伊吹「センパイ、このグラフを見てください!」

リツコ「まぁ!予告と本編のシンクロ率が完全にマイナスを指しているわ。」

伊吹「どうしましょう?」

リツコ「この期に及んでの修正は不可能・・・開き直るしかないわね。」

伊吹「納得できません。」

 

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 綾波司令   第5話「葛城家の人々」

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芦ノ湖でのゲンドウ迎激戦から三日。

第3新東京市の舗道を、スポーツバッグ片手に、惣流・アスカ・ラングレーがスタスタと歩いて行く。

アスカ(ベッドの上なんかでいつまでもノンキに寝てらんないわよ・・・ホ〜ント、リツコもうるさいんだから)

やがて見えてくるミサトのマンション。

サッサとエレベーターに乗り込むと、空いている方の人差し指でボタンを押す。

アスカ(どーせ予定を繰り上げて帰っても、あのバカは『あ、帰ったの?アスカ。』って言うくらいなもの

    よね・・・。あんなに泣いてたクセに)

自分だって泣いていたことは、一時棚上げ。

通路を通って、あっという間に到着するドアの前。

アスカ(あの鈍感は死ぬまで直らないわね)

・・・・・・・・・・・・・

プシュッ

1歩入った彼女の足下に、同居人の通学靴があった。

アスカ(そうか・・・今日、訓練休みだったわね)

と、その横に、別の靴が、もう1足脱いであるのが目についた。

アスカ(あれ、シンジの友達?なんだか見覚えのある靴ね。誰のだったかしら・・・)

カチャ

アスカ「ただいま・・・」

!!!

シンジ「あっ、お帰りアスカ!!今日退院だったの?連絡してくれれば、迎えに行ったのに!」

予想を裏切る少年の反応・・・・喜び満載のさわやかな笑顔がアスカを迎え入れる。

しかーし!クォーターの蒼い瞳は、シンジを見てはいなかった!!

アスカ「なんでアンタがココにいるのよ!?」

レイ「身体、もういいの。」

リビングのテーブルの向こう側から、綾波レイがボケッとした顔をこちらに向けていた。

レイの質問を無視して、アスカは顔中を口にして叫んだ。

アスカ「なんでアンタがココにいるって聞いてんのよ!!!」

レイ「・・・・・・・」

『何を言っているの?』と言いたげな表情が、イキリ立ったアスカの神経を逆なでにする。

シンジ「綾波が勉強で分からない所があるって言うから、教えていたんだ。綾波の所でするより、こっちの方が

    はかどりそうだからね。」

シンジの説明が終わるはるか以前に、アスカの姿は消えていた。

ピシャンッ!!

音を立てて、アスカの部屋の襖が閉められた。

シンジ「・・・どうしたんだろう?」

レイ「・・・・・怒っているのよ。」

シンジ「何を?」

レイ「・・・・・・・」

―――たしかに、サードチルドレン鈍過ぎ。

 

アスカ(な、なによ!アタシがせっかく帰ってきたっていうのに!!・・・中学生のクセにヒトの留守中に

    逢引き(←?)するとは、イイ度胸じゃない?・・・・・・・・「あの時」の涙は、一体何だったのよっ!)

こちらは、少々考え過ぎのセカンドチルドレン。

入院中の身の回り品が入ったバッグを壁に叩きつけると、目を怒らせてノースリーブとホットパンツに

着替え、ベッドの上にどすんっとおしりを落とし、ムンズっとアグラをかいて、天才美少女、ここに復活。

アスカ(・・・といって、このまま引き下がってるのはシャクね!なんとかあの“抜け駆け女”を追い出す

    方法を考えなきゃ・・・・・・・ん?二人でイチャついてるワリには、ズイブン静かね・・・)

こっそり部屋から抜け出すと、そ―――っと首を伸ばしてリビングの中を覗き見る・・・すると、

 

カリカリカリ・・・

レイ「?・・・碇君、これ」

シンジ「あ、そこはね・・・・を・・・・・して、・・・・・・するんだよ。」

レイ「・・・・・・(コクン)」

カリカリ・・・

 

アスカ(あれ?本当に勉強しているだけ?これじゃ、アタシがバカみたいじゃないの・・・)

シンジ「綾波、コーヒーでいい?」

レイ「・・・・ええ。」

アスカ(ムッ!いよいよ、これから“御休息”ね・・・)

シンジ「アスカも飲むだろ?」

ぎくっ!

