『たこ焼きの作り方』  by k100



「おっ!碇に惣流に綾波、待っとたで。おっ委員長も来たんかいな!もちろん歓迎するで。

ケンスケの方の準備も丁度終わったトコや。ほな、鈴原トウジのたこ焼き教室はじめるでぇ

〜。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 さぁっ!準備はええか?ほんだら、材料からいくでぇ。まず、「たこ焼き粉」や!これは

スーパーなんかで売っとる市販のもんでエエ。見つからんかったら、「お好み焼き粉」でも

ええで。えっ?なんやて、シンジ?安直過ぎるて?まー、お前の言うことももっともやけど

な…。そら、わいかて一から材料揃えてやった方がええことぐらい知っとるで。せやけど、

まー実際今の世の中ほんまもんのええ材料はなかなか手に入らへんからなぁ…。ええ小麦粉、

新鮮な山芋、それに何よりじっかりした元から取った美味いダシ汁がなぁ〜。そんなもん探

しだしたら、時間がなんぼあっても足らへん。そんなわけで、今日は市販の粉で辛抱してや。

せやけどな、碇、最近の粉はよーでけとるで!昔、わいがおとんとおかんに手ェ引かれて夜

店の屋台で食べたたこ焼きとほとんど同じ味や…。欠点は、普通の小麦粉に比べてちょっと

値が張ることやな。まぁ、いろんなもん使うて味つけとる分高いということやろな。で、袋

の横に親切丁寧に水加減やらなんやら書いてあるよってにその通りにすれば問題はない。あ

と、好みで卵の黄身を足してもエエけど、あんまりよおけ入れ過ぎたら「たこ焼き」やのう

て「明石焼き」になってしまうで!まぁ、あれはあれでうまいけど、ちょっとお上品な感じ

でわいの好みやないな…。


 さっ、ダシがでけたら、次は入れるもんや!まず、タコ!…当たり前やな。これを茹でた

もんを適当な大きさに切っといて焼くときに入れるわけや。あとで取りやすいように、タッ

パかなんかに入れといたらええな。あ、それから、タコっちゅうのは腐りやすいさかい、気

ィつけや!普通は、スーパーで先に茹でてパックに入れて売っとる足があるわな、あれの一、

二本もあったら十分やで。まぁ〜、今日はこの人数やさかい、二、三本でエエやろ…って、

綾波!お前、何焼いとんじゃ?!(レイ「…たこ。」)あほう!「たこ焼き」っちゅうのは

な、「たこ」を焼くんちゃうんや!「たこ」を入れたダシを焼くんや!お前、そんなことも

知らんかったんか?(レイ「…そう?わからない。たぶん、私三人目だから…。」)ガクッ!

