「・・・シンジ君。ついてきなさい。」
 冬月は、唐突に行った。
「何処へですか?」
 シンジは、聞いた。
「今の君になら使いこなせるかもしれん。『聖剣エヴァンゲリオン』を。」
                                                   

 天冥戦争 第三話   〜聖剣エヴァンゲリオン〜
                                                 

「エヴァンゲリオンって、あの、エヴァンゲリオンですか?」
 シンジは、興奮を抑えつつ、冷静に聞いた。
「そうじゃ、みんなも、ついてきてくれ。」
 冬月は、そう踵を返すと、司令室を後にした。みんなは、それにつられ、ついていった。

「指令、何処へ行くんですか?下に行ってるって言うのは、分かるんですけど。」
 ミサトは、疑問に思い、冬月に聞いた。
「セントラルドグマだ。」
「セントラルドグマって言えば、確か、千年前の天の者の、お墓があるって、学校では習ったわ。」
「そうよね、アタシも、ドイツでもそう習ったわ。」
 ヒカリと、アスカは、言った。
「そうだ。表向きにはそうなっておるが、実際のところ、エヴァンゲリオンが封印されておるのだ。
あまりの強大な力だったもんだから、先人が、セントラルドグマへ、封印したと私はきいている。」
 一行は、螺旋階段をどんどん下へ、降りていった。どれくらい降りただろうか?とにかく随分下へ来たことは、
違いなかった。そして、最下部についたようだ。最下部には、銀色の大きくて、なおかつものすごく頑丈そうな、扉があった。
「ここだ。」
 冬月は、手持ちのIDカードを、スロットに通した。そしてなにやら、パスワードを入力しはじめた。
そして、扉が、さび付いた金属音を発しながら、開いた。
「ここが、セントラルドグマ・・・。」
 シンジは、呟いた。
 セントラルドグマ。そこは、何も無いただの空間だった。そう、そこに、剣があることを除いては。
「これがエヴァンゲリオンですか?」
 シンジは、冬月に聞いた。
「そうだ。」
 そこには、『聖剣エヴァンゲリオン』が、地面に突き刺さっていた。そして、なにやらお札のような物が付いていた。
これが、封印なんだろうか?剣の容姿は、聖剣と形容するよりも、魔剣と言った方が、正しいような気がした。
なぜなら、『聖剣エヴァンゲリオン』は、紫紺の刀身、漆黒の柄、見た目からは、禍々しい、オーラを発しているように
シンジには、見えた。
「シンジ君。なぜこの剣が、聖剣と呼ばれるかわかるかね?」
「え?」
「君は、きっとこの剣の容姿から、聖剣と言うにはふさわしくないと思っただろう?」
 シンジは、まさに、そう思っていたため、はにかむように笑った。冬月は頷きながら続けた。
「シンジ君、千年前、この剣の鍔から、三対六枚の真っ白な翼が現れたそうだ。故に、この剣は、聖剣と呼ばれているんだよ。」
「本当ですか?指令。」
 レイは、真っ白な翼と聞き。目を輝かして聞いた。
「実際のところは、わからん。ただ、そう言う、言い伝えがあるのは確かだ。さあシンジ君、エヴァを、抜くのだ。」
 シンジ、軽く頷き、エヴァの元へ歩み寄った。皆の見守る中、シンジ、皆に頷き、そして、
お札をひっぺがし、エヴァに手をかけた。そのとき!
「な、なんだ!?」
 シンジがエヴァに手をかけた瞬間、エヴァが光り始めた。それは、目の眩むほどの眩しさだった。シンジは、気を失ったようだ。


「誰だ、私に触るのは。」
 突如シンジの頭の中に声が聞こえてきた。
「だ、だれだ!?」
「誰って、お前が、握っている剣だ。わからんのか?」
「もしかして、エヴァ?」
「懐かしい名だ。それより、おまえ、『天』だな。もしや、また『冥』が、復活したんじゃないか?」
「そうなんだ。だから、君の力が借りたいんだ。」
「よかろう、私は、そのために作られた。」
「作られた?」
「そのことは、後で説明してやる。お前の仲間が心配してるゾ。」
「え?」
 その言葉を最後に、シンジは、意識を取り戻したようだ。


