遠くから聞こえてくる悲鳴。


 軽いドラムのような音・・・・・・。


 何かが焦げているような匂い・・・・・・。


 やって来る規則正しい足音・・・・・・。



 それでも動こうとしない・・・・・・・・・。

 いや、動けない僕・・・・・・・・・・・・・・・・・・。








 解かってる・・・・・・。


 またあの夢だって事は・・・・・・・・・。


 だけど・・・・・・・・・・・・・・・。














───立てよ! 立つんだよ! 立って走れよ!!


 動かない自分の身体を叱咤してどうにか立たせようとしても、動こうとはしない。


 自分を引き摺るミサトさんが何か叫んでるのに、自分は何もできない。


───このままじゃあ・・・・・・このままじゃあ・・・・・・ミサトさんが死んじゃうんだぞ????!!!!


 だけど言う事を聞かない僕の手足。


 軽い音。

 近くで飛び散る何か。

 そしてぬるりとした生温かく、赤いモノ。


 唇から咥内に広がる劣化したLCLのような味・・・・・・。



 「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!」



 必死だった。

 だけど僕の思い通りには動かない。


 なんとか射出された地上。

 聞こえる羽ばたき。



───見るな!!!



 さっきまでとは違う気持ち。



 今度は行きたくない。


 違う。


 見たくないんだ。



───見るな見るな見るな!!!!!!!!!




 僕の心の叫びとは裏腹に、この“僕”の眼はそこを向く。




───見るな見るな見るな見るな見るなぁっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



 見てしまう。



 見たくもないモノを・・・・・・。




 それは白い大きな烏・・・・・・・・・・・・・・・。


 いや、烏か禿鷹のように死肉に群がっていた“それ”。




 やがて飛び立つ“それ”の口には、




 紫色の、




 大きなヒトの足みたいなもの・・・・・・・・・。




 吊り上げられた空から見えた、




 まるで残飯のように地面に散らばる“肉”・・・・・・・・・。




 その、元は“人型”であったモノのぐちゃぐちゃの顔が、




 唐突に、知っている女の子の顔になった。




 その完全に命の灯を消した唇が・・・・・・・・・




 『し・・・・・・・・・ん・・・・・・・・・じ・・・・・・・・・』




 と動いた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。








 「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!!!!!!!」









 『大丈夫だから・・・・・・アタシじゃないから・・・・・・・・・』


 そんな声が頭に響いた。


 『でも、でも、でもっ!!!! 

  アスカなんだアスカなんだアスカなんだアスカなんだアスカなんだアスカなんだアスカなんだ!!!

  アスカなんだよ!!! 

  アスカなんだ!! 守れなかったんだ!!! 

  守ってあげられなかった!!!!!!!!!!!!!!!』


 『違うの。夢なの。シンジが見ている夢なの』

 『・・・・・・・・・・・・夢・・・・・・・? ・・・・・・・・・・・・・・・・・ホント・・・・・・・・・・・・・・・・・・?』

 あたたかい何かに包まれる感触。

 『アタシはもう、シンジにウソを言ったりしないわ』



 ざわついていた心がゆっくりと凪いでゆく。



 頭丁を突き貫けるような烈火の氷、

 心の芯から凍えさせてゆく炎、

 記憶と魂をぐちゃぐちゃにかき回してゆく矛盾した二つの嵐が消えてゆく。




 『生きてるの・・・?

  また一緒にいられるの・・・・・・?

  アスカは笑って暮らせるの・・・・・・?

