シンジと経験しちゃった♪
 
 と言えば聞こえは良いが(良いのか(^^;)?)、実際にその事実を知っているのは、当の本人であるアス
カとその両親のみであった。
 
 
 “この世界”の二人が冬休みにずずいと関係を進ませた事は同級生はおろか、“あの”アスカとシンジの両
親すら気が付かなかったのである。
 
 なぜなら、直後にレイとマナという自分とは別の幼馴染の存在をシンジから聞かされ、そのせいで機嫌が
良くならず、結局ケンカ友達のような付き合いが続いた為である。
 
 もし、シンジが二人の事を言わなかったとしたら、学校でも家でもベッタベタの新婚風景が展開されて、
(彼らの家族以外の)周囲の人間を悶えさせていた事であろう。
 
 とは言うものの、本当は二人は仲が良い事は周知の事実であるからして、どうなったからと言ってそう変化
する訳も無い。
 
 
 せいぜい、写真の売上が落ちまくってケンスケが落ち込むか、ヒカリが身体をギュインギュインさせて悶え
叫ぶくらいである。
 
 
 
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・って、かなり迷惑か・・・・・・(^^;)。
 
 
 
 もっとも、アスカがシンジとの“体験”を思い出したのは、囮情報作戦が成功して部屋に戻ってからだ。
 
 部屋に戻り、シンジと二人きりになり、公園で皆が騒いでいる状況をデジャヴとして懐かしく感じた時、
“あの”ロッジの一件を唐突に思い出したのだ。
 
 
 
 所謂、フラッシュバックである。
 
 
 
 シンジがその介抱をしている間に時間が過ぎ、いちゃつきだけで終わり、二人仲良く夕食の用意をしてい
る間にカヲルが戻り、部屋に来たのである。
 


 
 だから、確かにこの日の二人の間には何も無かったと言える。
 
 
 
 
 
 とは言っても、土日を抜けた月曜日にシンジ達が学校に来ると皆の目がおかしい。
 
 
 
 正確に言うと、レイ,マナのアスカを見る目もおかしい。
 
 
 
 その眼はシンジに寄り添うアスカに注がれていた。
 
 
 
 
 なんだかアスカが大人びて見える。
 
 
 
 
 変わらないようでいて、大人の雰囲気に満ちている。
 
 
 
 
 微妙に色っぽいのだ。
 
 
 
 
 それも、腰の辺りが・・・・・・。
 
 
 
 自分ら中学生と一線を引く大人っぽさが身体から滲み出ていたのである。




 成長している未来のアスカと、“体験”していて一歩大人になったアスカの記憶が重なっているのだ。

 そりゃ、大人っぽくなってもおかしくは無いだろう。
 
 
 
 
───シンジとナニかあったな?!!
 
 
 
 
 級友達の意見は一致した。
 
 
 
 
 ならば・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 
 
 
 
 事実を確認せねばならない!!!!
 
 
 
 
 級友達の意見は又も一致した。
 
 
 
 
 事の次第を浅い範囲ではあるがある程度理解しているトウジとヒカリは思った。
 
 
 
 『『藪突いて蛇出すつもり・・・・・・?』』
 
 
 
 と・・・・・・。
 
 
 
 中間試験の日が迫ってきているとゆーのに、厨学生&腐女子の好奇心はテストそっちのけに高まって行くの
である。
 
 
 
 
 
 
 
                             はっぴい Day’S

                          16・STEP “わとそん”の群
 
 
 
 
 
