ぴんぽんぴんぽ〜〜ん♪


 〜〜〜良い子の皆様へ〜〜〜


 コレ、LASでもなんでもないから、期待の“キ”もしちゃダメだぞ?

 読んで怒ったりしてもダメだぞ。

 ボクと約束だ!


 ぴんぽんぱんぽ〜〜〜ん・・・















 『我は約束を守るもの・・・・・・・・・。

  相田ケンスケよ・・・・・・・・・汝は“愛”の無い人生に耐え切れず、使徒“タブリス”に願いを求めた』


───え?! な、何の事だ?! 使徒? タブリス?


 『照れずとも良い。

  “が〜るふれんど”がいない事に絶望して神に助けを頼ったであろう?』


───い、いや待ってくれ!! ホントに知らないんだ!!


 『はっはっはっ・・・・・・・・・気にするな』



───ヲイ!!


 『ま、それはともかく、私は命を二つ持ってきた・・・・・・・・・・・・・・・・じゃなくて、君につれあいを与えてあ
  げようと思ってやって来た』


───初代ウルトラ○ンのネタなんぞ解ると思ってるのか?


 『じゃかあし!! とにかく“彼女”をプレゼントだ!! 返品は到着後一ミリ秒以内!! それ以上は
  不可!!』


───うわっ!! ひっでぇ!!


 『案ずるな。間違いなく美女・・・・・・?だ。それに、お前“だけ”を見て、お前“だけ”のことを考えて、
  お前の為“だけ”にしか行動せんし、お前が望むならどんな18禁・・・・・・いや、21禁もOKだ』


───・・・・・・・・・え? ・・・・・・・・・・・・・・・ち、ちょっといいかも・・・・・・・・・


 『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちょっと電波入ってるが』


───え?! 今、なんて言った?!


 『ええいやかましいっ!! 食らいやがれ!! 人生の“ハル”を!!』


───え? ぎ、ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!





 「・・・・・・・・・夢か・・・・・・・なんか悪夢見たような・・・・・・」


 夢から覚めてみると、当然のようにその記憶は無かった(ニヤリ)。


 しかし、昨晩の夜更かしが利いていたのか時間は7時50分。

 ギリギリである。

 トーストを作ってもらう時間も無く、ただの食パンをかじって学校へと向かうケンスケ。


 『食パン咥えて遅刻しかけて走る・・・・・・・・・か・・・・・・・・・マンガだったらよくこんなシチュエーションで出
  会いあんだけどなぁ・・・・・・』


 等と考えつつも全力で駆ける。


 丁度曲がり角に差し掛かり、


 『そうそう、曲がり角でドーンとぶつかって・・・・・・・・・』





 どごおぉぉんっ





 きりもみ状態で吹っ飛ぶケンスケ。

 マンガのような出会いではないが、マンガのように吹っ飛ばされる。


 丁度、角を直進してきたベスパに跳ね飛ばされたのである。





 出会いは出会いだろ? ケンスケ。







                              はっぴい Day’S
                                 17・STEP
                 超ウルトラスーパーゴールデンデリシャスハイパーミラクルグレイティスト特別編
                               ケンスケの“ハル”







