(作者からの御挨拶)

読者の皆様!

2001年 あけましておめでとうございます!!

お話の方は新年と一切関係無く進行しておりますが、御容赦下さい。

 

 

ミサト「今回は学園モノよ!」

リツコ「『学園モノ』って、私達の出番はどうなるの?」

伊吹「あの、私の出番も・・・」

日向・青葉「「せっかくレギュラーになれたと思ったのに・・・(涙)」」

冬月「作者の気まぐれ、あるいは暴走だ。仕方あるまい。」

ミサト「ビールかっ食らって、寝てりゃいいのヨ!(プシュ――!)」

リツコ「(台本をパラパラ)あら?アナタ、チョイ役で出番があるわよ。」

ミサト「そ、そんな〜〜。(トホホホ・・・)」

ゲンドウ「・・・・・フッ。」

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 綾波司令   第3話「アスカ、攻撃。」

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「なんか、最近面白くないわね・・・。」

退屈なTVドラマをぼんやりと目で追いながらアスカは考える。

何が面白くないのかは、自分が一番よく知っている。

言いたくないだけ。

「バカシンジったら、アレ以来ファーストの方ばかり気にしちゃってさ!」

あ、言っちゃった。

・・・・ま、いっか。ミサトもバカシンジも留守なんだし。

シンジ「何か言った?アスカ?」

ギクッ!!

おそるおそる振り向くと、買い物袋を抱えたシンジがリビングの入り口に立っていた。

アスカ「い、いつ帰ったの?」

シンジ「え、今だけど・・・」

アスカ「た、『ただいま』くらい言ったらどうなのよ!」

シンジ「言ったよ・・・聞こえなかったの?アスカ?」

アスカ「うっ・・・・・」

シンジ「それより、アスカ、さっき何か言ってなかった?」

アスカ「(ドキッ!)テ、テレビの声じゃないの?(ドキドキドキドキ)」

シンジ「そうかなぁ?アスカの声だったような気がしたんだけど・・・」

アスカ「ア、アタシが、ひとりで喋ったりするわけないじゃないの!ファーストじゃあるまいし(あっ・・・)」

シンジ「それもそうだよね。・・・あ、そうだ。さっきスーパーで綾波に会ったんだ。綾波、司令になったの

    に、買い物は自分でするんだってさ。それで、今度トウジたちと一緒にたこ焼きでも作らないかっ

    て・・・・・アスカ?聞いてる?」

いつのまにか、アスカはシンジに真っ直ぐ背中を向けて、一心不乱にTVのドラマを見ていた。

アスカ「・・・よしっ!そこだ!やっちゃえ!!・・・・・アーン!何してるのよ!!・・・キャー!そこよ!!」

シンジ「アスカって、ホントに勝手なんだから・・・」

ブツブツ言いながら、シンジがキッチンに買い物袋の中身を片付けに行く。

アスカ「やったー!・・・やーっぱり、正義は勝つって本当だわ!!・・・・あー面白かった!・・・ええっと、

    次のドラマは・・・」

アスカの前に広げられた新聞紙が、ポツンッと寂しそうな音を立てた。

 

その日の葛城家の夕食。

シンジ「アスカ、そのソース取って。」

アスカ「(プイッ!!!)」

シンジ「アスカ、今日の新聞知らない?」

アスカ「知らないわよ!!!」

ミサト(ちょ、超大型の台風だわ・・・)

ペンペン「クゥ〜〜〜(冷や汗)」

チラリとリビングの隅を見るミサト。

☆柄付きの円筒形をしたゴミ箱は、口一杯に、丸めた新聞紙が押し込まれていた・・・。

 

「「いってきまーす!」」

(ふう・・・どうやらアスカの機嫌も治まったみたいね。)

