漆黒の闇の中で、その闇と同化した意志が蠢く。

「俺・・・誰?」

その闇は問い掛ける。
自分は何者なのかと。

「俺・・・何?」

自分は如何なる存在なのかと。

「何者なのか、わからない。だから、どうでも、いい。」

闇はそのまま意識を閉じようとした。
そんな時、光の存在が見えた。
それは遥か遠くにある、星のように小さな物だった。

その光は徐々に巨大な物になっていく。
そして最終的にその意識を飲み込むように辺りを光で照らし出す。

闇の中から生まれた意志を持った者ははただの黒い球体だった。
その黒い球体の周りの膜が少しずつ捲れていく。
まるで卵から何かが生まれ出てくるかのように。

そしてその中から、不思議な形状をした物が生まれ出て来た。
全体的な姿は人間に近いといっても良いかもしれない。
しかしその両腕、両足は長く、その顔はまるで獣のようであった。
そしてその全身は先程の闇のように黒く染まっていた。

光はそのものの姿を全て曝しだすと、ゆっくりと消えていく。
光が消えた後、周囲はどこかの暗い森の風景となっていた。
光は漆黒の存在にこう言葉を残した。

『あなたは闇に魅入られた者。私ができるのは、光へと続く道へと導く事だけ。
 いずれあなたを受け入れてくれる存在に出会えるでしょう。その者に対する対応はあなた次第。
 そして、あなたの中に眠る可能性を開放する事も。
 その意味はあなたが一番良くわかっていると思いますが。』

「おまえ、誰。俺、何。」

『私の名は今はありません。かつて創造主と呼ばれた者。
 あなたの名前はバルディエル。破壊の呪いと、創造の奇跡に導かれた者。』

それだけを言い残し、光は完全に消え去る。
それを感じ取った、バルディエルと名を言われた者は、ゆっくりと起き上がると歩き始めた。
己の存在する意味を、己が何者なのかを知るために。

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八翼の堕天使
ー外伝の参 聖魔混沌の魔獣ー
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戦神暦・001年

創造主がこの世界を創造してから、既に数千年の時が流れた。
この世界を創り出した時、創造主はこの世界を光で満たそうとした。
それが不可能だとしても。

創造主は世界と、そこに住まう者達を生み出すきっかけを創った時点で、
その世界への干渉を殆んどやめてしまった。
如何なる世界にするかは、その世界に住む者達が決めるべきだと考えたのである。

しかしそのまま放棄しておき、闇の力がはびこるのをただ見ているわけにもいかなかった。
その為、創造主は自分の意志を受けて、世界の闇を払う者達を生み出した。
それが天使である。

天使はその力量によって九つの階級にわけられている。
その呼称は次のようなものである。

・第一階級 熾天使(セラフィム)     ・第二階級 智天使(ケルビム)
・第三階級 座天使(スローンズ)     ・第四階級 主天使(ドミニオンズ)
・第五階級 力天使(ヴァーチュズ)    ・第六階級 能天使(バワーズ)
・第七階級 権天使(プリンシパリティーズ)・第八階級 大天使(アークエンジェルズ)
・第九階級 天使 (エンジェルズ)

この九つにわかれた天使達は、熾天使によって統括されている。     
そしてその中でも、最も強い力を持つ天使族最強の天使、
聖魔混沌を司る者・ルシファーがその全てを統括している。

と言っても、天使族の人数も半端な数ではない。
その為、ルシファーは残りの熾天使である七人にそれぞれの統括を任せ、
その七人をルシファー自身が統率する形を取っている。

創造主に使える天使達は、皆銀色の髪である。
一部の者達を除いて。

その一部に属する天使の中で、最も目立たない黒髪の天使がいた。
名前は霰を司る天使・バルディエル。

彼は第二階級・智天使の階級に属していたが、主に出撃して闇を払う実働部隊にも属していた。
本来その仕事は彼の属する智天使の階級の天使が行うべき事ではない。
しかし彼は自ら志願してこの行為を行っていた。
その理由はただ一つ、創造主に対する忠誠の為だった。