  アスカは幸せになれる・・・・・・?』


 『・・・・・・・・・そ、それは・・・・・・シンジのがんばり次第よ・・・・・・』


 その声は、僕の良く知っているアスカの声。

 照れた時の癖、アクセントにつまった言い方。

 僕の知ってるアスカだ・・・・・・・・・。

 生きてるんだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


 『良かった・・・・・・うん・・・・・・がんばるよ・・・・・・・・・今度こそ、皆を・・・・・・・・・・・・』





 僕の意識が沈んでゆく。



 なんだか本当の意味で夢を見ることができそう。



 今度は皆で笑ってる世界の夢を・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。






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    For “EVA” Shinji 
  
        フェード:壱拾七
  
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 元は物置。


 現在はシンジの部屋・・・・・・そこからうつむき加減に赤みがかった金髪の少女が出てきた。


 今の時間は23時17分。夜中だ。


 素肌にシャツを“着ながら”出て来ているのであるが、別にシンジと身体重ねている訳でもベッドを共に
している訳でもない。

 悪夢にうなされていたシンジを素肌で抱きしめていただけだ。


 それでも愛しい少年を抱きしめていた事からか身体は火照りきっていた。

 その身体と頭を冷やす為にベランダに出てみる。


 真夏の気候であるものの、やっぱり夜風は涼しい。

 
 そんな彼女をすっぽりと包む闇夜の空に、前世紀に見えていた位置から狂わされた星が瞬いていた。


 見える位置は変わっても、その輝きだけは変わらない。

 あの赤い世界でもそうだったように・・・・・・・・・。


 「アスカ・・・・・・」


 後からかけられた静かな声に思わず振り返る。


 彼女のすぐ後に、蒼みがかった銀髪の少女がいつの間にか立っていた。

 いつもは静かな赤い瞳が悲しみに濡れている。

 
 その少女を見る青い瞳も、涙で濡れていた。


 「碇君・・・・・・眠った・・・・・・?」

 赤みがかった金髪の少女・・・・・・アスカは無言でコクリと頷く。

 「そう・・・・・・良かった・・・・・・」

 心底ほっとした声の少女・・・・・・レイはそのままアスカの横に立った。


 ここはシンジ達のいるミサトの部屋の隣の部屋のベランダ。

 シンジ達といる事がより三人の連携を強くすると判断したミサトにより、急遽引っ越させられたレイの部
屋である。

 とは言うものの、隣のミサトの部屋の廊下の端にあった仕切りは取り払われ、実質二部屋を一部屋として
使っている。

 余談だが、それでもシンジとアスカは元々の部屋で眠っていた。







 ───先にその“声”に気付いたのはアスカであった。


 同居が始まって二日目、夜中にいきなり眼が覚めたのである。

 魂の欠片を得ている事によりキリキリに高まっているアスカの感覚が、極近くの心の声を捉えたのだ。




 それは絶叫───




 正に絶叫だった。


 悲しみ、痛み、苦しみ、怒り、憤り、