「シンジ、シンジおきて!」
(アスカの声が聞こえる・・・)「アスカ・・・」
「よかった、シンジ、急に倒れちゃうんだもん。ビックリしちゃったわ。」
 シンジは、自分の視界の真上に、アスカの顔があることに気づいた。シンジは、ようやく自分の現状に気づいた。
シンジは、アスカの膝の上にいた。いわゆる『膝枕』というやつだ。シンジは、それに気づき、顔を真っ赤にし、
起きあがった。アスカはアスカで、顔を赤くしている。
『お取り込み中悪いが、そろそろいいかな?』
「「「「「「だ、だれ?」」」」」」
 シンジ以外の、みんなは、正体不明の声に、警戒を発した。
「大丈夫だよみんな。エヴァだよ。」
「「「「「「エヴァ?」」」」」」」
『そうだ、自己紹介をしよう。私は、エヴァンゲリオン・ミカエル、コードナンバー001。よろしく頼む。』
 エヴァは、そう自己紹介をした。
「こ、コードナンバーって、何?あなた、エヴァンゲリオンって、いくつもあるの?」
 リツコは、疑問に思い質問した。
『いくつもって、そんな沢山はないぞ。千年前、私たちは、創られたのだ。人類によってな。』
「つ、創られたって、アンタ、伝説の聖剣じゃないの!?」
 アスカは、驚愕の表情を浮かべながら、聞いた。
『伝説の聖剣?なんだそれは。エヴァンゲリオンとは、千年前に、人類が、対魔界の生物の、決戦兵器として創られたのだ。
私は、一三本の中の一本だ。しかし、千年前の、天冥戦争で、そのうち九本は、戦争によって、破壊されてしまった。』
「じゃ、じゃあ、貴方を入れて、四本の、エヴァが残っている訳ね。」
 リツコは、興奮しながら言った。
『まだ残していればな。』
「どういうこと?」
『私たちは、その強大な力があったため、後に、人間同士の戦争につながるといって破棄された者もいた。
九本の内、三本は、そうだ。その後私は、封印されたため、その後は知らない。』
「そうなの・・・。」
 ミサトは、感傷的に言った。
『ところで、ここに天の者がいるって事は、冥の者が、現れたって事になるな。』
「そうなの。だから貴方の力が必要なの。だから、お願い。力を貸して。」
 レイは、頼んだ。
『もちろんだ。私はそのために生まれてきたのがからな。』
「ありがとう、エヴァ。」
「ところで、私は、お前達の名を聞いていなのだが。」
 シンジは、慌てて自己紹介をした。

『シンジか・・・・。』
「どうしたの?」
 シンジは聞いた。
『いや、千年前の、天の者の名前もシンジだった。これは何かの因縁だな。』
「そ、そうなの?エヴァ。」
『さっきから気になっていたのだが、私の名前は確かにエヴァだが、できれば、ミカエル、と呼んで欲しい。』
「わかったよ、ミカエル。」
 シンジ達は、セントラルドグマ後にした。

司令室
「ミカエル、千年前の事をもっと詳しく教えてはくれなにか。なんせ、こちらには情報がない。
やつら、魔王軍とか、軍団長とか、よくわからん。」
『いいだろう、あれは、千年前、魔王軍に攻められ、地上軍は、追い込まれている頃だった。
その時私と天の者が、生まれたのだ・・・

回想

「やっと完成したわ。」
 私を創ったのは、女性の研究員、ナオコという者だった。彼女は、大陸で1,2を争う頭脳の持ち主だった。
彼女は、この日、私と、コードナンバー000、ガブリエルだった。ナオコは、私たちに人工頭脳を付けてくれたりしてくれた。
ガブリエルは、試作品で、ガブリエルの属性は、水、だった。私は、天の者のために創られたため、人工的な、
天、の力を持っている。そして、次に、コードナンバー002のウリエル、003に、ルシファーが、つくられた。
その後は、量産型で、人工頭脳は持たなかった。
 そして、私以外の、エヴァンゲリオンは戦場に、繰り出された。私は、天の者のために創られたため、私は戦場には、出なかった。
そして、14年の月日が経ち、ついに、天の者が、戦うときが来た。私は、その時に初めて、戦場に出たが、それは悲惨の物だった。
私の目の前で、何人もの人が、死んでいった。そして、私たちの、最後の戦いが始まった。私たちエヴァンゲリオンは、
もう既に、六本しかなかった。そして、千年前のシンジが、全ての力を使い、魔王軍を、全滅させ、そして、私の力を借りて、
魔界の扉を封印したのだ。そして、シンジは、そこで力つき、死んでしまった。私は悲しかった。
たったの数カ月足らずだったが、シンジと一緒に居れて楽しかった・・・。
 そして、量産型のエヴァンゲリオンは、全て廃棄され、エヴァの、作り方、人工頭脳の作り方の、メモリーも、
全て破棄された。私と、ウリエル、ルシファーは、封印されたのだ。私たちは、量産型と違い、特別扱いを受けたようだ。