 
 「碇の奴はドコへ行った?!」
 
 一時間目の休み時間。
 
 終わると同時にシンジへと詰め掛けたが、いつの間にか消えていた。
 
 教師が出て行くと同時に席に駆けつけたにもかかわらず、である。


 アスカやレイもいない。
 
 
 となると親友ズに来るのは自明の理である。
 
 トウジに詰め寄ったのだ。

 
 「知るかいな」

 
 当然の答えを返す。
 
 トウジとて何時の間にいなくなったか解らないのだ。
 
 聞かれても困る。
 
 
 「くそ・・・・・・・・・じゃあ、碇と惣流との間にナニがあったのか言え!!」
 
 えらく態度がデカイ。
 
 流石にトウジも些かムッとするが、全容を語る訳にもいかない。
 
 「ん〜〜・・・・・・ワイは話の最後まで知らんさかいケンスケに聞いてくれ。アイツは最後までおったみたい
  やから」
 
 だから、手っ取り早くケンスケに話をふった。
 
 大事そうにカメラを拭いていたケンスケは、いきなりふられた話にギョッとした。

 
 「お、おい、トウジ・・・・・・・・・」
 
 「あ、イインチョ。ちょっとええか? あのな・・・・・・・・・」
 
 ケンスケの声を無視するかのようにヒカリに話しかける。
 
 見事な切り替えしだ。


 当然、トウジに話しかけられてウキウキ状態となるヒカリ。
 
 こうなったら邪魔をすると被害はでかい。
 
 
 全員、矛先をケンスケに向けた。
 
 
 
 
 「「「「「「「「「「ケンスケ(相田ぁ)〜〜〜〜」」」」」」」」」」
 
 
 
 
 冗談ではない!!
 
 ケンスケは席を立って窓際へと走り出す。
 
 級友達は同時に窓際へと駆ける。
 
 
 だが、それはケンスケのフェイント。
 
 
 皆が窓際に向かった瞬間、身体をひねって教室のドアに向かい、ドアを開けて飛び出していった。
 
 
 「し、しまった!!」
 
 
 こうなると逃げ足が速い。
 
 
 温かい所で出合ったゴキブリが如く駆け抜ける。
 
 ケンスケも必死である。
 
 いらん発言かましては命に関わるからだ。
 
 
 アスカ寄りの発言→→レイとマナによる殉滅行為→→カヲルの追い討ち→→“死”
 
 レイ,マナ寄りの発言→→アスカによる破砕行為→→カヲルの追い討ち→→“死”
 
 シンジ寄りの発言→→アスカ,レイ,マナによる私刑→→カヲルの追い討ち→→“死”


 
 
 結局死ぬのか〜〜〜〜〜!!
 
 である。


 
 だから彼は駆け抜けた。
 
 身の安全の為に。
 
 例え授業をボイコットしたとしても・・・・・・。
 
 
 
 「クソっ!! ゴキブリみてぇな奴だ」
 
 「普段から盗撮して逃げ足鍛えてるからな」
 
 「こうなったらやっぱり碇の奴に・・・・・・」
 
 
 
 き〜んこ〜んか〜んこ〜〜〜ん♪
 
 
 
 そうこうしている間に鐘が鳴った。
 
 先生に着いてシンジとアスカが入ってきた。
 
 やや遅れてレイが入ってくる。
 
 
 この日、シンジとアスカは日直であった。
 
 
 その事実を思い出し、職員室が思いつかなかった生徒らは歯噛みする。
 
 社会の授業の教材を教卓に置き、席に着くシンジ。
 
 座る瞬間、アスカとレイに笑顔を送り、二人の顔をフニャけさせる。
 
 
 
 
 
 みしみし・・・・・・・・・。
 
 
 
 
 
 その他愛無い行為にも不可思議な怒りのオーラが満ちる2−A教室。
 
 いつもの行為なのに、“碇と惣流が大人の階段登っちゃったよ〜〜〜ん(;;)”という情報が、思春期の
少年少女の甘酸っぱい思春期特有の“青い欲望”を刺激するのだ。
 
 


 
 妙に緊張感の漂う二時間目。
 
 老教師も心臓に悪そーだった。
 
 いつもの授業より、ず〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っと静けさに包まれていたりする。
 




 
 
 き〜んこ〜んか〜んこ〜〜〜ん♪
 
 
 
 勝負の時は来たっ!!
 
 授業が終わったのである!!
 