レイが、チラリとリビングの入り口に視線を向ける。

アスカ(お、お見通しだったってワケね・・・・。しかも、ファーストにまで・・・)

アスカ「え、ええ・・・砂糖抜きでお願いするわね!」

背中から冷や汗を大量に流しながらも、澄まし顔で2人の間の席に腰を降ろすセカンドチルドレン。

シンジ「ミルクたっぷりだよね!」

再びレイがチラリと視線を向ける。

アスカ「な、何言ってるの!ブ、ブラックよ!コーヒーはブラックに決まってるじゃない!!」

シンジ「だって、いつもは・・・」

シンジ「ウルサイわね!さっさと作りなさいよ!!」

レイ「(カリカリ・・・)」

やがて―――

シンジが3人分のカップを持って入ってきた。香ばしい湯気の立つそれをひとり一人の前に置いていく。

アスカ「(スゥ――・・・)イイ香り!やっぱりコーヒーはブラックに限るわよねぇ!!」

チラッとレイのカップに目を落とすと、明らかにミルク入り。たぶん砂糖も入っているだろう。

アスカ(フ、フフン・・・!やっぱりコイツはガキね。話にならないわ)

勝ち誇った目をシンジのカップに移すと、その中味は――レイと同じく、ミルク&(恐らく)砂糖入り・・・

アスカ(や、やられた!・・・・・・・・・・ニガ〜〜〜イ!!)

――弐号機、自爆。

いつもなら、ミルクも砂糖もた〜ぷり入れるアスカにとって、その後の5分間は入院明けの身体には少々

コタえる大人の時間となった。

 

シンジ「それじゃ、ちょっと出かけてくるね。」

時計の針が午後4時半を指す頃、シンジが立ち上がった。自分の部屋に戻ると、TシャツにGパン、ナップ

サックを肩に掛けた姿でリビングの二人に声をかける。

レイ「・・・・・?」

アスカ「気をつけて行ってくるのよ。」

シンジ「うん。・・・・遅くなるかもしれないから、晩ご飯は出前でも取っておいて。」

アスカ「了〜解。」

・・・カチャ

シンジが出て行った。

レイがもの問いたげな目をアスカに向ける。

アスカ「・・・・・捜しに行くのよ。」

レイ「・・・・・・・」

アスカ「本部待機のない日になるとね・・・。鈴原や相田にも手伝ってもらって。今日は、西地区の奥かしらね。

    でも、ま、アタシが帰ってなかったらお見舞いに来てたでしょ――けどォ・・・」

レイ「・・・・・・・」

アスカ「アンタが気にするコトはないのよ。アイツが好きでやってんだから・・・。それに、ファーストが司令になって

    から随分本部の空気も変わってきたしね。」

レイ「・・・・・もう少し居ようかしら。」

アスカ「へっ?」

レイ「・・・晩ご飯、何を取るの?」

アスカ「ちょと、ファースト・・・」

レイ「私は・・・・」

アスカ「ラーメンなんか取らないわよ!」

レイ「じゃ、何にするの?」

アスカ「○△亭のハンバーグランチ!」

レイ「イヤ。」

 

ミサト「おっかえりー、アスカッ!!・・・・アレ、お客様?」

リビングへ入ったミサトの目に飛び込んできたのは―――

“ミックスピザ”を挟んで睨み合っているセカンドチルドレンとファーストチルドレンの姿だった。

ペンペンが冷汗を流しながら二人とピザを見比べている。

ミサト(なに、この二人?)