 そして今に至るわけだ。魔王軍団長とは、魔王軍のクラスだ。クラスは、次のようになっている。
1,魔王(冥の者)1人
2,魔王補佐1人
3,魔王長官3人
4,魔王軍士長3人
5,魔王軍団長9人
6,上級魔界戦士多数
7,中級魔界戦士多数
8,下級魔界戦士多数
 魔王軍団長は、それぞれの属性を、まとめる役割を果たしている。
 いまは、どうか知らないが、千年前は、こうだった。』
「げー、シンジが倒したやつでも、そんなに、クラスが低いんだ。」
 アスカは、ビックリしながら言った。
『シンジは、何奴を倒したんだ?』
「魔界軍団長を、2人倒したんだ。たぶん属性は、「光」と「水」だと思う。」
『そうか、以前は、その属性は、そんなに強くなかったらしい。現に、普通の、訓練した人間でも勝てたという記録があった。』
「じゃ、じゃあ、あれ以上強いのがまた来るわけ!?」
 レイは、素っ頓狂な、声を上げた。
『まあ、そう言うことになるな。』
「そんな、それじゃあ、シンジ一人じゃ、どうにかできるって訳じゃなくなってくるじゃない!」
『何故だ?おまえたちは、戦わないのか?』
「私たちじゃ、手に負えなかったのよ。ミカエル。」
 リツコが言った。
『なんだ?お前達弱いんじゃないのか?』
「そんなことないわよ!私たちは、ネルフの精鋭よ!エリートで強いんだから!」
『でも勝てないんだろ?』
「くっ」
 アスカは、ぐうの音も出なかった。
『考えられるのは二つ。お前達が弱いのか、魔界の生物が、強くなったのかだ。もし後者なら、厄介だな。』
 みんなは、言葉がなかった。このままじゃ、シンジ一人に負担になってしまう。しかし、沈黙を破った者がいた。トウジだ。
「なあ、こういうのはどやろうか。エヴァを創るって言うのはどうやろうか。もしできるんやったら、かなりの戦力になるんやないか?」
「鈴原君すごい、それ良い考えよ!」
 レイは、トウジの意見に賛成した。
『ダメだ。私たちエヴァは、特殊な素材でできている、その素材は、千年前に全て使ってしまった。元々、貴重な素材だったからな。』
 トウジオとレイは、意気消沈してしまった。
「ねえ、リツコ。」
「何?ミサト。」
「エヴァが、特殊な素材で、出来てるんなら、MAGIで探せるんじゃないかしら?千年前に封印されたエヴァが。」
「そ、そうよ。そんな特殊な素材で出来ているのなら、きっとMAGIで探せるわ!」
「そうなの?」
 アスカは聞いた。
「ええ可能よ。そうと分かれば、さっそく、調査よ。シンジくん。ミカエルかして。」
「いいですけど・・ミカエルいい?」
『いいが、あの科学者みたいな人から、なんか、危険な匂いがするけど大丈夫か?』
「大丈夫よ。ちょっとマッドなだけだから。」
「・・レイ、そんなこと言ってると、改造するわよ・・・」
 リツコは、レイに、にらみを利かせた。レイはそれを見て、アスカの後ろに隠れた。
 かくして、エヴァンゲリオン探しが、始まった。


三日後
 エヴァは、ミカエルの言うとおり、いまでは、存在しない物質から成っていた。よってMAGIで探すのは、容易だった。
「あったわ。ここよ。ここに、エヴァらしき物があるわ。ここは、北海道ね。」
「それじゃあ早速行きましょう!」
 ヒカリは、みんなを促した。が、
「まって、みんなで行ったら。ネルフの、戦力が手薄になるわ。ここは、二手に別れましょう。」
 ミサトは、作戦部長らしいことを言った。

 その結果、居残り組は、リツコ、ヒカリ、トウジ、ケンスケ、加持になった。エヴァ検索隊は、
シンジ、アスカ、レイ、ミサトになった。
「シンジのやつ、ええのお。ハーレムやないけ。」
「こら、トウジ!なに言ってるのよ!」
 ヒカリは、拳を振り上げた。
「わ、かんにや、ヒカリ!」
 トウジ達が痴話喧嘩をしている内に、シンジ達は、皆に挨拶をしていた。
「指令、行ってきます。」
「きおつけるんだぞ、シンジ君、いい知らせをまっとるぞ。」
「ハイ、いってきます。」
 シンジ達は、意気揚々と、北海道へと向かっていった。そこに、大きな試練があるとは、知らずに・・・。
                                                  
次回予告
 次回は、エヴァンゲリオンの二本目が、登場。だがしかし、そこには、またもや、魔物の魔の手が、立ちはばかる。]
シンジたちは、大丈夫なのか!?


作者"カムイ"様へのメール/小説の感想はこちら。
yuigadokuson1987@yahoo.co.jp

感想は新たな作品を作り出す原動力です。1行の感想でも結構
ですので、ぜひとも作者の方に感想メールを送って下さい。

inserted by FC2 system