 身構える生徒達。
 
 今度は終わった瞬間、駆けつける用意が整えられていた。
 
 
 だが、無常にも天はシンジ少年の味方である。
 
 教師が黒板を消し、授業の終わりを告げようとした時、
 




 
 「おい、碇と惣流。ちょっと」

 
 数学教諭が入ってきて二人を呼び出した。
 
 
 
 『『『『『『『『『な、なぁんだってぇぇぇぇぇ〜〜〜〜???!!!』』』』』』』』』
 
 
 
 イキナリ出鼻をくじかれる生徒達。
 
 「あ、ハイ」
 
 「なんですか?」
 
 二人は教室の外に出る。
 
 
 全員が社会の教師そっちのけでドアに張り付いて会話を聞くと、
 
 
 『・・・・・・てな具合で葛城先生と連絡取れないんだ』
 
 『ああ、多分NERV絡みだと思いますよ?』
 
 『シンジのパパか、アタシのパパに聞いてみましょうか?』
 
 『ああ、すまん。あの人、今日の会議の議題書類持ったままなんだ』
 
 『やれやれ・・・・・・』
 
 
 
 サッパリ意味が解らない・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 
 どうやら葛城先生絡みの話のようだ。
 
 彼女の夫がNERVにいるのだが、保安部なので直接の連絡が取れない。
 
 よって、シンジ達に頼ったのであろう。
 
 
 そこまでは読めた。
 
 だが、そんな事解っても意味無いのだ。
 
 二人の関係が知りたいのであって、ミサトの事情なんかどーだっていいのだ!!
 
 
 (ミサト 『ヒドイわっ(;;)!!』)




 何の事は無い。

 彼女は保安部で例のカーチェイスの事で絞られているのだ。

 超高速追跡車両“Street Hawk”の無断使用について・・・・・・・・・(苦笑)。 





 いないミサトに罪をかけても仕方が無い。


 とにかく情報が欲しいのだ。


 ならばレイに・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 





 いない・・・・・・・・・・・・・。
 





 皆がシンジ達の話を聞いている間に、後のドアから出て行ったのだ。
 
 
 こうなったら職員室の前に問い詰めてやる!!!
 
 
 好奇心に支配された生徒達は教室を飛び出して行った。
 
 
 「アイツら・・・・・・どないしたんやろ?」
 
 「さぁ・・・・・・?」
 
 シンジ達に付き合っているお陰で騒ぎに事欠かなくなった二人は、別に問い詰める程度の話でもなかった
為、誰もいなくなった教室で仲良く話をしていた。
 
 
 邪魔者はいないし・・・・・・(笑)。
 








 
 
 
 
 
 「で、なんで皆いないの?」
 
 「さぁ・・・・・・?」
 
 三時間目が始まり、教室にはシンジ,アスカ,レイ,トウジ,ヒカリの五人しかいなかった。


 
 遅れて皆が飛び込んで来るも、遅刻で欠席扱いである。
 

 
 教室に座っているシンジに皆は驚いた。
 


 「「「「「「ああっ!! い、碇!! ドコにいたんだよ???!!!」」」」」」
 


 「ドコ・・・・・・って、事務室で電話かけてたんだけど・・・・・・?」
 
 「え?」
 
 「僕、今日は携帯持ってきて無いんだ。アスカは充電忘れてたし・・・・・・・・・」
 
 「生徒が電話借りられるのは事務室って生徒手帳にもかいてあるでしょ?」

 
 ヒカリの冷静なツッコミにも反応ができない級友達であった・・・・・・・・・。
 
 
 
 
 
 こうなったら授業中に端末からメールで問いただしてやる!!!
 