他の天使達の創造主に対する忠誠が低いわけではない。
ただ彼の場合、考え方がかなり過激なのだ。

創造主の理想とする争いの無い平和な世界。
それを阻む闇を全て切り払えば良い。
それが彼の考え出した忠誠の証明の仕方だった。

彼はひたすらに闇となるものを切り払った。
闇の存在の情報を受ければ如何なる所にでも出向き、全て薙ぎ払った。

何時しか天使達の中で、彼に異名がつけられていた。
“闇を払う黒き死神”と

しかし何人もの天使が闇を払おうと、その量は減るどころか増える一方であった。
そんな時、創造主はある決断を下した。

「以後、闇を払う必要は無い。これ以後、天界に住まう者達は下界には手出し無用の物とする。」

それは、闇を払う事は決して不可能なのだと判断した結果であった。

人間はその身の内に光と闇を抱えて生きる者なのだと言う事。
そのどちらが欠けてもいけない者だと言う事。
そして、自分と言う光の象徴が居る限り、闇もまた必然として存在する者だと言う事。

創造主はその結論に達した時、自分の考えが理想でしかありえないこと、
そして、その理想を実現する可能性は人間達にしかない事を悟った。
それを行う力は自分には無いのだと。
その為闇を放置し、人間が如何なる行動に出るのか判断を委ねたのである。

ただそれと同時に気付いた事があった。
人間以外でそれに類する力と可能性を持った者が自分の部下と、
自分がこの世界を創りだす前から存在する唯一人の者が持っていることを。

この決定に不満を言う天使は誰も居なかった。
創造主が決めた事、それは天使達にとって絶対の物である。
ただ一部の天使達には、不満と取れる感情を持った者が居たのも確かである。
ただその不満を口に出さなかっただけである。

それは今まで闇を払う実働部隊に属していたものが多かった。
自分達の仕事を取られた。そんな感覚だったのだろう。

そんな中で、一人だけそれ以上にショックを受けた天使がいた。
バルディエルである。

創造主のために闇を切り払う。それが彼の忠誠の証だった。
しかしそれをこともあろうに創造主にやめさせられてしまった。
バルディエルは自分の存在が否定されたような気分になった。
それから暫くの間、彼は全てに無気力だったと言う。

それから千年ほど経過した、剣神暦1年。
不滅の存在といっても過言ではない創造主や天使にとっては、
それだけの時間が経ってもたいした変化は無い。

しかし人間達の方はどうかと言えば、必ずしもそうではない。
限られた時間の中で生き続ける人間にとって、千年という時間は余りにも長すぎる。
当然その全てに変化が現れている。

自分達の住む土地を奪い合う、略奪や戦争といった事が当然のように起きた戦神の時代。
人が人を恐れ、戦乱の渦を起こした時代である。

それが落ち着き、ある程度の力を持った者達によって、とりあえずの平穏を手に入れ、
恐れる対象が人から闇の存在達へと変わった剣神の時代。
それが現在の状況である。

創造主にとって人間が辿る道は実に興味深い物であった。
同じ過ちを幾度か繰り返す内に、その中から打開の道を探り出し、
一歩ずつ確実に生きていく人間の歴史。

生まれた時から完璧とも言える状態に近い自分や天使達には出来ない生き方。
創造主は、自分が生み出した者達にほんの少しだけ羨ましいと思っていたのかも知れない。

そんな中、ひとつの影が本格的に動き出した。
その影は遥か昔、創造主がこの世界を創造した時から存在していた。
しかしその影自体は決して動く事は無く、今までは自分の分身ともいえる闇のみを動かしていた。

そして長き戦乱の中で肥大化した闇の感情を吸収しより強大となり、
創造主に匹敵する力を得たその存在は、初めて動き出したのである。

その存在はその力を持って自分にとっての天使達に当たる存在を生み出した。
それが魔獣である。

この時生まれたのは純血種と呼ばれる者達で、サキエル・シャムシェル・ラミエル・ガギエル
・イスラフェル・サンダルフォン・マトリエル・サハクィエル・イロウル・レリエル・バルディエル
・ゼルエル・アラエル・アルミサエル・タブリスの、十五種だけである。
この魔獣達が他の魔獣に比べて格段に強いのはその為である。