 

ミサト「アッハッハッ!まさか、そんなことで揉めていたなんてねぇ!!」

プシュッ!と小気味良く“ヱビちゅ”のプルトップを開けながら、ミサトが笑った。

アスカ「笑わないでよ!こっちは真剣だったんだから・・・」

レイ「・・・・・・・」

レイの頬もうっすらとピンク色に染まっている。

ミサト「それにしても、初めてよねぇ!レイが家に遊びに来るのは?」

ミサトが満面の笑みを、ピザを口に運ぶレイに向けた。

レイ「・・・・・(パクッ)」

アスカ「司令なんだから・・・とっとと本部に行けば、って言ったのに、完全に居座っちゃうんだから・・・」

オレンジジュースを片手に、アスカがジト目を隣に向ける。

ミサト「いーじゃない、アスカ?賑やかな方が楽しいわ!・・・・これからもちょくちょく遊びにいらっしゃい。」

レイ「・・・・・(モグ・・)」

アスカ「アタシは別に今までのままでイイわよっ!」

ミサト「そー言わないで。なんたってレイはネルフの司令なんだから、仲良くしといてソンはないわよ!」

アスカ「・・・ソレ、碇司令の時も実行していたのかしらネ?」

ミサト「うっ・・・そ、それは・・・」

レイ「・・・・・(ベーコン食べてくれる?↓)」

ペンペン「クワッ、クワッ(パクッ!↑)」

 

9時過ぎ、ガチャリとリビングの扉を開けて、シンジが帰ってきた。

シンジ「ただいま・・・」

ミサト「おかえり、シンジ君。」

アスカ「どうだったの?」

シンジの衣服は、すっかり汗と埃にまみれてしまっていた。

シンジ「まぁ・・・いつも通りだったよ。」

壁の時計に目をやる。

シンジ「遅くなってスミマセンでした、ミサトさん。」

シンジがミサトに頭を下げた。

ミサト「今日は事情があって遅くなったみたいだから特別に許してあげるけど、これからは気をつけてね。

    シンジ君はまだ中学生なんだから。」

シンジ「ハイ・・・ゴメンなさい。」

ミサト「お説教はココまで。早くおフロに入ってらっしゃい?ずいぶん身体が汚れているわ。」

シンジ「あ、ハイ。」

リビングからシンジが出て行く。

その後ろ姿を見送っていたレイに、ミサトが声をかけた。

ミサト「シンジ君が出たら、アナタも入ってらっしゃい。」

レイの顔がミサトにむけられる。

アスカ「チョット、ミサトォ・・・!」

アスカが唇を尖らせたが、ミサトは『イイの、イイの』とウインクをしてみせた。

ミサト「もう遅いから、泊まっていくでしょ?」

たしかに、時計の針は午後9時30分を回ろうとしていた。

レイ「・・・・・・」

ミサト「それとも、アスカは、こんな夜中にかよわいレディーを歩いて帰らせるワケ?」

アスカ「ミサトが車で送ればイイじゃない!」

ミサト「無理ねェ〜。酔っぱらっちゃったも〜ん♪」

しらじらしく、目の前の“ヱビちゅ”の残骸を指差すミサト。

アスカ(シラフのくせに・・・都合のイイ時だけ酔っ払いになるんだから)

ミサト「ん?何か言った?アスカ。」

アスカ「別にィ・・・しかたないわネ。今回だけよ。」

ミサト「さっすが、アスカ!太っ腹ー!・・・よかったわね、レイ?」

レイ「・・・・・いいの?」

その問いは、どちらかといえばアスカに向けられている。

アスカ「(フンッ!)・・・好きにすれば。」

テーブルに頬杖を突いて、アスカがそっぽを向いた。

 

チャッポン・・・・

シンジ(人一人を捜すとなると、第3新東京市も広いんだよなぁ・・・。トウジとケンスケには感謝しなくちゃ・・・)

ペンペン「クワ〜〜〜(プカプカ)」

チャプ・・・

シンジ(・・・それに父さんが行きそうなトコロなんて・・・・全然思いつかないや。つくづく縁の薄い親子なんだな・・・)

ペンペン「クゥゥー・・・(プカ〜〜ン)」

ぐぐぐっ・・・う――ん

シンジ(・・・来週からは南の方を調べることにしよう・・・・・・なんか疲れたな・・)

ペンペン「クワァァ〜〜・・・(大あくび)」

ウトウトウト・・・・・・パシャン!