 「あ〜〜〜〜〜〜人をひき殺してしまったぁ〜〜〜〜〜〜」

 白眼をかっぴろいて寝転がっているケンスケ。

 「なんと言うことだ〜〜〜〜ワタシは人殺しになってしまったのだ〜〜〜〜」

 その横で、器用にも正座したままグルングルンとその場で縦横無尽に転がり続けるベスパに乗ってた女。

 ハーフメットにライダーグラス、奇怪なエレキギターを背中にくっ付けた年齢不詳極まりない格好だ。

 メットからはみ出す髪は、なんとなくケンスケの色に似ているが、髪形は不明である。

 その女は、嘆いているようで緊張感のカケラも無いマイナス感情ナッシングな独り言を続けていた。

 「タロウちゃん殺しをしてしまった〜〜〜〜」

 ナニがどう太郎ちゃんなんだか甚だ不明であるが、正座したままヘルメットでくるくる回る。

 奇妙珍妙を通り越して恐怖一歩手前である。


 『こ、怖い・・・・・・』

 しっかり生きてるケンスケは本気で怯えていた。

 大体、アスカ達に机の角とかで毎日殴られているのだ。

 この程度で死ぬんなら、小学生の時に戒名もらっている。


 無論、このベスパ女が知る由も無い。


 「こ〜〜なったら〜〜〜〜じんこーこきゅー、まうす・チュー・まうす」


 『え?』


 がばっちょ!!


 と、道路のド真ん中でケンスケに覆いかぶさり、タコチュー状態の唇がケンスケの口を襲った。


 『ぬあっ???????!!!!!!!!!』


 生あたたかく柔らかい“何か”がケンスケの歯の裏側を走る。

 へろへろしていたケンスケの舌に絡みつき、撫でさすり、舌の裏をこすり、巻きつくようにしごく。

 慌てて歯を閉じると、噛んでしまう前に“それ”は抜け出して歯の表面を掃除するかのように往復する。

 14年しか生きていないケンスケにとって、初めてのチューにしては一種倒錯的でいて異様なものになって
いた。


 『@%■$*Ω#???!!!』


 一分・・・・・・三分・・・・・・・・・。


 まだまだ続く口内凌辱。


 五分・・・・・・十分・・・・・・・・・。


 「ぷっはぁ〜〜〜〜〜」


 女が唇をはがすと、銀の橋が後を追う。

 ケンスケの口の周りはベタベタである。

 彼は顔を真っ赤にして四肢を痙攣させていた。


 「むむ・・・・・・タロウちゃんが瀕死の重症なのだ」

 アンタのせいやろがっ!! と突っ込みたいところだが、ンなこと言ってる場合ではなかった。

 「ン・・・しょっと・・・・・・今助けてやっかんね〜〜〜」

 彼女は背中のギターをはがすと、底部にあるインチキ臭いコックを思いっきり引いた。



 ガウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!


 ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ!!



 正体不明のスターターでも仕込んであるのか、まるでチェーンソーのような唸りを上げるギター。

 ぶっちゃけ、高振動ギターと言えば良いだろう。

 そして、やわらそれを振り上げると、


 「往生せいやぁああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!」


 と、殺害意欲バリバリに振り下ろした。



 どがしゃあああああああああああああああああん!!!



 ケンスケの頭があった場所のアスファルトが木っ端微塵なる。

 哀れケンスケ。真っ赤なトマトになっちゃったか?


 「い、生きとるわぁぁぁっ!!!!!」


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちっ

 やぁ、生きてて嬉しいよ♪

 「今の舌打ちは何だぁああああああああっ!!!」

 まぁ、気にすんな。それよれ避けた方がいいと思うぞ?


 「え?」


 「死ねおりゃああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!」

 「うっきゃあああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!」


 ズバゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!