この魔獣達とまったく同じ名前を持つ天使達がいたことは単なる偶然とされた。
この事が遥か数千、数万年の時を経て時空さえも越えて、一つの問題を起こすのであるが、それは別の話。

その存在は魔獣たちに人間を襲わせた。
そしてそれを魔獣たちの本能としたのである。

創造主はそれを黙認するしかなかった。
その存在、破壊神との来る戦いの為にも消耗するわけには行かなかったのだ。
しかし創造主は内心ではかなり苦しんでいた。
自分がもっと早く破壊神の居場所を突きとめていればこのような状況は招かなかったのではないかと。

そしてそんな創造主の苦悩を知った一人の天使がその翌日、天界から姿を消した。
天使である証の白き翼を捨て、堕天使の証である闇のような漆黒に染まった翼をはばたかせて。

“闇を払う黒き死神”と呼ばれた天使・バルディエル。
彼はその異名通りの姿となったのだ。

バルディエルはその手に持った大鎌を振るい、多くの魔獣を薙ぎ払いながら破壊神の元へと向った。
彼が本来使っていた武器は他の天使達同様に剣だったのだが、
堕天使になった際に大鎌へと姿を変えてしまったのだ。

バルディエルが破壊神元へと辿り着いた時、彼は満身創痍となっていた。
体中から血を流しながらも、バルディエルは決してその進行を緩めなかった。
そしてそのままの状態で破壊神に挑んだのだ。

バルディエルは堕天使となってまで創造主のために尽くそうとした。
しかしその思いも虚しく、バルディエルは破壊神によってその命を散らした。
凄絶な最後だったと後に創造主は語り、彼の志は全ての天使の魂に衝撃を与えた。

バルディエルはその命を散らす際、破壊神を傷つけていた。
ほんのかすり傷程度であったが、その行為の困難さは、
後に神々の大戦と呼ばれる場で実証される事となる。

自分が傷つけられた事を知った破壊神は、
今まさにその生涯を閉じようとするバルディエルに向って言葉をかけた。

「良くぞこの我に傷をつけた。我は汝に敬意を払う。その証として、我が眷属の力を受けるが良い。
 汝は天使としてではなく、魔獣として生まれ変わるのだ。そして未来永劫我が呪いを受けよ。
 それが我を傷つけた、汝への罪と罰だ。」

消え行く意識の中で、バルディエルは破壊神の高笑いを聞いた。
それ以後に何が起こったのか、彼には知る由もない。

*********************************************
竜神暦2000年。

神々の戦いは天上を揺るがすほどの物であったが、その事実を人間達が知る訳も無く、
二体の神龍皇が真の竜王を決定すべく戦った為に生じたものと解され、
それも過去の者として人々の記憶から薄れ始めてから既に3000年以上経っていた。

そんな全てが終わった世界で、ある少年の誕生に合わせるように彼はこの世に生を受けた。
彼は自分がこの世に生じる直前に知った自分の名以外何もわからなかった。
自分が何故ここにいるのか、自分がなんなのかさえ知らなかった。

