・・・・・・。


 遠くからドラムでも叩くような軽い音が響いてくる。

 その音から想像もできないほど剣呑なモノが使われている証拠だ。


 誰かが引き金を引いているのであろう。

 銃撃の音なのだ。


 ・・・・・・。


 こちらに誰かがやって来る気配がする。

 だが、少年は動かない。



 世界から隔離されたが如く、


 全てを拒否するが如く、


 全てを無視するが如く、



 自分の殻に閉じ篭もり、外界の騒動すら拒絶し、

 自分を無くしてしまいたい心に忠実に・・・・・・・・・。


 何かかやって来る。

 それは少年の命を奪うもの。


 だが、彼は動かない。

 うずくまってそのままで・・・・・・・・・。


───立て、立て、立て!!


───・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


───立ち上がるんだよ!! こんな所で居ちゃダメだ!!!


 どこからか声が聞こえる。

 だけど少年はぴくりともしない。


───みんな死んじゃうだろ!! それでもいいの?!


───・・・・・・・・・。


───バカバカバカ!!! 立て立て立て!!! 立って走るんだよ!!! 


───・・・・・・うるさい・・・・・・。


───いいの?! ホントにいいの?! このままじゃあ、アスカが死んじゃうんだぞ?!


───・・・・・・・・・ア・・・・・・ス・・・カ・・・・・・・・・? アスカ・・・・・・・・・?


 少女の名を出すその声に反応した瞬間、少年の脳裏に怒涛の勢いで映像がなだれ込んできた。


 それは“破滅”の記憶。


 赤い液体を床にぶちまけ、生命の灯を消しながら自分に接吻をする女性。

 口内に滲むLCLに似た味。

 手渡される赤いもので濡れた十字架。

 床に崩れ落ち、光を失ってゆくその女性の眼。


 地上に上がり、そこで見た光景。


 飛び立つ白い烏にも似た敵・・・・・・量産機。


 そしてその口に咥えられていた紫色の・・・・・・・・・足?








 「いたぞ」

 「確保」


 周りを囲む戦自の特殊部隊員。

 突きつけられる冷たい銃口。

 しかし、そんなものは関係なかった。





 少年の脳裏に映るモノ・・・・・・。





 それは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。





 ぐしゃぐしゃに喰い千切られた、





 変わり果てた弐ご・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。





 「うわぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」





 少年の心は、




 爆発した。







────────────────────────────────────

                            リクエスト作品 参

                             破滅からの福音

                               ─────────────────────────────────




 男達は理解できなかった。


───前方で蹲る少年の“処理”。


 彼らにとって、簡単な仕事であるはずであった。


 だが、床に転がっているのは間違いなく自分達であり、戦闘行動が取れるかと問われれば、間違いなく不
可能だと答えるであろう。


 なぜならば、全員が腹筋を陥没させ、呼吸すらまともにできないからである。




 少しして、そこへNERVの制服を着た女性が銃を片手に駆けて来た。


 辺りの様子を窺い、呻いている男達が戦闘不能である事を確認すると、また駆け出した。


 その女性がインカムのスイッチを入れる。

 「マヤちゃん、無事?! 生きてる?!」

 そう言うと、小型のスピーカーから少女のような声が返ってきた。

 『ハイ!! こっちは大丈夫です』

 「戦自の連中は倒れてるけど、シンちゃんの姿がないの。確認して!!」

 『え? あ、ハイ!!!』


 女性・・・・・・葛城ミサト一佐は走った。

 度重なる心へのダメージの為に心を閉ざしてしまった少年の為に・・・・・・・・・。



 駆けながら受けた報告で、ミサトは驚いて立ち止まる。


 「そ、それ、ホントなの?!」

 『ハ、ハイ!!! 間違いありません!!! シンジ君は、ケイジの・・・・・・初号機の前に居ます!!』




                *   *   *   *   *   *   *   *   *




──走れ!! 走れ!! 走れ!! 走れ!!


 心の中から自分をせっつく声が響く。


──走れ!! 走れ!! 走れ!! 走れ!!