シンジ(いけない!眠っちゃうところだった・・・・出よう)

ペンペン「(スイ〜〜〜♪)」(←まだ入るつもりらしい)

ザバッ!――― チャッ・・

シンジ「あ、綾波・・・」

ホカホカした身体をタオルで拭いてバスルームから出たシンジの前に、綾波レイが立っていた。

トイレに立った所らしく、ドアのノブに手を掛けたままこちらを見ている。

レイ「・・・・・?」

無言のままレイが向ける視線の先を、自分の下半身までたどった瞬間、シンジは飛び上がった。

シンジ「ほあぁぁぁっ!!」

ガタンッ!!スッテ――ンッ!ゴチン☆☆ 

ミサト「どうしたのっ?」

アスカ「何があったのよ!」

バタバタバタ・・・

駆け付けた二人が見たものは・・・トイレの前にたたずむ綾波レイと、バスルームから両足を出して仰向けに倒れ、

失神している碇シンジの姿であった。

ミサト「こ・・・これは、あまりに・・・」

アスカ「ミ、ミサト・・・」

年かさのミサトはともかく、アスカは顔を真っ赤にして目のやり場に困っていた。

―――こんな時、自分以外に男手がいないというのは悲惨である。

ミサト「そっち持って、レイ。」

レイ「はい。」

アスカ「か、隠しなさいよね。」

―――まぁ、考えてみれば、これで『お互いさま』?

 

シンジ(最悪だ・・・。ミサトさんはああ言ってたけど、本当に見られなかったのかな?)

暗い顔をして膝を抱えているシンジの頭の上には、氷入りのビニール袋がのっかっていた。

チラッ・・・

アスカ「・・・何よ?」

怪訝な顔をアスカが向ける。

シンジ(ホッ・・・。どうやらアスカには見られずに済んだみたいだな・・・)

アスカ「ミサトってば、ホ〜ントお風呂長いんだから・・・。ア〜ァ、早くアタシもシャワー浴びたーい。」

アスカ(バカと同居するのも気を遣うわね〜。・・・それにしても、なんでファーストが先に見ちゃうわけ)

 

ミサト「それじゃ、一緒に寝る組み合わせを考えましょっ!」

全員が風呂から上がった後、ミサトがリビングにいる皆の顔を見渡した。

ちなみに、レイと一緒に上がったペンペンは一足先にマイルームで熟睡中。

なぜかレイが隣に座っているシンジは、顔色一つ変えない彼女の横で、一人落ち込み続けていた。

アスカ(仲良くしたバチね)

ニヤリッと笑ったアスカの耳に、ミサトの声が飛び込んできた。

ミサト「レイ、アスカと寝る?」

エッ!?と顔を向けると、ミサトのパジャマを着たレイと目が合った。

アスカ「イヤよ!ファーストと一緒に寝るくらいなら、野宿した方がマシだわ!!」

即答するアスカ。

ミサトが、『ありゃ〜』という顔をする。

ミサト「それじゃ・・・シンちゃんと寝てみる?」

シンジ「エッ!!」

思わず顔を上げたシンジの目が、レイの紅い瞳とぶつかった。

ボタリッと氷入りビニール袋が落ちる。

急激に心臓のポンプから汲み上げられた血液が顔面に集中した結果、シンジの赤面はトマトを超えた。

レイ「命令ならそうするわ。」

アスカ「なっ!?」

今度は、アスカがうろたえる番。

そして、当のレイはといえば、

レイ(・・・ハッ!私、何を言っているの?私は司令のハズなのに・・・)

やはり、思わず口をついて出た自分のセリフに驚いていた。

ミサト「冗談よ、冗談!」

笑いながら、ミサトが手の平をヒラヒラとさせた。

シンジ&アスカ「「(・・・ホッ)」」  レイ「(・・・・・・・・)」

ミサト「レイは、あたしと一緒。シンちゃんとアスカは自分の部屋。それでイイでしょ?」

レイ「・・・・はい。」

シンジ&アスカ((やっぱり、初めから決めてたんだ・・・))

 