ミサト「ねぇ?ペンペン?」

ペンペン「クゥ?(はたして、そうですかね?)」

・・・・・・・・・・・・・

てくてくてくてくてくてく。

シンジ「アスカ、まだ怒ってるの?」

アスカ「・・・・・・・・」

てくてくてくてくてくてく。

シンジ「ねぇ、どうして怒ってるの?アスカ?」

アスカ「(ギロリッ!!)」

シンジ「(ビクゥッ!!)」

アスカ「(プイ・・・)」

てくてくてくてく・・・。

・・・・・・・

シンジ「あ、綾波!」

アスカ「(ドビュンッ!《Uターンしてきた音》・・・ガキッ!《シンジの腕を取る音》)・・・行くわよ、シンジ!」

ぐいぐいぐい・・・。

シンジ「ア、アスカ?」

アスカ「早くしないと、チコクするわよっ!」

ぐいぐいぐい。

シンジ「う・・・・うん?」

ズルズルズル・・・。

シンジ(一体、何だっていうんだろ?)

 

学校に着いてからのアスカはご機嫌だった。

トウジ「碇、どないしたんや?惣流のやつ、ゴッツゥ機嫌がエエやないか?」

シンジ「・・・うん。」

ケンスケ「オマエ、何か思い当たることないの?」

シンジ「それが、さっぱり分からないんだ。」

トウジ・ケンスケ「「ふ―――ん・・・」」

アスカ「シンジィー!今日買い物付き合ってくれるー?」

トウジ・ケンスケ「「(ジロリッ!)」」

シンジ「(ぎくっ!)」

ケンスケ「イ〜カ〜リ〜。」

トウジ「セェ〜ン〜セェ〜。」

シンジ「・・・な、何?」

トウジ・ケンスケ「「こーの、果報者!(グリグリグリッ!!)」」

シンジ「わっ!な、何するんだよ!痛いじゃないか!・・・」

ヒカリ「何してるのかしら?相変わらず、進歩しない連中ね。ね、アスカ?」

アスカ「・・・・・・え?」

ヒカリ「・・・アスカぁ〜、まさかアナタ碇君のこと・・・」

アスカ「なっ、何言うのよ!いくらヒカリでも、言っていいコトと悪いコトくらい・・・」

ヒカリ「アハハ・・・冗談!冗・談・よ、ア・ス・カ?」

アスカ「ヒカリ〜!」

キャッ、キャッ、キャッ・・・明るい笑い声が教室にこだました。

 

そんな様子を、窓際の席にポツンと座ったレイが・・・・・じーっと見ていた。

 

翌日・・・・。

シンジ「あ、綾波?!!」

トウジ「うっ!」

ケンスケ「ゲッ!」

教室に入ってきた三人は、一様に驚きの声を上げた。なぜなら・・・

アスカ「ファーストッ!!な、何?その恰好!」

ヒカリ「あ、綾波さん?だ、大丈夫なの?」

全身を包帯でグルグル巻きにしたレイが、自分の席に座っていた。

中学の制服から出ている部分は、頭と言わず、顔と言わず、両手両足に至るまで、明らかに自分で巻

いたと思われる不器用な巻き方で白い包帯に包まれていた。唯一覗く赤い瞳が、辛うじて、その人物を

レイだと教えている。

シンジが、トウジが、ケンスケが、ヒカリが絶句している。

アスカ(露骨に怪しいわ!昨日本部で会ったときはピンピンしてたじゃないの!!『・・・じゃ、さよなら。』

    なんて言ってたのに・・・。何か匂うわネ・・・(ジロリッ)。」

レイ「・・・・・・・・(タラ〜)。」

しかし、シンジは・・・・

シンジ「綾波!大丈夫?綾波!?・・・僕が代わりに出るよ、父さん!!」

・・・・TV第壱話にトリップしていた。

アスカ(ハッ!このままでは、シンジが・・・!よ――し!!こうなったら、こっちにも考えがあるわよ!)

アスカ「エイッ!!」

むんずとレイの包帯に手を掛けると、アスカは力一杯引っ張った!

アスカ「エ―――――イッ!!」

くるくるくるくる・・・

つぎつぎと包帯が巻き取られ、レイの手が、足があらわになる。

アスカ(ほーら、見てみなさいよ!どっこも怪我なんかしてないじゃない!!)

