THE EVARIX 作 KM

Code : 1 Boy and Girl trips to the future...

 

〜長野県、郊外の森の奥、シンジの秘密の隠れ家

 

一人の少年が深い森の奥の小さい洞穴で泣いていた。

 

シンジ「うっ、うっ・・・父さん、なんで捨てたの?僕はいらない子なの・・・?」

 

少年―碇シンジは4歳にして、母親は他界し、父親に捨てられ、預けられた先の人たちは
この少年に関わろうともしない、そんな状況を過ごし、2年たった後でもなお、こういう
風に昔を思い出し涙を流している。

 

シンジ「僕はどうしたらいいの?もう死んだほうがいいのかな・・・母さんの所に行ったほうがいいのかな・・・。」

 

そして、森の茂みから一人のサングラスをかけた男が出てきた。

 

レオン「碇シンジか?」

 

シンジ「!誰?」

 

レオン「俺は・・・本名は無いから、レオンと呼んでくれ。ところでシンジ、強くなりたいか?」

 

シンジ「何でですか・・・?僕は・・」

 

レオン「君は真実をしらない・・・。どうだ?俺と一緒に来るか?鍛えれば悲しい事も起こるが、誰かを守る事も出来る。」

 

シンジ「・・・でも、僕には守るべき人はいません。」

 

レオン「これから作ればいいだろう。大丈夫だ。どうする?」

 

シンジ「・・・・わかりました。これからよろしくお願いします。」

 

そして、僕は何かの薬を呑み、機械を頭に付け、気を失った。

僕の戦いはココから始まったんだ。

 

〜ドイツ、ミュンヘン郊外

 

今日、ママは死んだ。

 

ママは仕事に没頭して、まったくアタシとは関わってくれなかった。

遊んでもくれなかった。

夜、遅くに帰ってきて、朝早くにでる。パパは出張でずっと家にいなかった。

アタシはずっと独りだった。

 

そして今日、ママが首を吊って死んでいるのを見つけた。

悲しかった。とても、寂しい気持ちと悲しい気持ちが合わさったようなそういう気がした。

 

明後日に葬儀があるけど、パパはやっぱり帰ってこない。

そして、アタシはある人と出会った。

 

アスカ「さっきからつけ回しているのは誰?誰なの?」

 

そこにはサングラスをかけた女がいた。

 

リノア「私はリノア、アナタは惣流=アスカ=ラングレーね。」

 

何故、あたしの名前を知っているの?

 

アスカ「なんで、アタシの名前を知っているの?」

 

リノア「私はアナタを探していたの。今から話す事は全て事実だし、これから私たちの手伝いをして欲しいの。」

 

そして、アタシはマトリックスの全貌を聞かされた。そして、これからアタシがエヴァンゲリオンと呼ばれる
ロボットに乗らされる事も。そして、それは結果的にサードインパクトと呼ばれる、人類がほぼ全滅すると言う事も。

 

リノア「そのうち、サードチルドレンと呼ばれる少年、碇シンジもすでに私の仲間が連れて行ったわ。だから、
アナタにも来て欲しいの。」

 

アタシも役に立てたい。サードインパクトを起こしたくない。

 

アスカ「アタシはやります、アタシとシンジって奴で、できるなら。」

 

アタシは粒状のクスリと何かの機械を頭に付け、気を失ったの。

 

そして、アタシとシンジは未来、2025年の世界、赤い、血の匂いがする海の残る未来に来た。

はじめ、アタシは何か、変なコードがたくさん体に付いていた。そして、それは勝手に外れて行った。

コードが抜かれるときに凄い痛みが体に走り、アタシは気を失った。

 

次に気が付いたら、アタシは何かの寝室にいた。もっとも、それは簡易ベッドみたいな物で、寝心地はよくは無かった。

 

アスカ「ココは何所?」

 

すぐ隣に人が寝ていた。その人は起き上がったが、その人を見たとき、不思議な感じがした。

アタシが成長したらこうなるであろうと思えるような容姿をしていたからだ。もっとも、目は赤い眼だったが。

 

リノア「あ、アスカ気が付いたのね。」

 

アスカ「リノア?リノアなの?」

 

リノア「そうよ。私はリノア。そういえば、ここは・・・」

 

と言いかけた時、2人の男、1人は東洋風の少年で、1人は少年の赤い眼を除いて、成長したらこうなるであろう
という感じの大人が部屋に入ってきた。

 

レオン「お、アスカが気が付いたのか?」

 

誰なの・・・?アタシは困った表情を浮かべていると、

 

レオン「あぁ、スマン。俺の名前はレオン。ここの管理者だ。あと、ココはNERV本部だった場所だ。リノアから聞いてるだろう?」

 

ネルフって確か、エヴァを保有している地下にある組織よね。

 

シンジ「僕は碇シンジ。これからよろしくおねがいします。」

 

そういって、シンジは微笑んだの。アタシは多分、この時からシンジの事が好きになったんだと思う。

あの微笑みは反則よ。

 

リノア「あら?もう格闘訓練が終わったの?」

 

レオン「さっきシンジとヴァーチャルワールドの道場で格闘訓練したけど、とても6歳児とは思えない速さで動いていたぞ。」

 

リノア「へぇ〜凄いじゃない。シンジ君、初めての訓練どうだった?」

 

シンジ「えぇ、体が軽かったですね。このまま鍛えれば強く慣れるかもしれないです。」

 

レオン「できるさ。(昔の俺だからな。)」

 

アタシは少し不安になった。アタシはまだココに来たばかりだ。なのに、もう用済みになるのかと思ってしまい、体が震えた。

 

レオン「アスカ、不安がるな。アスカもできるさ。女の子は飲み込みが早いからな。」

 

リノア「レオン、それって私の事かしら?」

 

レオン「そ。まぁ確かに、リノアのようにすぐには無理だが、割と早く慣れると思うぞ。」

 

アタシはその後、格闘知識や、ありとあらゆる攻撃、防御方法をヴァーチャル世界で覚えた。

ただ、こういう風になった今までの経緯をヴァーチャル世界で見せられ、アタシとシンジは戦慄した。

 

〜その夜、アスカの部屋

 

僕とアスカはこれからの方針を立てていたんだ。

僕はこれからレオンさん、リノアさん、そして、なによりアスカを信じる事にした。

そして、2人で絶対にサードインパクトを防ぐ事を決意したんだ。

 

〜同刻、レオン&リノアの部屋

 

リノア「過去の自分を巻き込んでまでこんな事をしなくちゃいけないなんて・・・シンジ、私たちは正しかったのかな・・・?」

 

レオン「アスカ・・・アスカの気持ちはわかる。だけど、俺たちはこういう運命にある。だからせめて、
あいつらの手で歴史を変えられればいい。俺たちはそのために呼んだんだからな。それに、今の俺はレオンだぜ、アスカ。」

 

リノア「それを言うなら、私だってリノアよ?」

 

レオン「あははw そうだな。もう、俺達は負けない。そして、あいつらは幸せになる権利がある。」

 

もうシンジとアスカを、あの勝手な大人たちに利用されないようにするのが俺とリノアの役目だから・・・。

ゼーレやアイツの思惑通りにはさせない・・・。

 

続く


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