<ミサトの部屋>

その夜、ミサトとレイは同じ布団で一緒に寝た。

ミサト「どう?レイ。いいものでしょ、家族って。」

レイ「・・・・・・」

ミサト「あなたさえ良ければ、これからも一緒にいていいのよ?」

レイ「・・・・・・」

ミサト「・・・・ま、無理にとは言わないケドね。」

レイ「・・・・・・」

ミサト「ホントは、シンちゃんと一緒に寝たかったんじゃないの?」

レイ「・・・・・・・・・・」

目元をかすかに桜色に染めて、レイの瞳はまっすぐに天井を見詰めていた。

純粋で不器用な子、か。

いつかリツコの言った通りだわ・・・

いつくしむような眼差しを、ミサトがそっと向けていた。

ミサト「もう遅いわね。・・・・そろそろ寝ましょうか?」

レイ「・・・・・葛城三佐。」

ミサト「なに?」

レイ「・・・・・なんでも、ありません。」

ミサト「そう・・・」

レイ「・・・・おやすみなさい。」

ミサト「おやすみ、レイ。」

レイの額に、チュッと温かいものが触れた。

驚いたレイが首を巡らすと、すでにミサトは目を閉じて寝息を立てていた。

しばらくその横顔を眺めていたレイも、やがて静かな眠りに入っていった・・・

 

<シンジの部屋>

シンジ(綾波がいて、アスカがいて、ミサトさんがいて・・・案外僕は幸せなのかもしれない。・・・・もっとも、

    綾波には見られちゃったけど(カァ〜〜ッ)・・・・・・・・あれ、何か忘れているような?)

まぁ、いいか。忘れるくらいなら、大したコトじゃないよね・・・・・・スヤスヤスヤ

 

<アスカの部屋>

アスカ「そーいえば、アタシの退院祝いはどうなったのよっ!?ミサトもシンジも、すっかり忘れちゃってぇ!

    ・・・・・それもこれも、みんなファーストが来たセイよっ!!」

げしっ!!!

 

翌朝。

ミサト「いってらっしゃーい!!!」

ミサトとペンペンに見送られ、3人のチルドレンが肩を並べてマンションを出てゆく。

そして、人類の明日を託された少年1人と少女2人は仲良く学校へ到着した・・・・・・・・のかどうかは、

彼等の同級生の話を聴くコトにしよう。

 

トウジ「いやー、ビックリしたで。綾波と惣流が同時に前後のドアから入ってくるんやからな。」

ヒカリ「それより、碇君どこでコロんだのかしら?傷だらけだったわ。」

ケンスケ「君たち、鈍いねェ・・・」

 

・・・・・やっぱり。

 

―――で、ここは前日のネルフ本部。

冬月「レイ君は、どこに行ったんだ?今日はUNとの衛星使用に関する調整会議の日ではないか。」

伊吹「レイの携帯から通信が入っています。『副司令、後はよろしく。』だそうです。」

リツコ「これでは、碇司令と大して変わらないわね。」

冬月(・・・司令は代わっても、私の仕事は永遠に残るか)

 

チャンチャン!

 

『綾波司令』 第5話「葛城家の人々」 終

 

 

次回予告

ファーストチルドレン、綾波レイ。

零号機の専属パイロットにして、質素な団地住まいをする少女。

しかし、司令長官に就任したことにより、彼女の生活にも

ささやかな転機が訪れる。

次回、『綾波司令』 第6話 「見知らぬ、部屋」

ヨロシクねン!


アスカ:アンタ邪魔なのよっ!

レイ:私は司令。邪魔じゃないわ。

アスカ:ここはアタシとシンジのうちなのっ! 入ってこないでっ!

レイ:葛城三佐はいいって言ってるわ。

アスカ:ミサトがいいって、言ってもアタシがダメなのっ!

レイ:そう・・・じゃ、あなたとあそこで寝ることはできないのね。

アスカ:ったりまえでしょうがっ!

レイ:司令より諜報部員に緊急司令。外から鍵のかけれる部屋にアスカを・・・。

アスカ:キャーーーーーっ! ちょっと待ちなさいよっ!!!

レイ:司令の命令は絶対・・・。(クス)

アスカ:覚えてなさいよーーーーーーーーーーっ! ちくしょーーーーーーーーーーーーっ!(ズルズルズル)

レイ:これで、私があそこに住めるのね。
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