 その声に応える様に足を動かす。


──走れ!! 走れ!! 走れ!! 走れ!!



 息が切れる、

 心臓がうるさい、

 動悸で視界が歪む、


 だけど足を止められない。

 失うものの方が大きいから・・・・・・・・・。


 無くしてしまう事の方が痛いから・・・・・・・・・。



 角から目の前に現れる銃を持った兵士。

 自分の行く手を遮るモノ・・・・・・!!!



──邪魔をするなぁっ!!!!
 「邪魔をするなぁっ!!!」



 声と意思とが繋がった。


 途端にアドレナリンが増加し、筋肉に信じられない瞬発力が加わった。


 姿が掻き消えるかのように加速し、兵士の足の間を滑りぬけ、片方の男の後頭部を落ちていたガレキでぶ
ん殴る。

 
 一切の手加減も躊躇もない。


 落とした突撃銃のストックでもう一方の兵士の顔面を殴打し、昏倒させて駆け出す。


 少年は後を見ようともしない。




 何人かと出会ったが、全てを沈黙させてベークライトの塊の前に少年は立っていた。



──母さん!!!
 「母さん!!!」



 ベークライトがギシっと軋む。

 何ものをも拘束するそれが、内側からの圧力によって軋み、ヒビが入る。


 薄赤い障害をぶち砕き、突き出される巨大な“手”。


 少年は躊躇する事もなく、そのに身を委ねた。




 グォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!




 拘束具を引きちぎり、その巨人は吠えた。




                *   *   *   *   *   *   *   *   *




 「量産機?! 完成してたの?!」



 天を見上げる赤い巨人の眼には、上空で輪になって舞う白い姿が映っていた。


 エヴァンゲリオン量産機。


 自分らの戦闘経験のストックから作られた人を必要としない独立した兵器。

 人の代わりにダミーと呼ばれるプラグを挿入されており、その支持によって動く。

 顔は人からかけ離れ、まるで大きな口をついたウナギのよう。

 頭がのっぺりとしているのは、他のEVAと違い本体の大脳がない為であろう。

 動きに必要なのは“小脳”とプラグの意思だからだ。



 弐号機に乗るパイロットの惣流=アスカ=ラングレーは一人で襲い掛かる艦隊を沈黙させていた。


 しかし、まさか最後に量産型のデッドコピーEVAと戦う羽目になるとは思わなかった。


 だが、負けるわけにはいかない。

 せっかく気付いた弐号機のに眠る絆を失う訳にはいかないからだ。


 それでもその白い怪物には躊躇する。


───気を付けて!! アイツらが手に持っているのは“槍”よ!!


 心に響く声。

 弐号機の中に居る母のものではなかったが、アスカはその声の言葉を信じていた。

 内蔵電源も残り僅か。

 このまま倒れれば、次に来るのは・・・・・・・・・。






 喰い散らかされる末路・・・・・・・・・・・・。






 心が絶望感で満たされてゆく。


 死ぬのはイヤだ。

 ただ死ぬのではなく、食い殺されるのはもっとイヤだ。

 誰に見取られる事もなく、そんな惨めな最後を迎えるのがイヤだ。

 せっかく受け入れてくれる場所を見つけたのに、それから引き剥がされるのがイヤだ。



 そして、少女の心を生理的な恐怖が覆う。




 うひ・・・・・・。




 笑ったのだ。



 確かに量産機は笑った。

 女を襲える喜びに満ちたケダモノのように・・・・・・。



 背筋から駆け上ってくる悪寒、



 迫り来る死。



 その恐怖に多い尽くされた時、勝気でプライドの高い少女は初めて人の助けを願った。





 『い、いや・・・・・・・・・・・・・・・・・・シンジぃ・・・・・・』






 『アスカぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!』






 驚いてモニターをチェックする。

 確かに“彼”の声が聞こえたからだ。



 量産機の背後、



 別のゲートを突き破って“それ”は現れた。


 赤い巨人の少女にとっては彼女を守る守護騎士、


 だけど白い巨人達にとっては自分らを引き裂く怪獣だ。



 驚いて振り返った一体の頭部を引きちぎり、露出したプラグを引き抜いて握りつぶす。

 ヨタヨタと倒れるそれの胸部に腕をめり込ませ、真紅の玉を毟り取る。

 手に納まるそのコアを両手で引き裂き、ついでとばかりに剣を奪った。




 グゥオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!