 色んな感情を織り交ぜた声にならない叫びが彼女の頭を貫いたのだ。


 『シンジ?!』


 一瞬で声の主を悟ったアスカはシンジの部屋に飛び込んだ。

 そこで見たものは・・・・・・。


 半身を起こし、何かを取り戻そうとするが如く、両手を空に伸ばして絶叫している少年の姿だった。

 そしてその眼下には赤い涙が伝っている。


 絶叫とは言っても声帯を使った“声”ではない。

 心の奥から弾けだす悲鳴だった。



 呆然としていた彼女の脳裏をシンジの心の中のイメージが突き抜ける。



 ──それは、

 絆を奪われた苦しみ。身近な人を守れなかった悲しみと憤り。自分の心の弱さの為に全てを失った絶望。



 全てをなくし、心を破壊されても絆を選んだ少年の、斬り刻まれた記憶から噴き出した心の悲鳴だった。



 だが、アスカは何もしてやれない。



 何もできない。



 彼女にできた事は・・・・・・・・・シャツを脱いで素肌のぬくもりで包んでやる事だけだった。


 泣きながら、それでも優しく少年の頭を自分の腕の中の包み込む。

 “あの時代”で、自分らを失った事がこんなにも少年を傷つけ、そして苦しませている。


 その事が少女の心に突き刺すような痛みと、狂おしいほどの歓喜が満たしていた。 


 ──それだけ自分は“必要”とされているのだ。


 “あの時代”には終ぞ得られなかった強い絆と想い。

 それが腕の中にあった。

 だが、自分らに向けられた“絆”も“想い”もそれ自体が強いが故に少年を苦しめている。


 それが辛かった。

 そして痛かった。

 
 しかし、どうする事もできない。

 自分に出来る事はこうやって少年に自分のぬくもりを伝えることだけである。


 だが、それだけでシンジは落ち着いていた。


 身近に失ったと思っていた命のぬくもりを感じたからだ。


 他人のぬくもりだけで落ち着くと言う事は、それだけ欲している事でもある。

 つまりはそれだけ傷が深く大きいのだ。


 それでも、

 ───もう失いたくない。もう失わせない───

 という“今”のシンジを突き動かす理念が、心の痛みを凌駕したのである。


 少年はそのまま深い眠りにつくことができたのだから・・・・・・・・・。





 アスカが知っているだけでも、シンジの“絶叫”は今日で四度目だった。





 「今日は・・・・・・アタシの夢だった・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 「そう・・・・・・・・・」


 言葉は響くのだが沈黙は動かない。

 それだけ空気が重いのだ。


 「・・・・・・でよ・・・・・・」

 我知らず少女の唇が動く。

 「なんでシンジだけがあんなに苦しんでるのよ・・・・・・?」


 それは前からあった疑問である。


 自分だって“あの時代”から還って来たのだ。

 量産機に敗北し、せっかく掴んだ絆をズタズタに喰い裂かれ、神殺しの槍で貫かれて殺された。


 最後の瞬間まで『殺してやる』という殺意のみの心になっていた事も覚えている。



 だが、傷が無い。



 心に傷が無いのである。

 記憶は完全にある。覚えている。

 心の奥まで探られ、その凌辱行為に精神を破壊され、ムリヤリ弐号機に放り込まれてNERVを襲う部隊と
戦い、量産機の投げた剣・・・・・・レプリカの槍に頭部を貫かれた。