ただ一つだけわかった事があった。
自分の中で疼くように訴えてくる殺戮の本能。
何かを殺せと言う拒絶できない何かが自分を突き動かそうとしている事に。

この世に生じたばかりの彼にとってその本能に抗うすべを知る訳も無く、
その本能に従って何かを求めるように森の中を歩き始めた。

それから数刻後、彼は一体の魔獣を見つける。
魔獣を見つけた途端に彼はその魔獣に襲い掛かり、殺した。
返り血を浴び、その全身を紅に染めて彼は吼えた。

破壊の本能によって殺戮を、創造の奇跡によって、彼は魔獣をその対象にしたのである。
魔獣を狩る魔獣・バルディエルの誕生である。

彼は際限なく魔獣を狩り続ける事だろう。
かつて天使だった時に与えられた異名通りに。
彼を受け入れてくれる存在へと出会うその時まで。

それから十年ほど経ち、彼も随分変わっていた。
殺戮の本能を抑える事知り、彼は自分の領域が犯されない限り手を出す事が無くなった。

そしてこの十年間で知った事がいくつかあった。
自分の本能が刺激されるのは魔獣だけだという事。
森の中に入ってきた人間にはこのこの本能は興味を示さないからだ。

また人間達の言葉を解する事が自分にはできると言うこと。
人間は自分が魔獣を襲う様を見て、漆黒の獣王と言う呼び名をつけた事。
危害を加えた事が無いにも関わらず、自分を危険視していると言う事。

全てが彼にとってはどうでも良かった。
少なくともそう考えていた。
しかし自分の姿を見て逃げ出す人間達を見て、やりきれない感情を感じているのが現実だった。
最も、その感情がなんなのか、バルディエルはわかっていなかったが。

それから暫くして、彼は人間達に狩り出されそうになる。
理由は大した事ではない。
近隣最強の魔獣とされ、魔獣を襲うほど狂暴な者なのだと勘違いされたからだ。

何時か人間を襲う前に退治してしまえ。
それが集まった人間達の考えだった。

最初に襲われた時、バルディエルは森の奥へと逃げ込んだ。
人間を襲う事に、なぜか拒絶感を感じた為である。

しかし人間達は幾度となく彼を追い立てた。
三回ほど追い立てられた時、彼の中で何かが限界を迎えてしまった。
幾つもの傷をつけられながらも、一度も人間たちに危害を加えずにいた。
にも関わらず執拗に殺そうとしてくる人間に、バルディエルの怒りが爆発してしまったのだ。

そして四回目に襲われた時、彼は人間達にその爪と牙を振るった。
しかし一人として致命傷を負ったものは無く、全員傷を負いながらも逃げ帰った。
バルディエルは人間を襲うという好意の後味の悪さに、二度と手を出す事はなかった。

それから数ヶ月ほどしたある日。
夕方から振り出した雨に乗じて、彼は人里近い場所に来ていた。
何故かはわからない。
ただ何かを感じ取ったかのように彼は行動していた。

三日前の狩り出しの時に受けた傷がまだ体中に生々しく残っている。
取り敢えずふさがっているが、今にも傷が開きそうな状態である。
そんな状態にも関わらず、彼は何かに引き寄せられるように森の中を進んでいた。

街道に近い森の中を木々の間を飛び回って移動している最中に、彼は轟音を聞き取った。
それは自分のいる場所のすぐ傍で崖崩れが起きた音だった。
崩れ行く土砂の先に人間の影を見つけた時、彼は何も考える事無く行動していた。

彼は崖を駆け上るように進むと、その人間達を抱え上げ、そのまま崖の上に向かって跳躍した。
自分の降り立ったすぐ近くに人間の気配を感じたが、彼は気にする事無く抱えていた人間達を降ろす。

助けられた人間達は何が起きたのかわからず呆然としていたが、バルディエルの存在を確認すると、
すぐに叫び声を上げて逃げ去っていった。

バルディエルはそれを見届けると、ゆっくりと意識が薄れるのを感じた。
全身の傷が開き、出血していた為である。
彼は自分の前にいる人間に殺されるか、ここで行き倒れて死ぬのだと考えながら意識を手放した。

バルディエルが次に目覚めたのは、朝霧が立ち込める森の中だった。
彼はすぐに周囲を見渡した。

見れば自分の前方に一人の人間、いや少年が眠っている。
そして自分の状態を確認すると、あれほどあった傷が全て消え去っている。
バルディエルは何故このような状況になったのかわからず、呆然としていた。

