が内容だから、雰囲気をなるべく壊さないようにね。
聖:それでこんなことしたら意味ないでしょう。
作:まあそうなんですけどね。あんまり暗いままでも気分が沈むし。
聖:はぁ。そんなものでしょうかねぇ?それより次回はどうするんですか?
作:ちょうど区切りがいいので本編は少し休憩しようかなと思います。
聖:と、言いますと?
作:すこし外伝に挑戦してみようかと思います。
  ただ考えがまとまっていないので、少し時間がかかりますけど。
聖:なら何故書くんです?
作:この先を書いていくと、補足説明が必要になってくるんですけど、
  話の途中でそう言った説明をすると雰囲気が崩れる場合があるでしょう?
  だから外伝で先に書いておこうかな?と思いまして。
聖:それなら・・・仕方ないですかね?
作:待たせないように頑張りますけどね。
聖:是非そうしてください。

P,S
感想、誤字、脱字、ここはこうした方がいいんじゃないか、と言う意見ございましたら送ってください。
悪戯、冷やかしは御免こうむります。


マナ:やっぱり辛い戦いに・・・。

アスカ:シンジでも全力で当たらないと、さすがにパパやママの動きは止められないのね。

マナ:苦しい選択だったと思うわ。

アスカ:でも、そんなシンジのことわかってくれたじゃない。

マナ:オシリスも倒したし、よかったわ。

アスカ:これで、ハッピーエンド!・・・といけば良かったんだけど。

マナ:わたしも、きっとそうなると思ってたのに。

アスカ:どーすんのよ。やっかいなのが出て来たじゃん。

マナ:わたし、あの人好きじゃない。

アスカ:良さそうな人じゃ、少なくともなさそうねぇ。

マナ:シンジ、一撃必殺よっ!

アスカ:汚い手さえ使ってこなかったら、いいんだけど・・・。
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感想は新たな作品を作り出す原動力です。1行の感想でも結構
ですので、ぜひとも作者の方に感想メールを送って下さい。

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