 全部覚えている。


 だが、トラウマだけが無いのである。

 あの狂乱の殺意の心が無いのだ。



 「・・・・・・ロンギヌスの槍で砕かれたアスカの心を、赤い海からかき集めたのはわたしと碇君・・・・・・」


 蒼銀の少女が口を開く。

 いつもと変わらない淡々とした口調で、それでいてアスカを労わるように・・・・・・。


 「その碇君が、アスカをこれ以上苦しめるような事をすると思う・・・・・・?」

 「・・・・・・・・・」


 つまりはそういう事だ。


 確実にアスカの心を潰すであろうトラウマの部分・・・・・・深い心の傷の部分のみを赤い海に置いてきている
のだ。

 アスカの心を苦しめることが無いように・・・・・・・・・。


 レイにしても、リリスの部分とその融合によって手に入れたモノを“あの時代”に置いてきている。

 だからこそ“ヒト”になっているのだ。



 だが、シンジは違う。



 世界全てと同化し、神の一部として全てと交わり、それでも現世を選んだ少年。

 母から巣立ち、誰も自分を傷付けない平坦な世界よりも、例え傷つけ合っても皆と生きていける世界を選
択した。

 皆に会う為に人の形を取り戻し、アスカを掬い取って戻って来たシンジ。

 だから、その時体験した悲劇の記憶を全て持ったまま還って来ている。


 アスカの苦しみ、レイの孤独感、ミサトとリツコの葛藤、そしてゲンドウの弱さ・・・・・・・・。


 全てを背負い込んだまま、今、シンジは生きている。

 その為に、心の鎧が無防備な時・・・・・・つまり眠っているときに心の傷が疼くのだ。


 ───血を噴きながら・・・・・・・・・───



 それが、あの血の叫びである。



 「あのバカ・・・・・・・・・その辺は“前”と全然変わんないだから・・・・・・・・・」

 手すりにもたれつつ頭を抱えこむアスカ。

 微かに震える身体が、少女が泣いている事を表していた。


 幼い時に「もう泣くものか」と誓った少女が、一人の少年を想って泣いていた。



 レイにしても悲しいし辛い。

 出来る事ならばその痛みをとってやりたかった。

 しかし、今は“ヒト”・・・・・・。

 そんな力は無い。


 それに、そのシンジの苦しみと痛みこそがシンジを強くしているのだ。


 大切なモノを失う“痛み”“苦しみ”“絶望”。


 それを知っているからこそ、最後の一歩を踏み出し、そして踏み込む力が出るのだ。


 何者の痛みをも感じる事ができる少年だからこその“諸刃の剣”。


 それがシンジの“無敵”とまで謳われる強さであり、同時に弱点なのだ。



 「これで解かったわ・・・・・・ミサトやリツコがあれだけ変わった理由が・・・・・・」

 顔を伏せていたアスカが頭を上げた。

 「あんな精神波をくらってるんだもの・・・・・・・・・変わりもするわよ・・・・・・」



 ──それは夢を見ている状態のシンジから放射されている想い。


 例えばミサト。

 初めて出来た家族、“姉”への家族としての想い。そして自分を庇って銃弾に倒れた時の心の痛み。

 “姉”を失う事の苦しみや辛さの感情の波が、シンジの持つ力である“念”によって、その対象である相
手に放射されているのだ。

 ミサトも孤独の中に生きてきた女だった。

 しかし、その心の空洞を自分に対する“家族”としての強い想いが埋め尽くすのである。

 それも知らない内に───

 だから、普段のシンジの優しい仕種、そして自分に向けられる家族としての想いとが相まって、ミサトの
心から“復讐”という二文字に拘る部分が消えていったのである。



 リツコにしてもそうだろう。

 頼るものが何も無く、ただ暴力で抱かれただけの男女関係。

 そんな中で自分の母とレイを通した“ユイ”への嫉妬心が彼女を蝕んでゆく。


 だが、シンジはその苦しさを知っている。


 自分に向けられる事のない愛情への飢えを知っている。


 その“痛み”と、何をやってもまともにこっちを向いてくれない“苦しさ”を理解しているシンジの心は、
確実にリツコに伝わっていた。

 眠りの中、無意識に発せられている“念”も相まって、リツコの心の傷を修復している。


 自分を理解してくれる存在・・・・・・受け入れてくれるものがある───と・・・・・・。


 だからリツコは“ゲンドウ”という閉じた世界から、外へと眼が向いたのである。



 この街で与えられた苦痛が、そのまま“今”のシンジの力となり、結果トウジの妹を救い、ミサトとリツコ
の心を救い、街を救っている。

 なんとも皮肉な話である。





 「・・・・・・・・・あいつを助けられないのかな・・・・・・?
 
  何の助けにもならないのかな・・・・・・・・・?

  なんでアタシって無力なのかな・・・・・・・・・・・・・・・?」


 呟くように漏れ零れるアスカの想い。

 それは本心にして、願いであった。


 自分が初めて、一人の少女として愛した相手。


 加持に向けられた“憧れ”等ではなく、その存在全てを欲した相手なのだ。

 そのすぐ傍に立てると言うのに、何の力にもなってやれない事は・・・・・・・・・苦痛以外の何物でもなかった。


 「・・・・・・一つ方法があるわ」

 「え・・・・・・?」

 思わず振り返るアスカ。

 しかし、レイの表情に変化は無い。

 「・・・・・・あの通りの筋書きにしないこと・・・・・・わたしが自爆せず、アスカが死なない・・・・・・・・・そうすれば
  その事件は無かった事と碇君は受け止め、傷の一つは埋まるわ・・・・・・」

 「・・・・・・・・・要するに・・・・・・アタシ達が欠けなきゃいいのよね?」

 アスカの眼に力が入る。

 「そう・・・・・・鈴原君の妹を助け、シャムシエル戦で二人を守り抜いた碇君は、疲れ切ってはいたけど晴れ
  やかだった・・・・・・」

 もっとも、自分も件のトウジらと共にプラグに入ってはいたのであるが・・・・・・。

 「初号機とのシンクロ率が上がっているから痛みは増しているはず・・・・・・だけど、絆を守る事ができる度
  に碇君の傷は埋まり、心も強くなってゆく・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 眼を輝かせ、アスカは身体を起こした。