 ケンスケが飛び退いた瞬間、唸りを上げたギターが振り下ろされて、その場所が陥没する。


 「ちぃ・・・・・・避けたか・・・・・・」

 「フツー、避けるわ!! 死んじまうだろうがっ!!!!」

 「良かったね〜〜〜・・・タロウちゃんだったら死んでたヨ」

 何故か眼を光らせてゆらりと立ち上がる。


 悪鬼か悪魔か初号機か。


 手に持つギターが妙にマッチしていて、逆に恐怖を誘い出す。


 「だ、だから、タロウちゃんて誰なんだ〜〜〜〜〜?!」

 「キ・ミ」

 「オ、オレはケンスケだ!! タロウなんて名前じゃねぇ!!!」

 「おや? ケンスケって名前なのか。タロウちゃんは」

 会話のキャッチボールができていない。

 『マズイ・・・・・・』

 ケンスケの背中をつめたい汗が流れてゆく。

 『こ、この女・・・・・・“電波”入ってる・・・・・・・・・』


 所謂、電波系の女だと確信した。

 でなければクスリをキメてる。


 言ってる事が支離滅裂。

 尚且つイキナリの狂乱な攻撃。

 これで頭がプーになっていないと言うのなら、この世に精神科の医者は居ない。


 とにかくこの場は逃げ出すに限る。

 だが、困った事に目の前の女には何故か隙らしい隙が見当たらなかった。


 『クソ・・・・・・こうなったら究極奥義で・・・・・・・・・』

 ケンスケは覚悟を極めた。

 「タロウちゃん・・・・・・・・・」

 ゆらりと近寄る女にケンスケの指が向けられる。

 その指は、女のやや後方の何も無い空間を指している。

 ケンスケは息を吸って、声を上げた。



 「あっ!! ゆーふぉー(UFO)!!」



 「え?! どこどこどこ?!」

 女が慌てて振り返って空を探しても、UFOこと空飛ぶ円盤の姿は無かった。


 たっぷり五分、その女は存在しないUFOを探し続け、騙されたと気付いた時には、ケンスケは既に学校
へと駆け込んでいた。

 「・・・・・・・・・」


 ひゅううううう・・・・・・。


 後には風が舞うばかり・・・・・・・・・。



 びぃいいいいん・・・・・・・・・。

 女は弦を爪弾いた。

 「・・・・・・戦い続けた男女の魂・・・・・・この世界で拠代を得たか・・・・・・」

 弦の震えがとまってから、もう一度爪弾く。

 「・・・・・・それでもいいよ・・・・・・君らは命を懸けて戦ったんだから、当然の報酬・・・・・・・・・」

 びぃいいいいん・・・・・・・・・。

 「ページが重なるような世界のつづりで、あたしと出会ったのも何かの縁(えにし)・・・・・・」

 びぃいいん・・・・・・。

 「・・・・・・・・・もっとも、邪魔するつもりは無いけどね・・・・・・・・・」

 びぃいんっ。

 「だから、関わる相手を選んじゃうもんね〜〜〜〜〜〜♪」


 バッとベスパにまたがって、キックする。

 ガツッ


 がぉおおおおおおおおおおおおおんっ!!!!



 形はベスパであるが、排気音は全く別物。

 どっちかというとブースターのエキゾートだ。


 ドゴンッ!!!!


 身体がぶっちぎれるような超加速の中、女はとっととこの場を去った。




 後に暴れて破壊尽くした道路を残して・・・・・・・・・。



                      *   *   *   *   *   *


 「し、死ぬかと思った・・・・・・・・・」

 教室に入って、グッタリとしているケンスケ。

 ギリギリに出たと言うのに遅刻していないのは、余りの怖ろしさ故の逃げ足の速さのお陰か?

 だったら、あの女に礼の一つも・・・・・・。

 「言えるかっ!!!」

 「のわっ!! なんやなんや??!!」

 イキナリの叫びにトウジが驚く。

 いつの間にか口に出していたらしい。

 「どないしたんやケンスケ」

 「え? う、い、いや、なんでもない・・・・・・・・・」

 「? どないしたんや?」

 流石に『狂女に襲われました〜〜〜』とは言えない。

 トウジ相手なら「病気か?」で済むが、それ以外の奴に教えたものなら、

 
 「ケンスケ、いい医者を紹介するよ・・・・・・」
 「近寄んな!! この眼鏡男!!」
 「シンちゃんに近寄んないでよ?!」
 「・・・・・・フケツ・・・・・・」
 「ふ・・・・・・相田君、キミはやっぱり・・・・・・・」


 自分の置かれている状況に涙が出てくる。

 さめざめと泣きたいところだが、そんなことをしているとカヲルに心をコロされてしまう。

 ハッキシ言って、いつも復帰がタイヘンなのだから御免である。


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・しかし・・・・・・身体はおろか、ココロまで不死身とは・・・・・・流石にEVAパイロットに
選ばれなかっただけはある。