 
 と全員がシンジ達にメールを送る。
 
 
 
 が、
 
 
 
 
 『この土日に惣流とナニやった?』
 『ヤッたな? ヤったんだな?!』
 『碇君、アスカは優しくシテくれたの?』
 『この凸Ω*△凹!! オレの惣流を!!』
 『碇!! せ、せめて(事情により添削)はオレにさせてくれ〜〜っ!!!』
 『碇君、ムリヤリはいけないわ!!』
 『避妊したの?』

 と、言った下世話なメールが次々に送られて来るも、


 『カーン』


 と言うマヌケな音と共に送り返されてくる。
 

 
 当然ながら彼らの端末は、シンジ〜〜アスカ〜〜レイ〜〜マナ間しか繋がっておらず、例外的に繋がって
いるのはトウジとヒカリとケンスケである。
 
 ちゃっかりクシ立てているのだ。
 
 カーンカーンとマヌケな音で跳ね返されてくるメールに、皆もイラだった。


 半ばヤケで送り続けられる“やっかみメール”。

 
 
 「いい加減にしろっ!!!!!!!!!!」
 

 
 当然、教師もイラだった。
 
 
 多少は黙認されてはいるが、幾らなんでも全員でやるのを認めるほど人間はできていない。
 
 教員用の端末に、内容まではプライバシー保護の為に不明であるが、しっかりとメールのやり取りがされ
ている人間が表示されてたりする。
 


 
 
 授業が終わっても、シンジ達以外は説教を食らっていた・・・・・・・・・。
 
 
 
 
 
 
 で、四時間目。
 
 厳かに授業が開始された。
 
 
 流石に懲りたのか静かなものである。
 
 落ち着いて考えてみれば、授業が終われば否が応でも話ができるのだ。
 
 その時に聞けばいい。
 
 幾ら日直でも話くらいはできるのだから・・・・・・。
 
 

 って、今頃気付いたのか・・・・・・・・・・・・・・・・・・(^^;)
 

 
 だが、上手くいかないのが世の常人の常である。
 
 
 
 
 
 バタバタバタバタバタ・・・・・・・・・・・・・・・ガラッ!!!!!
 
 
 
 
 
 「シンジくん!! タイヘンよ!! マヤさんが病院に担ぎ込まれたの!!!」
 
 「え?!」
 
 「なんですってぇ???!!!」
 
 「今、お父さんから連絡入ったの!! すぐ来て!!」
 
 「解った!! 先生!!」
 
 教壇に立つ教師に眼を向けると、
 
 「うむ、解った。行って来い。」
 
 と頷いてくれた。
 
 「ありがとうございます!!!」
 
 「シンちゃん、早く〜!!」
 
 「シンジ、急いで!!」
 
 鞄を掴んで飛び出してゆく三人。



 
 あっけにとられて出て行ったドアを見つめる級友達。


 
 ・・・・・・・・・またか・・・・・・・・・。
 

 
 天の邪魔は恐ろしい・・・・・・・・・。
 
 
 


 
 
 
 授業が終わりに近付いた時、ヒカリの端末にメールが入った。
 
 差出人は・・・・・・・・・『Asuka』
 
 ハッとしてメーラーを起動させるヒカリ。
 
 教師を含めた全員の目がヒカリに注がれる。
 
 
 
 
 
 
 やがて・・・・・・・・・。
 
 青い顔をして文字に眼を走らせていたヒカリが顔を上げ、口を開いた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「食べすぎだって・・・・・・・・・」
 
 
 
 
 全員、盛大にすっ転んだ・・・・・・・・・。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 病院にて・・・・・・・・・。


 マヤはまだ顔色がよろしくない。

 少女らと共に、待合室の椅子に座り込んでいる。


 シンジは薬剤師に呼ばれ、マヤ用に調整された胃薬を受け取りに行っていた。
 
 
 「ねぇ、アスカ。本当にシンジくんと何も無かったの?」
 
 「残念ながらね・・・・・・あったら自慢してるわよ」
 
 「ホントに〜〜?」
 
 「ウソ言ってどうすんのよ!!」
 
 「シンちゃんの様子から何も無かったって解るけどね〜〜・・・・・・」
 
 「解ったわよ!! ・・・・・・まったく・・・・・・信用無いわね・・・・・・・・・もし昨日、シンジといくとこまで行って
  たら、アタシはシンジとの関係を終わらせて二度と会わないわ! シンジにかけて誓うわよ・・・・・・・・
  これでいい?」
 