 今、正に弐号機に加えられようとしていた凌辱。

 その事を思ったかパイロットは己が駆る初号機と共に吠える。


 『これ以上・・・・・・・・・これ以上アスカを傷付けるなら・・・・・・・・・殺す!!!!!!!!!!!!!!!!』


 少年の生涯において、初めて発せられた明確な“殺意”であった。






               *   *   *   *   *   *   *   *   *




 「状況は?」

 発令所のドアが開き、赤い制服を羽織ったミサトが飛び込んできた。

 「葛城さん!! ご無事で!!」

 眼鏡をつけた青年が喜びに叫ぶ。

 「ありがと♪ でも、今はそれより状況よ!! 戦自の連中は?!」

 その声に反応してマヤが、わざわざ立ち上がって報告する。

 「あ、ハイ。突入してきた10部隊の内、4部隊はトラップで沈黙。2部隊はベークライトで固めました。
  2部隊は降服し、残りは・・・・・・」

 「残りは?」

 マヤは言いよどんでから、

 「初号機パイロットにより沈黙させられています。生きてはいますけど・・・・・・かなりの重傷です」

 ミサトは眼を見開いて驚いた。

 あの気の弱いシンジが戦闘のエキスパートである戦自の精鋭を倒したというのだ。

 「本当よ」

 シュンと扉が開いて、金髪の女性が入ってきた。

 「リツコ!! MAGIの方はいいの?」

 「ええ、当然よ。先にイーターアーカイヴ送ってたから、こっちに食いついてきた時に起動してあげたわ。
  多分死ぬほど驚いてるでしょうね」

 さも楽しそうにクスクス笑う赤木リツコ技術主任。

 「でも、あのシンジ君が?」

 それでも今一つ受け入れられない現実である。

 「本当だって言ったでしょう? 1部隊は腹部陥没。腹筋がお釈迦ね。残りは頭部陥没で重傷ね。助ける
  義理なんてないけど、助けて措いた方が後々の交渉のカードになるから治療室に放り込んでおいたわ」

 「・・・・・・あのシンちゃんが・・・・・・」

 やはり信じられない現実である。


 人を傷付けることを恐れ、

 アスカを助けられず、

 友として近寄ってきた使徒を殺す事によって心のバランスを崩し、自閉症になっていた少年・・・・・・。


 その少年がいきなり復帰して戦いに赴いているのだ。

 受け容れろと言う方が無茶である。


 だが現実として、眼前のモニター内で初号機が弐号機を庇う形で暴れ回っている。



 その戦い方には一片の容赦も躊躇もない。


 例え1mでも弐号機に近寄れば頭部を吹き飛ばし、へらへらと動く舌を毟り取り、その奥からプラグを引
きずり出して握りつぶす。

 動けなくなった瞬間、胸部を手刀で貫き、コアを毟り取って握りつぶす。

 その戦いに怯えたように飛び立ったとしても、奪った剣を投げつけて真っ二つにする。

 逃げる事は許されない。

 死を受け入れる事しか許してもらえないのである。



 ただ、剣でコアを突くことだけはしていない。
 


 その行為の危険性を危惧するかのようだ。

 しかし、逆に言えば、その行為以外は全部やっている。



 それも仕方がない。

 なぜなら、量産機達は弐号機を・・・・・・少年にとっての宝物である少女の命を奪おうとしたのだ。



 ミサトもリツコもその光景を見ながら感心していた。

 