 「うるさいっ!!」

 叫んでからハッとした。

 HRはまだであるものの、生徒達は教室に入っている。

 その中で突然叫んでいるのだ。



 ヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソ・・・・・・・・・・・・。



 級友達の眼が虫を見るようである。

 「てやんでい・・・・・・」

 それでも泣かない男のコであった。

 エライぞ。




 「ケンスケ、どうしたんだろ・・・・・・?」

 「さぁ? 虫でもわいてるんじゃないの?」

 「シンちゃん、近寄っちゃダメよ〜〜?」

 流石にケンスケの奇行に慣れている友人ズの反応は変わらなかった・・・・・・。

 良かったねケンスケ。いい友達がいて。



                      *   *   *   *   *   *



 そんなこんなで昼休み。


 当然ながらシンジガールズwithカヲル達は手作り弁当(本日はマヤ担当らしい)、

 友情の裏切り者トウジは、甲斐甲斐しいヒカリの手作り弁当だ。


 さみしいケンスケは階段を下りて購買部へパンを買いに行く。

 いつもより何故か混んでいるが、その喧騒を乗り越えて前に進む。

 「焼きそばパンとクリームパンとカツサンド!!」

 「はいよ」

 1000円札を渡してパンを受けと・・・・・・。



 むにゅ



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・いつもよりかな〜り柔らかかった。

 マシュマロパンなんてあったっけ?

 さもなければ焼いてないパンの生地だ。



 何ナノコレ?



 というか、何で周りが静かになっているの?


 ハッキリ言ってサイレント状態だ。

 ゴリゴリゴリと首を前に向けると、

 「やほ〜〜」

 自分の胸を差し出してケンスケにつかませている、あの“女”が居た!!


 「うぎゃあああああああああああああああああああああああああああああっ!!!」


 慌てて手を離して転がるケンスケ。

 購買部の仕切りを飛び越え、ケンスケの前に降り立つ女。

 床に転がっているので女のミニの奥が何となく見えそうであるが、ンな事気にしている場合ではなかった。

 「ダメじゃないの、ケンちゃん。お姉さん探しちゃったわよ〜〜」


 素顔はなかなかの美人である。

 少々垂れ眼はなんともポイントだし、不必要に漂う色気も○だ。

 大きすぎずかと言って小さい訳でもないBカップ強程の胸は形もよく自己主張しているし、ウエストもか
なり締まっている。

 足もスラリと長く、ミニスカートから生えている生足も染み一つ無い。

 クセのある跳ねたショートの髪も個性を感じるし、似合っている。

 さらに、その脱力的な喋り方もかなりキてるといって良い。




 あの“殺意”と“電波な言動”を知らなければ、の話だが。




 イキナリ購買部の人が変わり、若い女になっただけでも大騒ぎであるのに、その女が事もあろうに第壱中
学のメガネストーカーの名をほしいままにしている男と知り合いで、尚且つ胸を掴ませるほどの間柄ときた
らアンタ、それはもう大騒ぎですぜ。