アスカ「お次は・・・!」

両手両足の包帯を巻き取ったアスカは、次に顔面を覆う包帯に手を掛けた。

くりくりくりくり・・・

レイのきれいな顔が次第に現れて・・・

アスカ「げげっ!!!」

シンジ「あっ!!」

トウジ「おっ!」

ケンスケ「へぇ〜!」

ヒカリ「誰?」

アスカ(し、しまった!この手があったのね・・・)

最後の包帯がハラリと頭から落ちた時、そこにいたのは、十代の碇ユイに変身した綾波レイであった。

第壱中学の制服を着たその姿は、シンジの脳天を直撃するには充分過ぎる程の破壊力を持っていた。

シンジ「か、母さん・・・?(フラフラフラ)」

レイ「シンちゃん・・・。」

シンジ「母さん・・・綾波?・・・母さん・・・綾波?・・・母さん・・・綾波?」

レイ「フフフ・・・こっちへいらっしゃい。」

シンジ「・・・うん。」

レイ「さぁ、私の膝に頭をのせて・・・。」

シンジ「うん。・・・あったかいや・・・それに、何だかいい匂いがする・・・。」

レイ「(ぽっ)・・・もっと、あまえていいのよ・・・」

アスカ(くっ、ま、負けたわ!ファースト、今日のところは、おとなしく引き下がってあげる・・・・・でもね、

    ・・・・・・アタシは、ずぇったいにくわぁ―――つっ!!!

 

ケンスケ「まるで、擬似『嫁と姑』だな・・・」

トウジ「ホンマ、碇には同情するで・・・」

ヒカリ「・・・碇君、家に帰ったらどうなるのかしら?」

トウジ・ケンスケ「「・・・(ハッ!碇が危ない・・・)・・・」」

 

その日の葛城家の夕食。

アスカ「シンジ〜〜、おかわりは〜〜?」

シンジ「(ビクッ!)う、うん・・・。も、もらおう・・・かな・・・」

アスカ「ハイ、ど〜ぞ〜。大盛りよ〜〜。」

シンジ「(うっっ、こ、こんなに)・・・あ、ありがとう・・・、アスカ・・・」

アスカ「シンジ〜〜、湯呑がカラッポよ〜〜。(トポトポトポ)」

シンジ「えっ!な、なんか・・・今日は・・・気が・・きくね・・・。ワッ!ア、アチ!(ゲホゲホッ!)」

アスカ「ゴメ〜ン、シンジ〜。チョット熱かったかしら〜〜。」

 

ミサト(も、もはや、恐ろしくて声も出ないわ・・・)

ペンペン(クヮヮヮ・・・)

 

アスカ「シンジィ〜、食事が終わったら、プロレスごっこするわよ〜〜。」

 

 

『綾波司令』 第3話「アスカ、攻撃。」 終

 

次回予告

突如、芦ノ湖上空に現れた第三のゲンドウ。

絶対の防御を誇る敵に、ミサトは「第2次ヤシマ作戦」の発動を決意する!

生と死、出会いと別れ・・・シンジの初号機はゲンドウに勝てるのか?

ネルフ本部に危機が迫る!

次回、『綾波司令』 第4話 「オトコの戦い!」

ヨロシクねン!


マナ:なんだか、綾波さんが物凄くいいとこもっていってるわねぇ。

アスカ:ユイさんを武器にするなんて、やり方が汚いわよっ!(ーー#

マナ:シンジの性格からすると、これは脅威の攻撃ね。

アスカ:負けるもんですかっ!

マナ:やっぱり、タイトルからして綾波さんが主役っぽいから、綾波さんが目立っちゃうのかしら。

アスカ:主役はアタシよっ!

マナ:どう見ても、インパクトの強さは負けてるわよ。

アスカ:うっさいわねぇっ! リベンジよっ! リベンジっ! 次回でリベンジよっ!

マナ:うーん・・・。

アスカ:なによっ!?

マナ:次回は、どうもそんな雰囲気じゃなさそーよ?

アスカ:・・・・・・。確かに。(ーー;
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