 その戦いは的確だ。

 プラグとコアの両方を破壊しているのだ。

 リツコが恐れていた再起動は不可能である。


 おまけに武器として持っている剣。いや、“剣”に化けているロンギヌスの槍のレプリカ。


 彼はそれを奪い、それを振りまわしているのだ。

 一機、又一機、と着実に数を減らしてゆく。

 量産機の“血”・・・・・・体液で身体をそめつつも戦う初号機は悪魔そのもの。


 だが、少女を救う為ならばあえてその名を受ける心構えを持っていた。





 全ての敵を破砕するのに五分もかからなかった・・・・・・・・・。






                *   *   *   *   *   *   *   *   *





 「こ、こんな・・・・・・・・」


 戦自の特殊部隊を率いていた将校は呆然とする。


 戦力差は圧倒的であったはずだ。


 なのに、突入した全員からの通信が途絶え、政府との連合軍も赤いエヴァンゲリオン一体に滅ぼされた。

 仮設指揮施設に残る部隊員も僅か5班。

 戦力の七割以上を失った完全敗北である。


 これ以上の被害を抑える為、指揮を執っていた男は撤退を指示しようとした。



 その時、



 初号機は戦自達の仮設指揮施設の方へ身体を向け、全身から殺気を噴出して吠えた。




 グゥオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!




 生死がかかった戦いを何度も潜った男達である。

 だが、その男達は恐怖した。

 脳の奥に封印された生物的な本能、“生きたい”という絶対的な生存本能が訴える。



 “アレ”にかかわるな・・・・・・と・・・・・・。



 「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」


 兵士は走って逃げた。

 臆面もなく、泣き叫びながら。


 失禁する者、泣く者、武器をかなぐり捨てる者・・・・・・。

 例え戦友であろうと踏み越えて逃げた。



 NERVには手を付けない───

 逃げた男達の心に、焼印としてその不文律が押し付けられたのである。





              *   *   *   *   *   *   *   *   *




 「アスカ・・・・・・遅れてごめんね・・・・・・」

 「・・・・・・」


 エジェクトされた弐号機のプラグ、

 そのプラグから少女を抱き上げ、少年はひたすら謝っていた。


 「アスカがいてほしい時に何もできなくてごめんね・・・・・・」

 「・・・・・・」

 「アスカに寂しい想いをさせてごめんね・・・・・・」

 「・・・・・・い」

 「え・・・?」

 「一生許さない!! 絶対に許してあげない!!」

 「・・・・・・」

 「アタシの事、好きだって言ったくせに!!」

 「・・・・・・うん」

 「アタシを“女”にしたくせに!!」

 「・・・・・・う、うん」

 「アタシが病室で寝てた時にオカズにしたくせに!!」

 「・・・・・・え、えと・・・その・・・・・・」

 「アタシ一人に戦わせた!!」

 「・・・・・・うん」

 「でも・・・・・・・・・」

 「え?」

 「でも、最後は守ってくれた・・・・・・・・・」

 「・・・・・・ア、アスカ・・・・・・」

 「もう、離れない?」

 「うん」

 「ずっとそばにいてくれる?」

 「うん・・・」

 「ずっと守ってくれる?」

 「うん」

 「良かった・・・・・・」

 少女はぎゅっと少年を抱きしめた。

 しばらく自我を崩壊させて入院していたせいかその手足はやせている。

 だけど、少年を抱く手は力強かった。

 「ずっとそばにいるよ・・・・・・」

 「うん・・・・・・」

 少年は少女を抱きしめ、生涯を誓った。




 今度こそ、少年達の戦いは終わりを告げたのである。




              *   *   *   *   *   *   *   *   *




 子供達の戦いが終わっても、大人達の戦いが終わった訳ではない。

 まずはゼーレ。

 其々の支部をあたってみた所、なんとNERVドイツ支部とともに関係者は消滅していた。


 文字通りの消滅。


 服を残してLCLの様な液体が散らばるのみ。

 その中にはバイザーと白い服もあったそうだが、何者のものかは分からなかった。

 監視映像に映るのは、銀髪の少年の“群れ”が人に触れてゆく映像のみ。

 触れられるだけで、人間達はゲル状の“何か”に変わってゆく。


 その少年はシンジが友と呼んだ少年に酷似していた。


 『・・・・・・補完計画は最初から間違っていたんだよ・・・・・・何ものの救いにもならないって事を、ボクは“彼”
  に教えてもらったのさ・・・貴方達が求めた補完・・・・・・それがどんな物か自分で感じてみるんだね・・・・・・』