 「ヲラっ!! ケンスケ!!!!! このお姉さんとどういう関係なんだ!!!!!」

 「かかかかかかかかかか、関係ったって・・・・・・」

 詰め寄られ、頭をシェイクされては、いかなケンスケと言えど喋られるはずもない。

 その代わりに喋ってやる女が居たり。

 「ケンちゃんとあたしの関係〜? それはも〜〜イケナイ関係って奴?」


 「「「「「「「「「ぬぁんだってぇええええええええええええええええええええっ?????!!!!!」」」」」」」」」


 MMR風な叫びが廊下を木霊した。

 「だ、誰がだよ!! オレはお前となんか・・・・・・」

 「あ、ヒド〜イお姉さんの“初めて”を“あげた”のに〜〜〜」



 ビシィイイイッ・・・・・・・・・。



 空間にヒビが入った音がした。

 「ヲイ、ケンスケ君」

 「ハイ、ナンデスカ皆サン」

 カタカタカタと反応するケンスケの襟元を一人が掴んで引き摺ってゆく。

 「オ、オレは無実だぁああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!」

 虚しく響くケンスケの叫びを味わいながら、女は購買部にもどった。

 何事も無かったよーに・・・・・・。



                     *   *   *   *   *   *



 「き、今日は散々だった・・・・・・・・・」


 ズタボロに疲れ切ったケンスケが家に戻ったのは六時であった。

 この時間まで謎の追っ手から逃げまくっていたのである。


 まぁ、ケンスケ(みたいな奴)が大人の階段登った(と思っているだけ)のが許せないという輩である。


 本来ならばその矛先はいつも友人であるシンジに向けられている。

 なぜなら、学校で二年のトップクラスの美少女達を独占しているのだからやっかみも普通ではない。



 が、



 もし、直接(間接も含む)行動に出れば、肉体的にはアスカ達による殉滅行動によって重体になり、社会
的にはゲンドウ&ユイによって“存在しなかった人間”にされかねない。

 それは御免である。

 だから、臍をかんで学校生活を送っていたのだ。

 そこへ来てケンスケの、“年上のお姉さんとウハウハ関係”疑惑。

 火山にICBMぶち込むようなものであった。


 一年生から三年生までが総ざらいで襲ってきたから堪らない。

 通学日の土曜日で半ドンであったのに、逃げまくってこの時間である。


 そんな疲れ果てたケンスケを迎えてくれる人はいない。


 今日も父親は帰るのが遅い。

 彼の父親もNERVに勤めており、日々世界の為に働いているのだ。

 だから文句も言えないし、言うつもりも無い。



 ただ、寂しいだけだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・った。



 あれ?

 誰かいる?

 台所に誰か居るのだ。

 恐る恐る近寄ってゆくと・・・・・・・・・。


 「あ、お帰り〜〜〜〜〜〜〜」

 「うっわぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!」

 又してもあの女が居るではないか!!


 「近所迷惑だよ、ケンちゃん」

 「な、なんだよ!! どうしてここにいるんだよ!!!!!」

 「あ。あたし、今日から住み込みで家政婦する事になったハルハラ・ハルコで〜〜す」

 「冷静に自己紹介すんじゃねぇ!!!」

 「気にしない気にしな〜い」

 「気にするわっ!!!!!」

 「だって、作画も監督も制作会社もいっしょなんだよ〜〜?」

 「ナニ訳わかんね〜〜事言ってんだ!!!!!」

 「でも、ホラ、これ〜〜。ダンナ様からの誓約書〜〜」

 「へ?」

 差し出されたペラッペラの紙を開いて読んでみると・・・・・・・・・。


 『ハルハラ・ハルコさんを住み込みの家政婦として雇い入れます。

  尚、息子“相田 ケンスケ”に性行為を求められた時は甘んじて受けるように。

  妊娠したら認知してあげます。
                                       ○月×日 17:05』



 日付は今日。

 確かに父の字であった・・・・・・。

 困った事に本当に父の字であった。


 ただ、ナゼか父の意思は感じられなかったりする。


 「ね?」

 「『ね?』じゃ、ねェ〜〜〜〜〜〜!!!」

 「それで、どうする〜? あたしを食べる? お風呂でイヤンな事する? それとも“寝る”〜?」

 「たっ、助けて〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!」


 ケンスケは本能で悟っていた。

 コイツはマジに“ヤヴァイ”と。

 この女に“喰われ”たら人生ズンドコしおしおのぷー、てけれっつのパーになってしまうと・・・・・・・・・。



 「んじゃ、あたしが食べちゃおっと・・・・・・いっただっきま〜〜す♪」

 「来るなぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!」



 この日からケンスケの戦いが始まった。



 恐るべーしオンナ、ハルコの触手・・・・・・じゃなかった、食指からの逃亡の日々が・・・・・・・・・。

















 「触手? つけよっか?」

 「いやじゃあああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!」


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