 「アスカ・・・・・・」
 
 「アスカちゃん・・・・・・」
 
 「ゴメンね〜・・・・・・疑ったりして・・・・・・」
 
 「いいわよ・・・・・・アタシだってそんな事あったら疑うもの・・・・・・・・・」
 
 「うん・・・・・・・・・」
 
 アスカの言葉に納得してしまう女性達。
 
 

 だが、アスカは“昨日”と時間枠を区切っているのだ。
 


 “昨日”以前にあったとしてもそれは約定には入らない。

 
 その事に気付かない彼女らに背を向けて、アスカはニヤリと笑みを浮かべていた・・・・・・・・・。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 え?
 
 ケンスケっスか?
 
 彼ならいるよ?
 
 保健室に・・・・・・・・・。


 
 
 「う〜ん・・・・・・この薬は失敗だったわね」
 
 「リツコ先生。この栄養剤はどうですか?」
 
 「あ、それ? 静脈注射しなきゃいけないし、うち過ぎてるからもうちょっとあとでね」
 
 「はい。良かったね、相田君。君の身体は栄養に満ちてるよ?」
 
 爽やかな笑みでベッドに寝ている友に語りかけるカヲル。
 
 
 
 ベッドでは顔色を緑色にした少年が仰向けになっていた。
 
 なかなかに白いシーツに映えるフェイスのカラーである。
 
 
 
 いくら追っ手を振り切る為とは言え、流石にリツコのいる保健室に、
 
 『すみません。なんだか体調が悪いので助けてください』
 
 なんて言いながら入って来たらアカンだろう?
 
 
 ちゃっかりコーヒーをご相伴に預かりに来ていたカヲルにとっ捕まって、薬を打たれまくって昏倒してい
たりなんかする。
 
 
 
 「相田君・・・・・・やっぱり君はステキだよ。もっとボクを笑わせてほしいな・・・・・・」
 
 「・・・・・・・・・」
 
 「安心してほしい。キミにだって春は来るさ。来ないならボクが頼んであげるよ」
 
 「・・・・・・・・・・」
 
 「え? キツイ眼の女の子ばっかりだから、たまに垂れた眼の子がいい?」
 
 「・・・・・・・・・・・・・・・」
 
 「色気があって、アンニュイ? 解ったよ相田君。きっとボクが伝えてあげるよ」
 
 本当に言っているのか定かで無いが、カヲルはそう約束した。
 
 約束は良いがどうやってするのだろうか?
 
 「当然、貴方です」
 
 
 え? 私かい(^^;)?
 
 まぁ、いいけど・・・・・・・・・。
 
 
 彼女を作れって? ケンスケにぃ〜?


 ずいぶんと贅沢な事を・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?


 “タレ眼で”で“色気”があって“アンニュイ”だって?

 
 ほほ〜〜〜〜〜〜〜〜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(ニヤリ)。

 
 理解したよケンスケ。
 
 キミにも“ハル”をあげよう。
 
 バシっと君だけしか見ないで、君だけを好きになる娘をね・・・・・・・・・・・・。
 
 
 「フフフ・・・・・・・・・よかったね相田君。うれしいよね?」
 
 『ウン。ボクハトッテモウレシイヨ』
 
 「良かったよ喜んでくれているみたいだね」
 
 『アリガトウかをるクン。サスガハしんゆうダネ』
 
 「ははは・・・・・・喜んでもらってボクもうれしいよ」
 
 
 
 
 とても腹話術の上手なカヲルの楽しい時間はこうして過ぎて行くのであった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「霧島君・・・・・・授業は?」
 
 
 リツコの小さな疑問を聞き流しながら・・・・・・・・・・・・・・・。


作者"片山 十三"様へのメール/小説の感想はこちら。
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感想は新たな作品を作り出す原動力です。1行の感想でも結構
ですので、ぜひとも作者の方に感想メールを送って下さい。

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