「怪我の具合はどうだ。一応完治させたはずだが。」

呆然としていたとき、少年が目を覚まし声をかけてくる。
その声や態度に敵意は感じ取れない。
彼は自分の感じていた疑問を相手にぶつける事にした。

バル:「どうやってあれほどの傷、治した。また、何故、助けた。」

魔獣が喋ったということに少年は驚いた様子だったが、すぐに冷静さを取り戻して答えた。
その様子に、なぜかバルディエルは安心感を覚えていた。

「ただ怪我をしている君を放って置けなかっただけだよ。
     治したのは法術という魔法の一種を使ったんだ。」

バル:「貴様、何故恐れない。俺、魔獣だぞ」

「確かに喋った時には驚いたけど、よく考えたら別にたいした事じゃないよね。
 僕達人間は遥かに良く喋るんだし。それに君は優しいから。」

シンジの言葉に、バルディエルは驚愕した。
一瞬この少年が何を言ったのか理解できず、自分の聴覚がおかしくなったのかと感じたほどだ。

バル:「俺が、優しい?」

「君は自分を襲ったであろう人達を助けた。それは君の優しさだと僕は思うよ。」

そういって、優しげに少年は微笑んだ。
その笑顔に、バルディエルは一瞬何もいえず、反応する事ができなかった。
自分のような者に向ってこんな風に笑える少年。
バルディエルは自分の過去をこの少年に話してみたくなった。

暫く考えた後、バルディエルはこの少年に自分の過去を話すことにした。
自分が他の魔獣と根本的に違う思考をしていること。
魔獣の世界でも人の世界でも生きていくことが出来ず、一人で生きてきたことなどを。

バルディエルが話している間、少年は神妙な面持ちで真剣に聞いていた。
そしてバルディエルの独白が終わった時、彼は溜息を一つついた後、言葉を発した。

「君のことが何故気になったのかわかったよ。」

そう言った少年をバルディエルは再び驚いたように見つめた。
驚くバルディエルをよそに少年は上着を脱ぎ、翼を展開し、第三眼を開いてみせる。
バルディエルはそれをただそれを見ている事しかできなかった。

シンジ:「君と僕は似ているんだ。同じ人外の者という点でね。」

そういって寂しそうに笑う少年を、バルディエルはじっと見つめた。
そして自分の記憶の底に眠っていたある言葉が彼の脳裏をよぎった。

『あなたは闇に魅入られた者。私ができるのは、光へと続く道へと導く事だけ。
 いずれあなたを受け入れてくれる存在に出会えるでしょう。その者に対する対応はあなた次第。
 そして、あなたの中に眠る可能性を開放する事も。
 その意味はあなたが一番良くわかっていると思いますが。』

その言葉が何を意味しているかは理解できない。
しかし自分を受け入れてくれる存在と言うのはこの少年の事なのだと直感した。
そして自分にはこの少年の力となる可能性があるのだということも。

数瞬の後、彼は決意を固めて少年に向って頭を下げた。
言葉の意味など関係なく、ただ純粋に恩を返したい。
そしてこの者と共に生きてみたい。
考えた結果、この思いに行き当たった彼に戸惑いは無かった。

バル:「命、助けてもらった。恩、返したい。
    以後、あなた、主君と崇め、あなたに遣える事、許して、いただきたい。」

少年ははその言葉を聞いて困惑する。

「僕はそんながらじゃないよ。友人として接してくれないか?」

少年の言葉を聞き、バルディエルはは涙を流してその提案を受け入れた。
最も、バルディエルはその対応を変えるつもりは無かったが。

シンジ:「そういえば自己紹介がまだ待ったね。僕の名前は碇シンジ。君に名前はあるのかな?」

バル:「獣王・バルディエル。」

悲しみと絶望、そして空虚な世界で生きてきた彼は、今初めて生きる意味をえた。
シンジと共に歩むその道の果てに何が待っているかはわからない。
しかしバルディエルは何があってもこの者の為ならば後悔をしない自信があった。

運命は交錯し、バルディエルは再びあの者と対峙する事となる。
そしてその運命の中で自分が主と選んだ少年はその者と戦う事となる。
彼はその時、如何なる行動をとるのか?
そしてバルディエルのうちに眠る可能性とは一体なんなのか?