も、もうええ、かまへんさかいそのたこ直しとき…新しいの茹でるよって…(レイ「…そう。

(むしゃむしゃ)」)食べんでエエ!後でもっと美味いもん食わしたるよってに……そや、

シンジに渡しとき。今度またそれでなんか作ってくれるやろ…。


 ほんだら、気ィ取り直して次の材料に行くでー!タコの次に用意するんは、他に入れる具

や!(シンジ「えっ?タコだけじゃないの?」)おっ!さすがにシンジや!ええ質問するの

う!そや、ここが肝心の所や!みんなは「たこ焼き」いうたら、まんまるこ〜いタマん中に

ちんこ〜いタコの欠けらが「ぴっ!」と入っとるもんやと思てないか?ちがうでー。ほんま

もんの「たこ焼き」ゆうのはな、メインのたこ以外に入れる付け足しが大事なんや!まずは、

コレ!「紅ショウガ」のみじん切りや!これを、焼くときにパラパラっと振っといてみ!出

来あがった後でアツアツの1個を口に放りこんだ時の鼻をくすぐる甘辛〜いソースの香りと

噛み締めた端からギュッとこぼれるタコの肉汁の旨みとが口ん中一杯に広がった中にピリッ

と舌を刺激するこの紅ショウガの風味が渾然一体となって、そらもう……(アスカ「……

(ゴクリ!)」)。


 おっと、まだ先は長いんや。こんなとこで道草しとったらアカン!急いでいくでェ!ええ

っと、「紅ショウガ」の次は、「ネギ」や!この先っぽの緑色の所を細こ〜う輪切りにして

な、紅ショウガを振る時に一緒に振ったらええ。それから、コレ、「天カス」や!天ぷらを

作ったときに出来るちっさい揚げ玉やな。これをやっぱり振っとくと、軽〜い歯応えがエエ

感じやで。「タコ」以外に入れるもんはざっとこんなもんやけど、個人の好みで「チクワ」

を細こう切ったもんとか、「コンニャク」をやっぱり細こう切ったもんを入れてもエエ。わ

いはシンプルなんが好きやけど、作る人によって自分の流儀があるよってにな。変わったと

こでは、「チーズ」なんかを入れる人もおるみたいやな。わいはまだ食べたことないけど…

(シンジ「ふ〜ん。(カキカキ)」)。


 さあ、こんだけのもん揃えたら、後は出来あがり後にかける「ソース」(これも人によっ

ていろいろ「秘伝」があるけど、普通の「トンカツソース」でええで)、「青ノリ」、「カ

ツオブシ」(できたら、デッカイ袋に入った大振りのヤツがエエで!出来あがりがいっそう

美味しゅう見えるからな)、それに好みにより「マヨネーズ」やな(ヒカリ「あっ、アタシ

好き!」)。


 …さて、以上でお腹ン中に入れるもんはお終いや。次に道具の用意やが……まず、「たこ

焼き器」!関西では普通に売っとるんやけど、こっちのほうでは…どうなんかいな?(ケン

スケ「捜せばあるよ。」)そらまぁ、そうやな。とりあえず今日はわいの家で使うとるのを

持ってきたで。見てみ!この使い込んだ黒光りする鉄板の色!いかにも美味しいたこ焼きが

出来そうやろ。おかんが死んで、おとんとおじいが仕事で遅うなった時、わいはまだ小学生

やったけどようコレで妹にたこ焼きを焼いてやったもんや…(ヒカリ「鈴原…。」シンジ・

ケンスケ・アスカ・レイ「(シーン)。」)…なんや、お前らなにお通夜みたいな顔しとん

のや!わいは同情されとうてこんな話したんやないで。それくらいわいのたこ焼きは美味い!

ちゅうことを言いたいんや。ほな、次いくでェ〜(アスカ(…鈴原って、けっこーいいヤツ

じゃない))


 お次に取り出だしたのは、コレや!なんか分かるか、惣流?(アスカ「えっ、…?『腋の

汗取り器』?」)アホか!オノレは!!鉄板の「油引き器」じゃ!大学出とるくせにそんな

ことも知らんのか?ボケ!(アスカ(前言撤回。今すぐ殺す!))×▼△●!!◎◇□!

  …うぅぅ、ど、どこまで話したかな?シンジ?(シンジ「『油引き器』の、説明まで…だ

よ。(うわ〜、自業自得とはいえ、ボロボロ…)」)そ、そうか?ほんだら次は、え〜鉄板

に引く「サラダ油」、それから、たこ焼きをひっくり返す「センマイ通し」(これがオモロ

イんやで〜)、出来あがったたこ焼きを乗せる「フネ」(ほんまは「竹の皮」で作っとんの

がええんやが、これもスーパーで売っとる白い発泡スチロールみたいなんで作った四角い皿

で代用しとこ)、ほんで最後に「爪楊枝」や!間違うても、「箸」で挟んで食べたりしたら

アカンで!!一気にムードが台無しや。なんちゅうても、「たこ焼き」は『雰囲気』を食べ

るもんやさないな!(ケンスケ「トウジ、なかなか良いこと言うじゃない!」)


 …さあ、以上で説明は終わりや!いよいよ作るでぇ〜!みんな、用意はええか?(ケンスケ

「バッチリ!」シンジ「いいよ。」アスカ「OK!」ヒカリ「うん。」レイ「…いいわ。」)

よっしゃあ〜!ほないくでェー!委員長、鉄板に油を引くんや!(ヒカリ「うん!鈴原!」)

綾波、鉄板が温もったら解いたダシをあふれんばかりに入れるんや!少々こぼれてもかまへ

ん!けちったらあかんで!!(レイ「…了解。」)シンジ、惣流、お前らは綾波が鉄板のへ

こんだに入れていったダシの上にさっき切っといた具を順番に入れていくんや!グズグズ

しとったらあかんで!!タコから順番に手早ようチャッチャッと入れていくんや!数?数

なんか適当でかまへん!ぶちまけるように入れてみ!(シンジ「…(アセアセ)!」・アス

カ「シンジ!ワタシにも貸して!(セッセ、セッセ…!)」)おうおう、ええ感じやないか?

まるで夫婦みたいやのう!(シンジ・アスカ「…(ピタ)……(キュイ――ン!)〈注〉二

人とも真っ赤赤です」)おっと、綾波、お前の手つきもええで!きっとええ奥さんになるや

ろなぁ…(レイ「…(ぽ!)……(ぽわわ〜ん。)〈注〉レイちゃん妄想モードに入りまし

た」)さあ、見てみい!(シンジ・アスカ「…(ハッ!)」レイ「…(にへら〜)」)


 ダシの周囲がうっすらとキツネ色に変わってきたやろ?ほんで表面がだんだん固まってき

よったやろ?こうなってきたら、そろそろや…。いくでぇ〜、ケンスケ!(ケンスケ「ホイ

きた!!(眼鏡がキラ〜ン!と光り輝く。コイツ、プロだ。)」)ほれ!ほれ!ほれ!ほれ!