 彼らは同時にそう呟いていた。

 “彼”が如何なるものかは想像もつかなかった。

 そして、この“少年”の行方も分からなかった・・・・・・・・・。



 戦自の方はと言うと、NERV諜報員である加持リョウジが集めた証拠と、自分の息子を巻き込ませた事
に怒り狂っているゲンドウによってによって関係者は鎮圧。

 後処理を全て冬月に任せて自分は世界を飛び回ってゼーレの残りカスを追い回していた。


 戦自もゼーレ残党も、挽回しようとはしたが打つ手が全く無かった。


 根の方から根絶されたのだから無理もない。



 世界からまだまだ利用価値を考えられているチルドレン。

 だが、これからを見守っていくのは大人達の義務であった。

 最前線で戦わせていたのであるから・・・・・・・・・。




 「シ〜ンジ♪」

 「ん? 何? アスカ」

 「うふふ・・・・・・なんでもな〜い」

 そんな少女に微笑みを浮かべる少年。


 少年は、あの時自分に語り掛けてきたものはなんであろうかと考える。

 なぜか自分自身に語りかけられた気がするからだ。

 アスカの頭をやさしく撫でながら、幸せをくれた声に心からの感謝の声を送った。


 『ありがとう・・・・・・僕に幸せをくれて・・・・・・・・・』













───良かったわね。二人とも幸せになって・・・・・・。

───そうだね・・・・・・。

───“こっち”の歴史のレイはどうなのかしら?

───病院だよ。あの自爆の時に・・・・・・ね・・・・・・。

───生きてたのね・・・・・・。良かった・・・・・・。

───でも、“こっち”の僕達って付き合ってるんだね。びっくりしちゃったよ。

───そ、そうね・・・・・・(赤)。

───途中で気付いてよかったね。でなかったら“この世界”の心と同化するところだったね。

───似てるけど、アタシ達の時間軸と違うのよね。

───うん。

───加持さんも、リツコも、皆生きてるしね。

───うん。トウジも無事だったよ。それに・・・・・・・・・。

───?

───・・・・・・こっちの父さんは僕を愛してくれているみたいだし・・・・・・。

───シンジ・・・・・・・・・。

───あは・・・・・・大丈夫だよ。じゃあ、行こう。綾波も待ってるよ。

───そうね・・・・・・。アタシ達はアタシ達の時間軸を目指さなきゃ。

───うん。

───アタシ達もがんばりましょ。

───うん!


 病室のベッドで体力の回復を待つアスカ。

 そのアスカの頭を撫でながら幸せそうに看護をするシンジ。

 そんな様子を空から眺め、二人は旅立ってゆく。


 自分達の時間の過去へと・・・・・・・・・。


 自分達の絆を取り戻す為に・・・・・・・・・。



                      『『アスカ(シンジ)とお幸せにね・・・・・・』』









──あ(と)がき──


 “菊花”さんの、
 『EofEのラストをくつがえし、戦自の連中や量産機をぶっ潰す話』

 でした。

 なんか、“誉也”さんの、
 『αの中で後半劇場版エヴァの話がありますが、そこが微妙にLASだったと思うのですがそこからLAS
  になる話を書いてもらいたい』

 って言葉が頭に残ってて、こんな話になっちゃいました。

 ヤレヤレ・・・・・・。


 それにしても・・・・・・・・・・・・。

 コレを書き終わってみて、

 『これって『For“EVA”Shinji』の外伝にあたるんじゃねぇの?!』

 と思いました。


 終わってから気付くか?! フツー。


 でも、後で気付いたんだからしょうがないでしょ(;;)?!

 私ってば“あとがき”で気付くタイプなんですから・・・・・・。

 例によって苦情はお受けしますけど、もちろんリクエスト者のみです。

 そーしてください。

 痛いのヤですから(←弱い)。


 それではまた・・・・・・・・・。


作者"片山 十三"様へのメール/小説の感想はこちら。
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