主となった少年と共に新たなる道を歩き出した彼が、その事を知るはずも無かった。

The END
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
後書き

外伝の参、無事に書きあがりました。
確かに書きあがったんですが・・・台詞が少ない。
元々主役にしたキャラがキャラなので仕方ないとも言えますが、
にしても書いてある文章の大半が状況描写、及び心理描写。
最後のシンジとバルディエルの会話だって第壱拾壱話の流用といっても良いですし。
ま、たまにはこんなのもありかな?と思って書きましたがいかがでしょうか?
もし駄目でしたらご容赦ください。
これ以上は自分には無理です。

ついでに書かせて頂きますと、この八翼の堕天使ではガギエル・サハクィエル・イロウル
・アルミサエル・タブリスは出ていません。
多分出せてもガギエルが限度でしょう。
更に忠告いたしますが、天使及び獣王のバルディエルは参号機の外見。
破壊神の配下としての魔獣・バルディエルは粘膜的なもの、
ある種のスライム系の魔獣だと考えてください。
わかり難かったら申し訳ありません。

ア:まったく駄目な作者ね。ま、今更かも知れないけど。
シ:アスカ、そんな言いかたしなくても・・・。
作:あれ?なんでお二人がここに?いつもだったら例の3人が来るのに?
シ:なんでも次回作の準備で忙しいんだそうですよ。久しぶりの登場だからって。
ア:で、自分達は行けないので良ければどうぞって事で来たのよ。
  この際に苦情なんかもあるなら言っておけば良いだろうって事もあったしね。
作:・・・お二人はこの作品の内容になんか不満あるんですか?
  少なくともシンジ君には無いと思うんですけど。
シ:あ、僕はありませんよ。書いてもらっているだけでありがたいですから。
ア:相変わらず謙虚ね〜。ま、そこがシンジは良いんだけど♪
  それよりあたしは少し不満があるわよ。
作:まあ登場回数の事でしょうが、勘弁してくださいよ。あれが手一杯なんですから。
ア:違うわよ!・・・の事よ。
作:は?聞こえなかったのでもう一度お願いできます?
ア:っ―――!!シンジとあたしのLASのシーンが少ないって言ってるの!!
シ:ア、アスカ!?いくらもう付き合ってるからって作品にまで・・・。
ア:いいの!どうせこいつはハッピーエンド目指すLAS作家なんだから。
作:それに関しては何とも・・・。自分は恋愛経験無いから上手く書けませんし。
  こういう予定があるんですが・・・これで勘弁してもらえません。
ア:何よ、これ?外伝の五?・・・・・・も、問題ないんじゃない?(真っ赤)
作:それは良かった。では失礼しますよ。外伝の四を書かねばならないので。
シ:・・・?なんだか良くわからないけど・・・終わりかな?
  あ、これからも神竜王さんをよろしくお願いしますね。
  ん?アスカ待ってよ。なんで顔真っ赤にして走るのさ?

P,S
感想、誤字、脱字、ここはこうした方がいいんじゃないか、と言う意見ございましたら送ってください。
悪戯、冷やかしは御免こうむります。


マナ:バルディエルとシンジの境遇って、意外な所で似てるのね。

アスカ:バルディエルも、初めて心の触れ合いが持てたってのが、よっぽど嬉しかったみたいね。

マナ:そりゃぁ、ずっと虐げられてたようなもんだからねぇ。

アスカ:心が優しいってのも、辛いことよねぇ。

マナ:あなたには、わからない辛さね。

アスカ:どっ、どういう意味よっ!

マナ:じゃぁ、あなた。人から追いかけれても、黙って逃げるだけ?

アスカ:返り討ちにしてくれるわっ!

マナ:・・・・・・そういう意味よ。

アスカ:で、でもっ。シンジが追いかけて来たら、抱きついちゃうかも。(*^^*)

マナ:シンジが逃げるわよ・・・。(ーー)
作者"神竜王"様へのメール/小説の感想はこちら。
ade03540@syd.odn.ne.jp

感想は新たな作品を作り出す原動力です。1行の感想でも結構
ですので、ぜひとも作者の方に感想メールを送って下さい。

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