(センマイ通しを端っこから突っ込んで鉄板の球面を手前から向こうになぞるようにグリッ!

すると、まある〜く焼けたたこ焼きの下半分がくるりん!と現れます。まぁ、かわいい!!

この時たこ焼きのお肌が妙に白っぽかったりするときは焼きが足りませんので、もうちょっ

との間ひっくり返すのを我慢してください。…うう、この辛抱がたまらん!)ほれ!ほれ!

ほれ!ほれ!ほれ!ほれ!ほれ!ほれ!ほれ!ほれ!ほれ!…あ、1個落としてしもた。ひ

ょいっ!(ヒカリ「鈴原!」)固いこと言いな、委員長…少々のことをバッチがっとったら、

たこ焼きなんか食えへんで!これも、味の一つや!ほれ!ほれ!ほれ!ほれ!ほれ!……

よーし。見てみぃ…薄っすらコゲた表面からなんとも言えんエエ匂いが漂ってきたやろ?

(アスカ「(ううぅ…)」レイ「…(こきゅん!)」シンジ「うわぁ〜(スンスン!)。」)


…ぼちぼちやな。委員長!(ヒカリ「はい!鈴原!!」)ひょい、ひょい、ひょい、ひょい、

ひょう、ひょうい、ひょい、ひょい。次や!(ヒカリ「はい!」)……次や!(ヒカリ「は

い!」)……次や!(ヒカリ「はい!」)……なぁ、委員長?ワイら屋台でたこ焼き売った

ら、ゴッツゥ儲かんで…(ヒカリ「…(す、鈴原!!!)(カァ―――!!)」)(アスカ

「(ニマー)ヒカリィ…真っ赤になっちゃって、どうしたの?」)(ヒカリ「知らない!知

らない!アスカの意地悪!!(イヤン、イヤン)」)…どないしたんや?委員長、どっか具

合いでも悪いんか?(ヒカリ「なんでもない!なんでもない!…鈴原、急がないとこげちゃ

うわよ!!」)おっと、これはわいとしたことが…!ほれ、委員長!(ヒカリ「はい!」)、

委員長!(ヒカリ「はい!」)、委員長!(ヒカリ「はい!……一つ多過ぎるよ、鈴原?」)、

…わいのオゴリや、弟らに持って帰ったり。ほら、も一つオマケや!!(ケンスケ・シンジ・

アスカ「(じ―――ん。)」レイ「………。」ヒカリ(す、鈴、原……))


 さーあ!みんな自分の分あるかぁ?ソースはみんな塗ってあるな?あ、綾波、ソースはビ

ンからじかにかけたらアカン。この「刷毛」でペタペターっと塗るんや!やってみ!(レイ

「…(ぺたぺた。)」シンジ「あ、綾波、次貸して!」アスカ「シンジ、ワタシのも塗って

ヨね!」ヒカリ「えっと、私はマヨネーズも…(ヒカリは別の皿にソースとマヨネーズを一

緒に入れてコネコネしたものを刷毛で塗ります。じゃ、刷毛は2本必要?そんな細かい事、

気にしちゃダメ!!この大雑把さが美味しさの秘訣なんですから)」ケンスケ「フン、フン、

フ〜ン…(とても満足げです)」)…ほんで、仕上げに青ノリとカツオブシをパッ、パッ、

パッ、と振って完成や!!!


 ほな、食べるでぇ〜〜〜アーン(シンジ・アスカ・レイ・ヒカリ・ケンスケ『ア―――ン!』)

……………!!!あちゃ!ちゃ!ちゃ!ちゃ!(シンジ・アスカ・レイ・ヒカリ・ケンスケ

『(ジタバタ、ジタバタ!)』)よ、良い子のみんな、出来立ての「たこ焼きは」熱いさかい、

気ィつけなあかんでぇ―――!」






『たこ焼きの作り方』終


マナ:また、これって・・・。細かいたこ焼きレシピの様な作品ねぇ。

アスカ:たこ焼き、初めて食べたわ。

マナ:あなた、たこ焼きも食べたことないの?

アスカ:丸いやつってことくらいは知ってたけど。

マナ:でも、わたしはマヨネーズは邪道だと思うわ。

アスカ:どうして? 美味しいじゃない?

マナ:ソースだけで食べるのがいいのよ。

アスカ:嫌よっ! まろやかじゃないわっ!

ミサト:あっらぁ、カレーをつけて食べるのもいいわよぉん。食べてみるぅ?

アスカ:げっ!(@@;;;

マナ:さよなら。(ーー|||

アスカ:こらっ! 見捨てる気かーーーーーーっ!!!!
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