 自分達が少しでも力を出せば、それだけシンジもかんばることができ、尚且つシンジの心を救う事ができ
ると解かったからだ。

 先ほどまでアスカに纏わりついていた鉛のような暗雲が消失し、変わって炎のような熱い情熱が現れる。


 ぐちゃぐちゃになっていた進むべき道が見えたのだ。


 今までの、ゴールは見えてもコースが見えない状態からやっと抜け出せたのである。


 「そっか・・・・・・愛しいアタシががんばったらシンジも元気になるって事ね♪」


 と、軽口も出る。

 流石にムっとしてレイがツッこむ。

 「ちょっと違う・・・・・・アスカは仲間・・・・・・碇君に一人の女の子として愛されるのはわたし・・・・・・」

 こうなると売り言葉に買い言葉だ。

 「何よ! そんな貧相な身体でシンジを満足させられるつもり?!」

 「・・・・・・あなたや葛城さんのように無闇やたらと胸を大きくても良いことは無いわ・・・・・・時代は美乳を求め
  ているの・・・・・・」

 「アンタ、バカぁ?! “微”乳の間違いなんじゃないのぉ〜?」

 「・・・・・・・・・何を言うのよ」

 すうっと眼が細くなる。

 「アタシはとっくに“ぬくもり”を与えてるもんね〜♪ アタシの胸の中でシンジは眠ったんだもん」

 「・・・・・・・・・」

 益々眼を細くしたレイは、いきなりパジャマ代わりのTシャツを脱いだ。

 「え・・・・・・?! ち、ちょっと何を・・・・・・」

 驚くアスカの目の前ですぽんっと下着も脱いで全裸になり、奥へと歩いてゆく。

 「ど、どこ行くのよ?!」

 「碇君のところ・・・・・・」

 「はぁ?!」

 「碇君に力をあげるの・・・・・・新しい“絆”を持つ人間を増やすの・・・・・・」

 ぽっと頬を赤く染めた。

 「そ、それって・・・・・・」

 「・・・・・・・・・子供・・・・・・・・・」

 ぽつりと出されるその答えに、先ほどまでのシリアスさはどこへやら。

 アスカは叫び声を上げた。



 「ふっざけんなぁああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!!!!!!!!!!」



 夜中に唐突に始まったシンジ争奪戦は、


 「夜中にナニ騒いでんだゴラァっ!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 と寝不足の“酒徒”が乱入してくるまで続けられるのであった・・・・・・・・・。












 当のシンジは・・・・・・・・・。


 「・・・・・・・・・みんな・・・・・・今度は守るから・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


 と、幸せな夢の中で弛んでいた。





 その晩、シンジから発せられた“念”の波動によって、第三都市の住人・・・・・・特にシンジの関係者は安ら
かな夢を見ることができたと言う・・・・・・。





 寝不足の二人の美少女と、酒徒化した美女以外は・・・・・・・・・。














 ───あ(と)がき───


 ハイ、ポコポコわいて出る竹の子作家の一人でーす(T_T)。


 兎に角、コレが前から感想のレスとかで言っていたシンジくんの弱点でした。

 某ゲーム。EVA2を作った会社のアニメにもなったシュミレーションゲーム(?)の主人公が、

 『ぽややんがいるのではありません。ぽややんになるために陰で血を吐きながら戦う少年がいるだけなの
  です(原文まま)』

 という設定なんです。

 私もそう思っています。

 軽く超人になったって、全てが全て強くなれたりしません。

 失う事を恐れないのならシンジ君ではないと思いますもん。

 現に原作でシンジ君が行き着いた先はあの赤い平坦な世界です。


 尤も、あの世界からそのまま帰還したのであればシンジ君の心はズタズタのはずですから、こ〜んな手段
(別次元の自分と心の欠片入り)とったんですけどね〜〜。

 まぁ、私もスパシン好きですから、エラソーに言えませんが・・・・・・w


 

 そろそろLASの代表作品ともいえるマグマダイバーです。

 私の作風ではどうなる事やら・・・・・・・・・。

 それでは又・・・・・・・・・。



 〜〜居残りシンジくんに幸いあれ・・・・・・〜〜


作者"片山 十三"様へのメール/小説の感想はこちら。
boh3@mwc.biglobe.ne.jp

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